2017-07-17

経営者は「スーパーエンジニア定義が違う件」の記事を1000000回読め

先日こんな記事話題になっていた。

俺はまさに弱小ベンチャーで働く「何でも屋」のエンジニアだが、普段感じていたモヤッとした気持ちをこの記事ドンピシャ突いている。

 

スタートアップベンチャースーパーエンジニアを求めるけどエンジニア界隈と起業家界隈で想像しているスーパーエンジニア定義が違う件】

http://htanaka0828.hateblo.jp/entry/2017/07/11/220141

 

IT系ベンチャー経営者またはこれから起業しようとしているやつはこの記事を1000000回読めと言いたい。

愚痴りたいことは山ほどあるが、特に言いたいことは次のことだ。

 

なんでも屋を当然だと思うんじゃねぇ!

俺はサーバ構築もする、サーバアプリも作る、クライアント側も作る、簡単ものならデザインも作る。

まりさなシステムなら1人でまるごと作れるわけだ。

 

でもそれは俺がたまたまそうなだけであって、大抵のエンジニアはそうじゃないわけ。

それを理解せず、フリーランスに開発を依頼しては「この人はAndroid開発しか出来ないから駄目だね〜」とか、何を言っているんだと。

 

その人が駄目なんじゃなくて、俺がすごいの!!!

 

いや、ごめん、うそ

本当は俺はそんなにすごくない。

何かに特化している人の方が、その分野においては優れていることが多い。

どちらがすごいとかじゃなくて、スキルセットが活きるシーンが違うだけ。

 

ただ、傍から見たらiOSだけの人は「駄目」に見えるらしいね

専門外の人はそう思っていても当たり前だが、でもITベンチャー経営者プロ側の人間からな?

 

なんでも屋じゃない人の方が多いんだから、チームを組んで開発しないといけないわけで、そこら辺のヒト・モノ・カネを何とかするのが経営者の役目だからな?

 

2人に増えれば2倍、3人なら3倍の開発スピード!!じゃねぇぞ

SI人月の話に近い感じもするが、ここで言いたいのはそういうことじゃない。

言いたいことは「エンジニアは1人でなんでも出来ること前提」に話を進めるな、ということだ。

 

そうだな、俺がこれから起業するやつの脳内エスパーしてやる。

 

夢追い人の脳内

画期的アプリリリースするためにエンジニアを1人雇おう!まずはスモールスタート!でもスケジュールによっては2〜3人必要だな!」

 

どうだ?大体こんな感じだろう?

まずこの妄想は3つの過ちを犯している。

 

1.アプリ開発のために"1人"雇う

この妄想は"1人雇おう"の時点から間違っている。

アプリは1人では作れない。

(正確には1人でも作れるが、それは小規模なアプリだ。きっと夢追い人の妄想の15%くらいしか満たせないだろう。)

 

iOS開発者Android開発者サーバアプリ開発者インフラ担当、最低でもこれだけ必要だ。

1人で何役か出来たとしても、全て出来る人は少ない。

それでも1人目エンジニアは専門外の技術勉強しながら頑張るだろう。

 

するとどうなるか?

進捗が思うように進まず、リリース延期、またはひどい品質アプリ誕生するのだ。

 

2.それはスモールではない

一般的な開発案件でもそうだが、素人が言う「ちょっとしたアプリ」はちょっとしていない。

 

夢追い人の発言

「まずは最低限の会員管理投稿機能だけあればいいよ!」

 

この発言には注意が必要だ。

なぜなら、この発言には以下の機能が含まれからだ。

 

Push機能(言っていないけど入っていて当然だよね!)

ブラウザアクセスできる管理機能(言っていないけどry

メール通知系機能(言っていないけどry

全文検索機能(言っていないけどry

バックアップ機能(言っていないけどry

・問い合わせ機能(言っていないけどry

・各種設定機能(言っていないけどry

・1秒以内の快適なレスポンス(言っていないけどry

・完全無敵のセキュリティ対策(言っていないけどry

etc(言っていないけどry

 

そもそも開発者でもない者がなぜ「ちょっとしているかどうか」を判断できると思っているのか。本当に不思議だ。

上記を理解しているのなら問題ない。

しかし、もし理解していない場合、それはリリースの延期、またはリリースできずにコケることになるだろう。

 

3.人を増やせばスピードアップ!ではない

そもそも1人で全てできるわけではないということは前述の通りだ。

まり開発には役割分担があり、全ての役割網羅されるように人員を配置しなければならない。

そのために2〜3人必要、ということならば、正しい考え方だろう。

 

家を建てる時、大工100人いれば半年で家が建つか?

建たないだろう。

設計する人、建材を用意する人、監督する人、その他諸々がチームとして必要だ。

 

じゃあチームを5セットに増員したら、工期は1/5になるか?

ならないだろう。

人が増えればコミュニケーションコストも掛かる。

それに、現場に過剰な人がうじゃうじゃいても邪魔なだけだ。

 

作りたいものを早く作りたいのであれば、そのために適切な人員配置必要なのであって、大工だけ雇っても完成しないし、人を増やせば良いということではないのだ。

 

まとめると

ITを飯の種にする経営者は、もっとエンジニアのこと、開発のことを理解してくれ。

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