2015-08-31

[]よくある質問

今回は受け関連。

真面目に答えず、出来る限り嘘と虚構を織り交ぜて答えていきたい。

Q.ドラマであからさまなBGMを流したり、コメディとかで笑い声を入れたりすることで、視聴者誘導するやり方は陳腐だと思います

作り手の意図メタ的に読み込む観方は、間違ってはいないが本質を見失うぞ。

もう少し別の視点で観てみよう。

物語の何で笑い、どこで泣くか、仮に正解があるとすればそれを決めるのは作り手だろう。

みんながみんな、生まれからすぐに物語受け手として自己確立しているわけじゃない。

そういう人たちに物語を感じてもらう場合、それを導いてくれるものがあればありがたい側面もあるんじゃないかな。

そういう意図をもろもろに、「演出」というんだと私は解釈している。

受け手として成長し、舌が肥えた君のような客には粗末に映るかもしれないが。

だってそういうもの受け手として成長させられてきただろう。

そもそも、受け手評価というのは普遍的ではない。

世界話題になった名作が、過剰な売り込みでウザがられたり、作品のものは変わらないのに印象は変わる。

同じ受け手でもね。

やはり環境というもの大事だ。

一緒に笑ったり泣いたりする観客が近くにいれば、自分安心して笑ったり泣いたりできる。

周りの人たちはどんな感想を? あの評論家はどんな批評を?

そういうのが気になったりした経験はあるだろう。

そして、周りの影響を一切受けずに作品享受できる自信が本当にあるのかい

善悪の話をしているわけじゃあない。

皆が皆、受け手として確固たる自己確立できるわけではないのだよ。

番組だってそうだ。スタジオに観客がいる撮影方法がいまだ健在なのはそのためさ。

それら演出がなくなるときがあるとすれば、全ての人間がそれぞれ受け手として自己確立することを要求されるときだろうね。

まあ、もちろんそういう演出ゴリ押しが酷くて、台無しになることもあるだろう。

よってそういう「演出」は有益ではあるだろうけれど、不公平でもあるわけだ。

それらの選別は私が決めることじゃあないがね。

Q.「バケモノの子」のウィークポイントととして、心情や行動をほとんどセリフにするのがよく挙げられますが、何が問題か詳しくない僕に教えてください。

物語メタから見たとき登場人物たちの行動には何らかの意味がないといけない。

もしそれらが他の演出描写で分かるのなら、それを登場人物が喋るのは蛇足になるのさ。

もちろん受け手によって蛇足かどうかは異なる。

学ぶべき教訓はこうだ。

蛇足と駄作は紙一重」

一応擁護しておくが、言語化してそれをアウトプットするということ自体はとても大事なことだ。

細田守氏の作品以外だと、クリストファー・ノーラン作の「インターステラー」が最近映画の中ではいい例かな。

ウルフに再会できるかもしれない。その小さな可能性が私をかき立てる」とかを筆頭に、登場人物が心情描写を正確に語りすぎていて逆に笑ってしまうかもしれないな。

クリストファー・ノーランは、こういう心情描写登場人物に細かく語らせたがる癖がある。

そこに着目しながら、彼の他の映像作品も色々と観てみることをオススメするよ。

Q.いい映画評論家を見分ける方法はありますか。

良作と駄作両方を評論していて、かつ良作判定にした作品評論文がいかに巧みかだ。

私がいうのもなんだが、駄作がなぜダメかを説明することは、良作で何が良いかを説明することより遥かに簡単だからな。

駄作の評論ダメな要素の共通イメージを持ちやすいため、後はそれを如何に面白ディスるかに注力できる。

それ自体は、そういうものを期待している読み手もいるわけだから構わない。

だが、そうやって面白い駄作の評論を書いている人が、いざ良作判定のもの評論すると、途端に稚拙になるというケースは非常に多い。

なので、私は良作の評論も巧みな人こそ「いい映画評論家」だと思うね。

良いものを良い、悪いものを悪いと言うだけで評論が成立するなら一般人が各々でやればいいのであって、評論家なんていらないのだから

一応、釘を刺しておくが、映画評論家はもちろん映画を観ているが、読み手の君だって観る(観た)こと前提で語っているからな。

私の言った意味は、クリスファー・ノーラン作品みたく正確に語らなくても分かるよな?

まあ、もし君が他人評価作品への印象がコロコロ変わったり、シンパシーの合う評論だけを読んで喜々する人間でなければ、の話だが。

……おっと、仮にそうだとしても責めているわけではないからな。

大多数は、外から何らかの影響を受けている。

市民ケーン」が放映当時は酷いバッシングを受けていたというのは有名だな。

是非はともかく、モノの価値は時に環境が大きく起因するのさ。

私としては評論もまた「コンテンツの楽しみ方の一環」だと考えているが、それで個人が本質を見失うようなら勿体無いとは思うよ。

大事なのは、個の価値観権威なんて持たせないよう各々が努めることなんじゃないかな。

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