2023-08-30

被害者独り言

ジャニーズ報道を見ると動悸が早くなって胃の中が全部逆流しそうになる。

その理由は単純で、自分性的被害と人にしてしまった加害を同時に思い出して心臓が締め付けられるように痛くなるからだ。

被害者面だけしたいわけではないので、先に言ってしまうが、自分性的加害者でもある。

相手は妹みたいにかわいがっていた2つ年下のいとこで、親戚同士のお泊まり会ときに寝ているところを触りに行った。

生々しい描画がしたいわけではないので詳細は省くが、直接触ろうとして下着を少し下げたところで目が覚めそうになったので、慌てて部屋から出ていった。

その時は自分兄弟含め何人もの親戚が泊まる会だったのでおそらくは特定されることはなかったと思う。

その後もたまにあったりしたときはやはり兄妹みたいな関係でいられたので、そんなことを少しずつ忘れつつあった。

それから20年ほど会わない時間があったのだが、その子父親が亡くなったという話を聞いて、葬儀に参加することになった。

その時自分はすでに結婚していて子供も二人生まれていた。結婚式はやらなかったので親戚にはハガキで報告を送った程度だった。

の子母親自分母親の妹にあたる。

葬儀が終わってからも母と妹の話は終わらず、しんみりとした雰囲気の中でうちの子供達だけが騒いでいた。

すると、妹みたいだったいとこが子どもたちと遊びながらふとした瞬間に手を止めて泣き出してしまった。

どうしたのか聞いてみると、父親自分の子供を見せられなかったことが悲しくなってしまったのだという。

の子母親も、亡くなった夫に孫を見せてやれなかったことが本当に悔しいと一緒に泣き出した。

そんなところに子供を連れてきてしまたことを少し後悔した。

少し落ち着いてそういえば結婚はどうしたのか聞いてみたところ、「じつは、〇〇ちゃん増田名前)は大丈夫なんだけど、、、」という枕詞とともに自分男性恐怖症であることをこちらに告げてきた。

はっきりとした理由は言わなかったけど、親戚を含めて自分以外の男性が怖いのだという。

今回の葬儀についても遠回りに自分以外の男のいとこは参列を断っていたという。

その瞬間、それまで忘れていた自分がしてしまたことがフラッシュバックのように思い出された。

それはつまり自分性的加害をその子にしてしまたことが原因で男性恐怖症になり、今日今日まで苦しみ続けていたということではないか

いとこが泣いているのも、母親が泣いているのも、全部自分のせいではないか

それなのに加害者である自分けが許されているとはなんておかしな状況なのか。

今頃あの世ですべてを知ったこの子父親が、どんな形相でこちらを見ているのかを想像しただけで背筋が凍る思いだった。

すべてを白状して懺悔したい気持ちが、自分だけは信じつづけてきたこの子真実を突きつけてしま残酷さに負けてしまった。

保身と言われればそれまでだが、真実を知ってしまうことが今更傷を深くえぐり返してしまうことのように思えてできなかった。

ここから言い訳になる。

自分性的被害にあったのは小学校5年生のときに、民間キャンプ体験合宿に参加したときのことだった。

インドア自分に対して、仕事で忙しかった親が夏休みに無理やり参加させたもので、同年代の子10人くらいが、30歳くらいの優しい男性インストラクターに色々と教わりながら自然体感する教室だった。

キャンプ体験自体はとても楽しかった。

悪いことをしなければ怒らることもなく、みんなで料理を作ったり自然に囲まれテント眠るということ自体が新鮮で楽しい経験だった。

2日目の夜、尿意を感じて夜中にふと目が覚めると隣にインストラクターが横たわっていた。

その片手が、自分下着に入れられて股間を直接触っていた。

自分が何をされていたのかの自覚はなく、なんとなく嫌だなと思いながらも「トイレに行きます」といってその場を離れた。

戻ってきたときにはすでにインストラクターはその場にはいなかった。

これが性的被害だと気づいたのはずっとあとのことだ。

今にしてみれば思い出すだけで背筋がぞわっとするほどの嫌悪感がある。

ただ、そのことは自分にとって歪な形での性の目覚めとなった。

一つは尿意によるもの快感によるものかわからないながら、勃起してしまった自分への戸惑いが強く残ることになった。

同性愛者を差別するつもりはないが、自らが同性に対して性的な何かを感じることに猛烈な嫌悪感と恐怖を覚えるようになってしまった。

今に至るまで、男性恐怖症(男性過敏症)は解決されないままでいる。

もう一つは、性的欲求解決手段として、「寝ている相手を触る」という行為が強烈に印象付けられてしまった。

あの瞬間に印象づいたわけではなく、思い返し疑問を反芻している間に塗り重ねられるように刻まれていったのだと思う。

そして、自分性的加害へとつながってしまった。

自分はいとこのことが本当に好きだった。

それは自他ともに認めることで、それが恋愛感情であるのか、兄妹間による愛情であるのか、長女であるいとこにも、末っ子である自分にも分からなかった。

相手がどうかはわからないが、小学生くらいまでの間のことでありながらも自分には命と同じくらいに大切な存在だった。

それが一切の言い訳にならないどころか、それなのにどうしてそんなことをしてしまったのか自分でもわかっていないというのが正直なところだ。

全ては想像力の欠如であったのだと思う。

好奇心に負けてしまったというよりは、たまたまできる環境が揃ってしまったところに、されたことがある人間がいただけのことなのだと思うしかなかった。

ただ、本当に、本当に今では後悔しかない。

自らを呪い殺したい気持ちばかりが頭を支配している。

ジャニーズ報道を見るたびに、そのことが思い出されて心臓が締め付けられる思いがする。

自分への性被害がなければいとこへの性被害がなかったかどうかはわからない。

そればかりは本当にたらればで、だからそのことについて性的加害者を責めるつもりはない。

それどころか、もし自分への加害がなかったらという思いが持ち上がろうとすると同時に、そんなもの相手への加害の言い訳になるわけがないという鉄槌が下るのだ。

加害者なのだから苦しんで当然という言葉が、いつでも自分を苦しませてくる。

それを当然のことと受け入れなくてはならない苦しみから逃げることはできない。

自分はこのことが原因で男性恐怖症になった。

学生時代同級生との関係をうまく築くことができずに孤立してしまったし、未だにゲイホモセクシャルに対する直感的な嫌悪感払拭できないままでいる。

思春期を迎えて、されたことに対する意味理解できるようになればなるほどその考えは強くなった。

そんなことさえ、いとこのことを男性恐怖症に陥らせておいて言えることではない。

わたし被害は、自らの加害によって全てが甘じて受け入れざるを得ないものへと変わってしまった。

断じていうが、それ以降自らが痴漢行為に手を染めるようなことはない。

される側の辛さを知っているつもりだし、それによって人生がどのように狂ってしまうのかも知っているつもりだ。

そんなことを考えているときでさえ、狂わせた側としての責任という鉄槌が脳天に振り下ろされ続けている。

ジャニーズ報道を目にする度に、自らの責任によって脳天への鉄槌が繰り返され続けている。

報道を止めてほしいわけではない。

ただ、被害者数百人という数字を巨悪を叩くだけのエンタメで消費しないでほしい。

繰り返すが、自分の加害を擁護するつもりは一切ない。

その上で理解してほしいことは、ジャニーズの最も醜悪な点として被害者を共犯関係にさせている点にある。

ただ単純に、一人の大人から数百人の児童被害を受けていたと言うだけの話ではないのだ。

彼らは「アイドルとして成功したい」という正義のもとに、黙認や通過儀礼という解釈による加害の助長を担わされていた。

それが分別のつかない年端も行かぬ年齢の頃から組み込まれるように作られていたと考えれば、その仕組みのあり方がどれほどおぞましいものかわかってくると思う。

大人であれば立ち止まれものであり、大人になれば後悔するようなことを、信じてる大人にやらされていたのだ。

彼らは被害であると同時に加害者である

そのことが今まで被害を表沙汰にしなかったし、ジャニー喜多川氏はそれを理解した上で、分別のつかない年齢の子供だけを集め続けてきたのだろう。

金に目がくらんだ親さえも巻き込んで。

それはもう端的に言って地獄だ。

どれだけ表向きに眩しいエンターテイメントを演じていても、その土台に埋もれているもの地獄すぎる。

今回の一件が巨悪を叩くエンタメで終わってしまえば、さらなる地獄が地層として積み重なるだけになってしまう。

そんな地獄地獄を生む呪い連鎖を断ち切るためには、一つ一つのケースと向かい合い、絡まりあった被害と加害を解いていく必要がある。

少なくとも、今のままただ単に巨悪を叩けば叩くほど、少しでも加害に手を貸してしまった被害者の心の傷さえもえぐっていくことを理解してほしい。

もちろんそれがあなたにとっての正義だというならば好きにすればいい。

自分天国に昇っていく家族を、一人地獄から見送る覚悟ができている。

そんな辛い覚悟を、ただただアイドルを目指したかっただけの少年たちに背負わせていいとは到底思えないのだ。

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  • 性被害者の独り言[増田]長い読まない2023/08/31 06:01<script src="https://b.st-hatena.com/js/comment-widget.js" charset="utf-8" async></script> こういうコメントってどういう動機で書くん...

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