2021-10-18

慶應SFCジェンダー平等についての声明文がひどい

この文章は、慶應湘南自治会が十一月に行われるSFC生総会の議題の一つとしてあげた「ジェンダー平等についての声明文」に関して、それまでの流れを簡単にまとめ、批判することを目的としたものである。多くの人に読んでもらうために煽るようなタイトルにしてしまたことを先に謝っておく。

まず、湘南自治会の始まりに遡って話を始める。SFC(湘南藤沢キャンパス)に自治会ができたのはつい最近のことである。(自治会準備会のほうは長く準備されていたように思うが)

いわゆる本キャンの方にはずっと昔からあったのだが、SFC自治会は今年の夏あたりに、賛成221票、反対14票で承認され成立した。総合政策環境情報学部生だけで4000人近くいるので、SFC生の関心度がどれくらいだったか、という部分に関しては数字で察して欲しい。もちろん、こんな文章を書いているくらいなので増田投票したのだが、まさかここまでの数字になるとは思っていなかった。世界未来を語っておきながら自分たちキャンパスのじちに関してここまで無頓着というのは恥ずかしすぎる。

SFCに対する愚痴はこの辺りにして、今回の「ジェンダー平等についての声明文」を見ていきたいと思う。

https://docs.google.com/document/d/14S5q-AGOPt_Utp4DWpChxTfTrpBA_73rZ08agTzsYK4/edit

上のリンクが、湘南自治会によって出された声明である

これに対して、あるSFC生がnote危険性を指摘してくれている。

https://note.com/ya2020sfc/n/nf14ebe8b9113

データの偏りであったり利活用であったりの話はnoteに書いてある指摘の通りかな、と思う。安宅研の方らしいので、その分野に関しては増田よりもよっぽど精通していると思うし。

なので、そこら辺は簡単に触れるだけにしておく。

まずは議題の概要の部分から

『本年9月から10月初頭にかけて弊会が実施した「キャンパス生理用品設置にかかるアンケート」では、SFC以外の学部生を含めて161名、SFCだけでも155件の回答がありました。本調査は、弊会が取り組む生理用品の設置に向けた実態需要調査することを主眼に置いていましたが、回答の分析の結果、SFCにおいて、「ジェンダー平等実現」を念頭においた行動が必要だと結論づけられました。』

キャンパス生理用品設置にかかるアンケート」は、主にツイッター上で行われたものであるそもそも、この161人という回答者グループには大きな偏りがあると考えられる。なぜなら、このアンケートリンクが貼られた湘南自治会ツイートは、現時点(10/18 13時)で81のいいねと57RT程度のインプレッションにとどまっており、SFC生に広く届いているとは言えないかである。それ以前に、このようなアンケート時間を割いて回答する層というだけでもバイアスが大きい。というかもう確認できないのだが、アンケート設計自体が適切だったのか、という問いもある。

そういった問題を孕んだアンケートのみを根拠としたこ声明文が、あたかSFC生の総意であるかのように執行部に提出されることは危険、としか言いようがないのである

さらに、草案の内容にも不適切と思われる部分が多い。

【現状批判 Criticism】

わたしたちは、現在SFCにおいて、次に掲げるジェンダーに関する問題があると評価する。

性別に基づく不平等存在している。

これらの不平等に対し、多くのSFC生は関心が無いか、あるいは気づいていない。またこのことから学生以外のSFC関係者においても同様の状況である推定できる。

世界共通の課題という重要性にも関わらず、ジェンダー主題とする授業及び研究会が無い。

性にまつわる理解、受容、共存共栄人権意識について知る機会が不足している。

上記のようなSFCの諸問題について、専門に検証改善を施す公式の仕組みが存在せず、それゆえにSFCにおける潜在的ジェンダー問題発見ができていない。

以上の諸問題連鎖し、SFCの現状を作り出していると考察する。

要望 Demands】

わたしたちは、この目標を実現するべく、慶應義塾大学総合政策学部環境情報学部に対し、次に掲げる事柄要望する。

ジェンダーに関する学問的知見を生み出し、社会還元することを目的に、SFCにおいてジェンダー研究する場を創設すること。

前項に掲げる研究の場を主導することを目的に、相応しい研究者を配置又は雇用すること。

ジェンダーに関する教養提供することを目的に、ジェンダー主題とする授業を開講すること。

ジェンダーを含む人権に関する基礎教養提供することを目的に、心身ウェルネス総合政策学・環境情報学その他の適切な必修科目において、同内容の授業を組み込むこと。

SFCにおけるジェンダー平等の実現状況を検証改善することを目的に、同内容を所管する委員会指定または設置し、毎年SFCジェンダー平等の現状を資料化したうえで改善を施すこと。

上記要望を実現するため、湘南自治会ジェンダー平等特別委員会と共同で取り組むことを歓迎する。同内容は、学生教職員との対話のもとに順次実現されることを企図するものである

なお、看護医療学部政策メディア研究科、健康マネジメント研究科においても、各学部研究科の事情を勘案しながら同様の目的に適う措置を講ずることを希望する。

増田の考える問題点は以下の2つである

SFCジェンダー問題に関する無理解・無関心の要因を無知であると断定している点

執行部に対する要望が、ジェンダー問題解決するための施策として適切とは言えない点

①について

根拠となるデータ公平性が不確かであるにもかかわらず、ジェンダー平等存在し、解決に向けた取り組みが行われていないことを断定しているだけでなく、その要因を、SFC生がジェンダー問題に関して無理解・無関心であると言う推論で片付けてしまっている。少なくとも、SFC全体のデータとして適切である量のサンプルを集め、十分な分析を行なってから提言を進めていくべきだと考える。必要であれば、専門知識を持った教授なり学外の専門家なりに教えを乞うことも検討すべきである

②について

ジェンダー問題に関して学ぶ場所SFCにないから作れ、と言う簡潔かつ横暴な要望であるSFC問題存在していて、それを解決するためにはその問題について学ぶ必要があるから、新しい先生を呼んで授業や研究会を作ってくれないと困る!と言う話が成り立つのならば、今後大変なことになるだろう。行動計画にあったような自主勉強会をまずは発足すること。そこから少しずつ、ジェンダー平等への取り組みを学生主体で行っていく。こういう地道な活動を続けていくことでしか、今までずっと持っていた考え方を変えることはできないし、キャンパス全体の意識を変えてくことはできないと思う。

ジェンダー」というテーマは、どこまでもデリケートに扱うべきものであるし、謙虚勉強を続けていかなければいけないものでもある。

声明文を読む限り、自治会メンバーも性にまつわる理解、受容、共存共栄人権意識についての勉強が不足しているように思える。

ジェンダーに関する活動話題になりやすいのはわかるが、プロセスを軽視しているし、目的手段が入れ替わっている感じが否めない。

湘南自治会は、一定権利を持つ大学公式団体であり、適切な知識を持つ第三者を介入させながら、慎重かつ適切に議論を重ねていくべきであると思う。

増田もまだまだ知識が不足しているとは思うが、ジェンダー勉強しているひとりとして、自治会ジェンダーモラルについて散々批判にもならないようなお気持ち表明をしてしまった。

総会での質疑や請願等で、今後意見は直接伝えていくつもりである。長くなったが、放っておけばいい話題に喜んで首を突っ込み、壮大に騒いで物事を大きくしたがるのはSFC生の悪い癖なので許して欲しい。

  • 細かいディテールの部分にどうこう突っ込むだけなんだから、世の流れとしてしょうが無いって暗に認めてるんだろうね。

    • 細かいところもそうだけど、湘南自治会の体質自体を問題視してるってことでしょ

    • 細かいディテールの部分にどうこう突っ込むだけ これと対極の行動ってなんだろう?「抜本的に否定する」ということが理屈としては浮かぶけど具体化ができない。旧2chの人達みたい...

  • 女子大を合併してジェンダー論の分野の先生を学科が作れるレベルで抱えるのがいいと思う。

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