はてなキーワード: ホエールキャプチャとは
調べてみたら意外といなかった。
「三冠馬に2回以上勝った馬」は割といるけど,「2頭以上の異なる三冠馬を破った馬」はそんなにいない。考えてみればそれはそうで,同じ時代に2頭以上の三冠馬がいなければ成り立たない記録なので,たとえばナリタブライアンに勝った馬が他の三冠馬に勝てる可能性はほぼなかったわけで。
そういうことで以下で「2頭以上の三冠馬に勝った馬」を挙げてみる(三冠牝馬も含む。また,「先着した」ではなく「レースに勝利した」に限った)。
1頭目はカツラギエース。1984年のジャパンカップでミスターシービー・シンボリルドルフの両者を破っているが,実はその前,1984年の毎日王冠で三冠達成後初戦となったミスターシービーを破っている。
2頭目は言うまでもなくアーモンドアイ。自身がそもそも三冠馬である。2020年のジャパンカップでコントレイル・デアリングタクトを破った。
ここでは「三冠達成後に破った馬」のみを対象としたけど,三冠達成前も含めるならホエールキャプチャが入る。同馬は2012年にヴィクトリアマイルでアパパネを破っているが,実は2010年の芙蓉ステークスで新馬戦に勝ったばかりのオルフェーヴルを破っている。
現時点で現役で,この記録を達成できそうな競走馬は以下。
2021年の大阪杯でコントレイルを破っているので,デアリングタクトを破れば達成。
2021年の天皇賞(秋)でコントレイルを破っているので,デアリングタクトが出走している今日の宝塚記念で優勝すれば達成。
先日のヴィクトリアマイルでデアリングタクトを破ったので,今年スターズオンアースが三冠を獲った後彼女を破れば,あるいは来年度に誕生した三冠馬を破れば達成。
1998年から2021年までのデータをもとにした世代別GI勝利数まとめ。
2000年にジャパンカップダート(チャンピオンズカップ)、2006年にヴィクトリアマイル、2017年に大阪杯が追加。
「平均」は単純に勝数を頭数で割った数。
最もGI勝数が多いのは2015年生まれ「18世代」の25勝。
芝GI最多勝利のアーモンドアイの存在はもちろんだが、とにかくGI 1勝馬が多い。
勝数25、頭数16、どちらの数字もぶっちぎりの史上最多である。
そのぶん1頭あたりの勝利数は低めで、アーモンドアイ以外はやや小粒な印象もある。
しかし「世代」として最強だったのは間違いのないところだろう。
次にGI勝数が多いのは2009年生まれ「12世代」の19勝。
牡馬はGI 6勝のゴールドシップ、牝馬は7冠牝馬ジェンティルドンナが代表格。
さらに中距離では国際レーティング1位となったジャスタウェイ。ダートではGI 10勝のホッコータルマエ。
春天連覇のフェノーメノ、VM連覇のヴィルシーナとストレイトガールと、多士済々のうえにGI連覇が多い。
98世代が「競い合って強くなった」なら、12世代はそれぞれの得意条件で活躍していたという感じだ。
ウオッカとダイワスカーレットという宿命のライバルが鎬を削り、牝馬最強時代の開幕を告げた世代である。
圧倒的な女傑に率いられつつGI 1勝馬が多いというのは18世代と似た傾向かもしれない。
オールドファンから支持の厚い98世代は意外にも勝数はそこまで多くない。
関連:https://web.archive.org/web/20181105153258/http://www.geocities.jp/right009/keiba.generation.htm