はてなキーワード: ファンドオブファンズとは
そのうち日銀ファンドオブファンズ(中身はETF)が発行されて大人気になるぞ
(anond:20190601003304 の続き)
ところで、株式会社が倒産したらどうなるか。株券は紙くずになります! もっとも今時の上場会社は株券が電子化されているので、電子の藻屑となると言った方が良さそうだけどね。そこまで行かなくても、業績が悪化すれば人心は離れていき株価は下がるし、当然配当金なんかも出ない場合が多いだろう。そうすると諦めて株を売って損失を確定させるか、含み損を抱えたまま塩漬けにするか。このように個別株というのは面倒だしリスクも大きいし、個人で買える範囲だとリスク分散してたくさんの会社の株を買い、適切の売買していくというのはなかなか難しい。
あとは、どの株を買うか選ぶのも難しいよね。もちろん上場会社の情報は広く公開されていて、誰でも見られるようになっているから、頑張って勉強して読みまくれば良い会社は見つかるかもしれない。とはいえ、資産運用なんて趣味か仕事じゃ無ければ普通の人がわざわざ時間をかけてやるものじゃない。そんな時間があればアニメ見てるよね!
そこで登場するのが投資信託 (投信/ファンド)。これは信託の一種で、投資家 (委託者かつ受益者; 個人も含む) がお金を出して、運用会社 (受託者) が良い感じに運用してその利益 (損失) は投資家に帰属する。運用会社等は利益や損失に拘わらず、一定の信託報酬をもらうことで利益になる。(通常は総資産額に対する割合が信託報酬になるので、利益が上がったり口数が増えれば純資産が増えて利益も上がる。)
投資信託の運用方針 (どのような資産に、どのように投資するか、など) は個別に決まっている。投資の対象を株式とするもの、債券とするもの、不動産とするもの、その複合型だったり、その中でも対象の地域を限定 (国内・先進国・新興国・全世界・日本以外) するものだったり。そして、投資が上手い専門家に任せて売買していくアクティブ投信、特定の指標 (インデックス) の動きに合うように売買していくインデックス投信という分類ができる。
インデックス投信は株価などから機械的に算出されるTOPIXなどの指標に合わせて行くので、基本的には市場平均を目指すものと言って良い。(なかにはそうでは無い指標もあるけど。日経平均なんかは値がさ株の影響で市場平均から外れやすいゴミ指標。) 一方、アクティブ投信は市場平均を超えることを目標に専門家が頑張って売買する。
さて、インデックス投信とアクティブ投信どちらが良いのだろうか? 専門家が頑張るんだからアクティブ投資の方が儲かりそうだね? でも、アクティブ投信は高度な知識を持った専門家が動く分、信託報酬が高めに設定されていること、頑張っても常に市場平均を超えるのは難しいということで、平均すれば手数料の分だけアクティブ投信の方が劣後するという結果が出てる。もちろん高い信託報酬を差し引いてでも平均を超える成果を出す投資信託もあるけど、それを長期間維持できるというわけではないのだ。悲しいけどこれ、現実なのよね。
そんなわけで、インデックス型、それも変な偏りが無い市場全体をカバーするような指標を採用する投資信託がおすすめ。
多くの投資信託はマザーファンド形式を採用している。これは、二重に手数料が発生するファンドオブファンズというわけではなくて、単にコストを削減する目的で複数の投資信託をまとめて運用しているだけの話なので、心配は要らない。
たとえば、三菱UFJ国際投信にはeMaxisシリーズとeMaxis Slimシリーズがあって、概ね同じラインナップを取りそろえてマザーファンドを共有している。そして、前者の信託報酬は高く後者は低い。これは販売する金融機関に合わせて商品を分けていて、Slimシリーズなんかはネット証券系を中心とした取扱になっている。また、バランスファンドの一部 (たとえば、日本株式の部分についてはTOPIXのマザーファンド) や年金専用ファンドなど多数のファンドが同様にマザーファンドを共有している。
Slimシリーズの信託報酬は極限まで下がっていて0.1%台になっていて、あまり利益は出ていないはず。eMaxisシリーズの利益があってこそここまで安く出来るわけで、高い信託報酬を払ってる人には感謝しか無い。
つづく (かも)