はてなキーワード: ビデオメーカーとは
いくつか誤解がまかり通ってるので、話せる範囲で誤解を訂正していくよ。
そもそもこの増田を書こうと思ったのは、この記事のブコメを読んで、
http://animationbusiness.info/archives/9856
「電通の中抜きガー」とかいまだに信じている人が多いことに驚いたから。
ということで、ここから訂正していくよ。
理由:製作委員会では、共同事業契約とか共同製作契約とか言われる契約書を結ぶ。
この契約書は、制作費が合計いくらだから各社の出資額がいくらで、海外にはA社が、円盤はB社が、グッズはC社が(以下略)売る権利がある、みたいなビジネスに関することを全て定める内容なんだけど、
そもそもこの契約で制作費の金額が丸裸になってるのはわかるよね。
制作会社が出資者の一員であったら、なおさらこの作品の制作費はいくらということが一目瞭然だもんね。
で、電通(に限らず広告代理店、に限らず出資者全員)は決められた出資額を負担してるだけなので、中抜きのしようがないってこと。
電通が中抜きできる可能性があるとすれば、電通が制作元請け(出資者からお金を集めて、制作会社に払う立場)で制作会社が出資者に入っていない場合だけど、
最近話題になった任●堂案件で電通が中抜きできたのは、電通が1社でスポンサーからお金をもらって、制作会社に払う立場だから。
スポンサーからもらうお金には、テレビ局に払う提供料も含まれていたとはいえ、
おそらく当時は契約書も交わしていないだろうし、それなら中抜きし放題。いい時代。
むしろ制作費を中抜きしてるとすれば、制作会社の社長とかプロデューサーなんじゃないかな。
振り込まれた制作費をキャバクラで溶かしたとか、別の作品の損失に補填して自転車操業状態とか、そんな話いくらでもある。
アニメーターはこの作品の制作費がいくらかとか知らず、ただ1カット単価いくらで描いてるだけだから、制作費の高い低いで待遇に差はない。
だから、ネフリがいくら多額の制作費を出して、クリエイターファーストでクオリティ高い作品を作っています、と言っても、
増田が製作委員会の中の人になった時は、すでに局印税というものが存在していたので、どこが始めたのかはわかりません。
そもそも製作委員会方式の深夜アニメの成り立ちは、円盤を売りたいビデオメーカーがアニメを作って、円盤を売るために深夜の安い枠を買って放送して、
しかもスポンサーも作品の内容に文句を言わない製作委員会の身内だけにして、円盤を売って制作費を回収していたので、放送は円盤を売るための宣伝なんです。
テレビ局はもちろん提供料をもらっているんだけど、出資する時の自分達だけに有利になるような回収リスクを下げる条件として、
円盤これだけ売れてるんですか、じゃあうちで放送したことでいくらか貢献しましたよね、ならば売れた分のいくらかください、って感じ。
それが最初は円盤の売り上げに対してだけ主張していたのが、本来放送とは関係のない海外販売まで含めた作品全体の売り上げに対して係るようになってきたのは、
局印税は、プロモーション効果に対する印税なので、全てのテレビ局が主張しているわけではなくて、ほぼキー局、たまに準キー局であるくらいで、BSとか地方のU局とかはない。
ちなみに、局印税以外にも、代理店印税とか、単純にプロモーション印税とかいう印税もあるよ。
あと、テレビ局の中の人もお上に目をつけられてるのは知っていて、いろんな方法で対策を取っているし、
そもそも今は円盤が全然売れないので、局印税は数年内になくなると増田は予想している。
そもそも放送前から続編決まってたか、そうでなければ円盤以外で儲かった、ということ。
最近だと、だいたいこういう場合は海外販売ですごい儲かったのが要因。
「なんで、いまさらこれをアニメ化するの?」って思う作品も、だいたい海外で儲かる算段がついているか、海外の出資者がこっそりお金を出しているかのどっちか。