初めて骨伝導イヤホンを買った。通常のイヤホンは耳に入れて空気を震わせて鼓膜に音を伝えるが、この骨伝導イヤホンはその名の通り、骨を震わせることで音を伝える。グラスに対して大声で叫べば中の水を震わせることができる反面、グラスの縁を滑らせれば中の水を震わせることができる、というのが分かりやすい例えだろうか。
骨伝導イヤホンの一番の利点は耳を塞がずに音楽を聴くことができる点だろう。音楽を垂れ流したいが、カナルイヤホンを長時間耳の中に入れるのは耳の負担になるしジメジメと気持ち悪くなってくる。かつ近隣への騒音になるためにスピーカーを使えない人といった人にオススメできるだろう。耳を塞がないことで周囲の環境音に注意を払うことができるので、(あまり推奨されているとは言えないが)自転車に乗るときだったりオフィスで音楽も聴きたいけど周囲にも気を払いたいという場合に使える。
逆に耳を塞がないことのデメリットもある。カナルイヤホンは耳を塞いで聴くため外部の音を取り込まない。そのため周囲が騒音になってもある程度は快適に音楽を聴くことができる。反面骨伝導イヤホンは周囲の音が耳に入ってしまうために音楽を聴き取ることが困難になる。音量を上げなくてはいけない。居酒屋で友人と話しているときに周囲がうるさすぎて会話が困難になるようなものだ。カナルイヤホンの場合は個室みたいなものだろうか。骨伝導イヤホンをしつつ耳栓を使うという選択はある。音楽は支障なく聴け、むしろ耳栓をした方が音質はよさげ。
今回買った骨伝導イヤホンは AfterShokz という会社の OpenMove という製品。同社の Aeropex が結構良い評判だったものの2万円ぐらいと少し私には高価だったので、安価なものが出ないかとうかがっていたら新製品で安価な OpenMove という製品が出ていたのだ。OpenMove は QCC3024 という昨今の True Wireless なイヤホンに使われている省電力なメジャーなチップが使われていて、かつ USB Type-C 充電で Aeropex の技術を活用した製品となっており1万円弱という安価な価格設定となっている。
骨伝導イヤホンが欲しいなと思いつつも一度も試用さえしたことがなかった私はある日の散歩でロフトに行った。そこにあったのは Cheero (モバイルバッテリーで有名な日本の会社)が最近発売した Touch Bone という Cheero 初の骨伝導イヤホンだった。これも気になっていた製品で、OpenMove よりも安価で6000円ぐらい。人生はしめての骨伝導イヤホンはとても満足度が高かったが、これなら老舗 AfterShokz の OpenMove は私をもっと満足させてくれるだろうと思い OpenMove を購入した。Amazon よりも ヨドバシカメラとビックカメラの方が安かった。
ここから OpenMove のレビューをしていきたいと思う。簡単なレビューはメディアにいくつかあるのでそれを参考にしてもらい、私は個人的に気になった細かいところをみていきたい。
だけど個人的には不満なので英語にした。英中韓日が用意されておりユーザーが自由に設定できる。
「スタンダードモード」「ボーカルモード」「イヤプラグモード」の3種類のイコライザーが用意されており、イコライザーのせいで音にノイズが乗ったりすることはない。結構音が変わるのでこれはこれで音楽を楽しめるくらい良いが個人的にはスタンダードモード一択な感じ。ポッドキャストもスタンダードモードで聴いている。音は普段イヤホンで聴いている音楽が耳に装着していないのに頭に直接直接流れている感じで不思議な感じ。バンドの締め付けが気なる人もいると思うけど私は意識するほど骨伝導イヤホンの装着感を感じない。
骨伝導イヤホンの性質上仕方がないが、外部環境によって音が聞こえなくなりやすい。耳栓をすると解決できる。耳栓をせずに外部環境の騒音レベルによって自動でいくらかボリュームが上下してくれたら嬉しいなと思う。
ウレタンの耳栓が付属していて、これを潰して耳にぶち込むとしばらくしたら膨張してもとに戻り耳を違和感なく塞いでくれる。耳栓を初めて使ったけど耳栓っていいね。
スペックシートでは6時間以上とされている。QCC3024 のイヤホンはもっぱらこの6時間が連続再生可能時間な気がする。OpenMove は一度満充電にして朝から再生し続けいるが、これを執筆している現在、6時間は音楽を再生している。OpenMove 本体のバッテリー残量は Medium だそうだ。
OpenMove というか骨伝導イヤホンはもっぱらバンド型なので耳から後頭部を一周する構造になっている。寝転びながら使用するとどこかしらが枕に干渉してしまい骨伝導イヤホンの位置がずれてしまい体験が悪くなってしまう。解決方法はバンドを音の出力されるこめかみの位置を極として180度回転させる。傍からみれば可笑しい格好になるが気にする人は家の中にいないだろう。これは個人的におすすめな解決方法だが、要は音を聴くために音を通す骨を音の出力の接点に持ってくればいいのだ。こめかみ以外に耳の裏とか歯も有効だ。歯はジョークだけど音は本当に聴こえるので面白い。口の中に入れ歯みたいに装着できるBlue "Tooth" な再生機器があれば欲しいなぁ。ちょっと調べたら難聴方面で研究されているとか?まぁ衛生的な問題もあるよね。
バンドじゃなくて左右独立な骨伝導イヤホンとかいいなーって思うけど現状で満足できそうな製品はなさそう。
使い始めてまだ一日ほどだがとても満足度が高い。金があるならもう一つ欲しい。このクオリティにまで成熟したのは最近かもしれないけどもっと早くから知っておけばよかったと思う。音質をそこまで追求しないのならば Bluetooth なカナルイヤホンは辞めて骨伝導イヤホン一筋でもいいかもしれない。マストバイ。