2023-11-28

なぜ餃子靴は廃れたのか

ここからは「今日知った言葉」の趣旨から外れた、超個人的な余談になるため別記事で書く。

餃子靴という言葉を知ってから記事を書くために調べていったんだが、この靴は現代だと「おっさんが昔に履いていたダサい靴」という扱いをされていた。というか餃子靴という通称自体、そういった揶揄的な意味合いも込められているようだ。

おっさん靴といえば、厚底のボリューミーなスニーカーが“ダッドスニーカー”といわれることもあるが、これは今でも一定需要供給があり、若者が履いていることも珍しくない。

対して餃子靴は、現代だとまずみない。おっさん靴で、どうしてここまで差がついたのか。考察ごっこを楽しんでみたい。


まず考えられる理由ひとつめ、「餃子靴ビジネスシーンに適さないことが認知された」から

そもそもスリッポンタイプの革靴はカジュアル寄りのアイテムだ。さら餃子靴はシワも悪目立ちする。アイロンシャツのシワを伸ばしていても、足元がシワだらけの革靴では格好がつかない。

だが昭和時代ネットなどの情報を得る手段に乏しく、スーツ店の営業試行錯誤の段階だった。サラリーマンビジネススタイルも今より馴染んでいない。

模範的ビジネススタイルや、ドレスコードを知る人が少なく、知る手段も限られている。「スーツネクタイしめて、革靴履けばいい」となるのも無理はない。革靴であれば何でもいいのなら、あとは機能性重視で着脱簡単・履き心地そこそこの餃子靴が選ばれるのも自然の流れである

しかし模範解答が出揃った現代で、あえてこの“不正解靴”を履く新卒はいないし、需要の減ったもの大量生産するメーカーもいない。


ふたつめの理由は、「ビジネスカジュアルシーン(ビジカジ)ならスニーカーを履く」からだ。

現代は働き方も見直され、コロナ禍などにより環境も変化、それらに合わせてビジネススタイル多様化した。ボトムスジーンズチノパンにした所謂“ジャケパンスタイルは随分前から定番化しているし、近年では在宅向けのパジャマスーツなんてもの流行った。

そんな現代において餃子靴の付け入る隙はあるのだろうか。大手の靴メーカーがビジカジ向けのスニーカー提案してから随分と経った。当時のサラリーマンに使い勝手の良さからしまれていた餃子靴が、現代スニーカーと肩を並べられるだろうか。


みっつめの理由。「餃子靴ダサい(と思われている)」。ある意味で、最も深刻な理由かもしれない。

ひとつめの理由でも触れたが、そもそも“変なシワの入った革靴”はコーデに馴染みにくい。その上、革靴としては不出来に見えやすい。

カジュアルシーンで使う革靴は履き込むことで味わいがでて、その人の足に馴染んでいくことを楽しむ。履き心地は二の次カテゴリだ。

そんな中で、履き心地のために施された餃子の皮のようなギャザーは“不自然なシワ”と捉えられる。この意匠は“機能美”ではなく、“見栄えを犠牲にした”ものというのが大方の見解だ。

昭和世代、靴に無頓着だったサラリーマンが履きまくっていた」というイメージも根強く残っている。それでも現代で履くなら、よほど強いこだわりがないと難しいだろう。


餃子靴が再び流行可能性があるかといわれれば、正直ビミョーだと思う。

革靴の潮流は、他の靴カテゴリと違って緩やかで鈍い。昔からあるディティーのものが順繰りに流行り、せいぜい素材使いや靴底が変わったりするくらい。

餃子靴以外の“おっさん靴”としてはダッドスニーカーが有名だが、スニーカー流行アップデートは勢いがあるから若者など大衆にも親しまれている。餃子靴にはそれがないから廃れたのだと思われる。

それでもワンチャンあるとすれば、餃子靴特有のあのシワを“そういうデザイン”としてプロデュースすれば、もしかしたら……ってところ。

例えばスニーカーやブーツなどに餃子靴イメージしたデザインを取り入れて、パリコレとかミラコレとかで披露する。「ギョーザライン」みたいな名前つけてさ。

それを他のブランドも真似して、インフルエンサーとかが盛り上げていけば、ゆくゆくはルーツたる餃子靴も再評価されるかもしれない。

記事への反応 -
  • 餃子の皮のようなシワがついた靴の通称。スリッポンタイプの革靴が主流。 基本的にそういったシワが初めからついているものを指すが、使っていくうち後天的に出来た場合も呼ばれる...

    • ここからは「今日知った言葉」の趣旨から外れた、超個人的な余談になるため別記事で書く。 餃子靴という言葉を知ってから、記事を書くために調べていったんだが、この靴は現代だと...

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