2020-09-22

好きなバンドメンバー結婚したり不倫したりして感情が忙しい

喉に小骨が引っかかっている感覚がある。いや、小骨なんてものじゃないのかも。太くて大きいものが引っかかっていて、一度書き出してみないと先に進めない気がした。まとまりがない文章になると思うけれどとりあえず書いてみようと思う。

新型コロナを筆頭に「生きているといろんなことが起こるな」と実感している2020年自粛自粛体感何もできていないように感じるけれど、振り返ってみると世間にはトピックスのたくさんある年だなと感じる。

個人的なことでいうと高校生の頃から20年間応援しているバンドボーカル結婚を発表した。

ファンの間では、発表していないだけで結婚していてもおかしくないと思われているようなタイプバンドだっただけに、結婚、かつそれを報告してくれたことに言いようのない喜びを感じた。「個人的な曲になってしまうこと」に抵抗を感じてほとんどなかったラブソング自分の内のうちを深く見つめたり、はたまた宇宙を感じさせる曲だったり、その対比や儚さを歌ってきた人だった。

何をもって幸せとするかって本当に十人十色なので日々さまざまな大きさのHAPPY存在していただろうし幸せ結婚、かつ、結婚幸せ だとは決して思わない。けれど、わかりやすい形でひとつ人生の節目を迎えてくれたこと、そしてそれはおそらく「幸せ」なことであること、それをファンにも等しく教えてくれたこと、それが嬉しく、「生きているとこんなに良いこともあるんだな」という気持ちになった。

ちょっと前まではとんがった曲や歌詞も多く、決して陽キャタイプではないバンドだったけれど、そこが当時の自分には心地よく共鳴して響いてきて何度も何度も聴いては泣いた。学生時代就活中をはじめ長かった思春期にどれだけ彼らの曲に支えられてきたかからない。歳を重ねるごとに曲は少しずつ丸みを帯びて声にはますます優しさが灯り、また新しい切なさや心の中の機微を生み出していった。

金銭的な問題などでライブに全通したりということはできなかったし、正直行けなかったツアーもある。でもどのタイミングで会いに行ってもいつも変わらない空気をまとってそこにいてくれることがありがたくって安心で、とてもとても好きだった。変わらずに好きでいられるという安心感に浸っていた。いつもファン思いで、でもマイペースで、いいおじさんなくせしていつもワチャワチャじゃれあっている仲良しなバンドいつまでも変わらないでほしかった。

一緒に歳を重ねてくれて、

いつまでも好きでいさせてくれてありがとう

からそう思っていた。

ボーカル結婚報告に幸せ気持ちをお裾分けしてもらった直後、このバンドデビュー以来初といっていいレベルでいわゆる「文春砲」を食らった。

食らった という言い方は使ってみて違和感がある。週刊誌のやり方は人権侵害し人を傷つけるものしかないのでいいものだとは決して思わないけれど、これで明るみに出なかったら当該の彼はバレないとでも思ってそれをこれから先も止めることがなかったのだろうかと考えるとぞっとするものがある。

内容は、ベーシストによる不倫しか複数人との報道)だった。バンド所属事務所公式は、週刊誌報道を受けてすぐさま各種SNS謝罪。当該の彼も詳しい言及はなかったもの事務所と同じタイミングSNS更新謝罪した。「一部事実とは異なる点もあるものの」とした上で、ほぼ全面的に認めた形となった。この「事実とは異なる点」がどの部分かはわからないけれど、複数人不倫していたという不貞行為自体事実のよう。

ファンの間では、発表していないだけで結婚していてもおかしくないと思われているようなタイプバンド」と前述したけれど、まさに彼には妻子がいたようでそれを発表はしていなかった。

発表していないのは、いい。むしろ結婚していたのならよかったと思う。不倫をいいなんてもちろん思わないしその行為不快しかないけれど受けた衝撃はそこではなくて。

彼が「バンドを裏切った」 という一点だ。

喉に引っかかって取れないでいた太くて大きい骨の正体。

ファンを裏切ったという気持ちとは違う。結果そうなっているけれど。

ショックだったのはバンドメンバーを裏切ったという点が大きすぎる。

彼はバンドのことが好きなはずだった。バンドのために努力してきたはずだった。バンドメンバーがなにかよくないことをしてしまったら本気で怒って向き合って止めたりするような人だった……はず。

いつもひょうきんで陽気でムードメーカーだった彼。ボーカルをはじめバンドメンバーが大好きだった彼がなぜ。

次のライブではみんなあたたか気持ちボーカル結婚を祝えると思っていた(もちろん結婚がショックだったファンもいると思うが)。きっとバンドは次に公の場所に立ったとき謝罪的なものを口にしなければならないのかもしれない。当該の本人だけでなく、バンド全員で謝るのかもしれない。そんな状況、正直いってまったく見たくないし聞きたくない。一度謝罪たからこの話はおしまい、とは、バンド性質上ならないんじゃないかとも思う。今回の件はバンドにずっと残り続ける染みとなった。

いつもファンのためだけに演っていてほしい。それなのに、そういった場に不純で必要のない曇りが少しでも含んでしまうであろう未来に、今からげんなりしてしまう。いらんことをバンドに持ち込んだ彼に、怒りを感じる。

何かがあったとして、それをどう感じるかは自分次第。ただ、これまでバンドを好きでいたファンって同じ方向を向いてある程度同じ気持ち共感していたと思っていたので、今はかなり動揺は広がっているのも感じる。バンドは悪くないとこれまで以上に応援する意思表明をしている人が多く見受けられたけれど、軽蔑して離れていく人もいれば、不倫なんてどうってことないと擁護する人までいた。人それぞれだ、感じ方は本当に。

ファンからといって全肯定はしたくない。ただ、だからといってこの件で嫌いになれるわけではなかった。それがまたしんどい。これまで支えられてきたものの大きさを思う。そしてこれからバンドメンバー心中を憂う。

2020年。色んな意味で忘れられない年になりそう。

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