2020-04-18

不要不急」の仕事で本を作っている。

印刷会社で本を作っている。

このご時世で、わたしは今のところ「普通に」勤務している。

コロナ流行する前と、何ひとつ変わらず、である

50分間電車に乗ってオフィスに行き、働いている。

なぜか?

仕事があるからである

仕事があり「不要不急の外出ではない」と考えられるからである


印刷会社というのはむろん、字や絵が印刷された紙を見ながら作業する。

紙が手元にないと仕事にならない。

からネットを駆使したテレワークは、当社のお呼びでないわけだ。

また、印刷会社というのは「下請けである

発注である出版社が本を作り続けるかぎり、

そこから発注があるかぎり、

印刷会社は稼働し続けなければならない。

取引先に迷惑をかけるわけにはいかないからだ。

から弊社の社屋へ行き、普通に働いている。


そんな中で、次のようなことが起きるのである

・・・・・・・・・

弊社の社員の出向先で、発熱した人が出た。

出向していた社員は、様子見のため休みをとっている。

出向先の企業も多くの社員出勤停止となり、今はほとんど機能していないようだ。

コロナ足音は、弊社のすぐ隣まで迫っている。

そしてどうなったか

結果的に、出向先が作業できなくなっため、その会社がやる予定だった仕事がうちに回ってきた。

わたしももちろん協力 さ せ ら れ て いる。

当然だが、普段でも定時ギリギリなのだから、他社の仕事が上乗せされれば残業が発生する。

……は?

テレビで見た偉い人たちは、たしか時短勤務」を推奨していたね??

時短勤務どころか、むしろ通常より勤務時間が延びてるのですが。

・・・・・・・・・

それでも、少しでも早く終わらせて帰りたいので黙々と仕事をしていると、後ろからこんな会話が聞こえてくる。

「◯階(出向していた社員がいる階)が汚染されたらうちの階で作業するらしいよ」

「えっそうなんすか。ハハハハ」

ハハハハ」。

あと「汚染」。

階が違ったからなんだという。

同じビルにいる時点でお前もわたしもみんな感染危険性があるんだぞ。

そんな状況で、なんで、まだ笑っていられる?

・・・・・・・・・

この期に及んで、取引先の人が弊社に来る。

弊社の営業取引先に行く。

コロナ交換ごっこでもしたいのだろうか。

マジで理解できない。

・・・・・・・・・

わたしの2つ隣の島の社員が、しばしば咳き込んでいる。

今週ずっとだ。

その咳が、離れた席のわたしのところまで聞こえてくる。

(一応)当社でもなけなしの対策はとっていて、(一応)全社員は毎朝体温を測ってから出社することになっている。

でもコロナ発熱しない人もいるじゃん。

咳き込んでいる人だって、熱はなくても感染しているかもしれないわけじゃん。

なぜ?

なぜ来る?

「咳があって心配なので休みます

なぜ、それができぬ

「熱はないか大丈夫

そう思っているのか。

甘い。

新型コロナウイルスは無症状でも他人うつる

それが、過去流行したどのウイルとも異なる、このウイルスの最も厄介な点だろう。

・・・・・・・・・

一応、営業などは交代で在宅勤務しているようだ。

しか今日、在宅勤務のはずの社員が出社してきた。

「いや~書類ミスがあってさ。今日やらないと。取引先には『遅れます』ってやっぱり言えなくてさ~」

……は??

それだけ?

それだけのために来たの?

在宅勤務の約束を破って?

呆れた……

意味がないじゃん。

会社来たら意味ないじゃん、ねえ、在宅にしている意味が。

周りにコロナばらまくのと、取引先に一瞬謝るのと、どっちがいいんだ?

そのない頭でも、さすがにわかるだろ?

それか他の社員に引き継げよ。

・・・・・・・・・

こういうことが、毎日ある。

しょうじき、怖くて怖くて怖くて怖くて仕方ない。

コロナが、ももちろんそうだが、

命よりも身体よりも仕事を優先する、この社会の「甘さ」が。

コロナ足音など聞こえぬふりをして、社員危険さらし続ける、意識の甘さが。

ちなみに、クラスター対策のために、わたしや他の誰かが開けた窓・ドアを勝手に閉めるようなオジサンたちである

……は????(n回目)

何してくれてんの?

まだ若いわたしたちはいいんだよ。

あんたらの命を守るために開けてたんだよ。


現在のところ、この国における新型コロナウイルスの致死率は2~3%。

50人以上がいるこの会社でもしクラスターが起きたら、亡くなる人が出る可能性はおおいにある。

わたしはさっきから「オジサン」と呼んでいるが、50~60代、つまり重症化しやす年代社員も多いのである


もう一度いうが、わたし印刷会社に勤務している。

印刷会社は本をつくるところだ。

だが今の時代、なにも本は紙でしか読めないものでもない。

わたしの、そしてあなたの手元にあるであろう、スマートフォンタブレットパソコン。その画面上でも本は読める。

電子書籍である

紙の本は「不要不急」だろう。

わたしはそう考える。

印刷会社印刷を依頼している出版社へ。

どうかどうか、今は電子書籍だけに注力してくれませんか。

あなたたち発注元が英断を下してくれなければ、わたしたち下請けは休むことができないのです。

わたしはいくらか若いのでいいとしても)や、

家族の命の危険を侵しながら、

不要不急の仕事をしに家の外へ出なければならないんです。

なうことならばわたしも、週7日 Stay Home したいのです。

そして、下請け会社仕事発注している、すべての企業へ。

あなた会社ではテレワークができても、下請けはそうはいかないかもしれません。

発注先に負担がかかっていないか

感染リスクを高めてしまっていないか

自社だけでなく、発注先の社員のことも考えて、仕事をしてくれませんか。

どうかよろしくお願いします。

  • そっすか大変っすね ブッ=3

  • 企業は利益が必要なので限界までチキンゲームするよね。 この先も酷くなったら国や政府から保証金出してなんとかするのかね。 しないよね。 だから晒していいよ、依頼元。

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