これであなたは安いと思うだろうか、高いと思うだろうか。
某"マンガ制作研究組織"(サイトにそう書いてある)が設けている様々なコースのひとつに「持ち込み先・進路相談」というコースがある。
これを担当している"漫画ソムリエ"のコースを選択すると「パーソナル萌え診断(マンガ占い)」というオプションが選択できる。
「持ち込み先・進路相談」は、昨今はメジャーな出版社かマイナーな出版社か、紙媒体か電子媒体か、そして少年漫画か少女漫画か青年漫画か、はたまたアダルトか百合かBLかTLかレディコミか…と雑誌も多種多様なので、自分の作品はどの雑誌に沿うのかな…とお悩みのあなたにピッタリの持ち込み先を教えてくれる、というもの。
そのオプションの「パーソナル萌え診断(マンガ占い)」は事前に好きな漫画作品を5つ挙げ、そこからあなたの萌えを導き出してくれるというもの…。
その「パーソナル萌え診断(マンガ占い)」を求めて「持ち込み先・進路相談」を申し込み、オプションにチェックをつけた。
僕は持ち込み先なんかはどうでもよかった。ただ"推しキャラ"が欲しかったのだ。
僕の好きなキャラは、太った女性だ。しかもあまり若くない太った女性。
「ぽっちゃり熟女」とは違う。なんだかそれだと性的対象として見ている気がするし、あくまでマスコットとして「このキャラ応援したいな!」と見ていたい。
「バブみ」ともちょっと違う気がする。母性は求めていないし、というか巨乳じゃなくても別にいい。(バブみ=巨乳じゃない!という意見もあると思いますがここはスルーで。)
今一番みなさんに伝えやすいキャラクターだと「AKIRA」の"おばさん"ことチヨコもかなり理想の女性キャラなのだが、こういうキャラって他の漫画にいないっすかね〜と漫画好きの人に聞くと、だいたい「あーそういう感じね(笑)」と中二病を見る大二病みたいな目で見られてしまう。
ということで、古今東西の漫画を知り尽くす漫画ソムリエなら僕の苦悩も救ってくれようと思い、この度相談してみた。
あと普通に面白い漫画も知りたいと思ったので、とりあえず5つ漫画も挙げようと思ったが、突出して5つというものが見つけられなかったので「〜〜で〜〜な感じの漫画が好きです」と書いておいた。
結果を先に書きます。
僕の求めるババアは得られませんでした。
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相談はオンラインチャットで行われた。(対面での相談もあるようです。)
まず先に挙げた5つの漫画、ではなく「〜〜で〜〜な感じの漫画が好きです」の文章を読んで、漫画ソムリエは「えーと、こういう感じではなくてですね…」となにか困った様子の語り出しになった。
というのも「パーソナル萌え診断(マンガ占い)」というのは 5つの漫画をピックアップ→その中で特に好きな点をピックアップ→そこからあなたの中に潜在する萌えを発掘する、という工程だったのだ。
つまり「王道少年漫画Aと王道少年漫画Bと王道少年漫画Cと王道少年漫画Dと王道少年漫画Eが好きです!」と申告すると「なるほど…あなたは友情・努力・勝利という図式が好きなんですね」「ナルホド!!」という感じ。(さすがにこれはやりすぎだけど。)
だから「〜〜で〜〜な感じの漫画が好きです」と僕が書いたのは最初から占い結果を言っているようなもので、先方からするともう特に何も言うことがないのだ。
当初の望み、ババア探しだ。
僕「◯社の〇〇という雑誌でやっている〇〇ってあるじゃないですか、あれの主人公◯の友達の◯さんが最高なんですよね」
漫画ソムリエ「うーん、主人公◯まではわかるんですが…ちょっと調べてみますね、…この大きいキャラですか?」
僕「はい」
相談は難航した。
いやこれは若すぎますね……。これはデブっていうか巨乳、しかも「あらあらうふふ」のバブみ系ですね、別にそこありきじゃなくていいです……。あーそれは同性愛の作品ですよね、そうじゃなくてただぬいぐるみ的に見たいんですよ……。これはギャグじゃないですか(怒)。うーん、いや、バブみじゃなくてですね……。
最終的には漫画ソムリエも手詰まりになってしまい、60分を過ぎても必死に作品を探してくれた。良心的だ。
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結論。
漫画ソムリエは広く浅く知識を所有している。それが仕事だからだ。
狭く深くとなると、それは研究になってしまう。仕方のないことだ。
ニッチな好みを持っている方は、これからも共に苦しみましょう。
(この1時間強の中で「作家のためのSNS運用講座」も同時に受けて、これについても色々書きたいことがあるんだけど、増田って続きは書けるのかな?初めて投稿するのでわからない。)