2019-09-02

TVCMに革命を起こす「ラクスル」と「GO」提携が何がすごいのか解説

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000023488.html

俺が解説してやろう。記事中、

●>このプロジェクトには、GO所属だけではなく、大手広告代理店民放キー局出身で、メジャーCM制作に多くの実績を持つ6名のクリエイティブディレクターが参画しています

これはすごい。よく集めた。

広告代理店が出す、この人たちの人件費見積もり単価考えるだけでも2000万なくなるんじゃないでしょうか、ぐらい。一流クリエイターズ

※その単価が適正なのかどうかの議論は置いておきます



●>「はじめてのTVCMプラン」では、制作からメディアバイイングまでを一気通貫して提供。2,000万円〜の広告予算で、最短2ヶ月で業界高水準のCMを納品することが可能

これが安い。

普段テレビで目にする全国放送CMをつくって流すには、普通 2~3億円かかる。高いと思ったでしょ?そう高い。キー局の放映料はまじで高い。

からそれが払えるメジャー企業商品、or ソシャゲとかでじゃぶじゃぶ儲かってる企業しか普通CMを打てないんだよ!

からこの価格CMを放映できるのはまじですごい。

ただまあ、色々聞いている限りだと予算2000万だとたぶん全国放映は無理で、急に安くなる地方局のみに出稿するパターンだろうね。


●>デジタル領域では当たり前の、KPI設定から数値分析までのPDCA実施します。さらに「CMO代行プラン」では、デジタルテレビの融合によるマーケティング予算全体最適化を実施

ここまでやってくれるのはすごい。

これ、広告代理店でこれ頼むと、別部署が出てきてオプション価格見積もりがまたボコーン!ってあがるから。ここまでやりますよ!

っていうのはすごい。

ーーーー

TVCM制作の通常のフローっていうのは、

1.クライアント制作・出稿を発注

2.(大手広告代理店が受注、オリエンに基づいたTVCM企画メディアバイイングのプランニング→

3.プラン承認が取れたら「制作会社」がTVCM制作・納品 ※メディアバイイングは代理店仕事

なの。マーケティングが入ったら2.の部分の事前リサーチと、3.の後として事後リサーチが入るのね。

これをひっくるめて、価格を億単位からしか発注できなかったTVCMを、大幅に引き下げて参入しやすくなったということね。

これはすごいよ!

さて、

ところで、

今回発表した人たちの担当範囲って「2.」のプランニングとマーケティングなんだけど、

PRしてる部分は「3.」の部分「業界高水準のCMを納品」まで入ってるんだよね。

通常、ここの部分は慣習的に全広告予算10%が直接制作費に割り振られるようになっている。

まり、全体予算2億円だと、2000万を制作会社はもらってそのお金で「業界高水準」のクオリティキレイとかカッコいいとか高品質映像を納品するわけね。

なんでたかだか30秒の映像つくるだけで2000万かかんのって思うだろうけど、

撮影現場にはCM場合50人~とかスタッフがいたりして(映画撮影現場メイキングとか見たことあるでしょ?あんな感じ)、

その人達人件費払ったりとか。

もちろん、デジタル技術が発展し続けてるから、人数が少なくても良いものはできる時はあるけど

物理美術セット建てたりすれば大工世界から金はかかるし、

あるいはCGつくるにしてもそのCG部分には人件費がまたかかるからね。

で、

それで、

全体予算が2000万とすると、制作費は10%として200万?

それで「業界高水準のCM」を納品…

さてこの発表の影で誰が何を思うかは、

下流エンジニア」も多い増田のみなさんにはもうわかるよね。

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