モヤモヤが止まらないので書く。フェイク入れてるから違和感あったらごめん
独身アラサー女オタク同士、気が合ってちょくちょくお茶をする友人がいる。友子とする。
このあいだ友子と会った時、私が
「最近LGBTの権利の問題に興味がある。何か出来ることはないか考えてる」
という話をしたら、
「大丈夫だよ」
と言われた。
え?
って思って、大丈夫って?と聞き返したら、
「LGBTの問題はちゃんとそういう団体が活動してるから増田ちゃんがわざわざ何かしなくても大丈夫だよ」と。
呆気にとられてしまって、何も言い返せないでいたら、
友子は難関国公立大の文系学部を出て、お堅い仕事をきちんと続けている。
隅から隅までと言わずとも新聞はざっと目を通すしニュースのヘッドラインに目を通すくらいはするだろう。
私は友子の反応として、以下のようなものを期待してた。
たとえばニュースへの言及。台湾で同性婚が認められたとか、GWのレインボープライドとか、まあちょっと前だけど一橋のアウティング自殺とか。
そうでなかったら、私も彼女もオタクなので、おっさんずラブとか、きのう何食べた?とか、青のフラッグとか。
もしくは、
「なんで急に?周りに当事者がいるの?それとも実は増田ちゃんビアンだったの?」とか、
「当事者でもないのに『何かしてあげたい』とかメチャ上からだよね」みたいなダメ出し、
それかもういっそ
みたいな反応の方がまだ納得できた。
友子は学生の頃から聡明で、きちんと考えて冷静な意見を言ってくれる子だったので、とても頼りにしていた。
そんな友子の口から、あさっての方向というか、言葉は悪いけど、どこか呆けたような、そんなセリフが飛び出して、なんだかものすごくショックで、
それで私は今、LGBTよりも友子のことが心配でたまらなくなってしまっている。
軽くスピリチュアルな発言をするけど私には人のエネルギー量みたいなものが見えるような気がすることがある。
別にオーラみたいに見えるわけじゃなくて、顔色・表情とかレスポンスの速さとかから何となく察するだけで
まあそんなことは誰もがやってることだろうけど人と会うときはその人がいまどんなコンディションなのか結構気にして見ている。
私が見る限り友子のエネルギーは、学校卒業以来、磨り減っていく一方だった。
友子の勤め先はきちんとしたまじめな職場だが、まじめな人たちの美しい自己犠牲を前提に成り立っているらしく
最近は出勤前と昼休憩と退勤後に逐一「無理」とツイートするのがお決まりになってる。
それでも転職するコスト/リスクと、息を殺すように我慢をしながらでも今の職場で着実にキャリアを重ねていくことを天秤にかけて
彼女は後者をとった、というか、現状を何か変えていこうというエネルギーを完全に削がれているようだった。
人はエネルギーを失うと、毎日を死なずにやり過ごすのに精一杯で、自分の現状をどうこうする気がなくなってしまうので、もちろん他人や社会のことなんかそれ以上にどうでもよくなってしまうんだろう(このへんは身に覚えがあるからよくわかる)。
もはや思考する力も残されていない友子に比べたら、
はてなやTwitterやYahoo!ニュースのコメント欄で偏った意見や不満を
ぐちゃぐちゃと書き捨てるだけの人たちの方がまだ精神が健康なのかもしれない。
友子が「無理」とツイートをするたびに私は、「大丈夫だよ」と言ったときの友子のうつろな目を思い出す。
友子は「無理」以外には大抵BANANA FISHの話をしている。
私にも不登校になった経験があり、私も友子も、オタク趣味がなかったらとっくの昔に「無理」の向こう側に行ってしまっていただろう。
私は友子の、健康に楽しく前を向いて生きる権利が侵害されている問題を本当にどうにかできないかと思っている。
同時に、今の私にできることなんて時々食事に誘って一緒に美味しいものを食べるくらいで、
友子の側に現状を何とかしようという気や周りの人の力を借りたいという気がない限り、何をしたところで無駄ということも分かっている。
私には求められてもいないアドバイスや「救いの手」なんかを友子に押し付ける権利なんかない。
だから友子が「もう無理」と、Twitterじゃなくて私に相談してくれる日をずっと待っている。
それまでBANANA FISH、どうか、友子の心を守ってくれ。