もちろんまだ4歳なので、自分で投函したわけではなく、母親(私の妹)がわざわざ代わりに送ってくれた。
4歳でもう手紙という発想があるのか~。最初はただ純粋に感心していた。
しかしこれが男の子だったら、手紙を書くという行動とはどうしても結びつかない。
そういえば自分の子どもの頃を思い出してみても、手紙をやり取りしているのは女子に限られていた。
かわいい文字にちょっとしたイラスト、そんなものが書き連ねられた便箋だかノートの切れ端だかが、(ほとんど女子的繊細さをアピールするためだけにそうしているのではないかと疑うほど)趣味良く折られ、
これぞ女子的技量とセンスの結集とばかりに授業中の教室を舞っている。
そんな光景を思い出した。
そしてそれは教室を舞いながら、その中身を知ることのできないその他大勢へ無言の威圧を放っていた。
(実際、中に重要なことが書かれていることは少なく、ほとんどそういう機能だけのものなのかも知れなかった)
何を間違ったか、そんなものが私のもとに届いたとき、私は戸惑った。
まず、手紙の内容があまりに他愛のないものであること。わざわざそれを手紙に書く意図がわからない。
そして相手はいったいどんな応答を私に求めているのだろう。全くわからない。
次に襲ってくるのは、同レベルの女子力でもってこれを打ち返さねばというプレッシャー。
こんな一画一画を意識して書いたような文字、書けない。きれいに折る自信もない。
それらが私を戸惑わせた。
全力で“女子”を模倣し、なんとか打ち返した後には、消耗と、これで正解だったのだろうかという迷いと、たかだか手紙一つに翻弄されていることへの自己嫌悪が残った。
本来の私なんて、調理実習で作ったカレーをいち早く食べ終え、手持無沙汰な中、頭をぼーっとさせていたら、
「そんなに見つめられたら食べにくい」と、偶然目の前にいた武藤さんに告げられてしまうような、そんな人生だ。
(自覚のない食欲が私にそうさせていたらしい)
そんな自分と、周りの女子との落差がありありと甦り、そしてそれと同じことが4歳の女の子の手紙によって突きつけられている。
そんな女子的なムードを醸し出したり読んだりすることから全くかけ離れた血筋らしかった。
その子の母である妹自身も、「私もあの感じないわぁ~」と言っていた。
また、妹の旦那さんのお母さんにしたって、カラッとサッパリした印象で、微細な女子のムードとはまた違ったタイプの人だ。
「見ているアニメの影響かもなぁ~」と妹は言うけど、アニメの影響だけであれほどのものが発揮できるとは思えない。
やはり、私からしたら充分女子力高めの妹由来ではないかと思う。
いずれしても、彼女が発揮するそれを前にして、私はこう思わざるをえなかった。
女子力というのは、アニメや周囲の女性などの外的な影響から独立し、彼女が望むと望まざるとに関わらず、存在するのではないかと。
そして今になって、私はやっぱり生まれ持って女子力の何割かが欠けているタイプだったんだな再認識させられた。(どうりでやりづらい半生だった)
よくネット上でもフェミがどうとか男女の話題があるけど、本人の意向とは関係なく、生理があり、月経周期ごとの体とメンタルの波があり、女子力があるんだなと思う。
(もちろん個人差のあることで、何割かの女子力が欠けた私がその証拠だ)
どんなに性差を均そうとしても、生まれ持って備わってるものは無視することはできないし、(よほど本人がホルモン療法を望まない限り)コントロールできないだろうと思う。
それを踏まえた上で、女性であることの不自由や、女子力が欠けていることによる不自由や、その他男女問わず、性に囚われる不自由、そしてその不自由の由来や責任の果てしない押し付け合いもいつか克服できたらいいのにな、などと無理やりスケールを引き伸ばし、焦点をぼかすことで現実逃避をしてもみるが、しかし実際のところ、私の問題は、この歳になってもまだそれへの恐怖を克服できていないことだ。そして4歳の女の子にそれを突き付けられたことだ。
別のシチュエーションだったら、あーめんどくせー、女めんどくせーで済ませて回避することもできるけど、今回はそうはいかない。
だからなんで女の書く文はだらだら長いんだ定期
姪っ子はお年玉や誕生日プレゼントが狙いだな・・・
そういう偏見が二次元に萌えながら可愛いアイテムも大好きな女オタク達を追い詰めるんですよ 謝れ! 謝れ! なんやねんお前本読んでたら知性アピールだとか思っちゃう人?