大事な話だと言う。
もう分かっていた。推薦の取り消しだ。
さかのぼること夏休み。
かなさんに伴われて、ぼくはメンヘラ女のバイト先へ行き、休憩中、近くの公園で別れを告げた。
「そう、わかった。」
かなさん「なんか嫌な感じね。きみ、あぶないかもしれない。」
意味深なことをいうかなさんに僕は動揺した。
現にぼくはかなさんにすごく惹かれていた。
まあそれもれもメンヘラ女の反動だ、と自分を納得し、その感情を押し殺していたが、
やっぱり素敵だった。
そして、メンヘラ女の大逆襲が始まった。
と書かれた手紙が添えられていた。
父はそれを車の中で開けたので誰にも見られなかったそうだが、
もし職場であけていたら大変なことになっていただろう、と怒鳴りつけた。
ぼくは事実を伝えようとしたが父親は聞く耳をもたなかった。
「母さんには黙っててやるから。二度とこんなことはするな。」とだけ言って。
いま思い返しても処女ではなかったと思う。
またもや平穏な日々が過ぎた。
父と違い、母は聞く耳を持っていた。
彼女と付き合っていたのは事実だが、ぼくはそんなことはしていない。
まず、隠しカメラで撮られたと思われるハメ撮りのキャプチャ画像が家のポストに投函された。
ぼくは家にいられなくなり、友達の家に逃げた。
お前の写真が学校宛に届いたんだが、いちどご両親含めて相談したい、
という話だった。
ぼくは呼び出された日時に、学校の会議室へ両親とともに座っていた。
担任、学年主任(2年のときの担任)、教頭、校長、もう一人なぞの人物がいた。
校長が席に座ると、そのなぞの人物を紹介した。
「この人は○○さんと言って、わたしの顧問弁護士をしてくださってる方だ。もし何かあればいつでも相談して欲しい。」
僕にはもう逃げ場がなかった。廃墟で撮った彼女のヌード写真すら送りつけられていた。
「被害届を出してもいいんだが、まず事情を知りたいので話して欲しい」と弁護士の人が言った。
彼女とはネットで知り合ったこと。廃墟めぐりが共通の趣味で、いつしか写真のような深い関係になった。でもぼくは彼女のいうようなことはしていない。
母親にだけは聞かれたくなかったので、外に出てもらっていたので、かなり詳細に正直に語ることができたと思う。もちろん、すでに写真とビデオが全てを物語っていたのだが・・・。
弁護士には一度警察に相談しに行くように進められ、その日は終わった。
当時ストーカーなんて言葉がやっとできたくらいで警察の対応もずさんだったし、ましてや男が被害者なんてあり得ない、という感じだった。というより担当してくれた相談員は、ストーカー、というものを全く理解していないようだった。
僕は絶望を感じながら家路に着いた。
そして、冒頭へ戻る。
メンヘラ女は直接大学へ行き、僕の名前を書いた封筒を学生課に手渡したそうだ。
こうした証拠がある以上、大学側もこの生徒を受け入れることはできなくなった。
そんなことをいわれたらしい。ぼくはもう疲れていたのでなるがままに身を任せていた。
結局、推薦が取り消しになり、大学への興味も失ってしまい、その後の半年は死人のように引きこもり生活に入った。
卒業はなんとかできた。
3月になりこのままではあかんと、東京の予備校に通うことにした。寮に入ることにもなった。
ぼくがたちなおれたのは、かなさんのおかげだった。
なんどか僕の様子を見に来てくれ、会うたびに生き霊が弱くなっている、消えかけているからもうそろそろ大丈夫、と励ましてくれた。
実は大学時代にできちゃったので、そのまま退学して働こうと思ったのだが
せっかく苦労して入った大学を辞めることはない。私が支えてあげるから、大学だけは卒業しなさい、と言ってくれたのだ。
いまは三人の子宝に恵まれ、平凡だけど幸せな日々を送っています。
http://anond.hatelabo.jp/20140619175802
廃墟巡りとかしてた時の話
http://anond.hatelabo.jp/20140618215648
http://anond.hatelabo.jp/20140618225338
http://anond.hatelabo.jp/20140619142752
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