2014-06-19

メンヘラ女の大逆襲

9月も終わる頃、ぼくは担任教頭に呼び出された。

大事な話だと言う。

もう分かっていた。推薦の取り消しだ。

ぜんぶメンヘラ女の仕業だ。

さかのぼること夏休み

かなさんに伴われて、ぼくはメンヘラ女のバイト先へ行き、休憩中、近くの公園で別れを告げた。

「そう、わかった。」

彼女はそれだけ言ってバイトに戻っていった。

かなさん「なんか嫌な感じね。きみ、あぶないかもしれない。」

意味深なことをいうかなさんに僕は動揺した。

しかしハメ撮りを見られた間柄だ。こわいことなんてない。

現にぼくはかなさんにすごく惹かれていた。

まあそれもれもメンヘラ女の反動だ、と自分を納得し、その感情を押し殺していたが、

やっぱり素敵だった。

そのまま何事もなく夏休みが終わり、新学期が始まった。

そして、メンヘラ女の大逆襲が始まった。

とつじょ父親の職場宛に、血染めシーツ宅急便で届いた。

「これはあなたの息子さんに奪われたとき処女の血です。」

と書かれた手紙が添えられていた。

父はそれを車の中で開けたので誰にも見られなかったそうだが、

もし職場であけていたら大変なことになっていただろう、と怒鳴りつけた。

ぼくは事実を伝えようとしたが父親は聞く耳をもたなかった。

「母さんには黙っててやるから。二度とこんなことはするな。」とだけ言って。

僕は初体験を奪われたが、彼女は明らかに処女ではなかった。

もちろん童貞だった僕にことの真相はわからないが、

いま思い返しても処女ではなかったと思う。

またもや平穏な日々が過ぎた。

しかし、突如それは破壊される。

今度は母親あてに、処女シーツを送りつけてきたのだ。

母はすぐさま父に相談し、家族会議が開かれた。

父と違い、母は聞く耳を持っていた。

彼女と付き合っていたのは事実だが、ぼくはそんなことはしていない。

その場はなんとかやり過ごしたが、あくる日から地獄だった。

まず、隠しカメラで撮られたと思われるハメ撮りのキャプチャ画像が家のポストに投函された。

次に、ビデオ映像のものが届いた。

ぼくは家にいられなくなり、友達の家に逃げた。

しばらくして、担任から電話がかかってきた。

お前の写真学校宛に届いたんだが、いちどご両親含めて相談したい、

という話だった。

ぼくは呼び出された日時に、学校会議室へ両親とともに座っていた。

担任、学年主任(2年のとき担任)、教頭校長、もう一人なぞの人物がいた。

校長が席に座ると、そのなぞの人物を紹介した。

「この人は○○さんと言って、わたしの顧問弁護士をしてくださってる方だ。もし何かあればいつでも相談して欲しい。」

僕にはもう逃げ場がなかった。廃墟で撮った彼女ヌード写真すら送りつけられていた。

被害届を出してもいいんだが、まず事情を知りたいので話して欲しい」と弁護士の人が言った。

彼女とはネットで知り合ったこと。廃墟めぐりが共通の趣味で、いつしか写真のような深い関係になった。でもぼくは彼女のいうようなことはしていない。

母親にだけは聞かれたくなかったので、外に出てもらっていたので、かなり詳細に正直に語ることができたと思う。もちろん、すでに写真ビデオが全てを物語っていたのだが・・・

弁護士には一度警察相談しに行くように進められ、その日は終わった。

翌日、弁護士の言いつけをまもり地元警察署へ行った。

当時ストーカーなんて言葉がやっとできたくらいで警察対応もずさんだったし、ましてや男が被害者なんてあり得ない、という感じだった。というより担当してくれた相談員は、ストーカー、というものを全く理解していないようだった。

僕は絶望を感じながら家路に着いた。

そして、冒頭へ戻る。

メンヘラ女は直接大学へ行き、僕の名前を書いた封筒を学生課に手渡したそうだ。

こうした証拠がある以上、大学側もこの生徒を受け入れることはできなくなった。

そんなことをいわれたらしい。ぼくはもう疲れていたのでなるがままに身を任せていた。

結局、推薦が取り消しになり、大学への興味も失ってしまい、その後の半年は死人のように引きこもり生活に入った。

卒業はなんとかできた。

3月になりこのままではあかんと、東京予備校に通うことにした。寮に入ることにもなった。

ぼくがたちなおれたのは、かなさんのおかげだった。

なんどか僕の様子を見に来てくれ、会うたびに生き霊が弱くなっている、消えかけているからもうそろそろ大丈夫、と励ましてくれた。

そして何とか一浪大学合格することができた。


ぼくは一連の物語のなかで一つだけうそをついた。

そう、社会人になった僕は、かなさんに結婚を申し込んだのだ。

実は大学時代にできちゃったので、そのまま退学して働こうと思ったのだが

せっかく苦労して入った大学を辞めることはない。私が支えてあげるから大学だけは卒業しなさい、と言ってくれたのだ。

いまは三人の子宝に恵まれ、平凡だけど幸せな日々を送っています

夏休みメンヘラ女と性奴隷

http://anond.hatelabo.jp/20140619175802

廃墟巡りとかしてた時の話

http://anond.hatelabo.jp/20140618215648

http://anond.hatelabo.jp/20140618225338

http://anond.hatelabo.jp/20140619142752

http://anond.hatelabo.jp/20140619150940

http://anond.hatelabo.jp/20140619153654

記事への反応 -
  • その晩、ぼくらはラブホテルにそのまま泊まり朝までセックスした。 以降、ぼくは彼女の助手みたいな形で廃墟巡りに付き合い、 廃墟で全裸になる彼女の写真を撮らされ、 一通り撮...

    • オカ板かなと思ったけど増田で。 高校生の頃、見よう見まね廃墟マニア向けのホームページを作ってたことがある。 mixiとも連携し、親しくなった人にだけそのホームページを教えてい...

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