「昨日のこと、わたしのこと、誰にも言っちゃだめよ。強制はできないけど、わたしからのお願い。」
話が終わりそうになったので、ぼくは気になっていることを聞いてみた。
「あの女、なんて言ってたんですか?」
かなさんは困った顔をした。
「うーん。良くないことよ。口に出して言葉にしてしまうと呪われてしまうかもしれない。たいていの呪いってまったくのでたらめなの。でもね。人が言葉を交わすことで生まれる呪いっていうのは確実にあるみたいなの。わたしはのろわれたこともないしのろったこともないから確かなことは言えないけど・・・。やっぱり、やめておくわ。」
「ちなみに、矢口先輩、彼女と別れるわよ。それからまなと付き合うけど、まなともそんなに長くは続かない。でね、この地から出て行くことになると思う。」
かなさんの言葉通り、矢口先輩は彼女と別れまなさんと付き合い始めたが、二人で峠を攻めているときに事故にあいFD3Sは大破。二人とも奇跡的にほぼ無傷だったが、その事故以来二人でいるところを見ることはなかった。しばらしくて、矢口先輩の実家の会社が不正行為によって信用を失い、倒産した、という話がうわさ話として町内をかけめぐった。矢口先輩の携帯もつながらず、家に行っても誰もいない状況が続いた。二、三ヶ月し、母親から矢口先輩が一家で夜逃げしたらしいということを聞いた。どうやら自転車操業を続けていた会社が、不正の発覚により一気に回らなくなったそうだ。順風満帆に見えた矢口先輩の行方は誰も知らない。風の便りによると、父親はフィリピンに逃げたらしいが、矢口先輩、その妹、母親の居場所はわからなかった。
話をがっつり戻す。
かなさんと話をしていると、精神は弱いというA先輩がやってきて、いきなり威張り始めた。
「おまえなんだよ、かなに童貞もらってもらおうなんておもってるんじゃねえだろうなあ。」
A先輩はぼくの頼んだ高級そうな牛肉のなんかをつまみぐいし、そのままかなさんをつれてお店を出て行った。
かなさんは悪いと思ったのか、「○○くんも、一緒にカラオケいく?」と言ってくれたが、
A先輩は目で、「てめえきたらぶっころすかんなこのやろー」と言っていたので
丁重にお断りした。
そんな風にして、ぼくは廃墟マニア向けのホームページを作ることになったのだ。
かなさんもいまは30を越え、三人の子持ちだ。もちろんだんなさんはA先輩ではない。
いまだにぼくはかなさんと付き合いがあるが、
会うたびごとに、
「三つの願いごとのひとつとして、セックスしたい、と言ったらいまでもかなえてくれますか?」
と聞いてみる。
結局ぼくはあの別荘で聞いた女性の声の真相をしることはできなかった。
もしかなさんに願いをかなえてもらっていたら、ぼくには霊感があったのかもしれない。
そして、その後、廃墟めぐり、心霊スポット訪問で、数々の霊障を経験したかもしれない。
しかし、ぼくの平穏な日々は、メンヘラの彼女と出会い、あの病院廃墟へと行ったことで
終わってしまったのだった。
廃墟巡りとかしてた時の話へ続く。
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乙。面白かったよ。 あとはもうちょっと性描写を詳しくした番外編を頼む!