「おれの500馬力を試してみたいってまなが言うんだよぉ」
AB先輩、ぼく、かな&あながギャラリーの集まる峠に戻ると、
やぐち、おまえとはこれっきりだ。
ぼくは矢口先輩が自慢し続けるのを途中でぶちきってやった。
かながもう帰りたい、というので
AB先輩はかな&あなを送っていくことになった。
僕も同乗していくことになった。
やぐちせんぱいのチームのほかの先輩たちも数人集まってきていたが、
やぐちがこねえなら、俺らもちょっと走って帰るよ、
ということになった。
矢口先輩のFD3Sは、他の先輩が乗って帰る手はずになっていたらしい。
やぐちのやろー。
ぼくは他の先輩たちの心の声を心の中で代弁した。
翌朝、6時前だったか。
「モーニングコールだ、ばかやろー。」
ちょーご機嫌で、朝からまじでうざかった。
「やっぱ都会の女はエロいなー」と自慢が始まったので、
会話をさえぎり、
「すみません、用事はなんですか?」
と僕は強引に聞いた。
「あ、そうそう。かなちゃんがお前に話しがあるから携帯教えてくれっていわれたから教えちゃったぞ。童貞、もらってくれるんじゃねえ?」
うるせえ。
そう思いながらも、ぼくは本当にかなさんに気に入られてセックスできるんじゃないか、童貞捨てられるんじゃないかと妄想し始めた。
「せんぱい、まなさんって大宮なので、都会の女じゃないですよ。」と訂正を入れ、
僕は電話を切った。
その日の夜、かなさんから電話があり、今日これから会えないか?といわれたので二つ返事でイオンで待ち合わせることにした。
イオンで会ったかなさんはとてもエロくみえた。それはきっと僕がエロを意識していたからだろう。
スターバックスに席を取り待っていると、コーヒーとふらぺちーの(ぼくの)をもってかなさんが目の前に座った。
「ごめんね。急に呼び出して。」
ぼくの妄想は果てしなかった。
「○○くん、昨日あの金庫の中でなにか変わったことなかった?」
「なんすか?やぶからぼうに?」
セックスの可能性が一気に低くなった。
「なんかあったなら教えて欲しいの。教えてくれたら私も正直に話すから。」
僕は金庫の中、貯蔵庫で聞いた女性の声について話した。
かなさんが連れて行ってくれたのはファミレス風の個室居酒屋だった。
ぼくは初めてのことにとまどいながら、お酒を注文するかなさんがすごく大人に見えた。
「あの、運転して帰るンじゃ?」
は?
まじなんなん?
なんだかむしゃくしゃしていたので、僕はその店で一番高いものを注文した。
「こんなこと信じてもらえるかわからないけど、わたし、見えるの。霊感があるとかそういうのじゃないの。ただ見えるの。いつも見えるわけじゃないけど・・・、こんなこと言っていいのかな。わかる?女の子の日?」
ぼくはうなずいた。
「わたしね、おんなのこの日が近づくと見えるようになるみたいなの。でも普通に生活している時は見えないの。昨日みたいに特別な場所にいったときだけなのね。ほら、この辺だと首なしライダーが有名でしょ?わたし見たことあるのよ。すごいスピードで追い抜いていったかと思ったらがけの前で消えたの。その時彼氏が運転してたんだけど、そのままライダー追いかけてたらがけに落ちてたと思う。あれ、やっかりな霊よね。そうそう、あの峠の近くにダムがあるでしょ?昨日も別荘へ行く途中に通ったじゃない。あの時、ダムの水面に子供が立ってたの。ああ今日はマズイな、ってその時は思ったけど、まなとあながどうしても行ってみたいっていうから仕方なくついていったの。いざという時、あなたたちから彼女たちを守れるかもしれないしね。」
「それでね。これは秘密なんだけど、そういう時わたしが明確な意志をもって他人に触れると、その触れられた人にもわたしの霊感みたいなものが移るの。ごめんね。昨日金庫へ入る前、きみを押し出したのはわたしなの。」
そういえばAB先輩に金庫へ入るようにうながされた時、誰かに背中を押されたのを思い出した。あれはかなさんだったのか・・・。
「ほんとうにごめんね。わたし、あの別荘に入った瞬間から声が聞こえてたの。AもBも見かけは強そうだけど精神は弱いの。多分、幽霊なんてみたら泣いちゃうくらい。きみはね、まだ子供だから特別なの。ごめんね。バカにしてるわけじゃないの。あの中ではきみしか頼れなかったの。このこと、多分一生きみの心に残ると思う。だから、わたしね、きみの願いをみっつ、なんでもかなえてあげる。」
なんでも?
「もちろんなんでもって言っても、わたしにできることよ。エッチなことでも大丈夫よ。」
「じゃあ、一度やらせてください。」
思わず口について出たのがこんな言葉だったことを、ぼくは黒歴史としていまでも記憶している。
「いいわよ。」
あっけなくセックスできることになった。
「ただし・・・。わたしの身体を通るってことは、あなたにもその覚悟がないと無理よ。どういう時に出てくる歌かわからないけど、きっと霊感のようなものが身についてしまうかう。」
さすがにその言葉を聞き、ぼくは躊躇した。
「考えさせてください。」
病院廃墟で起きたことをかなさんに相談した。 「生き霊でも飛ばしてたんじゃない?」 夏休み。 大学も推薦で決まり、あとは遊びほうけるだけの日々を迎えた。 彼女とはつかず...
9月も終わる頃、ぼくは担任と教頭に呼び出された。 大事な話だと言う。 もう分かっていた。推薦の取り消しだ。 ぜんぶメンヘラ女の仕業だ。 さかのぼること夏休み。 かなさんに伴...
ずーっと心に残っていたものを吐き出せました。 増田という場があって良かった。 あと、長い長い駄文を読んでくださったみなさんにも感謝します。 いまでは良い思い出、 では決して...
乙。面白かったよ。 あとはもうちょっと性描写を詳しくした番外編を頼む!