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はてなキーワード: シャッターとは

2010-04-07

過去の話

てんかんの発作が電車内で起きてしまった。

家で起きたときは収まるのを待てばいいが、公衆の面前で、しかも友人の前でそういうことはできない。友人は何も知らない。知ったとしても避けられるかもしれない。

だから、発作に抵抗した。駅につくまでに気絶してはまずい。なるべく人の少ないところまで、トイレまで意識を持たせないと。

視界が半濁する。足が震える。吐き気が止まらない。感覚が鈍る。正常な判断もおぼつかない。

しかし、耐えた。耐えるほかすべてを満足させることはできなかった。

駅についた。どこの駅かもわからない。俺は友人に別れることなく、電車を降りる。そのとき、友人が何を思ったか、どんな表情をしていたか、それを気に掛ける体力はなかった。

足許がはっきりしないが、バランスを崩していることだけは理解できた。その間もなく、俺は売店のシャッターに背を打ち付け、倒れ伏した。

もうダメだとわかっていたが、何とか立ち上がらないといけない。しかし、立ち上がることができない。何もできない。僅かな意識しかない。

そのとき気絶するまでいくらかの時間があったが、少なくとも、話しかけてくれたのは見知らぬ女性ひとりだけだった。ほか友人を除き、すべては私を無視した。友人でさえ、振り向かなければ、シャッターの音を耳にしなければ、そのまま行ってしまったと言う。そんな危険な状況が待っていた。

気がつけば駅事務室内のベッドに横たわっていた。友人は隣にいてくれた。時刻はもう確実に夜9時は過ぎていた。その時刻とやらも、頭の中を整理したあとの結果に過ぎない。今何時か、友人がなぜそこにいるのか、理解するまでにかなりの時間を要した。

そのとき私は友人に何ができたか。「今は夜」ということしかわからない。「ひとりで大丈夫だから」と言ったことは覚えている。それに対してなんと言われたかも覚えていない。出来事の前後も覚えていない。ただ、帰りに友人はいたので、俺が言ったことは聞き入れてもらえなかったようだ。

倒れてからトイレに行ったこと、そこに酔いどれ中年サラリーマンがいたことは、覚えている。そしてそのトイレで吐かなかったこと、安堵とともに空虚な気持ちが広がっていったことも、覚えている。駅員が別な部屋に複数いて、事務的な話をしていることも、覚えている。

私だけで判断すれば、てんかん発作は苦しい時が過ぎると、極めて強烈なエクスタシーが次に待つ。艱難から脱した達成感とも、性的な満足感とも異なる、奇妙な開放感が、脳内を満たす。しかし、この反応は自分にとって何らいいものではない。

どれくらいの時間をかけて意識がはっきりしたかはわからない。帰りの電車ではもう意識が澄み渡っていたし、適度に友人とも会話したが、何を話したかまでははっきりしない。家への帰り道も不都合なことはなかった。いつも以上に寝付きだけは良かったかもしれない。

次に友人と大学講義であったとき、「もう、大丈夫なの?」と尋ねた。真意はわからない。私は「うん、もう大丈夫」とだけ言った。表情はたぶん笑っていなかったのではないだろうか。

2010-03-03

http://anond.hatelabo.jp/20100303173840

東京都内だと時間帯によっては浮浪者はみかける。

 ただし増えた印象はない

全部の店のシャッターが降りているショッピングモールが存在しない。

中野の上の方の階サンプラザやばくない?とか

東京都内でも神田近辺から九段下に歩くときにえらい老朽化したビルなかったっけ?

とか、流行ってないところ=みんなが行かないところ。に行けばいくらでも。

まだまだ豊かだし余裕があるよこの国は。

そうは思うが・・・物価が高いのがどうにもならない。

おまけに、派遣切り地方への出向などが増えている。

収入がない人が増えているところでは増えている。

国が良くても個人が良くない。

 

http://www.777money.com/torivia/torivia4_4.htm

言い方を変えれば、インドなどでは平均年収30万円で生きてはいけるのに比べて、

日本では年収30万円では下手すりゃホームレス化する・・・

つまり、下手に高収入がいて、定収入向けサービスが少ないせいで生きにくくなってる。

日本はまだまだ大丈夫

俺も悲観論大好き日本人の一人なんだけどさ。冷静に考えてみたわけ。

失業率が高いっつっても街中がホームレスで溢れていたりしない。

コンビニ帰りに浮浪者に小銭をせびられることもない。

収入が減ったといっても飢えて子供が死んだりしていない。

少子化といってもその辺の公園行けば大量の子供が遊んでいる。

全部の店のシャッターが降りているショッピングモールが存在しない。

ガラスが全部割れている廃ビルゴミだらけの路地裏なんかもない。

信号待ちしてる車に果物売りが寄ってくることもない。

子供の物乞いもいない。

まだまだ豊かだし余裕があるよこの国は。

バブル燃えカスみたいな老害さえ退場してくれれば、死ぬほど鬱になることもないんじゃないかな。

2010-02-14

http://d.hatena.ne.jp/Thsc/20100214/p1

>「記録しなければと、夢中でシャッターを切った。この写真を見るたび、あらためて震災被害の大きさを感じる」

>「応援の列車などに乗り、三田銭湯まで入浴に来る被災者も多かった。二度とあってほしくない記録」と色あせた写真を眺めながら、しみじみと語る。

信用するかどうかは別として、こうした弁で写真を撮ることがダメならジャーナリストは全員死んだほうがいいってことになるな。

2010-02-08

あえて使い捨てカメラを使ってみた

以前増田使い捨てカメラは最高にストイックでイカしたカメラではないかみたいな書き込みをした増田です。

はい。そんなもどうでもいいですね。

さて、こないだ地方の町中のスナップ撮りに行くときに、使い捨てカメラを買ってお供にしてみた。

メインデジタル一眼レフね。使い捨てカメラコンビニで買った

写ルンです1600 Hi・Speed

です。1,000円ちょいした。結構高いね。

フィルムでISO1600の感度とかあるんだーとか感心しました。

シャッタースピードは1/200で固定だそうだ。絞りはいくつになるんだろうね。

室内、モノ、風景といろいろ撮ってみたけど、

室内ではフラッシュ焚かなかったので全く写ってなかった。写ンないです。

おもしろかったのはフィルムの特性なのか、カメラ側の特徴なのか、

露出アンダーになると黒ではなく灰色に写るのね。

屋外での写りはどの場所でも露出が外れることは無かった。

ちなみに天気は曇り or 晴れね。フィルムすげー。

被写界深度を確認するために、眺望のいい山の上で、

被写体をその辺の木として1メートルくらい離れて撮ってみた。

木と風景、どっちにもピントが合っている。

まあそんなもんですかね。コンデジもそうだよね。

で、画質なんだけどやっぱり甘いっすね。

この甘さを生かすのは人物撮影になるのかなと思う。

風景とか全然ありがたみがないというか。

現像代は30枚ちょいで1,700円くらいだったかな。本体代と含めると馬鹿にならないね。

でもまたやってみたいと思う。

まとめとして「まあこんなもんすかね」って感じだ。

ただ、前述の通りピントが甘いので、人物撮影以外で使うのはあんまりしたくないかな。

あと、ダイアルジーコジーコ回してシャッターを切ると、「チャッ」って中で何かがどうかしたような小気味よい手応えがくるのが好きかも。

お金に余裕があるときにまたやりたい。

2010-02-04

ふたつ恋した

http://anond.hatelabo.jp/20100123005026

つづき

 無謀な旅に出たのはそれを書きたかったからで、半月日本中を車で旅して、それでもまだそうかと聞かれれば、僕はうんとうなずく。それでもうんはいまは少し控えめで、バックシートの同乗者との旅が楽しくなり始めている。後部座席の右側の窓は全開で、海風に髪をなびかせて真っ青な海に向けて、彼女は表情をあかるくしてシャッターを切る。バックミラー越しの横顔には昨夜の凍えきっていたおもかげはなく、蒸し暑いとさえ思う風にはしゃぎきっていた。

 それだけで満足してしまう。

 写真の評価をしっかり伝えたのが良かったのか、安心して撮って良いのだと思ってくれたのか。

 雑誌旅行記みたいなサイトを作りたい。そう旅の目的をはなすと彼女は僕の書いた文章を読みたいといった。彼女はしばらく読みすすめ、これは私には無理と情けない声でいった。僕は慌ててブレーキを踏み、路肩に車を止めた。振り返って言った。

「ちょ、ちょっと待って下さい。僕はもうあなたに写真を撮って貰うって決めているんです。あなたの写真がいいんです。すてきじゃないですか、なにが無理なんですか」

「でもこの旅行記、格調高いし、大人っぽいし、私こんなに知識ないし」

 うつむく女の子をみて、僕はあっと思い当たる。

 意気込んでひとり旅にでた僕は、だれからもそしられない旅行記にしようと、堅固な文体で書いてしまっているのだ。本人からすれば少し堅いかなぐらいであるのだが、慣れない人からみればそれはきっと要塞でも見上げているような心地になるのだ。

「あ、いえ。でもこの文章堅すぎて、こんなの読んだら息詰まってしまいます。そんなところにぱっと明るい写真がほしいんです。あなたの写真は色彩豊かで、大胆な構図で、ダイナミックで、この動きのない旅行記をきっと生き生きとさせてくれる」

 僕は、思いつく限りの美点を話す。これでもプロの撮った写真を見続け、それを文章の隣にレイアウトし続けていたのだ。もしそんなプロ達に混じっていても僕はきっと彼女写真を選ぶと思う。

「それにWebサイトなのです。雑誌ではないのですから解像度も必要ないですし、僕はフィルムスキャンもやってましたから、若干色味が狂っても直せますし」

 すこしだけ顎が上がり、僕は安堵して息をつく。

「ちょっと安心しました」

「撮れないって言われたらどうしようかと思いました」

 彼女はふふと笑う。

「そんに気に入ってくれたんですね、私の写真

 それで僕は、旅行記に載せる写真彼女に撮って貰う事に執着心が生まれ始めている事に気づく。なぜだろうと思い、色味だろか、構図だろうか、被写体の選択だろうかといろいろに理由探しをするが、きっとセンスみたいな所かもしれないと無難に着地する。美感の好きと思うところが似ているのだ。そこの波長が合うのだ、きっと。

 バックミラーの中の、撮った写真ノートPCで確認する姿を見ながら思う。

(出来れば、ずっと一緒に撮ってくれないかな、三ヶ月に一回でもいいから)

 彼女写真に恋をし始めていた。

 まだまだ若いのだし、これから音をたててめきめきと上手い写真を撮るようになる。そうなればちょっとした写真家になるかもしれない、プロというまではいかなくても。そうなってしまってからではもう届かない。今のうちに出会えたのは幸運で、コンビを組んでいれば、有名になっても昔のよしみでほんの少しだけならつき合ってくれるかもしれない。

 そんな打算さえ生まれてくる。

 それぐらい僕は参っていた。

 彼女の撮る写真はそれぐらい魅力的だった。

 二つめのトンネルを抜けてちいさな港を右手に(カシャリ)、まばらな民家の間を抜けて海岸沿いの道を行くと、海一面に養殖場が広がる(カシャリ)。のんびりと車を走らせ地図を片手にちらちら見ると、牡蠣養殖場との記載がある。

「すごーい」

牡蠣だって。そういえば松島近いですし、松島といえば牡蠣ですし」

(カシャリ)

「こんなにたくさんあると迫力ありますね。あ、船が出てる」

(カシャリ、カシャリ)

 はしゃいでシャッターを切る彼女の横顔はまだ無邪気で、疲弊する職場修羅場の数々ですさんだ心にほっと暖かい場所が出来るのを感じ始める。夏の海風を全開に受けながら、真っ青なひかりを浴びているとなにかがほどけてくる。ああ、そうか僕はひとりじゃないのだ。そう思うとほっとし、なにかこれまでずっとひとりで戦ってきたような気がし、その戦いには様々な理由があったのではあるが、それさえもどうでもよいことのように、それよりもこの彼女との旅が楽しくなってきている事に気づく。

 海風の中を、岬を目指して、おんぼろのスズキを走らせるのは楽しい

 バックミラーの中のちいさなカメラマンが嬉々としてシャッターを切るのを見ているのは楽しい

 どんな写真が上がってくるのだろうと心待ちにするのは楽しい

 こんなにも楽しいものかと、内心動揺している自分がいることに気づく。

 不意に彼女がこちらを振り返り、胸に片手を当て深呼吸をする。

「ふう、夢中になりすぎちゃう」

 何度か息をし、そのきれいな眼がこちらを射貫く。

楽しいね、岬めぐり

 僕は、ええだか、ああだか、そんな曖昧なことをいい、その笑顔からあわてて視線をフロントガラスに向ける。胸がどぎまぎしていた。あまりのかわいらしさに動揺しているのに気づく。何重にも防壁を築いていたはずが、いつの間にか彼女はその内側に立っていた。

(この子、どうやって入ってきたんだろう)

 いや違う、目下の問題はそこではない。彼女はちいさなカメラマン旅行記に載せる写真を撮ってくれる。その写真はすてきで彼女との旅は楽しい。でも、そこで彼女が僕の気持ちに気づいたら? いま、落とされてしまった事に気づき、僕がくらくらになっている事を悟られたら。

 彼女は車を降りるかもしれない。

 極力、感づかれないようにしなければならないのか。

 背筋を冷や汗が伝うのがわかる。

 道は小さな港を駆け抜けてすぐに山間へそれを抜けるとまた小さな港、牡鹿半島ドライブはその繰り返しで、めまぐるしく景色が変わる。彼女はそんな移り変わりの速さに夢中で、シャッター音がいきいきと響く。手元の地図を見ると、目当ての岬である黒崎はもう目と鼻の先で、そこから大きな港を抜けてすぐだった。

「間に合いましたね。暗くなる前にたどり着けましたよ」

 バックミラーを見ると夢中でシャッターを切る姿、鼻歌をうたい、表情を輝かせてカシャ、カシャと目の前の光景を切り取っていく。まるで声さえ聞こえていないようで、海風に溶け込むように髪をなびかせる、それを見るだけでも思わず頬が緩んでしまう。

 軽自動車ささやか港町を駆け抜け、半島の最南端へと向かう。

 海は青く右手には、対岸に大きな島が見える。

 牡鹿半島はその東西を大きな島に挟まれている。その緑が海の色に鮮やかに映える。周囲の樹々のにおいが風に混じる。八月を過ぎた平日の夕方近くの半島はひとけも車通りもなく、この光景をひとり、いやふたりじめしている心地になる。ぽんこつのエンジン音だけがこの景色の中に孤独で、秘境へいくでもなしに世界にたったふたりになった心地になる。

(しかし、いったいなんでこんなことになっているんだろう?)

 わからない。

 最善と思える選択肢を選んでいるうちになぜかこんなことになっている。

 かわいい子が写真を撮ってくれて旅もしてくれるんだ、それでいいじゃないか。

 そう、それでいいはずだった。

 半島の南端で折り返して少し高いところにある駐車場のある展望台にスズキをとめる。

 彼女には新しいメモリーカードバッテリーを渡し、僕は早速彼女写真をチェックし始める。鮮やかで躍動感のあるスナップに、僕は夢中になり、そして幸福感に包まれる。

「いいじゃん」

 何枚か、おそらくサービス精神なのだろうが、旅行誌にありがちな紋切り型の構図を見つける。

(こんなことしなくていいのに)

 僕はノートパソコンの電源を落とし、頭の中に渦巻くうれしさとそれをあらわした言葉が浮かび上がってくるのをあれこれと選び始める。エンジンを切り、車を降りると海の香りが風となって包み込む。ふっと息を吸い込んで、こんなにわくわくしたのは初めてじゃないかとふと思う。

(どこいっちゃったんだろう?)

 僕は彼女を探した。

 ■シリーズリスト

 ・女の子ひろった

 http://anond.hatelabo.jp/20100116012129

 ・これこそ逃避

 http://anond.hatelabo.jp/20100119221742

 ・すごい彼女

 http://anond.hatelabo.jp/20100123005026

2010-01-23

すごい彼女

 http://anond.hatelabo.jp/20100119221742

 つづき。

 橋を渡って半島に入ると、二車線の道はくねくねとまがってトンネルに入り、そのまま半島の東岸を縫いはじめる。右手に真っ青な海が広がり、その青のまぶしさに彼女は表情を輝かせる。

「ごめん、逆がよかったね。西側からめぐるべきだった」

 助手席の彼女は首を横に振り、徐行して下さいと嬉しそうに言う。速度を落とすとシートベルトを外してシートをまたぎ、彼女は後部座席の右側の窓ガラスに両手をそえ、カーブで揺れる自分をそれで支えて、海の美しさにみいる。

「晴れてよかったですね」

「うん」

 バックミラー越しにはにかんで笑う。こっちのほうがお互いが見やすいかなどと思う。

 夏が過ぎ去ろうとしている半島交通量も少なく、のどか田舎道は岬めぐり巡礼者たちにはおあつらえ向きに思える。都会を離れ、人混みの孤独から離れ、何か嫌なことから離れ、ただただ陽光と、波の色と、緑のあいだを抜けてくる風のことだけを思う。それはとても贅沢な旅であると僕はもう知っているのだけど、彼女はまだそれを堪能してはいなかった。

「窓あけてもいいですか、ちょっと暑いかもだけど」

「ああ、そうですね」

 思いつかなかったとばかりに彼女は目の前のガラスおろしてしまう。そのねっとりとした海風に髪をなびかせて、窓枠を両手で掴む。それでカーブで揺れるのにバランスをとって、いいなあとのどかつぶやく。僕も窓を開けると潮のにおいが車内を舞う。嬉しくなってハンドルとんとんと指先でたたく。

「そういえば、坂田さんって、なんで岬めぐりなんて思い立ったんですか?」

 不意打ち的なふしぎそうな目がバックミラー越しに向けられる。

 どぎまぎするが嘘はつけない。

 視線もそらせない。彼女は仲間だし、知ってもらったほうがいい事ではある。

「あー、長いですよ? それに退屈かも」

 バックミラーのなかで頷かれると、もう逃げ場はなくなった。

東京仕事を辞めたって、話しましたよね? その仕事雑誌作る仕事だったんです」

 へーという顔をするので、軽くため息をつく。

「立派なものじゃないんです、下請けですから。営業用語ではプリプレスって言うけど、今ならDTPかな? その会社雑誌だけじゃなくて、会社案内とか、IR資料とか、パンフレットとかもやっていて雑誌は半分ぐらい、でも雑誌は儲かってなかったと思う」

「どんな雑誌やってたんですか?」

カード会社の全会員に配る旅行誌。その旅行誌でだいぶ儲けていたらしくて、けっこう力を入れていた雑誌だった」

 ついこの間までの事とが、彼方の事に思えてくる。

出版関係やりたかったんです。プリプレスは誌面を作れるけれど、文章も写真自分のではなくて加工するだけ、下請けにしては給料が出ていたから続けられたようなもので、責了前は缶詰になるし、仕事ハードで、それで」

「やめたんですね?」

 得も言えない沈黙が何か責めるように続く。やりたいことを諦めたですね、おめおめと実家の安定した楽な仕事をするんですね? そんな声が聞こえてくる。言い訳する。

カード会社合併したんです、別の会社と。それで会員向けにやっていたサービスを見直すことになって、対象になったのが旅行誌をはじめ定期刊行物で、合理化ってやつで。先方はコスト切りたくて、会社もねばったんだけど価格が安すぎて、雑誌仕事がほとんどなくなって、残るはIR仕事。で、もういいかなって。この業界先がまったく見えないし、この年でこの不況転職もどうかと思うし、親はやくざ仕事はやめて、山形実家を継げってうるさいし。やけばちだったんです」

 それで、やりたいことを諦めて現実逃避

 バックミラーを見るとふしぎそうな顔をしている。

「それでなんで、岬めぐりなんですか?」

「ああ、実は先方に提案してたんです。担当者の方が、いいアイデアないかなって言うので、多いんですそういうの、クリエイティブってあんま垣根ないから。見透かされてたんですかね、出版やりたいの。で、けっこう夢中になっていろいろ調べて」

 彼女は窓枠に片肘をついて海風に吹かれながら、嬉しそうにする。

「こんなすてきですもんね」

 それで救われる。

インターネットやりたいんです。ずっと紙だったから、ネットの双方向性というか、でもネットの事は全然わからなくて、でも紙だと刷るのにお金がかかるけれど、ホームページを作るのってそんなにお金がかからないから作ってみたいと思うんです」

 唖然と言う風体で彼女は口をぽかんと開ける。

「どんなページなんですか?」

旅行サイトです。雑誌みたいに。あちこちまわってそれを記事にする。それでたくさんの人が読んでその旅をしてみたくなるような、そんなサイトがいい」

 彼女は考え込んで、しばらく黙る。

「じゃあ、写真は必要ですよね。もしよければ、写真を撮りましょうか? だって、こんな素敵な景色を撮らないなんてもったいないし、あなたは運転中だし、私以外撮る人いないし、これ撮りたいし」

 僕の答えは明確で、不良資産になってるカメラを処理してくれるなら、嬉しい以上の言葉はなくて、後部座席のカメラ機材を教えた。彼女はわくわくと、すぐにシャッターを切る。それを見た瞬間、その同乗者がすごい才能を持っていることに気づく。嬉しそうに見せられたプレビュー画面をみて、これはすごいと、わかる。


 ■シリーズリスト

 ・女の子ひろった

 http://anond.hatelabo.jp/20100116012129

 ・これこそ逃避

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 ・すごい彼女

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 ・ふたつ恋した

 http://anond.hatelabo.jp/20100204210025

2010-01-19

これこそ逃避

 つづき

 http://anond.hatelabo.jp/20100116012129

 逃避ってどんなものかと聞かれれば、いまの僕がそうだと真っ先に挙げる。現実と折り合いがつかず消化ができず、ちいさな軽自動車であてのない旅に出る。これこそまさにと思う、しかも由緒正しい逃避の旅。

 東北都市マクドナルドはひとけがなく、昼時だというのに店員の声が聞こえるのはたまに。閑散とした店内の奥のほうで長居をして、ぬるくなったコーヒー片手にノートPCをいじっているとそんな気持ちが首をもたげる。都会の仕事を辞めて、実家を継ぐことにしたのも半ば投げやりだったし、子どものころから親の仕事を見ていたからと言っても、正直なところ田舎の酒屋の跡取りになることに実感がわいてこない。そんな息苦しさから逃れようと企てたのが日本じゅうの岬を回るという計画で、半月ばかり車を走らせるうちにだいぶ気分が晴れて来ているのだとは思う。

 それでもときどきこんな心地になる。

 これは逃避だって。由緒正しくてもれっきとした現実逃避で、いつか現実に戻らなければならないって。

 山形から秋田青森岩手を回るうちに、日本海から津軽海峡太平洋と潮の色が変わっていくのを見た。押し寄せる波がどこも違うのを確かめた。海からの風を全身で浴びるのは快いものだし、誰もいない岬で砕ける波音に耳を澄ませながらシャッターを押すことがこれほど開放感に浸れるものだとは思わなかった。ずっと続く海岸線の青をただ見つめながら軽を走らせることも気に入るようになった。

 98年式のスズキのポンコツもすっかり相棒の風体で、近いうちに廃車にしなければならないのが名残惜しくなる。使いつぶすつもりで、実家の車庫の奥から引っ張り出してきたのに。

 今日回る予定の岬をチェックしながら、ちらりとPC時計を見る。

(間に合うかな、また帰還は深夜かな)

 僕は同乗者を待っていた。

 昨夜ひろったヒッチハイカー、察するに家出最中であるらしい。雨の夜の国道でずぶぬれになっていた若い女の子で、大阪の友人の家まで行くのだといい、正直なところそれ以外のことを僕は何も知らない。仙台着が深夜になり安宿に泊まらせたが、朝になって大阪へはあなたの車で行くという。

 いわく、あなたは優しくて善良で、こんな幸運はめったにないから、とのこと。

 お金出すから電車で行けばというと、わたしもふらふらしたいのだと言う。

 由緒正しき岬めぐりをふらふらだと言われていい気はしないが、彼女も僕と同じように逃げたい現実があるのだと、そう思うことにする。本当に何も持たずに逃げ出してきたというので、服代を持たせて買いに行かせて、もう三時間はたっている。

(しまったな、何時までに帰ってきて欲しいと言うべきだった)

 これで帰ってくるのが三時になれば、今日の計画は全部おじゃんで一泊の宿泊代が無駄になる。諦めて昼食をとろうかと思ったけれど、一時までは待つことにする。そうやって無為に時間が過ぎていくのは苦痛ではあるが、せっかくはしゃいでいる彼女を見ると、まあ、それぐらいは我慢するかというぐらいの余裕は持てる。

 女の子だからそこまでしてあげるのかと考えて見て、きっと男であっても同じ事をしただろうと思う。

 雨の国道で車に乗せてやり、ヒーターを全開にして、タオルを渡し、コーヒーを飲ませる。それからとりあえず仙台まで送る。きっとやったはずだ。違いがあったとすればもっと遠慮なく事情を聞いて、ツインの同じ部屋に泊まっただろうという事ぐらい。

 ノートPCから視線を上げて考える。

(一緒に行くと言われて連れていくことにしただろうか?)

 それも結論は同じ。

 たぶん僕はその少年助手席に乗せて旅をしただろう。

 結局のところ僕が欲しかったのは道連れの旅仲間で、車で旅する限りガソリン代にそれほどの違いはない。むしろ同乗者が女の子だから生じる諸問題の方が大きいわけで、それが女の子であることによって相殺される。旅の仲間が同姓であればそれはにぎやかで楽しくなるが、異性であれば華やいだ心地になる。

 コーヒーを飲み干したことに気づきレジカウンターに立つ。

 オーダーをしながら、出ていった彼女の事を思う。

「お客さま、おつりです」

 ぼっとしていた。

 そのままコーヒーを貰って、ぼんやり小銭をポケットに入れる。

 やっぱり、撤回

 ひろったのが女の子でよかった、それも彼女で。

 お待たせしましたとの声を聞いて顔を上げたのは一時半をまわった頃だった。

「ぎりぎりになってしまって」

「お帰り、ずいぶんかかりましたね」

 のんきにPCを片付けるはじめながら、ユニクロイトーヨーカドーしまむら、あちこちの衣料品店の袋を抱え、恥ずかしそうに向かいの席に座る彼女をみる。

「なんか、いろいろ迷っちゃって」

 ポケットからお金を出され、余った予算を渡される。

「持ってて下さい。消耗品とかあるでしょうし」

「あ、なるほど」

 緊張ぎみにそれをポケットにしまいながら彼女はいう。

「牡鹿半島ですよね。けっこうぎりぎりですよ? わたし、土地勘あるんです、この辺。行って帰ってこれるかな?」

「あ、日没までに向こうに着ければ、帰りは深夜でもいいんです」

 一瞬意味がわからないと目をしばたかせたが、門限や最終電車などない気ままな旅なのだと思い出して、なるほどと感心する。それからレジカウンターに駆け寄り、遅めの昼食をテイクアウトする。彼女の衣類を後部座席に積み上げ、エンジンをかけると、胸が高鳴った。彼女マクドナルドの包みから僕の分を置いたのを確認して、車を出した。

 仙台から牡鹿半島まではほとんどが国道45号で、松島までは大観光地のど真ん中を行く。それでも松島を過ぎると山間に入り、鳴瀬川を越えるとまた町中を走る。牡鹿半島はその外れにあり、目指す黒崎という岬は両側を大きなふたつの島にはさまれた、珍しい岬になっている。

遠足で行ったんです。釣り客が多かったって印象があります」

 チーズバーガーをほおばりながら彼女は言う。

「多いだろうね。格好のスポットだものね、町からも近いし」

 調べたところ、牡鹿半島宮城県屈指のレジャースポットを形成していて、当然ながら海で楽しむ事には退屈しそうにない。しかし、今日岬めぐり特急の弾丸旅行になりそうで、天気予報を聞く限りは天候には恵まれていた。

「そう言えば、学生さんなんですか? 聞いてなかった」

 何気なく聞いてちらとみると、あっと口を開いて、気まずそうにする。自己紹介さえしていなかった事に気づいたのだ。

「カワシマです。そうなんです。実家から仙台大学に通ってて」

実家?」

「うち貧乏なんです。だから、とてもひとり暮らしをさせるお金はないって、実家から通えるところへ。ひどいんですよ。大学まで片道二時間以上かかるんです、もう4年ですから、慣れてしまいましたが」

 僕はふと気づいて聞く。

「じゃあ、定期とか持ってないの?」

「あ、いまは学校休みだから。定期はいつも一ヶ月定期なんです」

 まずいことを聞いたと、うつむく彼女を見ながら思う。

「でも、聞いて下さい。それでも一ヶ月の定期代が二万円もするんですよ? 二万円です。信じられます?」

 たしかに彼女にとって移動は高嶺の花の代名詞で、閉鎖的な田舎実家から逃げ出すにはヒッチハイクしかなかったのだと、僕は気づく。彼女が言うように運転手が、あまり危険性がなく、安心していられ、自分の望みを聞いてくれるのであれば、これは幸運であると思うであろうし、その幸運に飛びつきたくなる気持ちもわかった。自分の自由になる車がなければ実家に閉じこもっている以外になく、大学実家の行き来に膨大な時間を費やす以上、ほとんどがその移動に費やされたに違いない。牢獄から牢獄へ。あまり遊び慣れていないからはしゃいでいるのだと、気づく。

(あなたに出会ったのは幸運か……)

 それならばと明るくする。

「じゃあ、牡鹿半島楽しみましょう!」

 きょとんとする彼女を尻目にCDをかける。

 こういうのはベタなのがいいのだ。

 岬めぐりが車内に流れた。

 やけっぱちにはちょうどいい。

 ■シリーズリスト

 ・女の子ひろった

 http://anond.hatelabo.jp/20100116012129

 ・これこそ逃避

 http://anond.hatelabo.jp/20100119221742

 ・すごい彼女

 http://anond.hatelabo.jp/20100123005026

 ・ふたつ恋した

 http://anond.hatelabo.jp/20100204210025

2010-01-02

セレボの無線LANデジカメが売れない理由 残念なデジタルカメラ ダメダメ

http://anond.hatelabo.jp/20091230114404

 

セレボの無線LANデジカメが売れない7つの理由

1.おもちゃトイカメラとして見られている

誰も知らない

2.起動が遅い

シャッターチャンスを逃しまくり

電源をON状態だとバッテリーがすぐに減る

3.ブランディングミス

セレボと聞いて意味がわからない

スペルミスもおきやすい

どれが正解かわかる?

serevo

cerevo

selevo

celevo

serebo

cerebo

selebo

celebo

4.売りたい相手 ターゲットがわからない

誰に売りたいんだろう?

誰のためのデジカメ

5.価格が高い

何この価格。この程度で2万円もするのは信じられん

eye-fiSDカードをつけた1万円のデジタルカメラの方が使い勝手がいい

6.画質が悪い

フラッシュダメダメ

画質も中途半端 ひどすぎ

7.ソフトがない

楽しむソフトがない

撮るだけだったら携帯電話カメラで十分だし、携帯カメラの方が画質もいい

 

みんなの感想

http://twitter.com/search?q=%23cerevo

終わっている

2009-12-25

3D表示方式 早見表

REAL D

方式

円偏光フィルター

メガネ

最軽量・50円程度・使い捨て持ち帰り可・常に新品配布・メガネ常用者用&子供用もあり・レイバンが唯一専用メガネを市販している方式

映像メリット

首をかしげても3D画像は崩壊しない。

映像デメリット

方式の特性上画面が多少暗く感じる。

Dolby 3D

方式

分光フィルター

メガネ

軽量・1万円以上・返却・アルコール消毒使い回し・運が悪いとメガネ曇ってる・メガネ常用者用&子供用なし

映像メリット

首をかしげても3D画像は崩壊しない。色再現性が他方式より高い。

映像デメリット

特にない

XpanD

方式

液晶シャッター

メガネ

重い・5000円程度・返却・アルコール消毒使い回し・運が悪いとメガネくもりor電池切れメガネ常用者用&子供用なし

映像メリット

首をかしげても3D画像は崩壊しない。

映像デメリット

方式の特性上メガネ液晶シャッタースピード切替限界があるため画像がチラつく&暗い。

特性上スクリーンメガネと瞳が直線になるようにしないとシャッターの偏光に阻まれさらに暗くなる。

つまりケツ痛くなっても座り直し厳禁

IMAX デジタル3D

方式

偏光フィルター

メガネ

軽量&視野が広い・500円程度・返却・アルコール消毒使い回し・運が悪いとメガネ曇ってる・子供用あり

映像メリット

映写機2台使うため他方式より明るい。IMAX専用70mフィルム(4K)コンテンツ映像では他を圧倒するほどの3D映像になる。

映像デメリット

首をかしげただけで3D画像が崩壊する。

方式の特性上メガネスクリーンに対して垂直・水平の状態を保たないと3D映像は崩壊する。

よってスクリーン直下のかぶりつきや2階席からの見下ろしは不可

あくびするな。ポップコーン食いながら見るな。あたまうごかすな。

なお、日本に現存する商業IMAX映画館は通称LIMAXと酷評される。

本来のIMAX用フィルムの半分の情報量(2K)しか持たない方式のものである。

2009-12-19

デート

 石川町の駅の前に現れた彼女は、いつものように妖精のようで、いたずらっぽい笑みを浮かべて、今日はなにをしてやろうかという顔をしている。

「待ちました?」

「ええ、15分」

 そういって、2人で歩き出す。

 三ヶ月前からはじまった横浜開拓計画は現在でも実行中で、2人の手には横浜市ハンディ地図が握られている。

保土ヶ谷は失敗でしたね」

「まあ、でも石川町はかなり期待しているんです」

 ぼくらのデートは、カメラ持参の街歩きが主で、それはぼくの趣味にも彼女趣味にも合っている。毎回、駅を決めて、目星をつけて、とりあえず予定は作らずに勝手気ままに、好きなように散歩するデート

 旨そうな店があれば昼食をとり、面白そうな店があれば入り、歩き疲れたらカフェを探す。街歩きは一種の冒険で、見たことのないなにかに出会うかっこうの手段。特に横浜はそんなものに満ちあふれていて、シャッターを切るたびに増えていくすてきな思い出が、なにやら旅行記のようにさえ思えてくる。

「そういえば、飲むところ、見つけました?」

「あ、ごめん。ちょっとネットではピンと来るところなかったかなあ」

「困ります、それじゃあ」

「なんかどっかにあると思うんだよね、この辺なら」

 今日デートは、ささやか彼女との忘年会のおまけで、一応形式的には、仕事仲間と親交を深めるための散歩だった。

 しかし、彼女とのデートは悪ガキ同士の探検のようで、あれこれ目の前に現れるものを宝物でも発見したようにシャッターを切る。彼女はどちらかというと構図で切り、ぼくはどちらかというと物で切る。だから彼女は遠写が主で、ぼくは接写が主。探検が終わったあとにお互いの撮った物を付き合わせると、けっこう見ているところの違いが分かって、1度で2度おいしいような心地になる。

 あれ、これ、カメラ仲間じゃないかと、そう思うときもある。

「そういえば、石川町は洋館狙いでしたよね?」

「あ、ああそう」

 ぼくは地図を見る。

 彼女地図を見る。

山手教会って、けっこう有名らしいんですけど、どう?」

「撮ってみたいかも」

「じゃあ、そのように」

 教会では、結婚式の真っ最中で、華やかな衣装の方々が、雑談をしている。

 そういう中でそそくさと洋館目当てになるのはちょっとしゃくで、2人で手などつないでカップルですアピールなどしてみる。まあ、どう考えても、何ヶ月もふたりで散歩デートしてれば好き合っているのは否定できないのではあるが、それでも手をつないで視線が合ってしまったりすると、やっぱりそういう関係だよね、という意識が募る。

 視線が気まずい。

キスしても怒らない?」

「怒りません」

 やさしくキスをする。あんまり官能的ではないやつを。

 それで彼女は視線をそらして照れる。

 もうキスなんて何十回もしているのに。

 結局のところ、関係の飽きとはマンネリから来るというのだけど、それは、これがされて当たり前、という共通認識が構築されてからはじまるような気がするのだ。

 キスされて当たり前、抱かれて当たり前、結婚して当たり前。

 むかしの彼女との関係は、「完全な同意」に基づいていて、その中で一番刺激が大きい、抱き合うことがすべての目的になっていた。だから、抱き合うためのデート、抱き合うための飲み会、抱き合うための日々。そんな風になってしまっては、2人の関係はマンネリになる。

 結局セックスのために付き合っているのでしょう?

 ほど貧しい関係はなく、その貧しさにひたすらに打ちのめされる。

 だから彼女との関係はいつも揺らいでいて新鮮で、恋人のようでもあり、友人のようでもあり、同僚のようでもあり、同士のようでもある。

 それなりの居酒屋を見つけて、わいわいと話し始める。

「あんまり飲まないでくださいよ」

 おっと、彼女は今夜をご所望だった。

 結局のところ、それがすべてになってしまうと、手をつないだ瞬間に愛撫をはじめてしまう、キスした瞬間に愛撫をはじめてしまう、もう触れ合った瞬間に、抱き合うことへのカウントダウンがはじまってしまう。

 それは、とても息苦しくて、すべての女性とのつきあいが、そのためだけにあるのだとそういう錯覚に陥ってしまうのだ。ぼくは君を性的に喜ばせるためだけに存在しているのだって。

 そうじゃないって、関係で示して欲しい。

 ぼくと一緒にシャッターを切るのが楽しいって。

 身体の関係がなくても、シャッターを切り合っていれば、それで充分だって。

 食事が済んで、小ぎれいなホテルの部屋を取ると、彼女は淑女から一変する。

 シャワーを浴びて、裸でシーツの中で待っている彼女に向き合う。

電気消して」

「輪郭ぐらい見えないと、上手くできない」

 常夜灯を点す。

 キスをして発情していないのを見て、柔らかく抱きしめる。ぎゅうと肌と肌を合わせるように。それで肌の温度が合ってくるのを確かめる。

「つめたい」

冷え性だから」

「ぼくもそう」

 官能的なキスをするとだいぶ応じてくれる。

 可愛くチュッと頬にキスをする。くちびるで頬を愛撫するようなキス

 それで視線を合わせて、とろけ合う2人を確認する。

 もう片方の頬を愛撫。瞳が潤んでくる。

 じゃあ、おでこキス

 髪をやさしく撫でる。もう溶け合いはじめている。

 彼女との日々はそんな感じで、陶酔はあるのだけど、いつまでも、なぜか新鮮さが保たれている。曖昧彼女との関係は、どこまでいっても曖昧で、それが、いつまでも都合よく毎日が展開される。

 恋人なの? 友達なの? 愛人なの?

 全部って答えはないのだろうか。

2009-12-06

こわかった

自宅の向かいに、祖母が経営しているちいさな酒屋がある。

わたしはそのドアの内側で立ち尽くしている。

すぐ近くで鳴り響いているサイレンと、怒号。そして店のシャッターのおりる音。

わたしのすぐそばで姉がシャッターの操作をしている。姉の手が震えている。

わたしは姉に、何があったの、とたずねる。

姉は、事件が起こったのよ、とこたえる。姉の声が震えている。

わたしは姉に、事件ってどんなの、とたずねる。

姉は、幼児×××よ、とこたえる。幼児の後に何と言ったか聞こえない。

わたしは幼児と聞いて、甥、つまり姉の息子ユウタのことを思い出す。

わたしは姉に、ユウタは大丈夫なの、とたずねる。

姉は、ひどく憔悴した様子でわたしから視線を外す。

わたしは姉に、ユウタはどこにいるの、とたずねる。

姉は、電子レンジでも見てくればいいじゃない、と泣きながら、怒りながら、こたえた。

ここで目が覚める。

2009-11-24

なんでこんなことになっちまったんだろうな

街でミニスカ女の子みかけたら、当然のように盗撮する癖がついちまった。

撮影できそうなチャンスがあれば見逃すなんてことはなくなってしまった。

というか、女性をみるとき、盗撮できるかどうかってことがまず頭に浮かんでしまう。

初めて撮ったときは緊張、罪悪感、興奮で心臓はどきどき、身体はがくがくと震えたが、今となっては息をするようにシャッター押してる。

単に性欲だけの問題じゃないんだ。

自分もいい年だから女性の下着くらいは合法的にいくらでも見たことがある。

だから、どうしても見てみたいってわけじゃないし、実際撮影したところで写ってるものだって想定の範囲内の布切れ。

盗撮がばれて絶体絶命のピンチに陥ったこともある。

こんなこと続けてたら逮捕されて、社会的信用も家族や友人からの信頼も全て失ってしまう。

もちろん、被害者に対する罪悪感もある。

もう止めたい……

でも、しばらくしたらまた盗撮スポットに出没するようになるんだろうな。

そのときの自分は、まるで悪魔のような考えに頭を支配されているような気がする。

2009-11-17

行きつけのゲーセンが閉まっていた

久しぶりに家庭用ゲーム機で普段やってるものとは別のゲームを遊んで「楽しい」と思えたことから、かつて通っていたゲームセンターに久しぶりに行きたいと思い始め、思い立ったそのすぐ今日に、昼から暇があったので、行ってみることにした。

約半年ぶりに、当時と同じ足取りで向かうと、騒音と共にその光景が憧憬として深く頭に残っていたゲーセンは、跡形もなく消え去っていた。デパート内の一角にあったそのゲーセンフロアシャッターで閉ざされ、入り口前の掲示板には、10月末に閉店したことと、これまでのご愛顧に対する感謝の旨を伝える文章が、それぞれ別のアニメゲーム画像ネタと共にいくつも貼られていた。驚いたが、実は閉まっているんじゃないかという心配はちょっとだけあった。そのゲーセンは、その手ではおそらく中堅~大手の会社によるチェーン店だったが、単純に経営難に陥ったのか、やむを得ずに立ち退きをせざるを得なかった複雑な事情があったのか、理由はいくつも考えられたが真相を積極的に知ろうとは思わなかった。

閑散とした一角を前にして、こみ上げてくる寂しさと同時に、ゲーセンに通っていた思い出が蘇る。そのゲーセンに通い始めたのは2年半前のことだった。レバーとボタンを使ったゲームに大きな興味のあった自分は、インターネットで調べた結果、近くて通いやすく賑わっていそうなこの店に通い始めた。最初は多くのゲームをだらだら触っていたが、古めのゲームは対戦相手が少ない上に強すぎて勝負にならないこと、新しいゲームでもそのほとんどは操作が難しいなどの理由で肌に合わず、多くのゲーム、多くのキャラクターを試した中から一人だけ自分マッチしたキャラを見つけ、そのゲームを集中的にプレイすることにした。それなりに歴史のあるゲームだったが、最新作が出てから日は浅く、プレイヤー数も多かった。

結局のところ、プレイしていた2年間はずっと負け続きだった。自分だけの力では手も足も出ず、インターネット攻略情報を調べ、操作に慣れようとしては乱入され、コテンパンにされ続けた。やっとまともに動かせるように思い始めた頃からは、筐体の周りに出来た行列に並んで待ち、自分の番になると一回も相手に触れずに負けたこともあった。いくらお金を注いでも、上手くゲームを遊ばせてもらえなかったし、相手は自分を勝たせてはもらえなかった。それでも楽しかったのか、それとも上手くなれると信じきっていたのか、毎日のように通っては迷わずお金を落とし続けた。

プレイを始めてから一年半ほど経ち、ラインナップもそれなりに変わり始め、自分のやるゲームも古くなり、稼動しているセット数が減り、人口も減ってきたが、今やっているゲームほど自分を満足させるものはなく、同じゲームプレイし続けた。しかし、同じゲームプレイしていた人達は新作に移ったというわけではなさそうで、その頃には、自分が見た同じゲームプレイヤーのほとんどはゲーセンに姿を見せなくなっていた。おそらく、自分はその9割には一回も勝てなかったであろう。行列に割り行っては手も足も出なかったあの頃とは違い、中級者程度なら初見ではそれなりに肉薄できるようになった代わりに、筐体の周りには休日にも人だかりはほとんど出来なくなっていた。

対戦ゲームと並行して一人用のゲームもいくつか嗜んでいたが、お金を山ほどつぎ込みながら、ノーコンティニュークリアまで到達できたゲームはごく簡単と呼ばれるもののみを片手で数えるほどで、本格的なスコア稼ぎの領域まで手を出したゲームは一つも無かった。こちらも対戦ゲームと同じように、鳴かず飛ばずの大失敗だったと言えるだろう。

二年ほど経った頃、自分が全く上手くなっていないことにやっと気づき始めた。手先が不器用で反応も鈍いことや、妙な癖があり簡単に隙に付け入られること、攻略他力本願で何も考えていないことなど、自分の弱さにとことん難癖をつけ始め、ネット上で上級プレイヤーの話を聞くと、自分ほどの高さに達するまではほとんど苦労はしてないであろうと思い込み、自分のセンスの無さに失望し、ゲームを続けることに面白さを見出せなくなっていき、ゲーセンから自然と足が遠のいていった。弱肉強食ゲーセンゲーム事情において、弱い存在である自分自然淘汰されたということである。自分ゲーセン通いは、いわゆる人生に数多い挫折の一つというやつで、こともあろうか自分は娯楽に対してそれをしてしまったというオチだった。通うのをやめてからは、そのゲーセンの近くには意識してかせずか立ち寄ることが全くなくなり、空白の半年の間は、店舗の様子を見たこともなかった。

自分ゲーセンで出来た知り合いはいなかった。個人的に同じゲームで同じキャラを使う上手いプレイヤー尊敬や淡い思慕の念を持ったことはあったが、だからといって自分から話しかけることはなかったし、定期的に開催される大会に出たことはないし、コミュニケーションノートにも一筆添えることもなかった。それらは単に、ゲームを中心に回るコミュニティの中で自分の存在をアピールするためには当然ゲームの上手さが必要であるという思想から、他人による自己承認を求め、待ち続けていただけの臆病さによるものなのだと思う。その思いとは裏腹に、話しかけられて腕前を賛美されるといったこともなかった。むしろ、自分や筐体に対して罵言や殴打で怒りをぶちまけられることこそ無かったが、ゲーム内では対戦中に挑発や舐めプレイという形で自分を疎んじる態度を頻繁に表され、今でも枕で思い出しては後悔と戒めの念を抱くほどである。だから、自分はこのゲーセンコミュニティの中に存在していたとは思えないし、そのゲーセンにいた人達と今、閉店に対する思いを共有できるかといったそうではない気がする。ただ、少しでもこのゲーセンに通っていた人なら、奥底には自分と同じような寂しさを持っていて欲しいと願う。あと、おそらくこのゲーセンが無くなったことで、中にはアーケードゲーム自体をやめてしまった人も少なからずいるのだろう。それは寂しいことだと思った。

思い出話はいい加減やめにする。通っていたゲーセンが閉まっている現実を目の当たりにしても、あのゲームをもう一度やりたい、という思いは失せることはなく、近くにあるもう一つのゲーセンに向かった。そこはアミューズメント事業では最大手のゲーム会社が運営しているため、そうそう閉店することはないであろう。ビデオゲームフロアに足を運ぶ。平日の昼間だけあって人はほとんどいなかった。筐体の配置が変わった程度でラインナップは半年前とほとんど変わった様子が無く、自分のやりこんだゲームも変わらず対戦台で稼動しているのを見つけた。100円を入れ、自分の使っていたキャラを選ぶ。久しぶりのプレイ不安だったが、動かしてみるとそうコンパネの扱い方を忘れてはいないことに気づいた。さすがに応用となると怪しい部分もあったが、基本はおおむね満足に動かすことができた。かつて何度も練習した猶予2フレームのテクニックも、身体が覚えていて問題なく出すことができた。レバーをガチャガチャと動かし、いつもの癖でボタンを順々に思いっきり弾くように押す。外が寒く、暖房が強く効いていたせいもあるが、上着を脱ぎたくなるほど身体が火照った。乱入はなく、一人プレイをそこそこに終えた。楽しかった。次に、かつてノーコンティニュークリアしたこともある、簡単な一人用ゲームプレイした。うろ覚えはしているものの、基本は思いつきだけで立ち回っていく。当然のように、後半になるとすぐに攻撃に追い込まれていく。最終ボスの最終形態ゲームオーバーになり、結局変わってないか、と上手くなっているのを期待していたことを自嘲した。それ以上ゲーセンでゲームプレイする気にはならず、ゲーセンを後にした。

馴染みの深いゲーセンの閉店を目の当たりにして、これから、を思うと、これからは他のゲーセンインカムに貢献して微小ながらゲーセン全体を盛り上げよう、などという気持ちはない。腕も無ければ人脈もない、ゲームセンターという文化に馴染めなかった人間なので、これからもなおさら、関わらないようにしようと考えている。

今の自分は、ゲーセンはおろか、今はゲームというものに対して良い思いを持っていない。今は一つのゲームのみを家でプレイしており、そのゲームプレイ時間は150時間を既に越えたが、一向に上手くなる気配を見せない。最初に比べると随分な上達なのだろうが、普通ゲーマーなら1/4程度のプレイ時間自分の高みには達せられるだろうと思う。もちろん最初は楽しくプレイできていたが、上手くならない自分に苛立ち、そのゲーム逆恨みを募らせていった。恨みを持ってまでそのゲームをするのは「諦めたくないから」という無駄な意地で、上を見てもキリがないし限界があるので、ある程度納得する結果が得られたら、そこでゲームとはしばらく縁を切ろうと思っている。何を娯楽に真剣に、と大笑いされるだろうが、自分にとってゲームとはそういうものになってしまっている。たぶんそれは悲しいことだと思う。

自分は非常に負けず嫌いでプライドが高いので、通っていたゲーセンに対して、そのゲーセンにいたプレイヤーを含め、自分を貶めたことについて憎悪の念を持っていたのだと、今思い返せば、そんな気がする。そして、ゲーセン通いをやめた時から今まで、いつかはゲームが上手くなって、見返してやろうと思っていたんだと思う。そんなこと、できるわけないのに。この胸の中に小さな穴が開いたような虚しさは、復讐の相手を失った感じという表現が合っている気がする。

今の自分を形成している、一つの大きなものが死んだという感覚は、初めてだった。


拙い語彙に、自己完結して他人が読むには意味の通らない文章、まとまりのないテーマ、過ぎた自分語り抽象的すぎる表現。見てて不快感を催しても仕方ありません。申し訳ないです。

ただ、心の中にある複雑な思いをどこかにぶちまけたくて、増田に書かせてもらうことにしました。

長文、失礼します。

2009-11-12

盗撮をするやつはチンコ弾けて野たれ死ね

これ http://blog-imgs-19-origin.fc2.com/b/a/t/batoton/mur02013.jpg とか

これ http://blog-imgs-19-origin.fc2.com/b/a/t/batoton/mur02009.jpg とか(サイズコラかもしれないけど)

盗撮してる方は被写体が一人間人格があることを考えたこともないのかもしれないが、

やられる方はたまったもんじゃない


私も以前電車でやられたことがあった。

とある夏の暑い日、比較的すいていた車内で目の前に立っていた男が携帯シャッターを切った。

そこにいたのは私と、ちょっと左に同じく美形でないルックスの男性。

走行中のことで、後ろの窓に広告もない。


目の前でシャッター音がしたので顔を上げたら、レンズはもろに下を向いている。

疲労でボーっとしていたので、この時点ではまだ事が理解できていなかったのだが、

電車が次の駅に停車し男が小走りでホームへ去っていった時、

隣の男性が後ろの窓を振り返ったり私の顔をじっと見てきたりした。

ようやく気付き、同じく後ろの窓ガラスを確認したが、やはり何も貼られていない。

そして隣人のルックスも普通だ。

普通に考えたら撮られのは私だろう。

というのはスーツを着ていたのだが、シャツの襟が若干深いタイプのものだったのだ。

自分で見ても下着までは見えていなかったが、少し胸が大きいのでちょうど微妙なところ。

そして真夏暑い日に火照った顔。


尋ねることができなかったので、不確かではある。

しかし特に高機能でない機種で走行中の風景を撮っていたとは思えない。

何より携帯の位置が低く、シャッター音後のレンズは明らかに私の方を向いていた。

もしかしたら微妙なラインのエロ写真を撮ろうとしたのではなく、

変わった嗜好により私の顔がツボで顔をとろうとしたのかもしれない。

しかし顔ならば良いというものではない。

またもし頭のつむじを研究していてサンプルを集めていたなどという話だったところで、

無断で撮影されるべきものではない。

エロ目的でなかったとしても明らかにそう考えられてもおかしくない行為はとるな!


ネット上にはボディラインなどをオカズ目的に盗撮された写真が沢山出回っている。

顔さえはっきり見えなければ大丈夫と思っている愚者も少なくないのだろうが、

知人が見れば服装やスタイルから分かる場合も多い。

また人権を完全に無視した撮影者もいる。

エロ目的で他人を撮っている屑どもよ、

自分の顔やボディラインが分かるような画像をばら撒かれたらどう思う?

ガチホモダメなやつは想像してみろ、

お前の画像を見て画面の前で抜いているやつがいると。


とにかくくたばれ。

2009-10-16

私の整形疑惑

私は、一般人の男なのだが、整形疑惑がある。

私は学生時代メガネをかけており、メガネの度が強くてメガネ越しに目を見ると小さく見えた。

また、メガネをとっても、目が悪い故に目を細めるくせがあったので、結果的に小さく見えた。

それに加え、学生時代写真メガネをとって必死に目を強調させても、変な角度やシャッターチャンスのタイミングが悪いときに写真を撮られているので、どうしても自分本来のサイズの目で見れることが一時もなかった。

そのようなわけで、そこから脱却したいと思い、コンタクトを購入して装着してみた。

すると、自分本来の目のサイズで過ごすことができ、メガネをとることによって根暗イメージがなくなったこともあり、人付き合いが自然とうまく行くようになった。

けれど、順風満帆な日々はそう長く続かなかった。

ある同級生が中学卒業アルバムを持ち出し、「あいつは整形している」と流布し始めたからだ。

私は、事実とは異なる噂を流されていたことを知ったときは、酷く傷ついた。

卒業アルバムを見返してみると、メガネの度がきつくて小さく見えるものばかりだった。

本来の目のサイズを映し出すものは一切ないのである。

これは大変とばかりに、家にある過去写真を漁ったが、同じ状況のものばかりで、メガネをとった姿は目を細めているものや撮影角度が悪すぎるものばかりだった。

こんな思いをしているのは私だけではないと思い、インターネット検索すると、不自然なくらい芸能人の整形疑惑ブログ記事がでてきた。

記事内に掲載されている整形疑惑とされている人のビフォー&アフターの写真を見るかぎり、私と同じ状況のものばかりだった。

「ああ、こうやって、いくつもの整形疑惑が浮上し、私のように傷つく芸能人が増えていくんだ」と実感した社会人三年目の初秋だった。

2009-10-14

デジタル一眼を乗り換えることに

ここ4年間ニコンD50だったけど、次はキヤノンKissX2に決定。

検討対象は5~6万台のエントリー機。

D3000や5000はAFプラが無いのが困る。

AFプラは本体のモーターでレンズフォーカスを動かす機構

これが無いと、レンズ内蔵の小さいモーターに依存することになる。

ところが、これが遅い。高いレンズじゃないと合焦に時間かかる。

D50も後継機のD80,90にはAFプラあるけど、値段が高すぎる。

ニコングリップ部が大きすぎる。日本人向けではない。

形も鋭角的すぎて、指に食い込む。

キャノンは大きすぎず、滑らかな曲線なので負担が少ない。

ここでもグリップが問題。

ニコンに限らずデジタル一眼は左右非対称だ。

デジタルらしさを強調したいのだろうが、ニコンのは不自然なまでにグリップ部が大きい。

構えたときにレンズが本体の中心に来ないのは意外に気持ち悪い。

色も問題。ニコングリップの赤いワンポイント白文字を多用する。

シャッターボタン銀色。まあわかりやすいけどね。

そう派手というわけではないが、俺的には目に障る。

よって、全体的にマットなKissシリーズがすき。

  • 参考

キャノン陣営

http://kakaku.com/item/00490111110/

http://kakaku.com/item/00490111130/

ニコン陣営

http://kakaku.com/item/K0000049458/

http://kakaku.com/item/K0000030209/

2009-10-08

コンデジデジイチで悩んでいる人へ(カメラ詳しくない人向け)

http://anond.hatelabo.jp/20091006210805

赤ちゃんが生まれるからデジカメ買い換えたい」「ペット撮りたいけどどっちかな?」「せっかくの旅行なら良いカメラが良い!」って人向け。

(「大カビネって中途半端じゃね」「富士ハニカムだとスミアってどう走るんだっけ」「あのレンズ色収差が絶妙」って人は対象外)

まず利点と欠点

コンデジ
  • 欠点
    • 凄いことは(だいたい)出来ない
    • 複雑なことが出来るカメラや出来ないカメラがある
    • あんまり綺麗な写真は撮れない
デジイチ
  • 利点
    • カメラ!って感じがする
    • 凄いことも出来る
    • お任せでも綺麗に撮れる
    • どのデジイチでも大抵複雑なことをやる方法がある
    • 奥は深い

自分はどっち?

まず最初にどっちか決めましょう

自分はぼっち?

カメラを撮る側が忘れがちなことに「周りへの威圧感」ってのがあります。

例えば、ちょっとオシャレな喫茶店ケーキの飾りが可愛いのを見つけた!撮ろう!と思ったときに、

  • コンデジなら「スっと出して、ちょっともたついて、パシャッと撮る」感じ。

友達と一緒なら「あ、見せて見せて!」となりがち。周りの人もブログにでも載せるのかなー増えたねー程度。

  • デジイチなら「よっこらと出して、スッと構えて、バシャッ!と撮る」感じ。

友達と一緒ならちょっと引き気味に「あ、カメラ凄いねそれ」となりがち。周りの人も「ああ増えたねああ言うのも……」程度。

おっきなレンズでしっかり構えて撮るのが綺麗な写真を撮るためのファーストステップです。

わいわい言いながら片手で適当シャッターを切ると、ぶれててイマイチ写真に。

どっちが自分が良くいる場に相応しいでしょう。

友達と旅行に行くときにごっついカメラを首から提げてるとなんかオジサンみたい……とちょっと残念な気持ちになりかねないなら、コンデジにしましょう。

「俺は竹美(愛娘2歳)の笑顔を、最高の形で残したいんだ!」とい人はデジイチにしましょう。

そもそも孤高の人なら、デジイチにしましょう。新しい相棒は無口ですが、期待には応えます。

自分は力持ち?

コンデジは軽く、デジイチは重いです。

具体的に言うと、

どれくらい違うかというと……

このぐらい違います。

特に、デジイチは(コンデジズームと違っていろんなサイズで撮ったりできるのが良いところの)レンズ交換の結果によっては、平気で2Lペットボトルなみの重さになったりします。

首から500mlペットボトルを2本ぶら下げた時を想像してみてください。

めげそうになったら、旅行に持って行くのはコンデジにした方が良いです。

普段ちょっと散歩に行った時に猫を撮ったり、せっかくの旅行ならちょっとは頑張る、と言う人はデジイチでも良いかも知れません。

「俺は(省略)」な人はデジイチを買え。

自分金持ち

コンデジデジイチも、最初はそんなに変わりません。

中古って選択肢も入れるならデジイチの方が状態が良くて綺麗に撮れるのが安く手に入ることだてあります。(例えばNikon D70sなら本体3万円ぐらい)

ただし、デジイチの特徴である「豊富アクセサリー!」だとか「プロフェッショナルレンズ群!」とかはお金がかかります。

デジカメレンズが7割ぐらいです。つまりレンズ中古でも高いままです。

大抵はズームレンズ1本に、固定焦点レンズが2本もあれば満足できますが、だいたい一本3万円ぐらいします。

ピンキリだけどもそれぐらいのレンズなら普通

「せっかくデジイチ買ったんだし……」と財布の紐を緩めても良い人は、買っても良いかも知れません。

撮った写真はどう残す?

プリンターで普通写真サイズで印刷したり、お店で印刷頼んでアルバム作ったりって人はコンデジでも良いかもしれません。

そのサイズだと、撮り方次第ではなんとでもなるからです。

どこにでも持って行けて、いろんな写真を撮って、選んでアルバムにして楽しむ。

コンデジでも充分に楽しめます。

フルハイビジョンに繋いでスライドショー鑑賞会したり、パソコンでじっくり見たりしたい!

写真集も作ってしまおうか!A全で印刷するぜ!

と言う人はデジイチを買わないと後悔します。

カタログスペックとは別のところで、デジイチは綺麗です。

(この辺が気になる人はツリーで催促すると死ぬほど詳しい話をみんなしてくれるぞたぶん)

最後に……カメラとの関わり方

カメラっていうのは、ある目的の一要素でしかありません。

目の前に撮りたい光景があって、撮るカメラがあって、周囲の状況があって、撮った後の選択があって、残し方があって、残す相手が居ます。

凄く高価なデジカメで愛娘の笑顔をとっても、パソコンが壊れてパーになったら意味がありません。

成人式の日に、小さい頃のアルバムを見せてあげたい。

そう思うなら、カメラではなく印刷してアルバムを作る方に力を入れましょう。思い出は記録に出来ます。

旅行を楽しみたい!せっかくなら、記念に残るように写真も撮りたい!

後でみんなで旅行を振り返っておしゃべりしたい。

そう思うなら、同行者と楽しく旅行をすることをまず第一に考えましょう。記録と思い出は違います。

自分は何がしたいのかな?それを考えながら悩んでみてください。

2009-10-07

コンデジデジイチの選択について

http://anond.hatelabo.jp/20091006210805

 今年デジイチコンデジ両方買った増田が来ましたよ。

 ツッコミをモヒモヒして待ってたのに、はてブばかりが伸びてる割にトラバツリーがイマイチ伸びてないように見えるので、増田からも。

使い方の違い

 基本的に「コンデジ」と「デジイチ」を「使い方」という面から差別化するなら、前者レンズカメラに据え付きであり、後者レンズを替えられる、というのが最大の違いとなる。因みにこの分け方の場合、「一眼レフ」ではないオリのE-P1だのパナのGH1だのは、後者。こいつらは「レフ」と表現されるミラーを持たないからデジイチにしては薄くて軽いが(ミラーってカメラの中で斜めに寝た状態にあるから、場所喰うんよ)、ファインダが光学じゃないから、気をつけろ。ファインダが光学である利点は、↓とかを参照。無論、ファインダがデジタルであることのメリットもまたある。

http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/480

 は置いといて、コンデジの場合、レンズが据え付きだから、後で替えが利かない。「画質がいいですよ~」とか店で言われたのをそのまま受け取ってGR3とか買っちゃうと、運動会でガキが豆粒にしか写らなくなるので注意だ。一方、やたらズーム率の高いデジカメ買っても、所詮今の高画素カメラであればトリミングさえしてしまえば十分だったりするので、用途によってはオーバースペックになることもある。ただ、コンデジの場合多数派は後者で、要するに「誰でも何でも撮る」ことを優先していて、ズーム率も高いしシーンモードも色々ある、ことが多い。

 自分も、コンデジを買うなら「汎用性」を重視すべきだと思う。ほぼフルオートで、ズームで構図とる以外はほぼカメラ任せでも、とにかく常時携帯して何か見つけたら撮るくらいの気持ちで付き合えば、かなりお気に入りの存在となるはずだ。その場合、広角端を意識して買うべし。さっきも書いたが、ズームはある程度まではトリミングで誤魔化せるからな。

 逆にデジイチレンズが交換できるのが、逆に、あれ撮りたいこれ撮りたいとかなってレンズ無限に買い出すと、レンズ1本でコンデジ2~3台レベルなんてのは普通にいくらでもあるので、財布に気をつけろ。概ね、こうしたレンズ選びは「何を撮るか」の目的に合わせたものになると思う。被写体がはっきりしている場合には、向いているだろう。最初にキットレンズからはじめて、撮る目的が色々見えてきたら、というのはレンズを選ぶ感じか。

暗さとの戦い

 室内とか曇天とか、ちょっとした悪条件でカメラシャッタースピードはすぐ落ちるので、特にコンデジ携帯だと家で子供とかぬこを撮る場合に大いに苦労する経験をされた方は多いだろう。

 シャッタースピードは、当然のことながらカメラが受け取る光の量に比例する。逆に言えば、同じ明るさでもカメラで受け取れる光の量を増やせばシャッタースピード稼げるわけで、受け取る量は「レンズ口径を広げる」か「素子を大きくする」ことで実現し、このいずれについてもデジイチコンデジを大きく凌駕する。ただ、素子の大きさに制約のあるコンデジにおいても、素子の形状や光の受け取り方を工夫することでこの制約を突破する試みは存在し、全社の代表格として富士のEXRシリーズ後者の代表としてソニーのExmor-R採用コンデジがある。

 無論、それでもデジイチとの性能差は大きいのだが、どうせ室内で子供とかバシャバシャ撮っても、A4にすら引き伸ばさず、せいぜいL版でアルバムに収めるくらいなんだったら、コンデジのこの辺りの性能が高いヤツでシャッタースピード稼げば、十分歩留まりのよい撮影になるだろう。それでも「画質がいい方がいい!」だったら、基本デジイチレンズキットでそんな明るいのは無いので(例外:パナソニックのGF1→キットレンズが20mm/F1.7)、レンズを別途見積もるのを忘れるべからず。

遊びとして

 少なくとも今現在の話として、コンデジは、現下の不況画素数競争の終焉、携帯撮影文化の定着という逆風の中で絶賛苦戦中である。そうした中で、(特にソフトウェア的な)技術だけは着実に進化を遂げる中で、進化の袋小路的な変態機能が各社から繰り出されている。カシオの超高速連写、ニコンプロジェクタ内蔵、富士3Dコンデジなど、言わば「ガジェット的」方向性が見出されるコンデジは多い。こうした機能に「釣られてみる」のも悪くは無いだろう。

 一方、デジイチというか伝統的なカメラにおいては、伝統的な遊びとして、テレコンやワイコンマクロレンズフィルタ(クロススクリーンキラキラ夜景とか、NDフィルタで滝の流れを撮るとか)などによる様々な表現手法が存在する。こうした機材による撮影表現遊びは、ハマると愉しいだろうと思われ。

コンデジは「カメラが絵を記録してくれる」もの、デジイチは「自分意図を切り取る」もの

 色々と違いを述べたが、最大の違いはここかも知れない。

 コンデジはともかく、結構オート化している。高級なものはある程度マニュアル機能も充実しているが、そういうのはむしろ、デジイチを持ってる人が軽さや機動性を求めて購入するものだろう。

 確かに、シーンの操作やズームなど、撮影者の意図入力されるものだが、大きな方向性としてはプログラムシフトだの絞り優先だのシャッター優先だのよりは、カメラが「勝手に決めた」設定で撮影が行われ、カメラが「勝手に」補正し、時にはカメラ勝手に顔色まで認識してくれた上で、絵として記録される。AFファインダの敏捷性も高くないので、タイミング的な意味でもある程度カメラに「引っ張られる」部分はあるだろう。というと何かコンデジ駄目じゃん的な印象はあるが、実際「カメラが決めてくれる」気持ちよさ、みたいなのは、確実にある。暗所などの弱点はあるが、記録としての歩留まりは確実に今のコンデジは確保してくれるだろう。

 で、デジイチの方はというと、これも一部にはオート機能がオプション的に充実してたりはするものの、総じてはある程度以上「撮影者の意図」を反映する機材である。観光地とかで「シャッター押してください~」と声を掛けてデジイチを渡す人は、普通はいない。

 絞りをコントロールしてボケを付けたり付けなかったりとか、わざとシャッター速度を最適からはずして流し撮りとかをしてみたりとか、ピントを被写体の目に合わせてみたりとか、色のバランスを変えてみるとか。こういう機能は、ある程度コンデジにもあることはあるが、制約が付いてるケースが大半である。言わば、コンデジが「メニューから選ぶ」もので、デジイチが「自分で組み合げる」もの。ただ、センスがなければ、機材がいくら良くてもヘボいものしか出来ないという意味で、間違いなく敷居は高く、挫折したら投資無駄になるリスクもあろう。

 そうは言っても、素子とレンズの質の高さでしか実現できない絵はあるので、金と目的があるなら、デジイチに挑んでみるのも良いかな、とは思われ。

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じゃあ視点を変えて、「撮りたいもののためにはどんな性能が欲しいか」でも書いてみるか。

デジ一眼にはデジ一眼の良さが、コンデジにはコンデジの良さがある。道具は良い写真を補佐するけど、結局モノを言うのは自分の腕だ。

ただ、明確に目的があるなら、そのために最適な性能というものはある。全部を一台で賄うのは無理だ(デジ一眼はそれに近いことをやってるけど、代わりにレンズを何本も持つことになる)。目的を絞って、必要なら目的別に機種そのものを変えるのもひとつの手。

風景が撮りたい

風景といっても様々だけど、一般的には「広い範囲を切り取る」ことになると思う。

観光地なんかで記念写真撮ろうとして、背景の収まりが悪くて苦労したことはないか?特に建物の前で撮ると、画面に入り切らなくて困る。離れればいいんだけど、そんなに距離を取れない場所だってあるわけで。

こういう時には広角レンズが欲しい。

レンズの倍率はmmで表されてる。ズームレンズなんかだと28-135mmとか、そんな風に。この数字が小さいほど広角に写る。普通スナップ写真、例えば写るンですなんかは35mmあたり。28だとやや広角ぐらい、21ぐらいになると結構広角。14とかになるともうかなり広角。

広い範囲を無理矢理収める分、広角レンズは端が歪む。球の表面に写真を貼り付けたような、そんな風に直線が曲がる。だから正確な形は把握できなくなるんだけど、これはこれで味わい深い。歪みの面白さを利用して、わざと広角を使うことだってある。

広角の極端になったものが魚眼レンズ。全周魚眼にもなるとレンズ面から180度、つまり真横まで全部写る。

魚眼となると普段使いには不便だし、ほぼ一眼一択になっちゃうけど、単に「広い範囲を写したい」だけなら実はレンズに拘る必要もない。撮影画像を繋げてパノラマを作ってしまえばいいのだ。写真加工ソフトがあれば自力で作れるし、最近では写真自動で繋いでパノラマにしてくれるソフトまである。またカメラ側にもスウィングパノラマなんて名前で、「前の画像の端に合わせて次の1枚を撮る→終わったらカメラ自動で合成」なんて機能もあったりする。やろうと思えば360度ぐるりと見回す画像が作れたりして面白い。

さて、なにも風景のすべてが広範囲というわけでもない。時には近付けない距離のものを大きく撮りたいこともある。そういう時は勿論、望遠レンズだ。

望遠は大雑把に言えば「画面の一部を切り取る効果」だ。Photoshopなんかで写真を切り取り処理したことはないか?不要な部分が消えて写真の中心が変われば、印象は随分変わる。望遠は、それを撮影段階でやっているようなものだ。そう考えれば、これはまあなくてもやって行ける。でも切り取った分だけ画素数は減るから。大きくかつ微細な画像を使いたいなら、やっぱり望遠が便利。

望遠には他にも用途があるんだけど、それは後述。

小物を大きく撮りたい

雑貨植物昆虫のようなサイズの小さい静物を大きく撮るには、普通マクロを使う。大雑把に言えば、カメラに凄く近いところにピントを合わせるレンズだ。コンデジでもリコーソニーなんかはマクロに強くて、レンズ前1cmまで近付くことができる。最近薄型機には「スーパーマクロ」とか「拡大鏡モード」などと呼ばれる機能を備えたものがあって、この辺になると接写どころか10倍ルーペ並みの解像力を持つ。布の繊維一本が確認できるレベル

勿論一眼レフにもマクロレンズはあるし、大型のコンデジなら外付けのコンバージョンレンズマクロを使えるものもある。

ただ、この手のマクロカメラと撮影者が対象に超接近するので、被写体に影が落ち易いという欠点がある。そんな時は望遠を使って離れた場所から撮影するのもいい。要は細部を大きく撮れればいいわけで、意外に望遠で1mぐらいから撮った方が綺麗に見えることもあるものだ。

動物スポーツを撮りたい

このふたつは割と似てる。動きが早いこと、近寄れないこと。だから撮り方も割と近い。基本はズームと高速シャッター

シャッタースピードを早くするのはブレを抑えるためだ。動きが早いから一瞬で撮影しないと手足とかブレてなんだか判らない。また望遠で狙うということはカメラの僅かな動きでも視点が大きく動くということだから、手ブレが強くなる。それを抑えるためにも高速シャッター重要

シャッタースピード優先モードがあって設定した速さで撮影できる機種が欲しい。

ポートレイト風景中の被写体を撮影したい

人物や花なんかは日常的にかなり撮影頻度の高い被写体だけど、綺麗に撮るのって結構難しい。なんだかパっとしなくてガッカリした経験も多いだろう。

実は、撮影にはコツがある。被写体以外をなるべくボカして撮るのだ。

低価格カメラ単焦点のものが多い。写るンですなんか典型的だけど、80cm〜無限遠にピントが合うようになっている。こういうので撮ると、被写体にも背景にもバッチリピントが合うので、被写体が背景に沈んでしまう。

これを絞りを開放して望遠側で撮ると、前景や背景が大きくボケ被写体近辺だけにピントが合うので主題だけが浮かび上がって効果的。

これをやるには、それなりに強い望遠レンズと絞り開放可能な設定、あとなるべく大きなCCDが必要になる。この点ではやっぱり一眼レフが強いけど、一部の超望遠系コンデジでも勿論可能だ。

なお被写体が小さい場合、例えば料理写真なんかの場合もボカシは有効で、雑誌なんかで美味しそうな料理写真を見ると結構一部にだけピントが合ってて前後が大きくボケてるものがある。これは望遠よりマクロの出番。拡大鏡モードで奥行きを強調する感じにケーキ写真なんか撮るとかなり美味しそうに見える。蛇足ながら料理は逆光気味に斜め奥方向から光を当てるのが基本。手前に影が出すぎないように白い紙なんか立てて柔らかく反射させると更にいい。

カメラ持って散歩したい

日常風景って意外にフォトジェニックで、普段見慣れた場所でも時間や天気、向きが変わると新鮮味を増す。そういうのは普段から撮るつもりで見ていないと仲々気付かない。そのためには普段からカメラを持ち歩くのが一番いい。

最近ケータイカメラがかなりパワーアップしてるから、それである程度賄える部分もある。それならそれでいい。でも撮影までにあんまり時間がかかったり、画質が気に入らないようだったら薄型コンデジでも用意した方が幸せになれると思う。沈胴ズーム式(電源入れるとレンズがニューっと出てくる)じゃなくて屈曲光学式{レンズが飛び出さない望遠。ズーム部分が横向きに入ってて、プリズムで反射させて向きを変えてる)だと起動も早いからチャンスを逃さない。

余談ながら、実はこの部分ではiPhone最強。撮る→その場で加工→そのままアップロードして公開、まで一台でできてかなり幸せ。画質はチープだけど割り切ればそんなに気にならない。

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実はメカニカルな動作だけで比較するとコンパクトデジカメの方がはるかに手ぶれを起こしにくいのよ。

一眼レフは確かに保持動作をしっかりせざるを得ないから一見ぶれに強いように見えるんだけど、カメラ内部でミラーが上がったり下がったりしたりシャッターそのものが大きいためにシャッターを切ったときのショックは大きい。

一方コンパクトデジカメレンズ内にあるシャッターが小さく動くだけなので衝撃そのものは小さい。だから保持さえしっかりすれば一眼じゃ絶対にぶれるラインであるところの1/4秒だとか1/8秒のシャッタースピードでもブレずに撮れたりする。手ぶれ補正機構入りコンパクトデジカメの場合工夫すれば1/2~1/4秒でもイケたりする(ただし被写体が動いちゃったら意味ないけどね)。

じゃあどうやったら保持できんだよ!

逆に考えるんだ。手で保持しなきゃいい。一番マッチョな解決法としては三脚。もしくは台に載せる。要はシャッター切ったときに手で持ってなきゃいい。

地面に置いたまま撮って画面の半分が地面、なんてのもそれはそれで味。横木安良夫のおじちゃんはそれで作品組んでるぞ。

んなこと言ったって台なんかねえよ!

よし分かった。そしたらまずは片手で撮るのをやめよう。そもそも片手で撮るのは広告ポスターだけだ。まず両手で保持する癖を付けるだけで全然違うぜ。

液晶しかないから一眼レフみたいな持ち方をしちゃいけないなんて決まりはない。ざっと構図を決めたらそのまま額をくっつけちゃってもいいんだ。

なに、額をつけるとファンデがついて嫌だ?しょうがねえなあ。

ネックストラップを買ってこよう

デキる「わたーしにほーんからきましたー」観光客スタイルを身に付けて首からカメラを下げよう。何格好悪い?大丈夫、誰も君のことなんか気にしてない。

問題はここから先だ。首から下げたカメラを両手で持ったらピンと手を伸ばすんだ。そしてそっとシャッターを押す。どうだい、片手で持って撮るよりずっと絵がしっかりしないかい?首と両手で3点支持されるのでカメラがすごく安定するんだ。

2秒セルフタイマーを侮るな

だいたい手ぶれがどうしたら起こるかっていうとシャッターを押したときの手のプルプルが収まってないから、ってのが原因の大半。なら実際にシャッターが切れるまでにラグを作ればいいんじゃね?っていう考え方。いまどきの機種だとセルフタイマーを2種(2秒と10秒、みたいな)持ってる機種が多いので2秒セルフタイマーを有効に使おう。

連写は下手な鉄砲にもなる

1枚撮ってぶれるなら押しっぱなしで3枚撮れば1枚くらい止まるんじゃね?って考え方。案外馬鹿にできないぞ!

終わりに

デジイチブームを否定する気はないし自分も散々使ってるからあんま悪く言いたくないんだけど、「コンデジで上手く撮れない」→「よくわかんないけどデジイチ買えば上手くなるんじゃね?」って勢いでデジイチ買っちゃってそのまま箪笥の肥やしにしてレンズカビ放題、てのも結構あるわけよ。そうするとカメラが可哀想じゃね?

物欲の消化に走るのは日本経済を回すという意味でたいへん結構なんだけどさあ、まずは手持ちのコンパクトをもうちょっと使ってあげようよ。さんざん使い倒して不満が出てから一眼買ったっていいんだよ?

2009-10-06

デジイチコンデジで悩んでいる方へ

これからカメラを買う方へ

以下はこれからカメラを買う方が、快適なカメラライフを送れるように、先達としてデジタル一眼かっちまった兄がなんつーかぎりぎりいっぱいで送る手紙です。

対象ユーザーは、デジタル眼レフカメラデジイチ)とハイエンドコンパクトデジカメコンデジ)で悩んじゃうような、ちょっと本気出した人です。

間口狭くて申し訳ないですけど、いくつかのファクターを上げて、各々どちらが優れているか書いていきたいと思います。

比較ポイント

それぞれ、所感を書いていきます。

できるだけ平易に書いたつもりですが、わかりにくい部分があれば突っ込んでください。

重さ

デジイチは、だいたい本体だけで600gはあります。レンズとバッテリを加えると、普通に1kgを超えます。

逆にコンデジは軽さが命です。比較的重たい機種でも500gは超えないでしょう。

普段持ち歩くなら、完全にコンデジ優位です。

 

デジイチぶっちゃけでかくて重いですが、サイズや重さも性能のうちという事も覚えておいてください。

ISO感度

ぶっちゃけていうと、どのぐらい暗くても写真が撮れるか。という指標がISO感度です。

コンデジではだいたい1600が常用できる限界ですが、デジイチでは3200でも常用できるものがあります。

ISO感度が低いと、シャッタースピードが遅くなります。シャッタースピードが遅くなると手ブレ被写体ブレが増えます。

そのため、暗いところでの撮影や速度の速い物の撮影を考えていたら、デジイチの方が完全に有利です。

手ブレ耐性

はいはい、今日ポイントはここです!

 

まず、デジイチコンデジの形状から来る手ブレ耐性について覚えておいてください。

デジイチは通常、両手+ファインダー上部に接する、まぶたの上の部分の3点で支持します。

対するコンデジは片手での1点支持です。

当然、コンデジ不安定になり、手ブレを起こしやすくなります。

というわけで、多くのコンデジ手ブレ補正を装備しています。

 

また、質量の差による手ブレ耐性にも注目して欲しいところです。

重い物を動かす際には大きな力が必要です。また、大きな力が加わっても、シャッターが下りる一瞬では、撮影に影響しない範囲の動きに押さえられる場合があります。

そのため、ボディの重量が重ければ重いほど手ブレが起きにくくなります。

コンデジがいかに手ブレ補正を行おうと、デジイチにも手ブレ補正の機能はあります(レンズに付いていて、本体には無いことも多いですが)

と、いうわけで、普段手ブレ写真ばかりになってしまう方は、デジイチオススメです。

起動時間

これは圧倒的にデジイチが勝ちます。

コンデジは電源を入れた後にレンズをうにょろろろー っとのばしますが、ここで時間を食います。

デジイチはそんなコトしないので、電源を入れてファインダーのぞくまでの一瞬に撮影可能状態になります。

 

また、電源入れっぱなし状態での撮影可能時間も、バッテリ容量の大きいデジイチ有利です。

不特定のタイミング写真を撮らなければならない状況(スポーツ会場や動物子供の撮影など)ではデジイチ有利です。

現実的な選択肢をあげてみる

だいたい10万円ライン以下で選んでみました。

コンデジはやっぱり安いですね。

コンデジ

RICOH デジタルカメラ GR DIGITAL III GRDIGITAL3

http://www.amazon.co.jp/dp/B002J4UIOS

起動は遅いけれど、きれいな写真が撮れます。ゆがみが少なく、画面全体がキリッとした画質はスバラシイのひとこと。

 

Canon デジタルカメラ Power Shot S90 PSS90

http://www.amazon.co.jp/dp/B002LZU2DW/

F2.0レンズを持っていて基本性能がアホほど高いです。ただ、オフィシャルボケ味についてわかる写真が無いのが不満。

 

SONY デジタルカメラ Cybershot T900

http://www.amazon.co.jp/dp/B001TOYUW0/

レンズがせり出さないため、それなりに起動が早いのがポイント動画撮影機能が充実しています。

デジイチ

ぶっちゃけCanon Nikonの2強以外のカメラはよーわからんです。なので、詳しい神の光臨待ちです。

 

Nikon デジタル一眼レフカメラ D90(18-105レンズキット)

http://www.amazon.co.jp/dp/B001ET6OAG

値段が高いんですが、レンズの性能がぶっちぎりに良いのでオススメ

 

Nikon デジタル一眼レフカメラ D5000(18-55レンズキット)

http://www.amazon.co.jp/dp/B0026IAL2Q/

上記D90の下位モデルです。バリアグル液晶で上から見下ろしや、下から見上げる写真が撮りやすいのでオススメ

 

Canon デジタル一眼レフカメラ Kiss X3(18-55レンズキット)

http://www.amazon.co.jp/dp/B0021MEJ5M/

価格帯的に、この機種を押さざるを得ないのが残念。単焦点の50mmレンズを買い増ししても安価なのがポイントです。

書きたいことはだいたいおわり

突っ込み待ちです。

増田において突っ込みは美徳。

モヒモヒして待ちます。

2009-09-17

http://anond.hatelabo.jp/20090915210119

盗撮犯を逃がし、被害者現行犯タイーホする機会も奪い取り、犯人は今頃また別の場所でタシロス。

しかも、あなたは言い争いや喧嘩には自信が無いようだから、もしバトルになってたらどうなってたことか。

せめて、犯人の犯行現場犯人の顔をシャッター音のない新型ipod nanoで盗撮して、犯人尾行しながら、

110番通報し、警察が駆けつけた所で証拠品の画像を提出するというくらい頭を働かせような。次回からは。

新型ipod nanoビデオカメラが撮影時シャッター音なし、LEDも光らないと話題に

http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1252757532/

2009-08-31

http://anond.hatelabo.jp/20090831173728

去年夏、むうんるうらあが島中だったんだけど、貴方の中ではむうんるうらあは弱小なのか?

というか壁以外弱小だっていうなら、もう「コミケは儲かるか」論争って充分に決着ついてると思うんだけど。

ちなみに壁かそうでないかは、スタッフの一存だけで決められる。

なので毎回列がシャッター外まで伸びる島中サークルなんて迷惑な存在は複数存在する。

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