私は学生時代はメガネをかけており、メガネの度が強くてメガネ越しに目を見ると小さく見えた。
また、メガネをとっても、目が悪い故に目を細めるくせがあったので、結果的に小さく見えた。
それに加え、学生時代の写真はメガネをとって必死に目を強調させても、変な角度やシャッターチャンスのタイミングが悪いときに写真を撮られているので、どうしても自分本来のサイズの目で見れることが一時もなかった。
そのようなわけで、そこから脱却したいと思い、コンタクトを購入して装着してみた。
すると、自分本来の目のサイズで過ごすことができ、メガネをとることによって根暗なイメージがなくなったこともあり、人付き合いが自然とうまく行くようになった。
けれど、順風満帆な日々はそう長く続かなかった。
ある同級生が中学の卒業アルバムを持ち出し、「あいつは整形している」と流布し始めたからだ。
私は、事実とは異なる噂を流されていたことを知ったときは、酷く傷ついた。
卒業アルバムを見返してみると、メガネの度がきつくて小さく見えるものばかりだった。
本来の目のサイズを映し出すものは一切ないのである。
これは大変とばかりに、家にある過去の写真を漁ったが、同じ状況のものばかりで、メガネをとった姿は目を細めているものや撮影角度が悪すぎるものばかりだった。
こんな思いをしているのは私だけではないと思い、インターネットを検索すると、不自然なくらい芸能人の整形疑惑のブログ記事がでてきた。
記事内に掲載されている整形疑惑とされている人のビフォー&アフターの写真を見るかぎり、私と同じ状況のものばかりだった。
「ああ、こうやって、いくつもの整形疑惑が浮上し、私のように傷つく芸能人が増えていくんだ」と実感した社会人三年目の初秋だった。