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2011-03-25

不謹慎震災の話。災い転じて福となしちゃった場合ケーススタディ

私の心の中にはいつも1人の救世主が住んでいます。

最初救世主小学校1年の時に好きだった初恋の相手。

直接想いを告げることはできませんでしたが、いつも一緒に遊んでいました

時を経て、高校生となり、一丁前に恋人ができ、すっかり忘れていたつもりでした

ところがどっこい、ある日突然私の前に現れて、楽しかったこと、

私が楽しくなれるようなことを次々としては去っていきました

そう、夢の中で。

あれ?なんでこの人の夢を見るのだろう?

とっくに忘れていたつもりだったのに。

しかも付き合っている彼氏もいる。

その後も何度か、突然夢の中に顔をだしては

心がポワンと温かくなるようなことを次々としでかして去っていきます

もしかして恋愛感情が残っている?

20歳にさしかかろうというまだ若かったその時期には、

そんな風に考えてみたりもしました

学生から社会人となり、大人の階段を徐々にのぼり始めていました

その後私は

いろんな人と出会い、いろんな人に恋をし、

いろんな人に失恋し、玉砕して自暴自棄になって暴れたりとか

その時その時を全力で

楽しんだり苦しんだり泣いたり笑ったりしながら過ごしてきました

そしてある日、

初恋の相手は夢にでてこなくなりました

その代わり、今後は別の人が現れるようになりました

その頃私は、ブログを立ち上げ始めた時期でネットという世界に興味津々。

たまたま呼ばれたオフ会で呼ばれて出会った相手です

その日は普通に会話をし、

なんか一発殴られたような気もしました

気にせず帰ってきました

その後、メッセンジャーを通して文字で会話をするようになり、

PCに疎かった私にいろんなことを教えてくれました

この時も私には、付き合い始めたばかりの彼氏もいて、

とりたてて恋愛感情などというものを感じていたわけではな

ただただ、会話するのが楽しくて

毎日のようにとりとめのない話をしていたと記憶しています。

それどころかいつも怒られてばかりで

というか怒らせるようなことをしでかしている私が悪いのです

3回に1度は平謝りに謝まってばかりだったと記憶しています。

その人が突然夢の中にでてくるようになったことは

本人には口が裂けても言えません。

言ったら「きめえよ、ふざけんな」と怒られること確定だし。

また、言ってしまうことで大事な何かが壊れてしまうような気がして

私だけの秘密にしておくことにしました

ところがそんなことに気を遣うなら、もっと別のことに気を遣えよ

と、自分自分を責めてあげたいことをやらかししまったのです

酔った勢いで、決定的とも言えるべき非常識な暴挙にでてしま

完全無欠に怒らせてしまいました

平身低頭で謝ったのですが、許してくれる気配がまったく感じられず

ただただ自分のバカさ加減に愛想をつかすしかなかったのです

なのに夢の中には相変わらずちゃっかり現れてくれちゃって

目頭が熱くなるようなうしいことをジャンジャンやらかしていくのです

から目覚めると、指先までほわっと温かくなっていて

冷え性の私に、とても良い血行状態を与えてくれるのです

定期的に夢の中にはでてきてくれますが、

実際には二度と話すことができなくなってから2.3年の月日が流れていました

そしてあの、忌まわしい311東日本大震災が起きたのです

揺れがきたとき、私は忘れ物をとりに自宅に戻っていました

このままちょっと一休一休みと、

パソコンで少し作業をした後、

ベッドに横になり漫画を読み始めた時にそれはやってきたのです

ひとりぼっちだった寂しさと、6階という高所にいた為、

体感震度と心の震度ボルテージは最高潮に達し、

「私、淘汰されるかも・・・今度は私の番だったんだ」

という諦めと恐怖が入り混じった感情がドクドクと体中を駆け巡りました

棚という棚から物が飛び出し、食器や鏡が割れる音が響き渡ります

ニュージーランドで起きた震災の家屋倒壊をニュース映像で見ていたので

あの映像が頭の中でシンクロしていきます。このマンションは突貫工事で建てたっぽく

新築なのにあちこちに不具合がでていて、やばそうな気配を醸し出していたかです

揺れが若干収まったあたりで、外の様子を見てみることにしました

目の前の家の瓦屋根の瓦が全て落ちてしまっています。

そして子どもの泣き声が。

2つ先の部屋に住んでいる子でした

ドアが開いていたので様子を見に行くと、お母さんが放心状態で立っています。

小学生女の子ワンワン泣いている2.3歳くらいの妹を抱きかかえるようにして立っています。

とりあえず避難だ!

幸いにもここは避難所である学校の近くです。その親子と一緒に避難所に向かいました

一人じゃないっていうことで、私自身がすごく救われた気分になりました

避難解除がなされ、深夜頃、自宅に戻ることができました

倒壊すると思い込んでいた建物も無事のようです

「私まだ、生かされてる」

再びベッドにごろんと横になり、ここで私の走馬灯はまわりはじめました

私がかかわってきたいろいろな人が頭の中をめぐりはじめました

「そういえばあの人、大丈夫だったかな?」

真っ先にあの人のことが浮かんできました

今更連絡なんてできないしなー

ていうか私のことなんでもう記憶から抹消されてんだろうなー

なんて思いながら、幸い停電することもなかったので

電源がついたままのパソコンの前に座りました

ここで奇跡が起きたのです

つなぎっぱなしだったメッセンジャーから着信メッセージ

なんと、あの人からのメッセージ地震直後に入っていたのです

「だいじょうぶだったか?」

たった一言

たったその一言だけなのに

これほど心にズシンと響いた言葉はありませんでした

この付近では震度6強記録したそうですが、それ以上です

不謹慎ながら「揺れといてよかった」と思ってしまいました

まだオンラインっぽかったので、

「だいじょうぶだよ」とメッセージを送信してみました

なんと返事が返ってきました

2.3年ぶりの会話です

お互いに地震直後の状況を軽く報告しつつ

最後

「生き残れたら、また一緒に遊ぼうね」

と送信しました

「絶対やだ」

と帰ってきました

うんそう、いつも通り。昔と変わらない反応です

夢の中でいつも助けてもらっていること、

すごくごめんなさいってずっと思っていたこと

言いたいことはたくさんあったけど、

あえて言う必要はありません。

あの人にとっては、ほんの軽い気持ちで声をかけてくれたのでしょう。

けど、その一言にどんなに救われた思いがしたか、

全てを伝えてしまうにはあまりにも重過ぎて、

逆に負担をかけてしまうことになります

というか

ほどけかけていた紐が、またかろうじて繋がったのに

またほどけてしまいそうで本当はすごく怖かったのです

でもだけど

心って結構通じるんじゃね?

って思えたことは事実だし、

「災い転じて福となす」って結構本当のことなのかもしれません。

何気ない一言が、実は誰かを救っているかもしれない。

知らず知らずのうちに、誰かを救っているかもしれない。

人は誰もがどこかで誰かの救世主になっているのかもしれません。

私の心の中の救世主は、そんなことはまったく我関せずに

今日もどこかでまた別の人を救っていることでしょう。

この気持ちってどう表現したらいいのだろう?

恋愛のそれとはまた別かもしれないし

やはり潜在的に想いがあるのかもしれない。

心が勝手偶像崇拝しているみたいな感じ?

ということで、このお話は一生自分の中にしまっておくつもりでしたが、

かに言わずにはいられなくなってしまいました

今回の大震災で心を病み

生きる目的とか、生きる意味とか

あれこれ考えすぎて思い悩んでしまっている人に送りたいと思います。

人と人は繋がっていて

自分の意思とは裏腹に、人を救ったり、時に人を傷つけている。

それ自体が人が人として生きていく存在意義なのである

ということを。

で、結局、私はその救世主にいつかその話をするのかって?

これ以上嫌われると本当に口も聞いてくれなくなりそうなので

それだけは墓場まで持っていく所存でございます。

 
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