2022-07-19

死ぬまで一緒にいたいと思った恋人に、消費者金融から封筒が届いた

恋人は、1年ほど前まで大変な病気治療をしていた。

付き合ってすぐに発覚してしまった疾患だ。

当時の彼は貯金が数十万しかなかったようで、保険もなし。

すぐに払えなくなって、一部公的援助を受けながら治療をがんばってきた。

 

辛くて厳しい治療に耐える姿を間近で見てきて、無事に症状も落ちついてきたのが数ヶ月前だ。

完治とは言えないけれど、一旦は大丈夫、落ちついていますという寛解状態

数ヶ月前に職場復帰も果たして、そのタイミングで素敵なおうちが見つかったので同棲をはじめた。

 

お互いに、はじめての異性との同棲だ。

基礎疾患があってもいいと思った。子どもができなくてもいいと思った。

お金がなくても、それはこれから貯めていけばいいと思った。

例えば再発であったり、そういうことが起きたとしても、それでも一緒に住もうと決めた。

 

でも、つい先日。彼宛に消費者金融から催告書が届いていた。

私は、それを郵便ポストから取り出したとき、あまりの衝撃でかなり動揺してしまったのだけれど、

彼はその封筒を私が渡してあけたてそれを見たとき、「何かわからない、明日電話する」と言ったのだ。

 

自分は、お金ルーズな人が好みではない。

過去祖父商売をしていた関係連帯保証人になり、結局逃げられてしまった事例は1度や2度ではない。

親戚のおじさんはパチンコ借金をする人で、おばさんはいつも働いていた。

私の父は借金をしなかったけれど、ほとんど働かなくて「お金がない」という理由で諦めたことが10代のことが数え切れないほどあった。

親戚がお金事情で苦労していたこと、自分お金がなくて苦労していたこと、お金が絡むとどんな人間関係の信頼もすぐに崩れてしまうこと、

逆に、お金ありすぎても人間はすごく醜い一面があらわれてしまうこともまた、人生を通じて間近で見てきた。

 

どれも未成年のころに起きたことなので、自分が大きく介入することはなかったけれど、

そうしたものを見ていく中で、「何かあっときお金に困らない人生を過ごそう」「買えないモノは買えるまで買わない」をモットーに生きてきた。

キャッシュレス化が当たり前になり、平均年収程度稼げるようになった30代前半の今でこそ、

クレジットカードで手軽に買い物はするけれど、あくま自分で決めた予算内での買い物しか手を出さない。

がんばって貯めてきた貯金は、いざというときのお守りになっている。

 

お金ルーズであること、お金に困らないことをを徹底的に避けて生きてき私には、彼のその行動がまったくわからなかった。

 

彼の借金は、20代の頃につくった数十万だった。

無利息の内に返すつもりだったものが忘れてしまい、こうして封書が来ているのだろうという。

数年ずっと放置してきた結果だ。郵送物も、いつもそのまま気にせず捨てていたということだった。

 

彼のその無責任な行動は、自分価値観としてはまったくもって有り得なかった。

彼が20代はかなりやんちゃだったというのは聞いていた。その話を聞いて、「当時のあなたなら付き合えない」とずっと言っていた。

でも、あくまで昔の話であり、今はもうやっていないというのが暮らしていて分かっていたから、あまり気にしていなかった。

 

ただ、清算できていないのは予想外だった。

それに、今現在もそれが把握できていないのも予想外だ。

しかしたら、これだけではないかもしれないと思って、今、とりあえず調べてもらっている。

 

でも彼は、一緒に住んでから変わろうとしてくれる意思ものすごく感じていた。

あればあるだけ使ってしまい、大して貯金をしてこなかった彼は、私と一緒に暮らしからは毎月数万ずつ共同での貯金もはじめてくれた。

これまで、結婚というものを一度も考えてこなかったらしい彼は、私との未来をすごく意識してくれていることも分かっていた。

  

いろいろ、私を考えて行動してくれることがたくさんあった。治療の間一緒にいたというのが、やっぱり彼の中で大きいのかななんて思っていた。

私が笑うと、彼は本当に嬉しそうにしてくれる。私が怒ると、ケラケラ笑いながらも頑張ってもう怒らないよう気をつけてくれる。

感謝言葉をたくさん伝えてくれる。私が何か言うと、それだけで嬉しそうにしてくれる。私が視界に入ると、すごく幸せそうだ。

きっと、もうやらないのだと思う。返済も、してくれると思う。

 

自分も、これまで恋愛に興味がなかったのに、彼にたいしてはすごく幸せを感じていた。

初めてこんなに安心して横にいられる人と出会えた。落ちつく。ホッとする。

ラブラブだねえなんて毎日言いあって、楽しく過ごしていた。

 

もちろん、腹が立つこともあるし、むかつくこと、理解できなところも、お互いにある。友だちに小言を言うこともある。

お互いにムリしているところはそりゃもちろんあるけれど、数年かけてチューニングしていければいい。

ふたりにとっての居心地の良さをつくっていけばいいと、思っていた。

 

でも、あの郵送物を見つけてから1週間。私は涙が止まらない。

きっと、私が勝手に、今の彼はそういうことをしていない、そういうものがないと思い込んでいたからだ。

そして、涙が出るのは、「別れることが私の頭の中に芽ばえちゃったからだ」と彼は言う。

 

「もうやらない。年内にすべて返す。これからは全部確認する。他にもあるかどうか調べる。別れたくない。」

彼はそう言う。多分、そうしてくれるだろう。私だって、別れたいなんて思ったことなかった。

でも、私が私の友だちだったら、多分こう言う。

「この年でお金価値観を変えるのは難しい、ずっと同じ事で悩む、悩むなら別れた方がいいよ」。

 

彼が病気でもいい。子どもが産めなくたっていい。

彼が死ぬのがもし私よりもずいぶんと早いなら、今、一緒にいたい。

そう思ってはじめた2人暮らし

 

そこまで覚悟して住んだのだ。好きだから。生半可な気持ちではない。

郵便物を見てすぐに「信じられない、別れます」と言えなかった。

でも、以前までの恋愛なら、迷うことなく別れていた。

 

借金という可能から可能な限り離れる。それが人生観だったから。

そういうことが先に分かっていれば、そもそも付き合わなかったと思う。

  

でも、借金をしたのは昔の彼だ。でも、それを現在まで返してないのは今の彼だ。 

「どうすればいいかからない」毎日彼にそう伝えてしまっている。

  • もし結婚まで考えるなら離れた方がいいかもね。 結婚前の借金は本人の借金だから背負う必要はないけど、結婚後だとそうはいかない。 一緒に借金背負う覚悟があるなら結婚してもいい...

    • 横だけど、意味わからないから説明してもらえませんか? 結婚前の借金は本人の借金だから背負う必要はないけど、結婚後だとそうはいかない。

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