2021-10-09

表現の自由戦士言論統制漫画アニメゲームへの規制から始まる」

最近表現の自由戦士表題を持論とする人が増えてきているようだ。今日もそういうブコメスターが多く付いているのを目にした。

https://b.hatena.ne.jp/entry/4709467576634225442/comment/yujimi-daifuku-2222

中国における言論統制表現の自由侵害していることに異論はないが、報道規制より先に漫画アニメゲーム規制が始まるという言説は明らかに間違いだ。

中国報道規制が始まったのは少なく見積もっても30年以上前漫画アニメが標的になったのは10年くらい前、ゲームはここ数年のことだ。

報道規制

中国における報道規制天安門事件(1989年)後に始まる。中国テレビで例の戦車の前に人が立ちはだかる映像を流せなくなったのは最近始まったことではなく、当時からずっとである

もっとも、誰の目にも明らかになったのが天安門事件後というだけでその前から諸々の前兆はあった。

たとえば日本マスコミ中国駐在する条件を定めた日中記者交換協定1964年に始めて取り交わされたものだが、1968年に下記の要件が追加された(外務省合意した内容をマスコミは順守する義務を負った)。


中国批判的な報道をするな、香港台湾中国の一部だといった内容である

これらの取り決めを順守しなかった産経新聞中国から追放され1990年代まで支社を置くことができなかった。

こうしたことから50年以上前から報道規制存在したと言うこともできるだろう。

漫画アニメ規制

2000年代になると漫画小説中国への輸出が盛んになる。

当初は市場規模が小さかったためさほど問題視されていなかったが、2010年代になると日本人にとっては理不尽理由規制が行われるようになる。

たとえば下記の記事のような内容だ。

https://www.reuters.com/article/idJP00093300_20150504_00420150504

おそらくこちらも大手メディアで扱われるようになったのが2010年代というだけで、その前から様々な軋轢はあっただろう。

しか報道規制が始まった時期とは明らかに時間軸にずれがある。

ゲーム規制

中国におけるゲーム規制記憶に新しい人が多いだろう。

2018年新規IP審査停止、モンハン販売停止の騒動を経て2019年プレイ時間課金制限法制化、2020年からテンセントを狙い撃ちにした規制などが始まる。

2000年代からネットゲーム廃人問題は取り沙汰されていたようだが、具体的な規制が始まったのは2010年代と見ていいだろう。

最後

たぶん「そりゃ漫画アニメゲーム1980年代中国に入ってきていなかっただろうし後から規制されるのは当然では?」という感想を持つ人がいると思う。

自分もそう思うのだが「漫画アニメゲームへの規制の方が報道規制より先に行われる」と主張する表現の自由戦士がいるのでこの記事を書いた。

当たり前のことが嘘で上書きされるのが嫌なので。

そもそもなぜ習近平表現の自由制限しようとするかというと、表現の自由自分権力不安定にするからだ。

もし今後マスコミより激しく漫画ゲーム中国共産党や習近平に対する批判が行われるようになるならオタクコンテンツ規制報道規制より先行する時代が来るかもしれないが、過去にそのようなことはなかった。

日本には表現の自由があるので嘘をつく自由も間違った意見を訂正しない自由もあるが、それを良いことにデマをばら撒くのはやめてほしい。

  • “漫画アニメゲームが先に”ではなく“規制し易い所から”規制されていくと言ってるんだぞ

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