2020-07-20

同人女」と僕

数年前のある日、僕はあるキャラクターに惚れた。

そのキャラクターのことを深く知りたくて、気づけばGoogleでその名を検索していた。すると、見たことのないファンイラストや、小説作品のようなものが、バンバン出て来るではないか

これが、僕と二次創作との出会いだった。

同人誌」の存在は知っていたし、それを「薄い本」と呼ぶ文化も知ってた。「腐女子」を自称する人にも会ったことがあるし、オタク文化を多少は知っているつもりだった。ただ、実際に二次創作作品を楽しんだのは、この時が初めてだった。 

検索で訪れたPixivというサイトの中には、僕の好きになったキャラクターイラスト漫画小説がかなりの数あった。(そのときはたくさんあるように感じたが、のちにそれは少ないほうだと知る)

それらの作者たちがツイッターをやっていることを知り、僕はすぐにツイッターを開始、作者たちにフォロー飛ばした。

それまでの僕のSNSの使い方といえば、リアルの知り合いとやり取りするか、芸能人有名人などの発信を遠くから楽しむ、その二択だ。

作者たちをフォローしたとき気持ちは、もちろん後者フォローを返してもらおうという気持ちはなかった。

ところが現在相互フォローという形でやり取りしているひとが増えている。

僕は絵も文も書けないので、ただそのキャラクターを好きだと呟いたり、仕事が嫌だとか、友達遊んだとか、そんな他愛もない話を呟くだけである

そんな僕と相互フォローだって

大変ありがたいことだ。

この頃は、そう思っていた。




「もうツイッターPixivを見るのやめよう」

その思いは、日に日に強くなった。

狭い世界ルールに向き合うのが、辛くなったのだ。

同人界隈の人間なら、これは共感できて当然だよね?」という共通認識を、まるで理解できないことが多くなってきて(さらに他の皆さんは理解できているのを目の当たりにして)、僕はふと、こわくなった。

そう、そもそも僕は同人というものを正しく理解していなかった。僕は同人について、「熱狂的なファンときどき勢い余って創作してしまうだけ、そういう人が地球上に意外にも多く存在していただけ」という認識でいた。

しか同人文化は、長い歴史を経てここに存在するのであって、暗黙の了解や、さまざまなタブーがある。

ただの消費者で、理解の浅い僕のような人間が、無責任に足を踏み入れてはいけない場所だったのだ。

このところ僕のフォローしている作者たちが、同人界隈…というか、「同人女」というものについて意見を述べている。

同人女」という言葉自体、初めて知るものだったが、僕の周りは作者も読者もほとんど女性なので、そのカテゴリに該当するのだろう。好きになったキャラクターは男だったから、当然なのかもしれない(僕は男)。

作者たちは主に、このハテナブログというサイト記事を読んで、思ったことを述べていた。

僕もいろいろな記事を読んでみたが、理解はできても全く共感できない。当然、作者の皆様が述べることにも共感できない。僕は、ただただ己の未熟さを深く反省するしかなかった。



楽しい時間だった。

僕は同人二次創作という文化本質をわかっていなかった。

ちょっと前に「コミケのようなイベントでは作者たちが顔を晒すんだから、来る側も顔とツイッターアカウントを申告するのが当然!」みたいなツイートがバズっていたとき、「アカウント名前を申告?認知ほしいオタク迷惑行為ではないか」と思ってしまったのだが、同人文化は「同じものを好きな者たちによる輪」であるのに対し、僕は完全にただのファン気分だったのだ。

やはり、一番好きなのは公式キャラクターなんだ。誰かと盛り上がれなくても、そのキャラクター作品応援する気持ちを大切にできれば、僕はそれでいい。

それぞれの幸せ無意識に踏みにじらないために、生きる場所は軽やかに変えていこうと思った。

最後まで読んでくれてありがとう

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