2019-07-20

anond:20190720135006

起きたらとんでもないことになってて慌てが鬼なって精神寿命マッハなので、内容的にはここに全部含まれてると思うのでここだけ言及

寝てる間についてた言及ブコメ見てたら「えっこれ系の単語ってこんな数あんの……マジで……」ってなって、流石に輸入上の事故とかじゃすまない上に何より言及されたようにスマートじゃなくてこんなたくさんの例外突っ込まれたら頭ばかになっちゃうので所感書いとく。でもマジで素人で音声/音韻方面の専門じゃないんでその辺は頼むわ。

新規に作られた言葉にまでこの現象が起こるようだと、もうこれ誤用とかじゃなくて新しいルールとして音韻論内(学問じゃなくて言語機能の方)に成立してるなーと普通に思う。

それが成立した経緯に、「似た発音単語をたくさん輸入してしまって、ほとんどの人にはそれぞれどっちが正しいのかわからなくなってしまった」という歴史的事情と、音声学的な発音しづらさが相まって、「促音+有声破裂音+母音」の音素列に対して、「有声破裂音は無声化しても良い」っていうルールがもう出来ちゃってるなぁーって自分普通に思った。

更に輪をかけて、functional loadの観点から言うと(音声上のある要素がどの程度その単語識別に関わっているのかという概念)、「バックでもバッグでも通じるのでどっちでいい」みたいなブコメいくつかついてたけど、少しでもかじった身としては「よくねえわ!!!そんな単純だったら誰も苦労しねえわ!!!」ってなるけど、でも今回については確かにこれが寄与してるなーと思う。

functional loadの影響で消えたものだと最近だと半世紀くらい前に英語の短母音・長母音区別が長さから音質(舌の位置)に変化した有名な話とか。どこの国でも国語教育に関わる奴ってのは頭がお堅いもんで、教科書には短母音と長母音というセクションがあるんだけど、生徒はみんな「はああああああ???いや、長いとか短いとかじゃなくて、別の音じゃん、それ」ってなるらしい。Pinkerが書いてた。Pinkerは研究自体自体の方はあまり評価されないけど(個人的にはかなりあの方面は正しいと思うけど)、こういう日常的な話書いてくれるから引き出すのに便利だ。流石にこのくだりどこにあったか増田言及するために探すのは面倒なんで勘弁して。

あと日本語だと「おばさん」と「おばあさん」みたいなのはかなりの部分イントネーション区別してるのも有名で、それぞれ逆のイントネーション発音して自分でどう聞こえるとかもやってみると面白いよ。アワレにもこれを専門外の人が読んでたら向け。

ミッドガルでもミットガルでもエアリス死ぬゲームの話してるのは分かるし、他の単語についても言われてみたら明らかだわなぁーってなった。

音声学上の要因、似た単語死ぬほど輸入し

歴史的経緯(英語の単音節語で似た単語死ぬほどあるよね……ブコメにあったけどpodとpotとか)、どっちでも通じるという光と闇の力が合わさり最強に見え、音韻論内で頭がおかしくなって区別が死んだのかもしれんね。

ただ、無声化「しなければならない」ではなくて「してもしなくてもよい」である以上、音韻規則レベルにはまだなってなくて過渡期かな、と感じる。あと十年、下手したら今の子供がどういう規則を身につけて成長するのか凄く楽しみ。

ミッドガル/ミットガル以外に言われて一番あーって思ったのはドッヂボールとドッチボール。破擦音にまで拡大してる上に、「ドッチ」って日本人認識するような輸入された単語は多分ないと思うので(日本語話者形態論が外来語和語漢語についてかなりの程度区別を保ってるのは様々な例でよく知られているという逃げ口を使うので「どっち」は原因に考慮しない)、もうこれ輸入の失敗とかじゃねえなってなったので、現状の日本語としては普通に言及先の増田の方が正しいと思う。またメスガキに負けた。

とりあえず濁音の点について、この点は出ねぇよってなる理由はいろいろあるけど主要っぽく見えるのはこんな感じです。よしなに。単語を輸入されただけで輸入した言語に致命的な影響出たのはそれこそNorman Conquestとかがあるし、輸入上の間違いの例を知ってるからといって誘惑に負けて無理に現在言語機能から切り離そうとするとヤクザが教壇に足乗っけて追ってくる。

追記

この現象が起こりやす単語と滅多に起こらない単語を追ったら少し楽しそうだと思ったけど、デバックにはバックが含まれてたり、ドラックにはラックが含まれてたり(rackとluck)、それぞれどういう原因で誤用の率が変動するのか考えるのむっちゃキツそうって思う。個人差と方言差の問題である。いずれにしてもとりあえず、ありとあらゆる要因のせいで区別消滅しかかっているのだろうね。

あとドイツ語のrの異音、普通に勉強になった。ありがとう

記事への反応 -
  • 他の増田が有名な話を書いてるけどこれは実は間違い。確かに日本語には「促音+濁音」で終わる単語は少ない、だから清音になるという説(※1)。 だけど、これには簡単に物凄い数の反...

    • ゴッドをゴットと間違えてるのはあまり珍しくないような あと、デバッグがデバックになってるのはよく見る

      • ゴッドをゴットって間違えてる人を見たことないのでこっちはちょっとノータッチにしたい、すまん。ただ英語のgodに当たる単語はドイツ語でGott。実のところ語末有声子音が強制的に無...

        • 「見たことない」じゃなくてググれよ。https://www.google.co.jp/search?ei=qYEyXe3YHpPr-Qb4j4qgCA&q=%E3%82%B4%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89+-%E3%82%B4%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89&oq=%E3%82%B4%E3%83...

        • さあ昼寝しよかな

    • キューピットとかスプレットとかハイブリットとかは?

      • これ聞いてあーそうかーアレも原因にあるのかーってなった話。書いとく。これはドイツ語じゃなくて英語の話。 とりあえずスプレットとハイブリット。 スプレットってspreadをFXでこ...

        • 英語で語末の破裂音を破裂させなくていい(内破音)ってホント?韓国語とかには普通にあるけどね、内破音。英語だと聞いたことない…破裂させなくていい、とは違う話ではないの? ...

          • うへえーガチの人来たやべえ お手柔らかにお願いします…… 見たけど、破裂音が2語連続する場合に前の音が内破音になる例しか何故か乗ってない。でもこれはむしろマイナーな例で、...

        • 「日本人の耳には「スプレッ」って聞こえて」は違うだろう。/spred/の母音[e]は有声音[d]の前に来ているから「スプレェ」のようにやや長めに発音され、日本人の耳にもそう聞こえる。一...

        • 音に綴りが引きずられてんじゃないのかな。

    • 「ッ」を入力するのに『直後の子音を二重に入力する』って、発声としても正しいものなんだな

    • バックパックとの混同なら(多分事実ではないだろうが)理屈としては理解できるが、ルックザックとの混同でバッグをバックと呼ぶようになったって意味が分からんのだが。 増田の独...

    • "マットサイエンティスト”の検索結果約 2,630 件 https://www.google.co.jp/search?q=%22%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E2%80%9D&oq=%22%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%88...

    • めんどくせぇな 言葉なんて伝わればいいんだよ

    • グッズ→グッツは? 解説にすごい納得したから俺の大嫌いなこの誤用についても知ってたら教えてほしい。

    • ハンティー

    • 実のところ、この現象が起こるのって「ベッド」と「バッグ」だけなんだ。他にあるとしても、ごく一部の単語に集中する。「ビッグ→ビック」も、ビックカメラがbic cameraって社名に...

    • なんかあんまりスマートじゃないな。 語源の話は、語句によってそういう一因もあるけど 「一般的には音声学的特性から促音+有声閉鎖音の末尾の閉鎖音は無声化しやすい」でいいじ...

    • ゼミナールとセミナー ペーハーとピーエイチ みたいな違いやな。    化学、医学はドイツの影響受けたからかもなー。   

    • 参照文献ゼロ 落第です

記事への反応(ブックマークコメント)

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