2018-10-18

レズ風俗に通いつめた話

社会人になって早10年。

当時、仕事忙殺されていた私にとって、丸一日の休日は久しぶりだった。

今日は一日、羽を伸ばせる。

そんなことを思いながらネットをしていると、ふと、魔が差した。

レズ風俗」に行ってみよう、という気になったのだ。

そういうお店を知ったきっかけは、ネットで見かけた体験談

最近は、仕事を除けば、異性と接することがなく、もはや、男性との接し方が分からない。

かといって、性的欲求がないわけではない。

そんな私にとって、「レズ風俗」は、とても魅力的に思えた。

ネットで慎重に調べた結果、私は、あるデリヘル店を選んだ。

男性向けの風俗もやっている、大手のお店。

できれば、女性向け専門のお店が良かったが、それよりも、大手安心感を優先した。

ホームページを見て、直感女の子を選び、ドキドキしながら、お店に電話をした。

値段が高めのお店だったこともあってか、電話の応対は非常に丁寧で、少し安心

指示に従って、ホテルで待機をした。

大柄なわりに短足な私。

私を見てあの女の子はどう思うだろうか……。

亜熱帯かどこかの爬虫類のような私の顔を見て、もし、ヒかれてしまったらどうしよう……。

ホテルにきて、今さらだったが、そんなことを心配した。

やがて、彼女が来た。

雑誌に載っていてもおかしくないような、容姿の整った女の子だった。

全身が「改造」されてるわけでもなく、「お絵描き」があるわけでもない。

スタイルの良さなんて、最近モデルと見紛うほど。

見惚れるほどのかわいい子だった。

私の心配をよそに、彼女は、好意的に接してくれた。

しかしたら、それは営業スマイルだったのかもしれない。

それでも、彼女にその眩しい笑顔を向けられると、とても幸せ気持ちになった。


こうして、私は、お金を払って、サービスを受けた。

詳細は伏せるが、それは、とても、とても、良かった。


サービスの合間には、色んなことを話した。

彼女が、バイセクシャルなこと。

ミッション系の女子高に行ったこと。

そこで、レズビアンのクラスメイトと、付き合ったこと。

奨学金を借りて、大学に行ったこと。

派遣社員をしていること。

女性アイドルが好きなこと。

少し前は、アイドリングが好きだったこと。

今は、坂道系が好きなこと。

私の話も、たくさんした。

営業で飛び回る私の愚痴を、彼女は優しく聴いてくれた。

同性の友達すら少ない私にとって、仕事以外で、こんなに誰かと話をしたのは、久しぶりだった。

以来、私は、たびたび、彼女を買った。

サービスを受けている時間よりも、話をしているだけの時間割合が増えていった。

そのお店では、女の子が、それぞれブログを書くことになっている。

彼女のふとした日常垣間見るのは、とても楽しい

また、彼女を呼ぶと、私のことをイニシャルブログに書いてくれる。

一言でも私へのメッセージを書いてくれると、そわそわするような嬉しさを感じた。

しかし、彼女を呼び始めてから半年も経つと、彼女ブログを見るのがつらくなってきた。

当然ながら、ブログには、他のお客さんへのメッセージも書かれる。

彼女が、他のお客さんにもサービスをしている。

そう思うと、どこか心が苦しかった。

かといって、彼女の出勤枠全てを買い取れるほど、暇もお金もない。

毎日ブログを眺めながら、苦しい思いをする日々が続いた。

もっとも、彼女のお客さんは、他の女の子に比べて、明らかに少なかった。

それは、歩合で稼ぐ彼女にとって、決して良いことではなかったのだろう。

しかし、どうしても私は、そのことを喜ばしく思ってしまうのだった。

彼女と初めて会ってから、1年ほど経ったころ。

いつものように、彼女を呼んで話をしていると、衝撃的なことを告げられた。

彼女は、お店を辞めるのだという。

原因は、あるお客さんとのトラブル

詳しい原因は、彼女自身すらよく分かっていないが、どうやら、彼女サービスが、お客さんの逆鱗に触れてしまったらしい。

彼女にとって運が悪かったのは、そのお客さんが、お店の超お得意様だったこと。

お店は、激怒するお得意様を優先し、彼女をクビにするというのだ

そんなことは、おかしい。

私は、そう訴えたが、彼女はそれを受け入れていた。

お店に対して愛想をつかした部分もあるのだろう。

「どうせ、あんまりお客さんもいなかったしね。」

自嘲気味に言う彼女の顔を、私は正視できなかった。

ずっと会える日が続くと思ってたのに……。

私は、目に涙を浮かべるだけで、しばらくの間、何も言えなかった。

「もう……会えないの?」

私が、なんとか言葉を絞り出すと、彼女は、いつもの素敵な笑顔を見せた。

彼女は、私と連絡先を交換してくれたのだ。

今度、食事にでも行こうよ、と言いながら。

天高く舞い上がるような気持ちだった。

嬉しくて泣いてしまった私に、彼女は優しく寄り添ってくれた。

その後、私達は、友達として、食事ショッピングに出かけている。

地に足ついた生き方をする彼女と、どこか浮ついている私。

見た目も、住む世界も、何もかもが異なる私達。

私達が、一緒に行動している様子は、はたから見たら、奇異に映ったかもしれない。

でも、そんなことはどうでも良かった。

恋人になれなくても良い。

前みたいに、サービスを受けられなくても良い。

彼女と一緒に出かけられるだけで、私は、世界幸せだった。

私は、あのお店––飛車竜王––で彼女に会ったときから彼女に恋をしているのだ。

私達が、女同士であるにもかかわらず。

私がドラゴンで、彼女自動車であるにもかかわらず。

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