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2021-10-20

次に背が高い?BD問題結論

Twitterで有名なBD問題を知っていますか?

Xの次に背の高い人は誰?という問題で、以下のような内容です。

問題

Aの身長は150cm

Bの身長は155cm

Cの身長は160cm

Dの身長は165cm

Eの身長は170cm

この5人の中で、Cの次に背が高い人は?

選択肢

1.B

2.D

3.どちらとも解釈できる

4.日本語がおかしい、解釈できない

貴方はどう解釈しますか?

結論

 私は、3.どちらとも解釈できる、が正解と思っていて、言い方を変えると「Bの方が確からしいが、問題文として不備があるのでDの可能性が排除できない」と思っています

解説

 さて、まずは日本語認識から合わせましょう。

 これが一番大事なところです。各々の解釈で話を進めるから大変なことになるんです。日本語に関して絶対的に正しい辞書を用いて話しましょう。

 さて、辞書から問題文と関係しそうなところを抜粋すると、

1:すぐあとに続くこと。また、そのもの

2:あるものに続く地位。一段低い地位。また、一段劣ること。

高い

1:基準となる面からの出っ張りが大きい。

2:数値が大きい。また、度合いが大きい

とあります

 答えは"必ずそれぞれの1,2どちらかの表現を用いて表すことができます”。

以上を踏まえて読解していきます

【解がBになる解説

①昇順か降順か書いてないので、問題文に書かれていないことは勝手に推測しない。(問題解釈の基本)

Cの次=160cm次点と変換して、

Cの次に高い→Cより一段劣る背が高い人、なので155cmのBがCよりも一段劣る背が高い人。

 これは劣るのに背が高いと続いて日本語としてやや不自然ではあるが、いったん置いておく。

②5人の一覧をわかりやすくすると、

E170cm 最も高い

D165cm 最も高いものより一段劣る

C160cm 基準

B155cm 基準値より一段劣る

A150cm 最も低い

となり、

この中でCの次に背が高いのは?と聞けばBになることが理解やすい。

身長の数値が大きいという評価基準で、Cのすぐあとに続くものはBで疑いようがない。

【解がDになる解説

 まず、問題文を整理します。

Cの次に背が高いのは?

次に、と聞かれたので、必ずあとに続くか一段劣るものを選ぶため、何かの順番に並べる必要があり、その場合のC(基準値)の次のもの(X)が問われている。つまり

問題基準値のあとに続く順番のXは? とすることができ、

答え.◯◯の順番で基準値のあとに続くものはX、となる。

 そう考えたとき身長が何cmかはただの識別情報なので、数学解釈は使わずに答えが出せる。

まり

A 背が最も低い

B 背が低い

C 背が普通

D 背が高い

E 背が最も高い

ということ。

 背についての比較をする際は、必ず一番低い人間が始点となる。

なぜなら、"背の順″は背が低い順とは言わなくても誰しもが昇順と理解するし、高い順番から並べることは一般的解釈とは言えないので考慮しない。

ゆえに、始点Aから始まる背の順において、Cのすぐあとに続く背が高い人はD。

 答えから問題文を逆算して検証すると、

「背の順でCのすぐあとに並ぶ身長が高い人はD」

→「ある順番でCのすぐあとに続く背が高い人は誰?」

→「Cより順番がすぐあとになる背が高い人は誰?」

→「Cの次に背が高い人は誰?」

となって、この文章を背の順と理解できることに矛盾が生じないと解釈する。

 ここでの争点は「ある順番とは何?」で、そんなもんは知ったこっちゃないのですが、普遍的に背の順番は昇順(背の順)になることを考えて、答えは、"背の順でCのすぐあとに続くD”となります

 背が高い方から並べたB理論は、「ある順番」が何か指定されていないことに気づかずに数値が一段劣る、の意味だけで解釈をしてしまって、数値が最も高いものからの降順以外の可能性を考慮できていません。

 並べ方について問われている問題なので、単純な数値としての160cmと155cm比較だけの「160cmより一段劣る背が高い155cmの人」という表現日本語として不自然です。

【Bの方が確からしいが、問題文として不備があるのでDの可能性が排除できない理由

 これは背の順だから起きてしまたことで、例えば以下の例ではどうでしょう

問題

スカイツリー 634m

東京タワー 333m

あべのハルカス 300m

横浜ランドマークタワー 295.8m

りんくうゲートタワービル 256.1m

この中であべのハルカスの次に全長が高い建造物は?

 このとき、B理論もD理論も答えは横浜ランドマークタワーです。

さらしましょう。

(B理論

①634mが数値として最も高いので、基準あべのハルカスのあとに続く建造物横浜ランドマークタワー

②300mという数値にたいして一段劣る高い建造物は295.8mの横浜ランドマークタワー

(D理論

 256.1mを始点とした低い順は一般的に想定されないので考慮しない。

高い順であべのハルカスのあとに続く全長が高い建物横浜ランドマークタワー

 以上のように、回答としてはどちらも同じ横浜ランドマークタワーで丸く収まっていますが、実際の思考プロセスには隔たりがあります

 他にもいくつか例を挙げて、それぞれの思考を掘り下げてみましょう。

問題

1位 100点

2位 90点

3位 80点

4位 70点

3位の次に点数が高い人は何位?

(B理論

①100点が数値として最も高いので、基準値3位のあとに続く点数が高い人は4位。

②80点という数値にたいして一段劣る高い点数は70点の人で4位。

(D理論

 どう見ても得点が高い順ランキング

順番が3位のすぐあとの点数が高い人は4位。

 ある程度わかったかもしれませんが、大抵のものは降順ランキングになるので、思考プロセスは違っても答えは同じになります

 では、このようにしたらどうでしょう

問題

160cmの次に高いのは161cm、159cmのどちらでしょう?

(B理論

①160cmのあとに続くものを探す場合

161cm 最も高い

160cm 基準値(最も高いものより一段劣る)

159cm 最も低い(基準値より一段劣る)

基準値のあとに続く高いものは159cm

基準値160cmより一段劣る数値は159㎝。

で、どちらも159cmで疑いようがない。

(D理論

 数学解釈考慮しないで比較すると、

159cm 数値が最も低い

160cm 基準

161cm 数値が最も高い

となる。

 問題文を整理すると、

160cmの次に背が高いのは

次に、と聞かれたので、必ずあとに続くか一段劣るものを選ぶため、何かの順番に並べる必要があり、その場合の160(基準値)の次のものが161か159か問われている、つまり

問題.〇〇の順番で基準値のあとに数値が高いのは161と159のどっち?

答え.◯◯の順番で基準値のあとに続く数値が高いものは161 or 159、となる。

整数自然数)は1(0)を基点とした昇順のため、

答えは、160㎝のあとにつづく数値がたかものは161cm

 しかし、「あとにつづく数値がたかもの」という表現日本語としては不自然で、B理論はどちらも自然な結果になっているため、Bと解釈する方が収まりがいい。

 この結果は単純な数値の比較をした際、B理論解釈が常に正しいと言えることを証明しているともとらえられます。そして、その場合の順番は常に降順(高い数値が上)です。

 ようやく輪郭が見えてきましたね。問題になるのは、「単純な数値の比較ではない場合」です。

問題

Sサイズ(数値小)

Mサイズ(数値中)

Lサイズ(数値大)

この場合、Mサイズの次に大きいサイズは何サイズという?

(B理論

①Lサイズが最も数値が大きいので、基準値Mサイズのあとに続く大きいサイズはSサイズ。(大きいサイズはSサイズ、と言っているのでこれは日本語表現としてやや不自然

②数値中に対して一段劣る大きいサイズは数値小のSサイズ

(これも一段劣る大きいサイズ、という言葉日本語表現としてやや不自然

(D理論

服のサイズはSサイズを始点として、S、M、Lと数えるが、L、M、Sとは数えない。

Lサイズから始まる店は存在しないし、サイズについて比較する際は必ず始点にSサイズがある。

ゆえに、Mサイズのあとに続く大きいサイズはLサイズ

自然な結果になったのはD理論ですね。

ここまでの例題からわかったことは、「次に〇〇」で昇順/降順のどちらに動くか判断が付かない場合は、どちらの理論も試してみて、より自然言葉になる方を選べばいいだけです。

 なぜBD理論が論争になっているかというと、このケースではB理論も成立していて、D理論も成立しているからです。(どちらの結果も日本語が不自然にならない)

 B理論支持者は、単純な数値の比較をした際は常にB理論解釈が正しいことを根拠に、問題は数値について問われていると勝手解釈して、答えはBで揺るがないと思っています

 これは、数値の比較なので数値が高い=上のものという認識があるので、降順以外は考えられていないです。

 一般的に「Xの次に高いものはどれ?」という問題は凡そ全て数学問題のため、みんな単純な数値の比較以外の用法は聞いたことがないので、D理論意味の分からない勝手解釈をしている例外だと判断しているのです。

 続いてD理論支持者ですが、まず第一に「背を比較するときの順番は背の順(昇順)である」という解釈が前提にあります

この前提が正しいとみんなが思ってるかはわからないですが、私の中では「大体そう」ってぐらいの認識です。

 ロシアだと背が高い人が前に並ぶし、国内では自衛隊も高い順に並びます

 しかし、「背の順で一番前の人は背が高い?低い?」って聞かれたら真っ先に低い人を想像します。

 また、「複数人の背を一斉に比較するために順番で並んだとき、先頭に並んでいる人の身長は一番後ろの人よりも身長が低い?高い?」って聞かれたら、うっかり低いって断定してしまいそうですが、

この問題についての正解は、「どの順番で並んでいるか知らないので、どっちもありえる」です。

 BD理論に話を戻しましょう。

 まず、問題文は情報が不足しています

一番最初解説でも言いましたが、「次に」と言われてるので、何かの順番になるのですが、問題からそれが確定することができません。

 そのために2つ仮説を立てます

 B派は単純な数値の比較と同じ降順だと想定した場合でも、数値が高いものが上にくると仮定した降順でも結果的に答えはBで、どちらの根拠もある程度正しいと言えます

 D派は背の順だと仮定すれば正しいと言えるし、「背の順かどうかは書かれていないのでどっちもありえる」とも言えます

 比較してみるとD派の方が勝手解釈に見えて根拠としてはやや弱い気がしますが、B派も肝心の前提条件は絞れていないので、降順という仮説が成り立たない限りは、"日本語として不自然表現の答え”に過ぎないので、Dという答えを誤答とは"しづらい”です。

 ゆえに改めて私の結論をより詳細に述べると、「Bの方が仮説を立てる根拠が確からしいが、問題文として不備があるので別解Dの可能性が排除できない」となります

【まとめ】

 BD問題は、大体の場合がどちらも先入観勘違いベースに論争をしているので、全く噛み合わないケースが多い。

 BとDのどちらも根拠がありそうな正解を導き出せるようにしていて、あえて論争を起こそうとしてるのではないかとすら思える。

 また、B理論支持者の方が論理的に正しいと言えそうで、実際は降順の並び替えについての根拠整数の並び順でしかないことについて気づく人はあまりいない。

 D派は背の順、というあやふや根拠理論にして戦ってるので、かなり分が悪いし、どこまで頑張っても前提条件は判明しないので、「Dが間違いとは言えない可能性がある」としか言えないので、屁理屈扱いされる。

 もしも、背の比較をするときは必ず背の順(昇順)に並ぶ、という解釈絶対的になることがあれば(仮に)、D理論はB理論よりも確からしくなるし、BD問題の結果がB、Dどちらかの100%になったとしたら、それは日本語が変化したと言えるのかも知れません。 実際に何%になったら辞書が変わるのかとかは知りませんが、誤用が広まって定着した結果、用法として辞書に載ってしまった例はありますし、時代とともに意味が変化していった言葉はたくさんあります。 いずれ、Xより一段劣る背が高い人、という表現が当たり前に使われる日も来るのかもしれません。

 しかしながら、BD問題は"問題文として”試験に出せるようなシロモノではないと思うし(最初のツイ主さんは、これは問題ではなくアンケートだと仰っていました)、もしも私の解釈おかしいところがあるとしても、表現方法問題があるとは思います

 もしもBかDの2択ならBの方が根拠が強いと思うので、Bを選ぶ方が正しそうです。しかし、BD問題は4択にしてしまっているので、問題文も選択肢も合わせて罠になっています

 問題文とは回答者との誤解なきコミュニケーションであるべきだというのが私の主張です。 つまり、答えに対しての問い方でなくてはいけないし、正しい根拠でのみ正しい答えが導き出せるようにしなくてならないということです。

 (注意力や論理力があれば解けるひっかけ問題まで悪いと言ってる訳ではありませんよ、念のため)

 テストクイズを作る方はもちろん、この問題日常生活でも起こりうることで、誤解なきコミュニケーション大事にしていくべきだと強く思う結果となりました。

【おまけ」

その他のよくある勘違いパターン3選

①次に「高い」か「低い」かで昇順、降順が決まると思ってるパターン

 要は、基準+1が高くて基準値-1が低い、ということです。

やっかいなことに、例題のいくつかの問題はこれでも当てはまっちゃうんです。

 ただし、「300mの次に高い建造物が301m以上のもの」、「160㎝の次に高い身長は161㎝」になってしまって、破綻します。

 この説には根拠がありませんが、ゆえに都合の良いように解釈できてプラス方向にもマイナス方向にも行ったり来たりと便利なので用法としても広まってしまっています

主語/述語、装飾語/被装飾語の関係法則性を見つけようと思っている人

 これもやっかいです。体感ですが、正しく文法などのルールをきちんと勉強したことがある方でここに辿り着いた人はいないと思ってます

専門家である飯間先生ツイートでも言及されていなかったので。もし文法解釈できるならご一報ください)

 私も専門家ではないし、きちんと勉強した人じゃないので触りだけにしますが、

Cの次に背が高いのは?

Cの(修飾語)次に(被修飾語)背が(修飾語)高い(被装飾語)人は(主語)誰(述語)?

となるので、この文章は複文(1つの単文の中に単文が組み込まれている文)です。

複文なのでまとめると、

Cの次に背が高い(修飾語)人は(主語)誰?(述語)

となります

 さて、何か前提条件から変わりましたか

 もう少し粘ってみましょうか。

修飾語意味は明らかなので被修飾語に焦点を当てて、

Cの〇〇に背が〇〇な人は誰?としましょう。

辞書通りに埋めていきます

Cの(あとに続く、または、一段劣る)背が(大きい)人です。

はい、冒頭からずっとこれについて話をしていますね。

あとに続くのか一段劣るのか断定できないので、「背が大きい人」とは、「Cのあとに続く背が大きい人」なのか、「Cより一段劣るけど背が大きい人」なのかの区別がつかないので無意味です。

③「次に背(身長)が高い人」と「次の高さ(身長の度合い)が高い人」を混同してる人

 わかりやす文章にすると、

Cのあとに続く高さが高い人は誰?

〇〇の順番で基準値のあとに続く高さが高いXは誰?

昇順でCのあとに続く高さが高い人はD。

 これはXのあとに続く"高さが高い人”に絞っていて、高さが低い人を排除してしまっているので、文の構造が完全に変わっています

 ちなみにこの解釈をすると、「Xより一段劣る背が高い人」は「Xより一段劣る高さが高い人」になるので、B理論自己矛盾を抱えることになります

 「Xより低いけど身長が180cmある人」なら文として成立するのかもしれないけど、それとこれとは全く別問題です。

2020-11-02

大阪都構想二重行政の例

意地の張り合いで

ワールドトレードセンタービルりんくうゲートタワービルの高さを競った結果

っていうのがあるけど

「高さを競った」結果税金無駄使いしたってことな

単に大阪民の民度が低いだけでしょ

 
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