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2015-11-17

http://anond.hatelabo.jp/20151117085253

テロリストが何のためにテロをするのか知ろう、考えよう、ってところから対策を積み重ねていかなくちゃならないと思う。

もっともです。

その孫子以来の箴言を踏まえ、テロリズム研究にはそれなりの蓄積があります

そして、ある程度の結論もちゃんと出ています

で、その結論というものですが、

一般市民の中に紛れ込んだテロリストを、特定して、探し出すのは至難の業だし、どこに潜んでいるかも解らなければ、根本的な対策ほとんどできない。これと戦うって、本当に可能なんだろうか?

はご明察で、基本的に「戦う」のは無理、もしくは常にコスパの悪い勝負しかならない、ということになっています

非対称戦には須くそういう傾向がありますが、対テロ戦では特にそれが顕著です。

テロ制圧には膨大な情報戦治安戦のリソース必要で、そこで完封してやっと「引き分け」なので、勝敗で言えば最初から話にならないのです。

実を言えば先進国公安部隊であれば、特定するのは「至難」と言うほどではないはずで、まずほとんどの組織員はマークできているでしょう。

ただ99%の補足率ではいつかは必ず国家当局は負けますし、ローンウルフテロなんかは「事前に殺人犯を捕まえろ」みたいなこちらは至難な話になってしまうということです。

テロとの戦い」って、どんな戦術が正しいのかが、今の時点ではまったく見えて来ないと思うんだ。

で、これにもある程度結論はあって「テロの原因となる社会的矛盾解決する」が最良の戦術(というか戦略)なんですね。

治安強化、警備強化の方向では最上でも引き分けまでしか持ち込めない以上、どうしても「根本を叩く」ことが必要からです。

一時的に膨大なリソースを注ぎ込んで100%の補足、あるいは軍事制圧による組織の壊滅を達成したとしても、その組織を生んだ社会的矛盾がある限り新規構成員供給され続ける、あるいは新組織が生まれるだけで、結局いつかは綻びますので、そういう結論が出てくるわけです。

ただISILのような国外組織相手場合実質的に唯一の勝利の手段であるこの方法事実上使えないわけです。

最低でもシリアイラク、できればISIL連帯組織のある5,6カ国を全て占領制圧した上で、その地域統治して社会的矛盾解決せよ、という話になりますので。

金も土地資源も、新たに得られる望みはほとんどなく、自分たち繁栄していく手段きっかけになる訳ではないのだから

こういう闘争目的必要無いのがテロリズム所以です。むしろテロ組織としての戦略目標はともかく)テロにおける個別作戦目標には、そもそも最初から自己利益」は含まれない方が(特に初期段階では)普通です。

ではどんな目標一般的かと言うと、

自己組織/主張への一般市民からの注目(無視でないなら憎悪でもかまわない)

・「敵」の社会における恐怖の蔓延

・「敵」社会警察国家化による自由繁栄の毀損

・「敵」社会における政府への不満(もっとテロを厳しく取り締まれ!と言う類でもいい)の蓄積

なんかはテロリズム論理においては、いずれも妥当作戦目標です。

欧米政府スタッフは当然この辺りの原則は百も承知の上でやっていると思いますよ。

 
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