はてなキーワード: 連帯組織とは
ごもっともです。
その孫子以来の箴言を踏まえ、テロリズム研究にはそれなりの蓄積があります。
一般市民の中に紛れ込んだテロリストを、特定して、探し出すのは至難の業だし、どこに潜んでいるかも解らなければ、根本的な対策はほとんどできない。これと戦うって、本当に可能なんだろうか?
はご明察で、基本的に「戦う」のは無理、もしくは常にコスパの悪い勝負にしかならない、ということになっています。
非対称戦には須くそういう傾向がありますが、対テロ戦では特にそれが顕著です。
テロ制圧には膨大な情報戦、治安戦のリソースが必要で、そこで完封してやっと「引き分け」なので、勝敗で言えば最初から話にならないのです。
実を言えば先進国の公安部隊であれば、特定するのは「至難」と言うほどではないはずで、まずほとんどの組織員はマークできているでしょう。
ただ99%の補足率ではいつかは必ず国家当局は負けますし、ローンウルフのテロなんかは「事前に殺人犯を捕まえろ」みたいなこちらは至難な話になってしまうということです。
で、これにもある程度結論はあって「テロの原因となる社会的矛盾を解決する」が最良の戦術(というか戦略)なんですね。
治安強化、警備強化の方向では最上でも引き分けまでしか持ち込めない以上、どうしても「根本を叩く」ことが必要だからです。
一時的に膨大なリソースを注ぎ込んで100%の補足、あるいは軍事制圧による組織の壊滅を達成したとしても、その組織を生んだ社会的矛盾がある限り新規構成員が供給され続ける、あるいは新組織が生まれるだけで、結局いつかは綻びますので、そういう結論が出てくるわけです。
ただISILのような国外組織が相手の場合、実質的に唯一の勝利の手段であるこの方法が事実上使えないわけです。
最低でもシリア、イラク、できればISIL連帯組織のある5,6カ国を全て占領制圧した上で、その地域を統治して社会的矛盾を解決せよ、という話になりますので。
こういう闘争目的は必要無いのがテロリズムの所以です。むしろ(テロ組織としての戦略目標はともかく)テロにおける個別の作戦目標には、そもそも最初から「自己の利益」は含まれない方が(特に初期段階では)普通です。
・自己の組織/主張への一般市民からの注目(無視でないなら憎悪でもかまわない)
・「敵」社会における政府への不満(もっとテロを厳しく取り締まれ!と言う類でもいい)の蓄積