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2018-04-26

東京地方との格差」に対する違和感

「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由(阿部 幸大) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

上記記事の内容を大まかに説明すると、教育における「親の年収格差」に加えて、「東京地方との格差」も大きいのではないかというものである

主張として同意できる部分があるものの、やや違和感を覚えたので増田に記したい。

上記記事阿部氏は、東大入学時に、阿部氏と同級生との家庭環境の違いにショックを受けたようだが、私の場合大学より前の高校入学時点でそれを体験した。

私は、公立王国である地方某県No.1高校から都内の某文系国立大入学した。受験難度的に、東大より下だが早慶よりは上の大学である

(大学卒業から10年以上経過している。)

まれから上京するまで、築30年以上2Kのアパート家族4人で過ごした。当時は受け入れがたかったが、控えめに言っても貧乏な部類に入る家庭だった。

地方と言えども、県No.1高校ともなれば、同級生の親は医者弁護士経営者等が多数を占める。大規模な牧場経営者などもいた。一流企業サラリーマン割合的に少なかったと思う。

(地方場合一流企業サラリーマン東京本社から単身赴任しており、子供東京に残しているケースが多いのかもしれない)

親の平均年収1000万を超えていてもおかしくない。言わば地方豪族である不動産価格物価が低いにも関わらず、年収は高いわけで、可処分所得東京の一流サラリーマンより多かっただろう。

私の家庭は貧乏だったので、高校同級生は違う世界の住人なんだと感じたものである

阿部氏の場合高校ではそうした格差を感じなかったのだろうか?

もし感じなかったとしたら、高校偏差値はあまり高くなく、何年かに一人現れる神童タイプだったのだろうか。

阿部氏は釧路出身とのことだが、釧路トップ釧路湖陵高校北海道全域で見れば、札幌光星札幌北・南・西・東などの高校なら、おそらく親の平均年収も高いはずだ。

まり地方の中でも平均年収教育関心の高い層が存在しているわけで、地方が全てダメというわけではない。結局のところ、「東京地方との格差」というよりは、「親の年収格差」のほうが遥かに大きいのではないかと感じる。

阿部氏の言うように、地方特有の閉塞感、都会に出るのを否定される空気は確実に存在するし、県どころか、町を出るのすら反対されることも少なくない。だが、こうした傾向は、年収の高い家庭、平たく言えば合理的思考ができる家庭においては当てはまらないことが多い。やはり、「親の年収格差」なのである

念のため説明すると、地方場合東京港区のような「年収が高い人が住むエリア」が少ない。というか、年収と住むエリアが密接にリンクしておらず、年収の高い層が片田舎に住んでいることが多々ある。東京なら、年収の高い層が港区田園調布などに集中しているのかもしれないが、地方場合、それぞれのエリア東京ほどブランド化されていない。「お金持ちの住む街」、「ガラの悪い街」という区分けが、そこまで明確には存在しないのだ。

繰り返すが、エリア格差よりも、「親の年収格差」のほうが大きいと思う。

まぁ、とはいえ、地方受験産業が発達していないのは事実である東京では有名なSAPIX地方ではほぼ見当たらないし、中学受験一般的ではない。受験してまで通うに値するような私立中学がない県も多いし、あったとしても、中学はあまり重視されていない。地方で重視されるのは高校であり、出身大学より出身高校学歴意味を持つことも多い。「どこ高?」とは聞かれても、「どこ大」と聞かれることは少ないだろう。

そうした意味で、阿部氏の言う「東京地方格差」に一定の理解はできるものの、それでもやはり、「親の年収格差」のほうがクリティカルな要因だと思う。地方年収が高い層は、地方の衰退していく現実直視しているし、子供東京の一流大学に通わせることへの抵抗が少ない。地方の有力経営者場合、いずれは子供会社を継がせる意志があっても、まずは東京大企業修行してこいというパターンも多いだろう。

 
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