はてなキーワード: フリップとは
出典元
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1424349721&owner_id=959758
***********以下、転載です************
1.はじめに
私がフィギュアスケートを見るようになったのは、リレハンメル五輪のシーズンのグランプリシリーズ、NHK杯からですから、
もう17年になろうとしています。その、フィギュア観戦生活の中で、私は今、これまでに味わったことのないような、暗澹たる思いで胸がいっぱいです。
バンクーバー五輪の女子シングルの競技を終えて、一夜明けた今、寝るに眠れず、このレポートを書いています。
果たしてそれにどんな意味があるのか。私にもわかりません。ただ、いちフィギュアスケートファンとして、
この現状を諦め、口をつぐむには、あまりにも今回の出来事は悲惨すぎる。少しでも多くの人に、現状を知ってほしい。
そう思って、このレポートを書くことにしました。 もちろん、主観だらけの内容になってしまうと思います。
けれども、理解していただきたいのは、そこにあるのは、フィギュアスケートに対する愛です。
誰がなんと言おうと、私はこのフィギュアスケートという競技を愛しているのだと思います。どんなにつらい思いをしても、納得できなくても。
フィギュアファンとして、浅田真央のファンとして、今回の結果がどうにも納得できないと言ったら、ほとんどの人はこう思うでしょう。
「ミスをしてしまったのだからしょうがない」「キムヨナは完璧だったのだから」。
敗者は口をつぐむのが、日本では美徳とされています。私はそれを否定するつもりは全くありません。けれどもそれは、
フェアに競技が行われた上での結果というのが大前提ではないでしょうか。中には、フェアではなかったとしても、
それすらも納得して口をつぐんでしまう人も、日本人には少なくないと思いますが・・・。
はじめに断っておきますが、私は決してキムヨナが嫌いなわけではありません。むしろ、4年前世界フィギュアで彼女の存在を認識した時は、
浅田真央という天才にライバルができ、切磋琢磨できる状況になったということを歓迎しました。
彼女たちが、これからどのように戦っていくのか、胸を躍らせたほどです。
間違えてほしくないのは、このレポートが「キムヨナ批判」ではないということです。時には、キムヨナ本人を批判するような書き方になってしまうかも
しれませんが、私にはそのような意図は全くありません。むしろ、キムヨナもある意味では被害者であるといえると思います。世界最高点をたたき出し、
金メダリストとなったキムヨナは、素晴らしい選手だ、天才だ、と思われていることでしょう。
ですが、実はフィギュアファンの目から見れば、主観を抜きにしたとしても、稀有な才能の持ち主というには、キムヨナはあまりにも凡庸すぎる。
ジャンプにしろ、ステップにしろ、スピンにしろ、スパイラルにしろ、すべての要素において、浅田真央に迫るものですらないのです。
ではなぜ、その彼女が「世界最高点」を出すに至ったのか。たゆまない努力のたまものだから、讃えるべきだという人もいるでしょう
しかし実は、その裏には様々な理由があるのです。
あの大舞台にノーミスで滑れたこと。それくらいは讃えてもいいと思われるかもしれません。しかし、です。
前置きが長くなってしまいましたが、私なりに、今回の出来事を分析してみようと思います。潔くないといわれてもかまいません。
この腐ったフィギュアスケート界をなんとかしたいと思っている人間は、たくさんいるのです。それを、少しでも多くの人に知ってもらいたいと思います。
・キムヨナがフリーで3回も使うダブルアクセルの基礎点が突如3.3→3.5点にUP。加点をつける基準が
難しい3回転と同じなので、簡単なダブルアクセルの前後には工夫ができあっさり毎度トリプルループ以上の点に
・トリプルルッツとトリプルフリップの踏みわけが厳格化され、真央が1試合3回使う得点源であり3回転で一番基礎点の高い技トリプルルッツが
不正扱いで使う度平均2,3点も減点。修正しない限り組み込めなくなる
・真央の甘かったシットスピンの認定基準も厳格化。しかし真央即座に対応し深いシットスピンに
・実はキムヨナも3回転で2番目に基礎点の高いトリプルフリップの不正があった。
ところが何故かキムヨナの不正トリプルフリップだけは見逃され続け驚異の加点
・その直後、来シーズンから今度は回転不足の厳格化を発表。更にトリプルルッツを跳べないでる浅田に、浅田の得意な3回転半を除いた
・予想通り真央のトリプルアクセルとトリプルループ、安藤のトリプルループ、特に二人ともセカンドトリプルループが怖いぐらい全く認められなくなる
・ところがキムヨナの得意なセカンドトリプルトゥループだけは決して回転不足にならず、初戦のアメリカ戦でトリプルフリップがまた見逃される。
しかしVTRではっきりトリプルフリップの不正が映ってしまい、2戦目からエラーではない「!」の注意がつくも、
・真央がトリプルサルコウを克服しルッツもなんとか矯正してくる。対照的にキムヨナはトリプルループが跳べなくなる。
真央が文句のつけようのない演技をしてグランプリファイナル優勝。するといつの間にか5種類ボーナスの話しが立ち消えに。
・五輪シーズン、8月に韓国でルール改正決定。真央の最大の得意技トリプルフリップも、蹴る足がつま先ではなくブレード全部で蹴ってるからと減点に。
ジャパンオープンで矯正しても不正扱いされ浅田の最後の砦トリプルフリップも減点、しかもいじっていびつになり質が悪化、
・2010年度初戦で真央に回転不足4連発判定。内3つは明らかに足りてるループ。五輪シーズン、彼女のループを2回転含め全て潰す意図が明確に。
キムヨナはトリプルフリップの不正は再び注意もつかなくなり、フリーではトリプルフリップを跳ばずに世界最高得点更新。
いかがでしょうか。
浅田真央は、4年もの長きにわたって、これだけの仕打ちに耐え、乗り越えてきたのです。これだけの、浅田真央に不利でキムヨナに有利なルール改正。
浅田真央が、何十年に一度の稀有な才能の持ち主でなければ、ここまで露骨なルール改正はなされなかったかもしれません。
これでもか、これでもかと浅田真央をつぶしにかかり、それでもつぶれなかった浅田真央は、本当に頑張ったし、偉いと思います。
(http://nereidedesign.jugem.jp/?eid=205 より転載)
日本の皆さんは、「浅田真央がノーミスなら当然金メダルだったはず・・・」と思っているでしょう。
違います。
浅田真央の代わりにプルシェンコが滑って、4回転ジャンプをかましても、キム・ヨナに勝つのは無理なんです。
だから浅田真央は滑る前の、気持ちの持って行き方に迷いが出たのです。
絶対勝てない、って分かってたから。
フリー種目だけを、男子と同じPCS(*女子は×1.6、男子は×2.0)で計算すると、キム・ヨナはジャンプが1回少ないにもかかわらず、
ライサチェックの得点を超えます。
FS 168.00点 [TES 78.30(加点17.40) PCS *89.70]
FS 167.37点 [TES 84.57(加点9.64) PCS 82.80]
FS 165.51点 [TES 82.71(加点7.68) PCS 82.80]
どうしてそんな差がついたの?
ジャンプは真央の方がはるかに難しいのを完全に決めたじゃないか。キム・ヨナは10位の選手と同じジャンプしかできなかったのに。
一言でいうと、審判のおまけポイント。
気分次第で10点20点の差ができる仕様になっております。
GOE女子 GOE男子
1位 ヨナ: 17.40 9.64 : ライサチェック
3位 ロシェ: 4.42 3.20 : 高橋
4位 長洲: 8.50 2.58 : ランビエール
5位 安藤: 5.30 3.80 : P・チャン
だから
「オリンピックの試合だが、全く緊張しなかった」
などと余裕をぶちかませたのです。
色々な感情がありますが、まずは浅田真央という選手を賞賛するべきでしょう。
スキージャンプよりも酷いルール変更の連続に苦しめられて、それをたった1、2年で修正してきて、「用意された王者」を脅かす所までいったのです。
4.画像比較 バンクーバー五輪SPにおける浅田真央とキムヨナそれぞれの演技
(省略)
こうやって並べて比較すると、いかにキムヨナが浅田真央に比べて体が硬く、難易度の低いポジションでしか滑れないかがわかります。
ところが、ここでの二人のポイントは、驚くべきことに、全く同じなのです。また、キムヨナはスパイラルの途中で一瞬よろけてしまいますが、
そんなこともおかまいなしに加点がついています。
5.さいごに
この四年というもの、フィギュアスケートファンが、どれほどの憤りを抱えてきたか、おそらくフィギュアを五輪でしか
見ない人には想像もつかないでしょう。けれど、ここまでのまとめで少しだけでもわかっていただけたでしょうか。
それでも・・・と思われるでしょうか。
私たちが忘れてはならないのは、浅田真央は間違いなく、世界的に見ても何十年に一度の稀有な才能の持ち主であり、
キムヨナは凡庸な選手でしかないということです。 凡庸な選手を、何年もかけてさもものすごい選手であるかのように仕立て上げた。
キムヨナの演技というのは、フィギュアをよく知らない人から見れば、パーフェクトで素晴らしいものに見えるかもしれない(点数という後押しもあり)。
しかし、フィギュアを少しでも詳しく知る人間から見れば、キムヨナの行っている演技は、五輪10位の選手ともたいして変わらない、平凡なものです。
ただ難易度の低いプログラムを、自信たっぷりに滑っているから、素人目には素晴らしく見えるだけなのです。ジャンプ以外の要素・・・
ステップ、スピン、スパイラル。すべての要素について、それは言えることです。
では、自信たっぷりに滑れる彼女の精神力を讃えるべきだといわれるかもしれません。ですが、上記にあげたように、
キムヨナは様々なものから守られている。採点基準・審判・マスコミ・・・。 バンクーバー五輪フリーにおけるキムヨナの得点はどのようなものか、
簡単に言ってしまえば、あのプログラムから、3-3のコンビネーション+3回転を一回、すっぽぬけたとしても優勝してしまえる。
そのような異常な高得点なのです。ですが、コアなファンでなければ、そんなことはわかるはずもありません。
1回や2回転んでも優勝できると分かっている選手と、世界最高の技をパーフェクトに滑っても優勝できないかもしれない選手が、
同じプレッシャーであるわけがありません。そのような、プレッシャーのない状況ですから、キムヨナがノーミスで滑れるのは、
別に驚くべきことではないのです。
フィギュアスケートは、芸術的要素を多分に含んではいますが、スポーツです。それなのに、難易度の低いプログラムをプレッシャーのない状況で
滑った選手が勝ち、異常なプレッシャーの中で、それでも大技に果敢に挑戦した選手が負ける・・・。そんなことがあって許されていいのでしょうか?
高得点が出るのはキムヨナのほうが、表現力に優れているからでは?と思われる方は、上にある画像をもう一度見ていただきたい。
明らかに、浅田真央のほうが技術だけでなく表現力にも優れていることがよくわかるでしょう。
平凡平凡と何度も書きましたが、それは浅田真央と比べたらの話であって、キムヨナに才能がないわけではありません。トップレベルであることは間違いない。
ただ、浅田真央が天才すぎただけです。浅田真央が天才すぎなければ、ここまで念入りに、キムヨナを「世界最高」に仕立て上げる必要もなかったかもしれない・・・とも思います。ある意味、キムヨナも被害者かもしれないというのは、そういうところにあります。
「仕立て上げられた世界王者」この言葉を、私はこれからもずっと忘れないでしょう。そして、浅田真央がこの四年間で何をされてきたか、
そしてそれをいかにして乗り越えてきたか。それを、私はできるだけ多くの人に伝えていきたいと思っています。冒頭にも書きましたが、
私はフィギュアスケートを愛しているからです。
浅田真央は、間違いなく、もっともっと、世界的に評価されなければいけないスケーターです。
私は、浅田真央とキムヨナが甲乙つけがたいと評価されるだけでも我慢がならないのです。
どうか、この思いが、少しでも多くの人に伝わりますように。
そして、フィギュアスケートの現状が少しでもいいから変わりますように。
●キムヨナの演技の点数が出た直後
・客席でヨナの点見た時は「何これ」って苦笑。
・「なぁに、この高得点?!」(笑いながら)
・「うわー 何ですかこの点数ぅ~」(呆れたように見える表情、首をかしげる)
顔は笑顔を保ちながらも「なにこの高得点~」って言いながら一瞬首を捻ってた。
「何ですかー、この点は」(荒川静香)
「そうですね、日本中の皆さんが同じように思ってると思います」
ジャンプに入るときのスピードが、ヨナのほうが速い。スピードが速いほどジャンプに入るのが難しい。
ジャンプの後の演技に入るまでの流れが、ヨナのほうが速くてスムーズ。
真央は、ジャンプの前後の時間(演技が止まっている時間)が長い。それが2点と0.6点の加点の差になった。
浅田選手は、ここ1年で一番という会心のSPを、五輪の舞台で披露してくれた。
特に3Aは、自信を持ってタイミングを合わせ、軸も真っすぐで申し分なかった。
今は、きっと本人が失敗の仕方を忘れるくらい、失敗がない。
ただそれでも、金ヨナ選手とは4.72点の差がついた。要素点(技術点)の
3・2点差は技(要素)の巧拙を評価する「出来栄え点」の違い。例えば金ヨナ
選手は、3-3ジャンプをトップスピードを維持したまま踏み切った。1本目の
3回転フリップも、終えてすぐ手を挙げるなど、まるで振付の一部。演技の流れが
ジャンプで壊れないことは、加点の理由となる。主に芸術性を見る「プログラム構成点」
の1.52点差は、表現力に加え、今季の実績による印象度も影響している。
ただ、金ヨナ選手は「SP貯金型」で、浅田選手は「フリー追い上げ型」。浅田選手は
選手村を楽しむなど余裕もあり、精神的な勢いがあるが、金ヨナ選手は韓国の期待、
世界選手権女王の実績など全ての面で追われる立場で、背負うものの大きさが違う。
金ヨナ選手はむしろ、この点差を小さいと感じているのでは。
●さっきフジTVで日本人の技術審判員が、ヨナの高得点について説明してたよ。
ジャンプからジャンプの移動幅が、男子でもなかなかいないんだって。
キムの3-3を見て男子でもこんなジャンプ跳ぶ人がいないって言ってたよ。
最初は点差ありすぎ、と思ったけどちょい納得。
セカンドジャンプがどうしてもとびずらくて高さも出ないとどっかのニュースの解説の人も言ってた。
●キムヨナ以外だと誰にも負けない位の天才だけど、曲の調和はキムの方が上。音楽への共感というか、真央はちょっと劣るのかな。
確かにこれはすごく感じたことだな。後半、音と動きが合ってなかった。
回転と音が無関係に見える。この面でキムに負けてたのは確か。
●浅田はスピードが足りない。跳ぶ時にせーのエイってやっている分、キムに見劣る。
解説していたけど、ヨナにはすごいスピードがあるらしい。それは会場で直接演技を見ないと体感できないことらしい。
スピンも同様でスピンとスピンのつなぎの速度も速いしバランスの取り方がアグレッシブ。
スパイラルもヨナが上。ステップは浅田の方が上だな。点数は妥当だろ。
真央のジャンプはブツッと一回流れを切って凄いジャンプしてまた演技に戻る
そんな感じがする。
ただそれでも、金ヨナ選手とは4.72点の差がついた。要素点(技術点)の
3・2点差は技(要素)の巧拙を評価する「出来栄え点」の違い。例えば金ヨナ
選手は、3-3ジャンプをトップスピードを維持したまま踏み切った。1本目の
3回転フリップも、終えてすぐ手を挙げるなど、まるで振付の一部。演技の流れが
ジャンプで壊れないことは、加点の理由となる。主に芸術性を見る「プログラム構成点」
の1.52点差は、表現力に加え、今季の実績による印象度も影響している。
●昨日帰ってきた夫が「職場では二人の演技ともに盛り上がってた。自分はキムの007の方が好き」
だと全く先入観のないw目でいってのけたので、改めて(今までで初めて)何度も二人の演技を見比べてみた。
連続ジャンプ・・・真央のは当然すごいが、客観的にみるとキムのスピード・幅・ルッツの高さも相当すごい。イーブン
スピン・・・は若干真央はスピード感がないがキムは落ちない(難度は素人目にはわからん)僅差でキムの勝ち
3フリップ・・・キムはフラットエッジ、真央は若干の回転不足なのでイーブン
スパイラル・・・真央のは素人目にも美の極致、キムのは身体の硬さが明らか 真央の圧勝
2アクセル・・・入り、スピード、流れなど二人とも甲乙付けがたい。イーブン
ステップ・・・真央のは緩急がいっそうついて比較対象ですらない、がキムのステップに比較すると玄人すぎて
素人目には例えば四拍子(1・2・3・4)の1と3に大きな動きをつけるのでなければ、動きに遅れていると誤解されてしまうのではなかろうかと思った。(個人的には見る度に号泣するステップ)
ということで、キムの高得点には納得出来ないと思っていたけど、何となくスパイラルの汚さとスピンの軸の悪さで「あの娘の演技は価値なし」と思い込んでいた自分もいるかなと、ちょっとだけ思った。
でも、キムは明らかにピークじゃなくて、付け入る隙が山のようにあったので、フリーは全然心配してない。
冬季オリンピックの華。女子フィギュアスケートの金メダルは誰か?世の中真央ヨナばかり扱うもんで、NHKですらその対立構造でニュースを組むんだから腹立ってしょうがなかったので、自分で書いてみます。真央ヨナ以外に金メダルいける選手他にもいるし、そのふたりばかりに注目するのは健全じゃないという思いです。
今回のダークホースではない「真っ当な」金メダル候補は4人。キムヨナ、ジョアニー・ロシェット、安藤美姫、浅田真央。これはちょうど去年の世界選手権1位から4位の4人。そしてロシェット以外は世界選手権金メダリスト。トリノ以降のシーズンを見てふつうに考えたらこの4人になります。この4人は得点ポテンシャル的に考えてほぼ横一線。後はいい演技を二つ揃えた選手が金メダルを取ります。
最有力候補。現採点法に最も適応している選手。ここ2シーズンの強さは圧倒的。世界選手権優勝したことから見て分かる通り最高の形でバンクーバーを迎える事が出来たといえます。
彼女は、ショートプログラム(以下、SP)にとても強いタイプで、SPでリードして逃げ切る勝ち方をして来ました。バンクーバーでもSPで大量リード出来るかどうかがポイントになります。一方でフリースケーティング(以下、FS)は苦手と言え、後半にミスが目立ちました。しかし、スタミナ強化した結果安定し、ワンミス(ジャンプの回転が抜けるなど)ぐらいに抑えられるようになり、去年の世界選手権の優勝に繋がりました。しかし、SPでリードが少なかったときにFSを安定して滑られるかは未知数です。
技術的な面では、全てに安定しています。ジャンプ、スピン、スパイラル、ステップ、いずれもで世界最高の評価(得点的に見て)を得ています。唯一死角があるとしたら先シーズンから指摘されているフリップジャンプのエッジエラーです。彼女の代名詞となりつつある3回転3回転も、第一ジャンプをフリップからルッツに変えています。今シーズンはフリップジャンプのエッジエラーを気にして崩れる場面がありました。そこだけが不安要素です。
オリンピックと言うと、地元の選手は「地元の選手枠」で紹介されます。彼女もそんな紹介の仕方をされますが、先シーズンの世界選手権銀メダリストで間違いなく金メダル候補です。不幸なニュースも入りましたが、あえて冷静に見るために割愛。
元の能力は高いもののなかなか評価されずにトップにひとつ落ちるグループにいたが、先シーズンにブレイク。SP、FSのどちらかを失敗してきたが、どちらも揃えられるようになりました。また、採点の傾向の変化も彼女の成績アップに貢献しました。今シーズンは試合での成績は良くないのですが、国内選手権ではしっかり調整して来たようで、問題は無いでしょう。
ロシェットが優勝するパターンはSPでの5点差をFSで上回るという形です。SPに3回転3回転を入れないのでその差が出来ますが、ノーミスのFSでワンミスのキムヨナを上回るのは十分にあり得るシナリオでしょう。
彼女もまた技術的に優れた選手です。唯一スピンが他のトップ選手と比べて劣っているところがあります。しかし、ジャンプに関してはトリプルアクセルはないものの5種類の3回転を跳べる選手です。キムヨナはループが、浅田真央はルッツとサルコウを苦手としているのですが、ロシェットは5種類のジャンプを満遍なく跳べるという点で優位に立っています。
なじみのないかたにプログラムを紹介するとしたら今季のFSであるサムソンとデリラをおすすめします。彼女のスケーティグの良さ、ジャンプへの助走の無さ、プログラムの盛り上げ方、そして筋肉の美しさが堪能出来る素晴らしいプログラムです。ちなみに愛称は兄貴です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9440916
色々ありましたが、先シーズンの世界選手権で盛り返していい流れで入って来たバンクーバー。
今シーズンはGPSで優勝しているものの、とにかく試合の結果が読めないので、当てにはなりません。が、世界選手権や全日本選手権などの大事な試合では常とは行かないものの好成績を残してきました。トリノ以降、金を含めて2回の台乗りは立派な成績。元増田は真央より金の可能性が高いと読んでます。元増田がファンなのもありますが、他にも理由があるのですが、それは真央の所で説明します。
もともとジャンプの天才で、さらに他のエレメンツも強化した結果、高い技術的な評価をもらってきたのですが、今シーズンはいわゆる芸術的な評価もあがってきていて、国際大会で芸術面での評価が今最も評価されいてるキムヨナにかなり近い評価を得ました。オリンピック優勝するには充分です。SPはあまり失敗しない選手なので、勝負はFSでしょうか。
技術的にはSP、FSともに3回転3回転、ダブルアクセルからの3回転という大技を入れられます。今シーズンは入ってませんが、調子が悪くても2007年の全日本選手権のように突然大技を入れてくるのが彼女の特徴です。練習もあてにならないファン泣かせの選手です。というか、演技中は心臓止まる。またロシェットと同じで5種類の3回転が入ります。そしてジャンプのダイナミックさは随一。とにかくジャンプに関しては天才なので、演技中にそれが発揮される事を願います。ほんとに。一方でジャンプ以外が劣るかと言えばそうでもなく、特にステップとスピンでは高い評価を得ています。スパイラルも加点を貰えるものの、他のトップ選手よりはもらえないためスパイラルが欠点です。
この人を評価するのは今とても難しい。他の3人に比べてあまり良いとは言えないバンクーバーへの4年間の流れでした。
総合的なポテンシャルで言えば、間違いなくこの4人のなかで一番なのですが、そのポテンシャルを今の採点の傾向に合わせていないために得点が重ねにくい状態です。しかし、一旦はまれば高得点が期待出来るため、金メダルかメダル無しかぐらいの博打を感じます。今の採点傾向に合わせていない、というのはトリプルアクセルにこだわることだけを言っているのではありません。彼女はどうも世界選手権でエレメンツのレベルを落とすことが多いです。今季もスパイラルでレベルが取れていませんでした。他の3人に比べてレベルをしっかり取る事が劣っています。そのため点数を少しずつ落としてしまうのです。
また四大陸選手権でトリプルアクセルを2回決め、ほぼノーミスで終えたFSの芸術面での評価が低かった事も不安要素です。
バンクーバーでどうなるかはSPが鍵です。SPでキムヨナに5点差に迫れば勝てる可能性がかなり高いと踏んでいます。しかし、大事な試合でSPが決まらないことが続いています。SPのトリプルアクセルがどうなるかで真央の金メダルは決まるでしょう。しかし、回転不足が取られやすいトリプルアクセルにかけるのはあまりにも博打なために安藤よりも金の可能性を低く見ています。
技術面で言うと、先ほどあげた通りルッツとサルコウを跳ばないことぐらいなもので、それをトリプルアクセルで補っているので決まれば死角はありません。スピンは安藤とロシェットが出来ないビールマンが出来ますし、そのビールマンもとても美しい。ステップも他の3人に差をつけていると言っていいでしょう。
女子はどんなジャンプが跳べるかで金メダルが取れるかどうかが決まります。ジャンプの種類で難しいルッツとフリップ、このふたつを跳べることが金メダルの条件になります。すると上記の4人以外の金メダル候補は3人。カロリーナ・コストナー、長洲未来、レイチェル・フラットです。
今のロシェットの位置は前回のオリンピックではこのひとが占めていました。地元出身でその前の世界選手権のメダリスト。
とにかく成績が安定しないのでダークホース扱いですが、女子で一番の身体能力を持っています。長い手足に関わらず、その動きはキレが抜群。ステップの評価も浅田真央といい勝負というか、女子初のステップレベル4の持ち主。またジャンプも癖が無く5種類跳べて3回転3回転も持っています。柔軟性はないもののリンクの端から端までをあっという間に過ぎていくスパイラルは高評価です。ただ、スピンは崩れる事も多く一歩劣っていると言えます。
成績が安定しない以外にも今までノーミスのFSを決めた事がほとんどないというのもダークホース扱いせざるを得ない理由です。SP、FSともに音楽と一体化するような、音に合わせた美しい演技をします。
少し古いですが今季もこのイメージでやっているので2007年の世界選手権SPを貼っておきます。このような演技がSP、FSともに来る事を願ってます。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2411655
不利な状況を全米選手権一発勝負に勝って、バンクーバーにやって来ました。
技術的に素晴らしいものを持っていて、柔軟性を生かしたスピンは他を寄せ付けません。ジャンプは回転不足を取られる事が多いのですが、素晴らしいスピードで入り、そのままの流れで出てくる上にさらに高さもある質のいいものが跳べます。5種類は跳ばないようですが3回転3回転をいれてくるようです。若い選手はステップが弱いことが多いのですが、そんなこともなく高いレベルのものを持っています。
ジャンプ以外のエレメントが強い事はそのままSPが強いことと同義です。実はSPとFSではジャンプ以外のエレメンツの数は同じなのです。なのでジャンプが決まれば未来が3位、場合によっては2位に入る事も不思議ではありません。FSでの回転不足を最低限に抑えれば表彰台も見えてきます。
また、調子に乗ったときは気迫にあふれた演技で他を圧倒します。直前の全米も2位ですが1位をしのぐ盛り上がりでした。というわけで全米のFSを貼っておきます。ちなみに5位だった全米の解説の訳をニコニコにつけたのはわたしです。他もいろいろやってますが、ミスあってもゆるしてね。この全米の演技が出来れば長野のリピンスキー、ソルトレイクのヒューズのようになるかも。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9491998
現全米女王。トリプルアクセルのない女子としてはほぼ最高難度のジャンプ構成で挑んできます。アメリカの選手としては柔軟性が少ないほうで、スピンとスパイラルで点数をあまり稼げません。さらにジャンプ自体は可もなく不可もなくなのですが、ジャンプの安定性でアメリカの強力なライバルに勝ってきました。とにかくフラットはジャンプで失敗をしない。長洲には劣るもののアメリカ人らしく他を巻き込む演技力もあります。
最近ついた愛称は社長。フラットは学業も優秀でスタンフォードから入学許可が既に出ています。そんなフラットが今年のGPSスケートアメリカでソファに座って足を組んだところ、外見も相まって社長のような風格が出たところから着いた名前です。ぴったりだと思います。ということで全米のSPの演技を貼っておきます。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9492291
こんなに書いても書き足りないのですが、明日に備えて寝ます。ここまで読んだ暇人はぜひ知ったか等に生かしてくださいませ。あとそれは違う!と思ったら増田でも増田じゃなくても自分の意見を書いてね。質問があったら答えます。みんなノーミス神演技を期待しましょう!
多分これが三人目
globpoint 『キーワードを妙なSEOに使わないでほしい』 (2007/04/09 14:15)
fripe_and_co 『古着卸売りの記事です。』 (2007/04/09 23:35)
fripe_and_co 『古着卸売りの記事です。』 (2007/04/09 23:36)
another 『いいえ、そのような宣伝行為は、*絶対に*なりません。』 (2007/04/09 23:36)
another 『これはそもそもはてな利用規約第6条の3の1に違反しています。というか、はてなダイアリーキーワードを宣伝に使おうとすること自体が間違っています。』 (2007/04/09 23:38)
横増田が亀レスなんだけど、Lite2って◇キーがないんですよ。
で、[Fn]+[HHK] or [Fn]+[Kana]でWinキー相当の動作ができることになってるんですけど、
これがイマイチ使えない。
いや、VistaでAeroの3Dフリップをショートカットキーで使いたいんですが、
上記のショートカットキーが[Win]+[TAB]なんですよ。
でHHK Lite2で、たとえば[Fn]+[HHK]+[TAB]と押せば機能するか?といえば、
デスクトップの表示のショートカットキー([Win]+[D])とかに関しては、
[Fn]+[HHK]+[D]で動作するので、多少指に無理があることを除けば使えるので、
どうやら[Fn]+[HHK]+[機能キー]という組み合わせが考慮されていない模様。
追記: というか[TAB]キーには[Fn]+[TAB]=>[CapsLock]も振られているので、
[Fn]+[HHK]+[TAB]の解釈が、狙っている[Win]+[TAB]ではなく、
[Win]+[CapsLock]になっている模様。
Vistaなんでキーバインドの変更ツールも限られるし(レジストリを書き換えればできるらしい?)
ちょいと困り中です。
それも大事だけれど、もっと大事な点が一つある。
(というか、自分が言いたかったのは、増田が書いてくれたそのこともあるが、主に以下のことである)
(それと、「点が思った以上に伸びなかった」については勿論3-3のミスのことも考慮に含めた上で、の話な)
「今シーズン(昨シーズンもちときつかったが)からの異常なDG判定」がそれだ。
寧ろこれがもっともタチが悪い。
これまでDG(回転不足)というのは、肉眼で分からないレベル、よほど酷くないレベルならば、大概「まあおk」ということにされてきた。そもそも女子選手の場合、3回転は大抵わずかに回転が足りていなかったりするのだ。練習でコーチが見ても分からないレベルだが。が、といっても2.9や2.8くらいの話だったために取らずに来た。
が、昨シーズンあたりから妙に厳しくなり、今シーズンの厳しさときたら鬼だ。
荒川静香などのプロが、スローで見ても、「大丈夫では?」というレベルでもわずかーに足りなければDG。
いや、厳しくDGを取る事自体はいいのだ。わずかにといっても足りていないものは足りていないといえば、確かにそうなのだから。しかし問題は、DGによる減点があまりに酷いことだ。例えば安藤選手の4Sの基礎点は10.3点だったが、回転不足とされその点は一気に2.9点となった。なぜそんなに減るか?といえば、DGと判定されたジャンプは――例えばDGくらった4Sであれば、「3Sの、まわりすぎた、質の悪いジャンプ」という解釈をなされるのだ!そうするとどうなるか?まず、3Sと捉えられるため基礎点が減る。更に、まわりすぎた質の悪いジャンプ、と見なされるため、GOEでかなり点を引かれる。その結果、わずか2.9点になってしまうのだ。
この酷い点引きぶりを、以前は、「まあ、これはだいたい飛べてるのでおk」というジャッジの判断によって相殺してなんとかやってきたところがあった。大体回れてればおk、でも流石に酷いのはこの減点法によってかなり減点すっべ、といったように。それでバランスを取ってきた所があった。しかしDGを(NHK杯のレベルにいたってはイチャモンレベルに)厳しく取り始めた結果、「プロでもよくわからないほどの回転不足」によって一気に点を失ってしまうことになった。難易度が高い技ほど、当然、きっちり全くの不足なく回りきるのは難しい。安藤や中野が見た目の割にGPFで点が奮わなかったのも、DGを物凄い勢いでとられまくったからだ(中にはまあこのくらいはDGはしかたないかな、というのもあるが、あれだけとられるのは凄まじい、とくに安藤)。
つまり今大技を決めるには、「全く文句のつかないほど完璧に」決めなければならない。そうしなければ、減点されて寧ろ足を引っ張るだけだ(ジャンプはいれる数や種類がある程度決まっているし体力の問題もあり、それが失敗したからといって、アドリブでホイホイ点とれるジャンプをいれるわけにはいかないのだ)。成功しても、増田のいったように、たいした点は稼げない。他選手よりそれでたかだか2、3点といったところか。そのくらいの点数のために、練習を始めると怪我の可能性もあり(これがフィギュア選手にとってもっとも怖い事だ。フィギュア選手はもともと選手生命が物凄く短い上、ケガをすると即引退ということも普通にある)、また、成功したとしても体力的・メンタル的に他の技に響いてきてしまう(GPFでの浅田の3-3の失敗も、主な原因は3A×2で体力を削られた故であろうし、小塚が4Tに成功したものの後のジャンプで転倒してしまったのもそれが考えられる)。それほどの思いをして得られるものは、数点でしかないのだ。今、大技というのは本当にやる意味がほとんどない。そういうルールになってしまった。とにかく無難な演技を安定して行えるものが、今一番強いのだ。昨シーズンの世界選手権でも、男子優勝者はなんと4回転をしなかったバトル選手であった。といっても、勿論、バトル選手も、キム選手も、すばらしい選手には違いない。安定性も重要な要素ではある。しかし、今のルールではあまりにそちらに偏りすぎ&大技が非常にし辛い、のだ。
また、DG判定も曖昧なところがあって、一応4分の1以上足りていないジャンプはDGをとってもよい、というものはあるのだが、その辺りが曖昧なのだ。4分の1以内にとどまっていればいいのかといえば、そういうわけでもない。といって、回転不足だけど、その不足分が4分の1以内には収まっているから、という事で減点されない場合もある。そこが大会によって、または選手によって曖昧で、キム選手も正直微妙にあやしいものはあるのだが……エッジについても増田が言っているように、微妙な線だったりする。日本選手の場合たいてい微妙な線であれば真っ先にアウトなのだが……
DGがあまりにキワドイレベルでどんどんされるために、中野は「(この点の低さは)どこかでDGがされているってことなんだろうけど、でもそれがどこでされているのか(プロトコルを見ないと)分からない」というような事を試合後に言ったことがある。まさしくそういう事なのだ。飛んでいる選手ですら、飛びながら、「今のはどうだったろう?!」と思うようなレベルのミス。解説者も、「多分いいとは思いますが…」と濁らせるレベルのミス。それで、何点も失っていく。
あと、GOEについて。
もう少し増田の説明に付け加えると、これの問題点は、そもそも「ほとんどジャッジの主観でつけられてしまう曖昧な点」の割に、「やたらと加点幅がでかい」ことにある。キムに対する加点は凄いものがある。そもそも3Aなどの難しいジャンプを成功してみせても、キムがルッツを成功させれば2点ほどの差でしかなくなったり、3A-2T(激ムズっつーか浅田くらいしかできん)と3F-3T(そこそこムズい)の基礎点が同じだったりと、増田の言うように基礎点やGOEの加点幅のつけかたも酷いものがあるのだが、そもそもそのGOEのつけかたがキムだけやたらに(不可解なレベルに)高いのだ、これはあまりいいたくないのだが。例えば2A。浅田はイーグルから入り、綺麗な2Aを決めたのちその足でステップを踏む、という高度な技を入れているのに対し、キムは美しいジャンプはジャンプなのだが、入るとき・着地時などにそういった技は特にいれてきていない。のにも関わらず、加点はキムの方が高かったりする。「ええ!?」と思うのだが、そもそもここで問題なのは、GOEはそれほど曖昧なものということなのだ。
「そんな陰謀論みたいな」と思うかもしれないが、そもそもフィギュアは採点競技という時点でどうしてもそういったくらい部分が付き纏う。ソルトレイクスキャンダルと言う前科もあり、伊藤みどりのときの頑ななまでの下げぶりなど……言いたかないが、そういった部分があるのは事実だ。フィギュアスケートというのは、ルールで勝者が簡単に入れ替わる。今のルールは、とにかく無難な業を、回転不足とられることなく(寧ろ転倒はまだましだったりする)こなす、それだけだ。安藤はもう4Sをいれないほうがいいといったのは、そのためである。(先日の安藤の4Sは、安藤にしてはかなり見事な出来だった。トリノ時代だったらば認定されていたかもしれない)
言ってしまうと、今のルールはほとんど日本女子スケーター潰しといっても過言ではないほど狙い撃ちにしてきたルールだ。今のルールで有利になるのは誰かというと、韓国のキムヨナ選手とイタリアのカロリーナコストナー選手なのだが、ISUの会長はイタリア人で副会長は韓国人である。スキージャンプで、日本人が優勢になってきたとき、日本人に不利なルール改正がなされたのは記憶に新しいが、まさにあのようなことが起きていると思ってもらえればいい。とかく日本人は外交下手で、すぐ欧米にこういったことをされてしまうのは本当に情け無い事だ。が、最早このルールはとりあえず五輪が終わるまでは覆されないだろう。今はこのルールにあわせてやるしかないのだ。もはやルール改正をせまるには時が遅すぎる。
客もマスコミも大技を煽るが、もう今はそんな時代では無い事に気付くべきだ。
今大技に挑んでも、ほとんど利はない。「勝つ」ためには、大技は不利でしかない。悲しいが。
キム選手が強いのは、増田も言ったとおり、点を取るために最大限効率的なプログラムを組んでいるからだ。3A×2は、効率とは程遠いところにある。まあ、今季の浅田のプログラムは、五輪プレシーズンとして、色々試すためのプログラムだろうから、勝つためでなくともいいのだが。(寧ろGPFは本当によく勝ったもんだw今年はGPFが韓国開催ということもあって、これは正直ほぼ無理だと思っていたのだがw)
といって、おそらく今浅田選手がキム選手と同じプログラムをやったとしても、キム選手ほど点は伸びないだろう(浅田選手は美しくてもいまいち加点をつけてもらえないが、キム選手はその逆だ、この辺りの加点は本当に曖昧な割に影響力がでかいから困る。完全に曖昧さを消せないのはしかたないとしても、そういった性質の点はあまり影響を及ぼさないレベルにすべきだろう)。だから浅田選手は、勝つためにはキム選手より凄い技を入れざるを得ないところもある。3A×2は五輪には流石にいれてこないだろうが(と言い切れないのが浅田の怖さだがw)、今シーズンは五輪にも3Aをいれてこれるくらいに3Aを当たり前の技とするための鍛えシーズンなのだろう。
本人が勝たなくてもいいというならまだしも、やはり基本的に皆「勝ち」を狙いに行っているのだから、煽り立てたところで責任のとれない外野が、無責任に「大技大技」と煽るべきじゃないと自分は思う。ひっそり「してくれないかな」と思うくらいならいいが。
浅田の3Aはやけに安定感を増してきたから大丈夫だと思うが、安藤の4Sについては――期待したいといった人もいたし、気持ちは分かるのだが、厳しいといわざるを得ない。あれに拘りすぎていると、他のジャンプも崩れ出してしまう。それほど4Sは凄い技なのだ。
そもそも安藤が以前に認定された4Sは、おそらく今のルール下ではDGだろうし、あの時も正直言ってまぐれ的なものが大きかった(それでも凄いのだが)。もう20歳である安藤(フィギュアスケートでは結構いい年で、フィギュアのジャンプは年とともに飛べなくなる場合が多い)が、今のルール下でも認定されるような4Sを飛ぶ――というのは、ほぼ無理だ。無理してなんとかそれだけ出来たとしても、他に影響が出てしまう。今回のように。そもそも4回転ジャンプというのは男子でさえ4Tがほとんどなのだ(一般には4Sの方が難しいとされる。まあ、とはいえその辺りは個人差が大きいのだが。余談になるが浅田と安藤は、難しいジャンプは得意だが簡単なジャンプは寧ろ苦手という変わった性質を持っている。今ではそうでもないが)。今回、挑戦して、転倒もなく着氷し、シングル女子のプロトコルに4Sと表示させただけでも自分は称えたい。あんなことができるのは安藤しかいないのだ。精神力がどうこう言われやすい安藤だが、彼女は怪我に悩まされたり、上で言ってきたようなルールでなかなか思うように点があがらなくなったり、4回転の重圧があったり、そもそも忘れがちだが彼女はようやく今20歳(いや、ちょっとまて。誕生日が今日だったかもしれない。そうすると21だ。安藤おめでとう)なんだよな、トリノのときなんか女子高生だったのだから、そういった事を考慮するとあれくらいで普通なのだ。寧ろ未だくじけず続けているのは強い方だと思う。(浅田は武士だから除外)あまり安藤を責めないでやってほしいところ。彼女は4回転がなくとももともと3Lz-3Loという女子最強難度の3-3を持っていたりとレベルの高い選手なのだから、そちらを練りこんでいったほうがいい。無論飛んでくれたらその日はひっそり安藤4Sおめでとうケーキでも買いたくなるくらい嬉しいし、安藤にとってはもうスケートを続けていくモチベーションが4Sになっているところもあるため、難しいところではあるのだが。モロゾフはどうするかね。
それと安藤の話になったからついでにいうと浅田・安藤の今季のまだ解消されていない課題に「セカンド3Lo」がある。
3-3や3-2など、続けて飛ぶジャンプのことをコンビネーションジャンプというが、そのコンビネーションの二度目につけるジャンプは、実は決まっていて、トゥループというジャンプと、ループというジャンプしか実質つけられない(ルール上の問題ではなく、物理的な問題)。今更だがw、ジャンプには6種類あり、その難易度は、簡単な順番からトゥループ(T)<サルコウ(S)<ループ(Lo)<フリップ(F)<ルッツ(Lz)<アクセル(A)だが、このうちの太字にしたトゥループとループが、セカンド、二番目につけるジャンプだ。で、難しいのはこの通りループ。というか、3-3でセカンドにループをいれてくるのは浅田と安藤しかいないのだが。
これが、認定されない。ことごとくされていない。今季は安藤の一回だけか。SP序盤の浅田の3-3、あれがまさにそうなんだが、あれだけ回っていてアウト。くーっ、厳しい、厳しすぎるぜ。つうかもうこれは、ほとんどジャッジはセカンド3Loを認定する気がないと思われる。もともとDGとられやすいジャンプだからなあ、しかしなあ…
先ほど安藤と浅田は簡単なジャンプほどなぜか苦手と言う変わった性質を持っている、といったが、それがこのセカンド3Loが認定されない現象においてまたも弱みに変わってしまっている。3Loができないなら(それより簡単な)3Tをつければいいじゃない、ってな話なんだが、ことこの二人においては、「無理して3Loにしてる」わけじゃなく「寧ろ3Loの方が得意」というジャンプの天才たちなので、今まで、育っていくにつれ、特にその簡単な方のジャンプをみっちりやる必要がなまじなかったんだな。それが今ここにきて微妙に裏目にでている。3Tをやればいい、といっても、そんなに簡単には変えて来れないのだ(特に安藤)。飛べないわけじゃ決してないが、実戦で使えるほどかというとどうなのか…。
と色々心配な点はあるが、それはさておき今季の浅田のプログラムはおそらく後まで語られるような伝説のプログラムになるから、録画しておくことを推奨する。(youtube等ではやはり画像が汚いからな)個人的には浅田はプルシェンコ並に伝説のスケーターとなると思う。
つか中野や小塚のことももう少し語りたかったが流石に書きすぎた。とにかく日本選手は皆頑張っているし今はとてつもなくレベルが高いから面白いぞ。特に女子の層の厚さは異常wルールに対する不安反面、やはりワクワクする気持ちを抑えられん。
http://anond.hatelabo.jp/20081217003010
より
まあしかし、確かに浅田も重大なミスをしたとはいえ、女子史上初、伊藤みどりも成し遂げなかった3A×2を成し遂げた業績の割には点が伸びなかったのは事実である。表現力もいいというなら、一般視聴者にとっては更にわけがわからなくなることだろう。一体何がダメなのか?そこは2年くらい前から変わってきた今のフィギュア界の不可解なルールが関係しているのだが話すと長くなるので割愛する(キムヨナもジュニア時代からほとんどやっていることは変わりがないのに急に浅田に勝てるほどに点が伸びだしたのもルール改正と同時だ)。
こと、今回の大会について「浅田の点が伸びなかった」理由は明確で、それは「一番点数の取れるジャンプで転倒したから」であり、その意味ではちょっと元増田の説明は当を得ていない。
そもそも、今回見た目としてはキムは「2回ミス」していて、浅田は「1回ミス」しているのだが、浅田が転倒したのはコンビネーションジャンプで、キムは単独である。しかも、点数の高い「3回転+3回転」のコンビネーションの「1つ目でミス」であり、結果として2つ目は「跳べてもいない」からミスに見えなかっただけの話。跳ばなければ0点なのだから、このミスは実質「2回ジャンプをミスしてる」に等しいのである。
実質ミスの数が同じで、技術点だけで3点差をつけてSPとPCSの不利を打ち棄てているのだから、技術的な意味でいうならば、十分に「完勝」だろう。
ただ、その上で、増田の言うところの「不可解なルール」、もうちょっと言えば「浅田がキムに対して不利になるルール」みたいなのは存在するので、そこについて「話すと長くなるので割愛する」なんて言われると気にしてしまう人も多いことだろうし、軽く書いておく。07-08シーズンの改定を含む現在のフィギュアスケートの採点方式では、以下の辺りがキムに有利に働いた点として挙げられよう。
フィギュアスケートの技術点は、技術審判という人たちがまず要素(技)の種類を判定し、それに対して7人のジャッジが要素に対する加点を定義する。技術点はあらかじめルールで何点と決まっているけど(これを「基礎点」という)、各技がどの程度「やっとこ出来た程度」か「非常に洗練されているか」によって判定は変わってくるよね、という話で、これはまぁ筋が通っている。
ただ、旧採点の減点方式に慣れていた当初のジャッジは、なかなかプラスを付けることに消極的だったので「それだと巧い選手が気の毒だし、GOEの意味無いよね」という話でGOEのプラスは積極化しましょうね、みたいなことを決めたりしてた、っぽい。この辺り記憶曖昧だが。
例えば、トリノでの荒川静香は、かの有名なイナバウアーの後に3連続ジャンプを入れているが、この際のGOEはプラス0.57で、半分近くのジャッジからは「イナバウアーから入った美しさ」に対して加点を貰っていない(PCSは伸びたかも、であるが)。現在はこの辺りをかなり改善している、とも言えるし、実際トリノ荒川のGOE加点の合計は5.02であるが、現在のルールならばもう3点か4点は加点が伸びたであろう。
それはそれでいいのだけれど、一つ問題があった。
それは、難しい要素に対して基礎点を上げないままに、GOEだけ上げましょう、となったこと。
当たり前だけれど、難しい技のほうが「完璧に決める」とか「洗練された技にする」ことが難しい。それでGOEを積極的に上げたらどうなるかというと、要するに簡単なジャンプと難しいジャンプの点差が明らかに詰まる結果となってしまったんである。
無論その背景には、新採点で少しでも点数上げようと難しいジャンプやスピンに挑んで体力の消耗度が上がったことで、大会で転倒するケースが激増したから、少しでも美しい演技を増やしたいという事情もあるのだろうけど、既に難しい技に取り組んでる選手(浅田など)には明確な不利になった、と。
今シーズンはその反省もあってか、3A以上のジャンプ基礎点が向上された。しかし、これがまた厄介で、「減点時のマイナス幅を大きくする」という改定とセットになっているのである。しかも「加算時のプラス幅」は広げずに。これではやはり「大技不利」の傾向は変わらないように見える。
3Aというのは男子と女子で極端に成功率の違うジャンプである。
男子だと一流半くらいでも、かなり多くは3Aを普通に入れられるので(まぁ中には4+3連続ジャンプ出来るのに3A苦手、って選手もいるが)、余り基礎点を上げても仕方ないのだけれど、女子は、たまたま現在浅田と中野が並び立つものの、3A跳べる選手などほぼ数年に1度レベルである。しかし、基礎点の点数は男女共通であり、こと3Aについてはそれが「男子に合わせて」設定されていて、要するに女子の3Aは難度に対し割に合っていない。或いは、オリンピックで浅田は3Aを2回は入れないのではないかな、とは思う。
一方で、ある程度昨今のルールで「優遇」されている要素として、2回転アクセル(2A)がある。
このジャンプは女子のシニアトップレベルならかなり高い成功率で、というか滅多にミスしない難度のジャンプである。ところが、先ほど「難しい要素に対して基礎点を上げないままに、GOEだけ上げた」という話をしたが、このジャンプに関してはルール改正でむしろ基礎点を上げてきた(3.3→3.5)のである。恐らくはジュニア辺りでの難度を考慮したと思われるが。
さて、他のジャンプと比較すると、2回転でアクセルの次に難度が高いルッツは1.9点、一方3回転で最も基礎的なトゥループは4.0点であり、そこからサルコウ→ループ→フリップ→ルッツと0.5刻みで点数が上がる。言わば、3回転に準じるジャンプとして2Aは扱われていると言えるだろう。
ところが、2回転である故に、ジャンプ数の回数制限から2回転は外されているのである。
プログラムのバランスを取るため、3回転以上のジャンプについては、回数に以下のような厳しい制限が適用される。
ところが、2AはGOEによっては3回転に匹敵する点数を容易に出せるジャンプであるのに、これらの制限を受けず、「3回までならば、どういう組み合わせで跳んでも自由」ということになっているのである。
キムは、この2Aを3回取り入れてGOEを稼ぐ戦術を取っており、自身が苦手なループを回避することが多い。勿論、点取りゲームとしてそれは正解ではあるのだけれど、どうもセコい感は否めないか。
まとめると、シニアとジュニア、男子と女子みたいな括り差について敢えて考慮せずにジャンプの基礎点を完全に同じものとするという採点方式の仕組みと実態にミスマッチが生じているのが現状で、浅田のような選手には、それが不利に働いている印象。
さて、その一方で、「減点」の方のルール改正が、このエッジルールである。
ルッツジャンプ(Lz)とフリップジャンプ(F)という、素人には激しく区別の難しい(俺も等速では区別つかん)ジャンプがあるが、この両者を離氷時のエッジで区別して現在は採点している。その際、特にフリップが得意な選手はルッツもフリップっぽいエッジで跳ぶケースが多く、その逆も多い。こういう場合に、クセのあるジャンプはGOEで減点することは以前から行われていたが、従来はジャッジが「足し算と引き算」して減点がされていた。つまり、「洗練されているから+1、でもエッジがダメだから-1」みたいな判定になっていたのである。
これを「無条件でマイナスにしようね」と技術審判が認定することにしたのが、俗に言う「エッジルール」で、昨シーズンから取り入れられている。
このルールにおいて、例えばルッツが「フリップっぽくなる(フルッツ)」というクセのある浅田真央は06-07シーズンにはフリー演技終盤に3Lzからの3連続という高難度なジャンプを入れてたのだが、これを翌シーズンのルールで行うと、今までは「演技終盤にこの技が出来る」というプラス要素でエッジ減点を相殺していたのが、相殺が利かずエッジ減点のマイナスだけを組み込まれてしまうようになった、ということになる。
結果として、浅田は3Lzをショートとフリーで各1回跳ぶ際に、必ず減点を1点以上付けられる計算になり、これだけでほぼ3点から4点近くのダウンを余儀なくされる。逆にキムはこの両方においてクセが少なく(無い訳ではない。というかほとんどルッツとフリップの中間的な部分でバランス取ってるのがキムのクセで、採点に影響しづらい)、上述の加点の恩恵だけに預かれるので、このルールで両者の差は5点以上、つまり3回転ジャンプ1つ分は詰まったように思われる。
ただ、これはまぁクセがある方が悪い訳で、浅田側も昨季は敢えて放置していたものの、今季から修正を行い、ショートでは加点が貰えるレベルまで改善してきた。フリーではまだ3Lz自体入れてないので、その分まだ完全に差を埋めきってはいないが。
一方で、ルッツとフリップは表裏の関係であり、片方を矯正するのはもう片方の完成度を落とすリスクがある。例えば安藤は浅田と逆にフリップが「ルッツっぽくなる(リップ)」クセを昨年に矯正開始したが、結果としてルッツのフォームが不安定になり、苦しいシーズンを送ることとなった。浅田も先のGPFではフリップで転倒したが、果たして今後両方のバランスを如何に取ってミスを減らせるかがカギとなるだろう。
http://anond.hatelabo.jp/20081217003010
採点が分からないという声に対して。
ソルトレークシティでの採点疑惑というものがあったのが直接のきっかけだったと思いますが、詳しい経緯はWikipediaあたりを参照してもらうとして、新採点方式の方針は、曖昧さの排除です。そうすることで、技術的に正しい事をやっている選手が勝つようにするという事です。技術点何点、芸術点何点というのでは、演技の中でなにが得点に貢献しているのかさっぱり分からないので、それを各要素に分解して評価しようと言うものだと解釈してます。先シーズン導入され、浅田真央選手が受けていたロングエッジ(Wrong Edge = 間違ったエッジ)判定の導入もその流れにあると思われます。
その結果、転倒した選手が優勝する事も増え、一見ルールが分かりにくくなったと言えるでしょう。しかし、新採点方式のもとでは確実にジャンプ以外のスピン、ステップ、スパイラルのレベル(難易度という意味での)が上がったと言えるでしょう。
今、旧採点方式の競技のビデオをYoutubeなどでみると、ジャンプ以外のスキルは現在のレベルより低いものが多いです。ジャンプも旧採点では回転不足でも認定されがちです。競技としてのフィギュアスケートは、新採点方式の導入で確実に向上したと言えるのではないでしょうか。
各要素ごとに採点する新採点方式に対し、演技全体を評価する旧採点方式は、観客から見たときの分かりやすさが優れているのは確かなのですが、新採点にもこのようなメリットがあるのです。
(追記ここまで)
ルールと採点の仕方を理解する事でフィギュアスケートの今の状況を俯瞰出来るようにと解説を書いてみます。
http://www.isuresults.com/results/gpf0809/gpf0809_SeniorLadies_FS_Scores.pdf
これは国際スケート連盟(ISU)のサイトに出ているリザルトつまり結果なのですが、このPDFは先日行なわれたグランプリファイナルのシニア女子部門のフリースケーティング(FS)におけるスコア集となってます。ここには、そのスコアがどのように計算されて出たのかの詳細が表となって各選手ごと、フリースケーティングの順位順に並んでいます。
最初の一ページ目から見ましょう。Mao Asadaとありますね。名前の横にJPNと書いてり、その右に線で区切られて Total Segment Score = 123.17とあるはずです。これがFSの得点にあたる部分です。略してTSSと言います。今回、浅田選手は123.17点をFSで取ったということです。
その右の Total Element Score + 64.57 は略してTESと呼ばれます。これは旧採点における技術点と言われるのですが、直訳すると「要素の点の合計」でしてこちらの解釈の方が正しいと思います。新採点方式では各要素(女子の場合はジャンプ、ステップ、スパイラル、スピンの4種類の要素があります。FSではステップ1回、スパイラル1回、スピン3回、ジャンプ7回の合計12個の要素をこなします)ごとにその要素の難しさに応じた点数とGOE(Grade of Excusionの略で日本語にすると技の出来映えになります) に応じた点数がつけられます。それらを合計したものがTESなのです。
TESの右の Total Program Component Score + 59.60 はコンポーネントの点数の合計です。略す時はPCSとなります。このコンポーネントは5つあり、ファイブコンポーネントとも呼ばれています。日本語ではしばしばプログラム構成点と言われる事もあります。TESは要素の点数の合計なのですが、PCSはプログラム構成という字面から分かる通り、演技全体を5つの軸から評価するものです。ですから表現力の点数とされています。
最後に Total Dedcutions です。減点にあたります。減点は転倒したときにつきます。1.00となってるのは3F(トリプルフリップ)で転倒があったからですね。そのほかにも演技時間がオーバーなどでつく時があります。
ここまではテレビ放送でも表示される部分です。どのようなものかお分かりになったでしょうか。
次にうつります。今まで見てきたものの下を見ると、なにやら記号が表になってならんでますね。1〜12までの番号が振ってある記号は、各要素になります。要素がこなされた順番に並んでいます。1番をみると3A-2Tとなっています。これは浅田選手が演技の最初に跳んだトリプルアクセル-ダブルトゥループというコンビネーションジャンプを表しています。ジャンプの記号は「回転数」+「ジャンプの種類(A = アクセル、Lz = ルッツ、F = フリップ、Lo = ループ、S = サルコー、T = トゥループ)」で表されているのですね。
要素名が書いてある右の9.50は Base Value、基礎点です。各要素にあらかじめ決められている点数のことです。この要素はコンビネーションジャンプなので、3Aの8.20と2Tの1.30を合計した9.50点となっているわけです。さて、その右の0.80にうつりたいと思います。これは先程も述べたGOE、要素の出来映えの点数です。これには+と-があり今回は0.80点の+となっています。つまり出来映えの良いジャンプだったということです。
このGOEは複数の審判によって採点されます。それが右の The Judges Panel です。点数が 1 1 2 1 0… と並んでいますが、これはそれぞれのジャッジがつけたGOEの点数なのです。それらの平均がGOEとなりますが、その前に何人かの審判の採点は抽選であらかじめ採用されないことが決まっています。基礎点とGOEを加えた点数が10.30で、この要素の点数です。
ジャンプ以外の要素はSpと最後の数字の前についているものが、スピン。Stはステップ。SpSqはスパイラルです。最後の数字はその要素のレベルを表します。レベルは1〜4で、トップ選手となるとステップはレベル3で、そのほかはレベル4が当たり前、それ以下だった場合は取りこぼしと言われてしまいます。
ジャンプでついている<の記号はDG(ダウングレード)、日本語では回転不足を表します。基礎点は一つ下の回転数となり、GOEも引かれます。つまり二重に減点される構造があります。そのため回転は足りている3回転ジャンプの転倒は、回転が不足しているがきちんとした着地のジャンプの点数とほぼ同じになることがあります。例えばカロリーナ・コストナーの4番目の要素の3Loの要素点(基礎点+GOE)は2.0。そこから転倒による減点があるのでこのジャンプは1.0の価値があるわけです。一方、安藤美姫の2つめの要素3Fは1.16。安藤選手の3Fは着地が少々乱れた面はあるものの転倒はしてないのですが、点数はほとんど同じです。この問題はショートプログラム(SP)で浅田選手のコンビネーションジャンプの二回目が回転不足となったためにジャンプが一回転になってしまったキムヨナ選手に順位で負けたことの原因です。
TESの解説でもう疲れたのでPCSの解説はしませんが、TESの読み方が分かれば理解可能だと思います。
より詳細なことを知りたい方はこちらのホームページへ。まぁこちらに私の書いた事すべてあるんですが。。。
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/9074/index.html
ニコニコでフィギュアスケートを見ると、各要素の点数が要素が実行された後にコメントとして表示されるので、フィギュアスケートの勉強に便利です。もちろんこれはリザルトの結果を書いているので、生放送中には出来ないのですがね。
これでリザルトの読み方が分かったと思いますが、これが分かるといろいろなものが見えてきます。今回の結果のみならず、他の大会や男子のものを見ると、フィギュアスケート界の採点の歪みが見えて来ます。このままではスポーツとして危ういという現状があります。バンクーバーオリンピックは問題はないでしょうが、次のオリンピックでは実施競技から外されてしまうのではないかという危機感がフィギュアスケートファンの中にはあります。
を書こうとして疲れたからもういいや、また今度!
要は二つで、
安藤美姫選手には4S、やって欲しいです。それが彼女へのプレッシャーになってると言えばそうなんですが、それでもやってほしい。最高難度のジャンプが練習でかなりの確率で出来るのに試合で回避するってのはスポーツであるフィギュアスケートにとって良くない事だと思うんですよね。フィギュアスケートがスポーツであることを止めたくないなら、高難度の技への挑戦をしやすくなる方向に競技全体を持って行かないと、と。
ほら、あるじゃないですか。
「○○に賛成ですか? 反対ですか?」みたいなお題目を書いたフリップが、「賛成」ブロックと「反対」ブロックに分かれてて、そこに街の人たちが(大抵丸型の)シールを貼っていって、最後にナレーションで「○○人が賛成という結果でした」って付ける奴ですよ。
これ、社会調査のイロハのイにも到達してないと思うんですが、どうですか。
そう、自分がシールを貼ってくださいと頼まれた街の人だと仮定してみるとよくわかる。台紙からペロッと剥がされたシールを指に付けられる。すでにある程度シールを張られたフリップが見える。おっと、「反対」のほうが「賛成」の3倍近くはあるぞ。どうする!? アイフル!? ってそりゃあ多いほうに与しますよね。マイノリティの側に立とうものなら何をされるかわかったもんじゃありませんからね。しかもほら、リポーターとディレクターとカメラがこっち見てるもの。
このようにしてできたフリップを、いかがですこれが街の声でございます民意でございますとばかりに電波帯域に載せているわけです。
内田先生の被害者の呪い (内田樹の研究室)を読んでid:hashigotanを即連想した自分の村民度が鬱。
とはいえ、id:hashigotanを事例として据えると、ダンコーガイのエントリ404 Blog Not Found:被害者メソッドがうまく行くための三つの条件には、被害者ポジションを確保して「俺の苦しみがわかるか!?※」と吠え続けること、それよって人々の関心を引きつけることそのものが報酬となっているケースが欠けてることだと即わかってお得ではある。で、引きつけることに成功したとしてもそのうち飽きられるから、要求はますますエスカレートし(償われてしまうと困るから)、「俺の(ry」叫びはますます過激な、粗野なものになっていき、結局のところ「償いを受けた」という実感なしに対象がフリップする毎に悪質さを増して行く、と。
もし、性犯罪常習者があらゆるリスクを冒しても性犯罪に執着するように(cf.手鏡)、被害者メソッドを振り回すことに淫している者にとりつかれたら、通常の謝罪や償いをしてもまともに通りはしないわけで、チャンスがあれば被害者/加害者ポジションをひっくり返してマウントポジションを取る(cf.池内ひろ美脅迫事件)、飽きてよそにいくまで耐える、絡まれた側が撤退する、くらいの対応しかないのが怖い。
しかも、ただ淡々と他者を害する気など毛頭なく日常を綴っていたらば、ある日襲われたりするのがさらに怖い。
そう簡単に切り替えできない人間関係の中にこのタイプがいたら、さらにさらに怖い。
ところでid:hashigotanの件に話を戻すと、彼女あるいは彼の被ブクマ、被言及は、今までの諸々の騒動に対して明らかに減ってきている。
自分のマークを残さなくなった人たちは、「単に飽きた」とか「言及することでアカウント汚したくない(この増田)」とか色々理由はあるとは思うが、もしかしたら、コメントを残すことで彼女/彼の援助者となってしまうことを回避するために、読みはしても残さないメソッドが広がっているのかも。倫理としてのディスアテンション・エコノミーが発生しているというか。
空気読まずにモロに言及しちゃってごめん。
※「お前らにはわからない俺の苦しみ」なんだから、わかるかと言われても、わかりようがない。ここが「被害者ポジション」の話法の要諦。
暦の上ではひとつの節目。ほら、と指折り数えるように季節は過ぎ行く。夏と秋の間には確かにのっぺりと横たわるものがあり、それが僕らの気づかない進度で歩を進めた。徐々に徐々に森羅万象、そこかしこにその歩みの影を落としていった。僕らは気づかなかった。何故なら海はまだ青く、膝までつかった水温が迫りくるものが到来する時が遥か遠く先であることを語った。
際限なく無限増殖する細胞のような入道雲は今にも落ちてきそうな程低く、僕らの町と空との間には気持ちの優しい屈強な巨人がその四肢でもって落ちてくるものを支えていたに違いない。それほど空の不透明度は低く、ときおり聞こえる巨人の唸り声や大地を擦って踵からつま先へと重心を移動するときの運びまで僕には雑音なくクリアに染みた。巨人が身を呈して守るこの町には軍事基地があり、そのお膝元では軍人の天下となっている。昔からの住人である人々には笑顔を顔に張りつける以外には生きぬく術がなかった。長い長い歴史の中で培われた護身術のひとつである。
今しがた西の方から飛行機が飛び立った。
「あ、また飛行機」
僕は銛を片手に堤防の岩肌が突き出した場所に腰掛けた少女の方を見て、呟くように言った。強い日差しの下でもなお黒い印象的に短い髪を風が撫でた。分け目なく乱れた前髪を手で払うようにしてから、彼女はその褐色に焼けた肌を惜しげもなく露出させたキャミソールに点々とついた水飛沫のあとを人差し指で追った。波礁のかけらが今また振りかかる。
「珍しいね。何かあったのかな?ここんとこ見なかったのにね」
有無は膝丈のジーンズをロールアップしたパンツから出した足をぶらぶらとさせ、パンツのポケットからメンソールの煙草の箱を出して包みのセロファンを開けて言った。
「有無。タバコやめろって」と僕は即座に咎める。
「またぁ。ほんと親みたいなこと言うね、コムは。いいじゃない別に。何がどうなるものでもなし」
フリップトップの箱を開けて、銀紙を取り去る。ぎゅうぎゅうに詰った20本のうち1本を抜き取り、首から提げたヘンプのライター入れから百円ライターを出して火をつけて有無は笑った。
「コムじゃねぇよ。虚無。間違えんな」
僕は口を尖らせて言った。
「知ってる?籠みたいなの被った人が時代劇とかに出てくるじゃない、アレ『虚無僧』って言うんだよ。あんたと一緒。おかたいのよ、あんた僧侶だから」
有無はけらけらと笑っていた。僕は口がたたないのでいつもこうやって最後には有無にオチをつけられてしまう。僕は僧侶ではないのだけど、有無の言うように「おかたい」のかも知れない。確かにうまいことを言うかも知れないがそれでも駄目なものは駄目だと思う。僕はそれ以上は取り合わず、水の中を覗くレンズで水中の魚の動きを追った。前かがみになり静かに刺激しないように獲物の動きを観察した。ふくらはぎの半分ほどの深さしかないこんな浅瀬でも魚はいるのだ。僕は彼らに悟られぬよう体を空気中の成分と同化させねばならない、水上で構えた銛の影だって彼らには察知出来るからだ。自分を狙う者の殺気を読めぬようではとてもじゃないけど自然界では生きてゆけない。僕はそういったことを父から習った。僕の銛が水中に落とされる。
「オオッシャ!」
僕は思わず拳を天に突き出し、歓声をあげた。銛の先には体をよじる反復運動を繰り返す魚がまだ息を絶えずにいた。その大きさは「大物」とは言いがたいが、とりあえずは僕がしとめた。僕は有無の顔を見る。
「すごいじゃない。上達したのね」
彼女は少し感心したような表情で、フィルターの近くまで吸った煙草を指に挟んだまま言った。短く切った髪を耳にかけて露出した耳には銀色のピアスが太陽の陽光を眩しく反射させた。
「その煙草、ポイ捨てすんなよ」
僕は目を細めて、ぴしゃりと言った。
家の玄関の引き戸を音を立てて開け、僕は「ただいま」と言っていつものように帰宅した。玄関先に婆ちゃんが駆けてきて、
「あらあら、おかえり」と迎えてくれた。
僕は獲れた魚が入ったびくを見せ、反応を伺う。婆ちゃんはやはり父には適わない、と言う。だけれど、僕だってそのうち父のように立派に成れるに違いあるまいと思うのだ。晩御飯の食卓にあがった自分の魚を想像して僕はにまりとした。
「虚無、町に行って叔父さんのところに見せてくれば」
婆ちゃんの提案に僕は「そりゃ名案だ」と同意して僕は自転車の籠に魚の入ったびくを載せて跨った。ゆっくりとこぎ出し、加速して町へ向かう坂道を駆け下りてゆく。頬にあたる風が普段の熱風とはうって変わって心地良いものになっていた。僕は心を躍らせて、叔父の賞賛の言葉と大きな手のひらが頭の上にのせられるのを想像してまたもにやりとした顔つきで自転車をこいだ。僕の着ていた白いTシャツはもう脇のあたりが大きな染みになる程汗を吸収し、ショートパンツは海の匂いが香った。汗でも海水でもいずれにせよ塩くさいのだが、僕の着るものがどれも余所行きではなくとも僕はそんなことは気にとめない。僕は頓着しない。
町の中心部にある叔父さんの経営する釣具店へ向けて、僕はひたすら自転車をこいだ。
栄えた大きな通りは夕ともなれば軍人で溢れる。彼らはそこで日々鬱憤を晴らすように酒を飲み、ときには暴力を振るう。そんな空気の中を僕は進んだ。
規模は小さいが売春や買春が行われる繁華街の一角で見慣れぬ光景を発見した。大概、一目でそれと分かる言ってみれば時代錯誤な「売春婦」風の女の人の立ち姿が見うけられるのだが、そのとき僕が見たのは僕と同世代か少し年上ぐらいのあきらかに条例違反であろう年代の女の子の姿である。僕は目を疑ったが真相など確かめる気もなかった。
叔父の釣具店の扉を押すと、「波浪」と客に声を掛ける調子で叔父が言い、
「おう、虚無か。どうした?」
と僕と気づいた叔父は言い直した。
「魚獲れるようになったよ」と僕は答える。やはり期待に違わず叔父は誉めてくれた。
「すごいじゃねぇか。たいしたもんだよ、誰にも教わらずなぁ。銛じゃぁオレも教えられないし。どうだ?この際、針と糸に宗旨変えしねぇか?そしたらオレがみっちり鍛えてやるぞ」
叔父はいつもそう言う。どうにも僕を釣り中間にしたいらしい。
「それじゃぁ、食べられないじゃないの」
と言って共に笑った。
叔母さんの出してくれたオレンジジュースとお菓子を食べながら、叔父さんと話した。
「そういえば、諭くんどうしてるの?オレ昔良く遊んで貰ったよね、銛も上手かった」
「あいつぁ、ダメだ」
急に叔父の顔が険しくなり、僕は余計なことを尋ねた気分になった。叔父は続ける。
「もう、虚無も大人だ。話してもいいだろう。いいか、虚無。おまえはしっかりしてるしそれに頭も良い。おまえだから話すんだぞ」
「うん」と僕は異様な雰囲気に半ば飲まれながら頷いた。
「諭。あいつはなぁ、チンピラだ。軍人の腰ぎんちゃくに成り下がって、ろくでもないことばかりしとる。麻薬の売人とかと組んでおるらしい。最近は地元の子らを軍人に紹介する橋渡しのようなことをやっていると聞いた。要はな、売春の斡旋だ。分かるか?あいつだきゃぁ、クズだ」
「ねぇ、叔父さん。じゃぁもしかして『桜番地』にいた僕と同じぐらいの年の子って…」
僕は恐る恐る尋ねる。
「あぁ、そうだ。昔は『桜番地』はきちんとした風俗街だったけど、今じゃぁ何だ、援助交際っていうのか?すっかり芯まで腐りきっちまったよ、この町も」
叔父が煙草に火をつけたところで叔母が話に入る。
「お父さん、やめなさいな。虚無ちゃんにこんな話。この子はまだ中学生なんだから。そうだ!虚無ちゃん、ご飯食べてく?」
「何を言ってる。虚無はな、そこらのガキとは出来が違うぞ。そこらへんちゃぁんと分かっとる。な?虚無」
僕は収拾をつけられなくなったので、「家で食べる」と言って店を出た。しかし、僕はさっき聞いた叔父の話で頭が一杯だった。僕がこんなにも動揺するのは集団の中に恐らく有無らしき姿を発見してしまったからに他ならない。まさかとは思う。ただ、どうしたらいいかは分からない。
僕は家路に着いた。
いつも魚を狙う場所があって、そこは観光客がくるようなところではなく地形も厳しく地元の子でもおおよそ僕ぐらいしか来ないプライベートな場所であった。今が夏休みだろうとそうでなかろうと、僕はそこで海につかった。 とろけそうな陽気の中有無はけだるそうに切り立った岩の上に立ち、僕を見下ろしている。彼女は紺色のキャミソールを着ていて肩にかかった部分から黒い下着のストラップがはみ出ているのが見えた。僕も彼女の立つところまで岩をよじ登る。爪や指先、そういった箇所が痛んだ。有無はやはり面倒臭そうに煙草を吸っていた。
「今年は客足悪いんだってさ」
彼女は自分の家が営む民宿の話をする。僕の家も観光客相手の商売を多少なりともしているので、そこらへんの話は良く耳にする。今年に限らず年々客足が減ってきているらしい。僕の住む町はそういったことに依った収入が不可欠な町なのだ。切り立った岩のすぐ下の水の中では僕が父から譲り受けた銛が天に向かって真っ直ぐに生えている。それは水没している部分がゆらゆらと正体不明に揺れて、眩しい光りを水面に放った。
「喉乾かない?買ってこようか?」
僕は振り返って有無の顔を見て言った。
「ん」
自分の財布を放り、咥え煙草のまま返事とも言えない返事で答えた。煙草を離した唇から白く風に棚引く煙を吹いて「奢る。あたし炭酸ね」と付け加えた。
ガードレールなどない取りあえず舗装された道路を歩き、生活雑貨から何から売っている商店の前の自動販売機の前に立ち有無の二つ折りの財布を開いてお金を取り出そうとする。銀行のカードや何かの会員証やらが差してあるスペースに異物感を感じて僕はそれを取り出した。僕は思わず絶句して立ち尽くす。コンドーム。男性用避妊具である。丁寧に連なったふたつのそれを慌てて元の場所にしまい、小銭が入るポケット部分から手早く出したお金でジュースを2本買った。有無のいる場所へ戻る最中、ずっと考えていたのだけど僕は僕の妄想を頭から払いのけることが出来はしなかった。
缶を彼女に手渡すとき、偶然とは言いかねるが彼女の服と下着の中に眠るふたつの丘陵のゆるやかなカーブが見えて僕は激しく興奮してしまう。多分原因はさっき財布の中で見た、「性的な行為を行うときの確信」みたいなもので僕のその妄想を確かに現実の場所へ引きづりだすのだ。有無がいくら前かがみの体勢をしていたとしたってそれを覗くのは偶然でなく僕が見たかったからに相違ない。
夏は終わりにさしかかっているようで終わりは一向に見えやしない。まだまだ雲はその力を誇示するかのごとく胸を張って広がりを見せる。空は低く。巨人はさわやかな笑みを浮かべ。
僕は思い切って尋ねた。
「なぁ、おまえ、やったの?」
僕はこれ以上具体的には言えなかった。空気は全ての空間と繋がっていると僕は思っていたのだけど、それは違った。人と人を繋ぐ関係性の濃密によって区切られていたのだ。そして、僕は空気がこれ程硬く固まるものだなんて知らなかった。伝う汗さえも流れ落ちない程度時間が流れた。
「見たんだ?」
と言って有無は目を閉じて立ちあがった。そしてゆっくりとこちらを向き、太陽に背を向け逆光の中褐色の肌が通常よりもそのトーンを落とすのを僕は見た。明度も彩度もが一段落ちる。そして瞼を開いて微笑んで言った。
「そうだよ。セックスしたよ」
僕ははっきりと滑舌良く発音したその単語と服と下着の中から覗いたふくらみを脳裏に描いて、まるで猿のように際限なく永久機関のように終わりなくオナニーした。マスターベーション、自慰行為と言い代えても良い。そう、十年一日のごとく来る日も来る日も布団の中でそればかりしていた。最低の男であった。他にするべきことも見つかりはしなかった。想像が加速してブレーキが利かず、有無は僕の想定した架空の世界の架空の部屋で日を追うごとに一枚ずつ脱いでゆき、日を追うごとに僕のどんな無理な要求にも応えるようになった。そしてある日の夕方一切立ち寄らなくなった海へ行き、計り知れなく大きい太陽ですらすっぽりと難なく包んでゆく水平線を見て自分が一体何者かを己に問うた。
朝起きると適当な袋の中に水着やタオルそういったものを積め込んで、海へ出かけた。銛は持たず、ただ体ひとつで海を泳ぐ。海水中の塩分が浮力を生み僕の体をまるで拒絶するかのように押し上げ水面に浮かせた。僕が潜ることを嫌がっているようでもあった。体中に蔓延した不健康な老廃物を全て排出する腹づもりで、体の奥深く何処かで息を潜める病巣の中核を探し当てねばならない。そうでもしないと僕は存在異議を失うのだ。夜毎陰茎をしごくだけの「もの」であって堪るものか。自分だけが知る海岸線でなく、公衆遊泳場に来ていた。時期もピークではないので割と地元の若者が多いようである。そういった経緯で日がな泳いだ。
僕はこれ以前にだって自慰行為をしていた。考えていた。ずっと。何故僕はこうまでみっともなくならなければいけなかったのか。何故僕はかさぶたを掻き毟るように。何故。何故。そういったことを呟きながら水中から回答の眠った宝箱を探す、見渡す。遊泳中のカップルの片割れで目的も持たずにふらふらと漂い泳ぐ女が平泳ぎの恰好で股の間の小さな布で隠された部分を晒すのを長い間ずっと潜り続けて凝視していた自分を発見したとき、僕は同時に答えをも発見した。なんのことはない。これが僕だったんだ。塩水で目を擦った。
僕は大人になるまでこの自分自身の下半身的問題を平和的に解決出来ない。要するに女を買えない、ということだ。しかしながら僕は望みもしたが勿論憎みもした。有無が買われるという現実を、この両目ではっきりと見ておかなければならなかった。より深く自分を呪う為に。
町へ降りると、金曜だけあって人は多い。都会の盛り場と比べたら本当にちっぽけなものだ。色町『桜番地』へ近づくにつれ、ぎょろぎょろとした目つきであたりを見まわす。ここの色町は変わっている。それらしい店を全部一角に集めただけで、表の通りから丸見えの場所で平然とさも普通のことのように売り・買いが成される。同時に良くある繁華街でもあるから、例えば僕や同級生やなんかが居ても特に誰も咎めない。
僕は諭くんを見つけた。面影が残っていたのですぐに分かった。その後について歩くのは有無と同級生の友達であった。僕の予想は出来れば外れて欲しかった。全員知った顔で、それもクラスの中でも特に大人びていて顔だちが美しく整った者ばかりだった。そして有無は群を抜いている。
僕は叔父さんの家にお使いに行く名目で町に来ていた、そして恐らく彼女らも似たような嘘を並べて来たことであろう。預かってきたトマトを握りつぶした。
何てこった。あいつらか。
僕は自転車の籠の中のトマトを軍人の足元に投げつけた。そして僕自身、我を失い何事か夢中で叫んだ。自分ですら果たして何を言っているのか分からない。僕は右手の中指を立て、
「間座墓!」
と叫んだ。軍人は首だけで振り返り、それから僕の方へ歩みを寄せる。僕よりも40センチは身長が高い彼の眼光は既に「子供のしたこと」を笑って許すような雰囲気ではなかった。軍人はその上等な皮のブーツで僕のももの付け根をポケットに手を突っ込んだままで蹴った。大人の力の衝撃がその箇所から電流のように地面に抜け、さながらアースの役割でも果たしたかのように僕の左足は焼け焦げて落ちた。立っていられなくなり、地面に倒れ込むとすぐ目の前に皮製の靴のつま先がある。目をつぶる暇もなく鼻から大量の血が流れ出して、息が出来なくなった。口の中が熱くて、鼻水と血が混ざってマーブル模様を織り成しその不自然な美しいコントラストを眺めた。涙で視界が利かなくなると、今度はわき腹に針で刺されるような衝撃が訪れた。正体不明の嗚咽を漏らす僕を助けようなどという者は現れるはずもなく、結局は僕が何者であるかを問われるだけだった。彼の顔は笑っていた。
「坂!…国家!」
僕は片足を押さえ膝を付いた姿勢まで体を起こし再び中指を立てた。彼はそれまで顔の表情は笑った形を作って努めていたがその瞬間には完全に笑顔もおちゃらけた態度もなくなった。ポケットから出した拳で僕を思いきり殴りつけた。僕は誰だ?彼は最早軍人として僕を殴らない。そして笑わない。ならば、立ちあがろうとする僕は一体何者だ?今さっきまで軍人であった男は問う。オレは誰だと。オレは一生陰部を擦り続ける醜い生き物か?そんな男か?退いて生きるか?
僕はふいに笑いがこみ上げた。
「オレは海の男だ」
僕は声に出して言った。
彼は飽きたという身振りで友人らしき軍人を連れて、帰っていった。だらりとぶら下がった動かない腕はファイティング・ポーズのつもりだった。
叔父さんの家で目が覚めた。叔父さんは安堵した表情で
「あぁ、良かった。このまま目を開けないんじゃないかと思ったよ。しかし、すげぇ顔だなぁ」
と僕に話し掛ける。叔父さんの説明によると僕は気を失い、そして軍人が帰っていった後で見ていた人達がここまで運んでくれたということらしい。有無がどうなったか知りたかったけれど、そんなことは勿論訊けはしなかった。叔母さんが出してくれたお粥を食べようとして口の中に入れたらすごい衝撃が走って、僕は思わず宙に浮く。
叔父さんも叔母さんも笑って言った。
「虚無の親父さん、未曾有さんもケンカはしたけどさすがに奴らにケンカふっかけるなんざ聞いたことねぇや」
「そうよ。もうちょっと相手を考えなさい。殺されてたかも知れないのよ」
やはり叔母さんは泣き、僕はあとで家族にみっちりと怒られた。
だけれど、僕は自分が何者かを取り戻した。
以前にも増して僕は亡き父のように立派な漁師になろうと強く思う。鋭く切り立った岩壁を背に、汐が引いて膝丈程もなくなった外界から隔絶された知られぬ海で僕は銛を片手に空を見上げた。いつまでも空は夏の様相を呈していて水面に落ちた人影で僕は背後の岩の上に有無がいることを察知する。
「そこだ!」
僕は小指の爪ほどの大きさの小石を放ちながらそう言った。
「久しぶりじゃない」と小石のことには触れずに進める。思わず冗談めかした自分が恥ずかしくなるほど冷静に。
「そうだな」
僕も冷静に。
「虚無、少し変わった?」
「そうかな」
「何してんの?」
「銛の練習。オレはやっぱり漁師になるよ」
「そう」
そんな会話を交わした。有無はメンソールの煙草に火をつけて煙を吐き出すと同時に顔を上げた。僕は相変わらず銛で水の中の地面を形をなぞるように落ちつきなく突ついていた。彼女は指に煙草を挟んだまま、切り立った岩のわずかな取っ掛かりを慎重に滑るように降りた。僕の隣に腰を下ろし尻をつけて砂浜に座る。僕も砂の上に座るが水着が濡れていた為に濡れた砂が尻の形にくっきりとついた。あまりスムーズに言葉が出ない。
「有無は?何になるの?」
僕は沈黙の堰を切るように話し掛ける。
「分からない。あんたのお嫁さんにでもして貰おうかな」
僕が驚いた顔をしていると「冗談よ」と言った。
二人で動きのない海を見ていた。海鳥が遠くの島へ飛んでゆく。すると、有無は立ちあがり
「気持ち良さそうね。あたしも入ろ」
とそのままの姿で駆けて波を掻き分けてその身を浸した。僕があっけにとられ制止する暇もないまま彼女はずぶぬれの恰好で海からあがってきた。
「やっぱ服着たままだと辛いね」
僕の目は彼女の透けた服から浮き出た秘密しか入らず、完全に思考は停止し例えば気の利いたセリフのひとつも出てこないままとめどなく湧いてくる唾で急激に乾いていく喉を潤していた。髪をかきあげる仕草をした後、有無は
「虚無はセックスしたいの?」
と訊いた。
僕は「オレはセックスしたいよ」と答えた。
僕は煮え切らない情欲を抱えて悶々としたままの紳士に分かれを告げた。僕は快楽を貪る者だが、決してそれのみには存在しない。彼女に抱いた幻想や彼女に抱いたいかがわしい妄想、己に都合の良い空想、そういったものを1箇所にまとめて全部破棄した。それから僕は有無と交わった。
鋭く切り立った岩影で、外界から情報がシャット・アウトされた知られぬ砂の上で、落ちかけた太陽に焼かれ背中を水飛沫に濡らし僕は一際大きな声を出して果てた。
僕も有無も裸だった。彼女のお腹の上にはまだ生々しく行為の証が記されたままである。濡れた有無の服は薄いタンクトップですらまだ乾かず先ほどと全く変わらない。時間の経過も感じられない。脱ぎ散らかされた衣類の位置もそのままだ。
「気持ち良かった?」
と一番最後に有無は乾いた服をそそくさと着ながら訊いた。
自転車で海岸線を走っていると、東の方角へ飛行機が飛んでいった。僕が数えただけでももうさっきから一体何台の飛行機が飛び立っただろうか。気体がもの凄い速さで小さくなっていくのを見届けてから、再び自転車に跨りエデンに似た外界から隔絶された場所へ向かう。遠目に有無の姿を発見して片手でハンドルを握りながら大きく手を振った。彼女も体全体を使って信号を僕に返す。
「あ、また飛行機」
有無は上空を見上げて言う。
「オレも見たよ。来るときだけですごい数の飛行機見たなぁ」
「あたしも。何かあるのかなぁ。演習とか?」
僕は「さぁ、どうだろうね」と言い終わらないうちに、すぐ隣に座る有無の乳房を背面越しに触ろうとした。彼女は僕の手をまるで蝿や蚊をはたくような感じで叩いた。僕が彼女に会うのが待ち遠しかったのはいわずもがななのだけど。有無は
「あの時だけだよ。そんなねぇ、都合良くホイホイやらせるわけないでしょうが」
と手厳しく言った。僕はしつこく懇願したが、彼女が要求を飲むことは無かった。岩場に立てかけた銛が太陽の光りを反射して光線を生み出す。僕や有無に浴びせ掛けられた兆しの元を探し、空を見上げた。往き付く先は夏を完全に体現しその大きな両手で包み込むような入道雲。空を支える巨人はやはりその笑みを絶やさずやがて秋が来るまで微笑み続けるのだろう。
「まったく、言わなくちゃ分からないの?」
有無は胸の高さの水面に左手を入れて、水の中で僕の手を握り引き寄せた。帆を張った舟のように水面に浮かんだ僕の体もその小さな力で彼女の体にぶつかる形で引き寄せられる。お互いに向き合い体の前面を押しつけるように抱き合った。彼女は僕の股間を水中で触る。空は高く広大で、僕たちは身を寄せ合い抗わずそこに含まれた。東の空からまた飛行機が飛んで来て、僕たちの上空を過ぎ去るのを見ていた。
僕たちは飛行機の来た方角の空を見る。空では入道雲とは違う、けれど、ひときわ大きな球体のような雲が風船が膨らむ様を連想させた。心なしか荘厳で見ているものを魅了する何処かで見たことのある形の雲だった。ずっと、ずっと遠くまで、僕は僕の父も祖父もが愛したこの海の果てまで思いを飛ばす。
「わぁ、見て。綺麗」
と有無は水中から出した手をかざし、遥か遠くの海で立ち昇る雲を指差した。
こんばんは、列島深層ダイヴ深夜便のお時間です。これからの15分、いつものようにグイグイと深層に迫ってまいりましょう。
本日のゲストは宗教や伝統儀式にもお詳しいクリエイターの籠目さんです。
「どうも、ディビット籠目です。よろしくお願いします」
よろしくお願いします。
まず、もうイヴも終わりましてクリスマスに突入したわけですが、日本のクリスマスのあり方について籠目さんはどう思われますか。
「たいへんおそろしいですね。ただならぬ束縛と閉塞感を感じます」
おそろしい、ですか?なげかわしいとか情けないといった定番の苦言ではなくて?
「ええ、おそろしいです」
それは今年特に顕著な、何か変化があったということでしょうか。
「いえ、特に恐ろしいことになってきたのはここ30年から40年くらいのことですね」
日本が戦後豊かになってきたあたりでしょうか。クリスマスの商業化などと関係ございますでしょうか?
「深い関係があります。商業化されたクリスマスにのることで、日本国民はそれと知らずに極めて稀有で大規模なことを団結して実践しており、それによって困ったことがおこっているのです」
困ったこと、とはなんでしょうか。
「その前にこの映像をご覧下さい」
クリスマスー粉砕ー!
清らかな夜を淫らな夜に置き換えているカップル共に鉄槌をー!
これはなんでしょうか。
「24日の正午に秋葉原で行われたクリスマス粉砕デモの映像です。本人たちは冗談で行っているつもりなのですが、じつはこれは非常にポイントを突いた主張になっているのです」
笑い混じりでしたし、そんなに真面目なものでもなさそうですが。
「いえ、この主張が訴えている2つのポイントは非常に重要なんです。古来、呪術儀式において性というものは重要な構成要素として扱われてきました」
まあたしかに、有名なところでインドや中国にもそのような思想はありますね。日本の新興宗教でもしばしば儀式に取り入れられて現代的な価値観との衝突を起こしています。
「また、クリスマスは商業化され金や性と切り離せないものになりつつも、キリスト教由来であるという認識はどの日本人の中にも存在しています。この認知は重要なのです」
クリスマスは実は聖書に由来していなくて、太陽神信仰が源流だという話もありますが、ほとんどの日本人は本来はキリスト教のものだと考えているのは確かですね。
「つぎに、この映像を見てください」
なんだか黒い中に光の点がたくさんありますが、これは星空…でしょうか?
「いえ、今現在のアジアを日本を中心に撮影した衛星画像です。ここが東京でここが大阪ですね。」
宇宙から見たクリスマスイルミネーションといったところでしょうか。
「確かに穏当に表現するならそうでしょう。しかし、先月の同じような時間帯との写真と比較してみてください」
これは…現在の方の写真には洋上にかなりの点が増えていて線のようになっているところが違っていますね。
「これ、漁船、海上保安庁の船、海上自衛隊の船からなる光点なんです。ちょっとフリップの上で線を引かせてもらいますね」
幾何学模様の中にくねくねした輪郭が連続していますね。昔の漢字、象形文字のようなものでしょうか。
「これは文字そのものです。陣の中に文字を書き、その陣の要所で大規模な性的儀式を行わせることで実践される、これは世界最大規模の呪術なのです!」
じゅ、呪術?
「クリスマスを『恋愛の要素』として積極的な商業化を行い、しかもキリスト教という観念とリンクさせたまま行うことで、ごく自然に性を取り入れた大規模呪術儀式をとりおこなわせる。これが日本のクリスマスの恐るべき真実なのですっ!」
そ、その呪術とやらが本当だとして、目的はなんですか?最初におっしゃっていた「困ったこと」とは結局なんですか?
「目的は一神教の神格の多神教への繰り込みです。毎年のこの儀式によって世界の唯一の神であるはずの『父』が多神教のうちの1柱に取り込まれてしまい、他の神々という概念の消滅への最終進歩が年々逆行の一途をたどってしまっているのです。『父』による単独の支配、神の国がこのままでは訪れない!なんということだ!」
うわ?照明が消えましたね?
「文部科学省陰陽課だ!今すぐその放送を停止しろ!」「馬鹿!名乗ってどうすんだ!あとで始末書もんだぞお前!」
誰ですかあなた方?警察?
「禁ッ」「籠目!今度こそ捕まえたぞ!」「うわははは今日はここまでのようだな陰陽寮の諸君!」
皆さんご覧になりましたか、籠目さんが今、まばゆく光って消滅しました!
「ずらかるぞ安部!」「名前を言うな馬鹿!」
あ、国家権力の皆さんもいなくなりました。すみません照明つきますか?あ、はい、ありがとうございます。
視聴者の皆様申し訳ございません、毎度のことながら今日もゲストが暴走してしまいました。しかも逃走されるわ国家権力らしき方々が踏み込んでくるわでお見苦しいところをお見せいたしましたこと、お詫び申し上げます。
さて、来週も列島深層ダイヴ深夜便は深く深く、真偽を問わず面白いことが起こりそうなところへ潜ってまいりたいとおもいます。それではみなさん、ごきげんよう。
By だーーー - レビューをすべて見る
私たちはメディアを通してでしか事件を知ることが出来ない。
その裏でどのようなことが行われているのかを知る術は無い。
その構図にしたがって、一般人受けするような文章・映像を作るメディア。
近年、検察の描いた構図は独りよがりであり事実と反する場合が多々出てきた、そしてメディアがそのことを批判する能力を完全に失っていることを現場にいた人間が述べている。
ニュースキャスターが、さも分かったかのようにフリップを使って事件の構図を説明しだす。
しかし、本書を読めば、それは疑って見なければ行けないと思うようになる。
時間内に収まるように、誰でも分かるように必要以上にシンプルにされたその情報には、検察とメディアにとっては都合がよいが、当事者や一般人にとってはたまったものではない。
ニコニコの時報。
これができると何ができるかというと、運営が決められた時間にCMを流せるということ。
詳しくは追っていないのでわからないけど、
ギャオみたいに前後に割り込みというのはメディアサーバーの機能としてもっている。
だが、ぶったぎって割り込みとなると、プレイヤー側にも細工をしなきゃいけないし、
なにより複数ストリーミングサーバーでの振り分けは相応に厄介。
時報を裏でスプールしてるのかな?
もしかしたらプレイヤーの中にプレイヤーをいれてフリップしているだけかもしれないけど。
なんにせよ、ストリーミング最中のストリーミング割り込みは難しい。
みんなやれなかったぐらい難しい。
Youtubeだってできていない。
これができると何ができるか。
長い尺での動画を運営側が歓迎することになるだろう。
rimoみたいにノンストップチャンネルができるのも時間の問題だ。
なんにせよ、いきなりCMではなく技術的なテストファーストとして時報をもってきたのはセンスとして物凄い。
傑物だとおもうよ実際、まろゆき・・・。