日曜日に出勤したら珍しく昼勤のパートさんがいた。どうしても人手が足りなくて駆り出されたとのことだった。申し送りのときに、
「今日は私が出てきたから完璧にドリンクの補充をしてあるし、今日の夜勤は楽が出来るでしょう?」
と、なんか含みのある口調で言われたので、うっすらと違和感があった。
で、木曜日はオーナーが女子フリーターアルバイトさんを通じてわざわざ伝言で、
『ドリンクの補充を必ずするように。特にホットドリンクはちゃんとやってください』
と言ってきた。なんか変だなと思ったので、女子フリーターアルバイトさんに、
「私、オーナーからドリンクの補充やれって言われたの、かなり久しぶりなんだけど、最近は夕勤の人は皆これ言われてるのかな?」
と話を振ってみた。すると、やっぱり他の曜日でも夕方のシフトに入ると言われるらしいのだが、8月の終わりを過ぎた頃には言われなくなったことを今更また言われ始めたのはどうしてなんだろうと思ったとのこと。
うーん、これはやっぱり、Aさんがなんかやったというか、ドリンクの補充をサボってるんだなと思った。
ドリンクの補充は夕方のピーク過ぎにやることなので、夕勤の仕事の範疇なのだが、21時頃までは何かと忙しいので、夜勤のAさんが閉店後にやっているのだ。これはAさんの独断により決められたというか、なんとなくそういう役割分担になっている。
ところが、Aさんは自分の思い込みに過ぎないことを盾にして仕事をよくサボる。ドリンク補充に関しては、「この商品はどうせ売れないんだから、補充しなくても平気」とか「ウォークイン(表がドリンク棚、裏が倉庫になっている冷蔵庫)の中が汚いのは昼間の人がサボるせいで夜勤のせいじゃないから、片付けは自己責任で昼のパートさんがすべきだ」とかいって、悪びれなく堂々とサボるのだ。
夜勤に入るのはAさんの他にはダブルワークのBさんとオーナーだけで、Bさんは翌朝の本業に支障をきたさないようにとドリンク補充作業は免除されている(なのでBさんと組む夕勤の人は必ずドリンクの補充をしなければならない)。オーナーは店の所有者にして最高権力者なので、当たり前のようにサボるものの、その尻拭いは誰かに命じることが出来る。という訳で、夜勤がドリンク補充をサボって問題になるのは、Aさんが勤務する日だけだ。しかも、オーナーが入る日以外は、本来ならドリンク補充は夕勤の仕事なので、真のサボり魔は夕勤ということになる。しかし、夕方からの仕事は実質夜勤の人が都合の良いように回しているというのはオーナーにも知られていることだし、夕勤のメンツが全員真面目に仕事をする人達なので、サボるとは思われていない。
つまり最初からオーナーはAさんが犯人だとわかっている。けれども、Aさんにヘソを曲げられて辞められたりすると、補充要員を見つけるのが大変なので、夕勤の人たちになんとかしてAさんにドリンク補充をサボらすな、それができないのならAさんには任せずに夕勤でやってくれと、遠回しに言ってきているわけだ。
私はどちらかといえばAさんに直球でものを言える方であり、しかもAさんは遠回しの嫌味や忖度が大嫌いだということを知っているので、火の玉ストレートで、
「もしかして最近、ドリンク補充サボってますかー? オーナーがまたわざわざ夕勤に『ドリンク補充しろ』って言ってきてますよ。これ『サボってんじゃねぇ』って意味ですよ」
と言ったのが、Aさんは
「最近は涼しくて朝は夏ほどドリンクは売れないし、日中はまだ暑いせいでホットは夜まで沢山残っているから、大丈夫なはずですが?」
という返事。これはオーナーの言う『ドリンクの補充をちゃんとやる』とAさんの思う『ドリンクの補充をちゃんとやる』の意味が違っているということだ。なので私はAさんに、「オーナーの望む『ドリンクの補充をちゃんとやる』ということは、在庫のある商品は全部棚に満杯に詰め、中途半端に空いている箱からは商品をストック棚に並べて空き箱を片付け、更に翌日の人が作業をしないように庫内と棚を整理整頓して作業スペースを広く空けておくことです」と説明した。でもAさんはそこまでやる必要があるのか? と不満そうにしていた。まぁ、去年までは夕勤夜勤にドリンクの補充……というよりもメインはウォークインの片付けかな……についてそこまで徹底的にやれとオーナーが言ってくることはなかったので、なんで忙しいのにやらなきゃいけないんだよ、というのももっともだけれども。
当店はコンビニなのだけれども、実はしばらく前から夜間は閉店している。そのせいで夕勤夜勤の責任が重くなったと感じる。
24時間営業の頃は果てしないバトンタッチの連続で店が回っていたが、夜の営業を辞めた今は第一走者と最終走者が決まっている。以前は品出しと後片付けは全員が薄く責任を負っていたが、今は最終走者である夕勤夜勤が最後の仕上げをする義務を負っている。
早朝勤務の人が朝に出勤して店を開けてみたら、店内がごちゃごちゃ……という状態への早朝勤務から午前勤務の従業員の見る目が辛くなっている。「なんで出勤したのっけからクソきったない現場を見せられて、忙しい中尻拭いをしながら働かなければならないのか。朝ぐらいは気持ちよく働けないのか?」これは半分くらい朝という時間帯の空気感への期待であり感情の問題だと私は思うのだが、Aさんは人の気持ちが分からない系の人なので、こういう感情の問題を軽視していて、なんとかしようという気はまるで湧かないらしい。
コンビニで働いたことないからあんまり勝手なことは言えないけど、 こんなふうに仕事のなすりつけ合いになる職場ってすごく嫌で最悪。
本当は、コンビニの仕事はシフト時間内で片付けまでやって、後から出勤してくる人達に残り仕事は押し付けてはいけないってことになっている。 でも現実には、「どうせ次の人が...