2021-08-25

「同居家族以外と会食してはならない」というのは差別

西武ライオンズの若手投手女性との長時間接触、および報告漏れで1か月の試合停止処分とのことだ。

本件については相手から告発等もあったようだし、報告漏れという本人の過失もあるようなので、これ自体については悪質性があったかもしれず何も断言はできない。

「同居家族以外との会食・接触禁止する」というコロナ内規は人権侵害では?

しかし、そもそも論として「同居家族以外との会食・接触禁止する」というコロナ内規は人権侵害と言っていいのではないだろうか。

おそらく、プロ野球球団以外の企業等でも今回のコロナ禍で同様な内規を作ったところも多いだろうし、政府懲罰規定はないにせよ同様の勧告はたびたび行っている。

もちろん、大勢の人が参加する飲み会コロナが広まっているのは事実であるし、それらに制限をかけるのは今の社会状況を考えれば仕方ないと思う。

だけれども、たまたま別居している家族パートナーに会うことはダメなのか?同居家族はよくて、別居家族パートナーダメというロジックはどこからくるのか?

別居パートナーより同居パートナーの方が二人とも感染する確率は高い

同居している二人暮らしの二人と、一週間に一度会う二人(それぞれ一人暮らし)がいたとして、どちらが二人とも感染するリスクが高いかと言われたら、移動リスクを考えたとしても明らかに前者だろう。

家族感染は当初から感染ルートの最有力の一つなのにそれらには制限がかけられず、何故たまたま別居しているだけの二人が不利益を被らなければならないのか。

世の中には仕事上その他理由で、別居しているパートナーだって少なくないだろう。

冒頭のプロ野球でいえば、ドラフトがあり若手選手には寮がありチーム側に保留権があり、トレードもある。この業界にいる限り、住む場所を選ぶ自由があるわけでない。

関東家族とともに在住していた選手広島に突然トレードになり、本人が広島単身赴任したらシーズン中は家族に会えないのか?いくらなんでもめちゃくちゃだろう。

家庭内感染は最有力の感染ルートなのに何故制限されないのか

接触を極力減らす必要があるという理由で「同居家族以外と接触してはならない」という内規に正当性があるというならば、同居家族との接触にも制限をかけるべきだろう。

家庭内で別々にご飯を食べ、接触するたびに消毒するべきだ。

大家族にいたっては政府積極的補助金を出して、小規模に解体するよう呼びかけるべきだろう。

なぜならご存知の通り、家庭内感染は最有力の感染ルートの一つだ。

別居しているパートナーが定期的に会う権利コロナ感染対策のために奪えるというならば、つり合いをとるためにそれぐらいはする必要があるだろう。

では、何故そのような政策がとられないのか。

それは同居している家族が大多数だからだ。

コロナ感染防止のために家族解体補助金を出すなんてなったら、政権は次の選挙歴史的惨敗を喫するだろう。

無自覚マジョリティ無自覚ゆえに強い。

このようにマジョリティの同居家族のみが今までの生活を維持するために特権保有し、マイノリティである別居家族パートナー等のみが感染対策のために会う権利が抑圧される事態になっていることに強い憤りを覚える。

こういうこというと別居であっても家族のみに会う権利を認めればいい、という人がいるだろうが、言うまでもなく現代パートナーシップはもっと多様であるし法的な家族のみ特権を認めるというのはまた別の問題を引き起こすだろう。

家族絶対視せず、いろいろな人にやさしい感染対策

「同居家族以外と会食・接触禁止」という条項は今述べたとおりおかしいと思うが、

この状況を考えると感染対策のために会う権利がある程度制限されるのは仕方ないとは思う。

ここでは話を単純化するためにほぼ二人のパートナーシップの話に限定してきたが、親子の問題、里帰りの問題大事な人が複数いるなど現実問題もっと複雑だ。

同居家族の会食が認められるならば、特定パートナーがいない独身者だって人と会って話す権利はある程度は認められるべきだろう。

そう考えると、代替案としては一人年間3人までなど(ただし未成年者は除く)、事前に登録した人たちしか会食できないといったルール作りが必要となるのか、とか色々考えてみるが結論が出ない。

とはいえ、現状あまり人と会食できる状況ではないことは事実なので、今後多少落ち着いた際に、家族絶対視せず少数の人にも配慮したルール作りを各機関等は取り組んでほしい。

  • 言いたいことはわかる。でも、差別と区別を混同するのは、クソだよ。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん