ただ弱者男性について語ろうとすれば、「弱者男性とはなんぞや?」を定義しない事にはどうにもならん。
なのでここでは仕事や恋愛などで敗北を繰り返し、敗者という立場が固定化された男性を弱者男性とする。
弱者男性には同じ弱者男性以外に味方になってくれる人がいない。
ついで言えば弱者って時点で余裕が無いから、弱者男性同士もあんまり協力できない。
もちろん例外的に寛容で心優しい人も居るだろうが、まあ滅多にいない。
だって競争に負けて脱落した弱者男性と違って、強者男性は競争の真っ最中だからね。
弱者男性を助けてあげる余裕なんかないよ。
それに敗者である弱者男性が救済されて敗者という立場を脱するという事は、相対的に勝者にして強者たる自分の立場を弱体化させる事になる。
勝者として強者男性が振る舞うには弱者男性には敗北者で有り続けてもらうのが一番都合が良い。
だからよっぽどメリットが無い限り、或いは親友だったり命の恩人だったりといった個人的な理由が無い限り弱者男性を助けたりしない。
どうやら強者女性は強者男性以上に弱者男性に嫌悪感を抱いてる様だ。
強者女性は、女性が不利になりやすい男性社会の中で競争に勝ち抜いてきたという自負がある。
それだけに男性特権を持ってる癖に弱者に甘んじている連中の存在なんて、存在そのものが許しがたい。
ネットでの弱者男性への反応を見ても、一定以上の地位を持ってる女性は弱者男性に対して苛烈な発言をする人が多い。
「自分達が持ってなかった特権を持ってた癖に、それを活かせなかった無能め! 活かせないなら私達に譲ればよかったのに!」ってのが強者女性の本音なんだろうね。
だから、強者女性が弱者男性を助けるなんて事は宇宙が終わるまであり得ない。
でも同じ弱者である以上、限られた福祉予算というパイを取り合う相手でしかないんだよね。
福祉予算の増額を政府に求めたりといった限定された状況であれば共闘の可能性はあるにせよ、基本的にはお互い蹴落とす対象でしかない。
その上で弱者女性の方が支援を受ける上で少しだけ有利な背景はある。
強者女性と弱者女性にも対立軸は存在している訳だが、男性のそれよりも(少なくとも表面上は)顕在化しにくい。
それはフェミニズムという思想が両者を繋ぐ接着剤の様な役割を果たしているのだと思う。
利害や思想で女性同士の対立があるにせよ、抑圧者たる男性から女性を開放しようという思想の存在が完全な分断を防いでいる。
だから男性側ではなかなか見られない強者女性が弱者女性を支援したり、弱者女性の声を代弁したりという事例が普通にでてくる。
これは弱者男性にとって許しがたい事だ。
弱者男性の多くは自分が支援を受けられないのは「自分が競争に敗れた存在」だからだと思ってる。
それが社会のルールなんだと自分に言い聞かせて、自分の境遇を納得できないまでもなんとか飲み込んできた。
そして男女同権を謳うのであれば、弱者女性も自分達と同じ様に扱われるのだろうと思っていた。
ところが弱者女性はフェミニズムという思想を通じてフォローされる仕組みが出来つつある。
「じゃあ俺も助けてもらえるのかな?」とのこのこ出ていったら「お前は男だから駄目」って言われる訳だ(フェミニズム的には当たり前なんだろうけどな)。
それで「自己責任じゃなかったのか! なんで女だからって助けてもらえるんだ! 俺は男だから駄目なんて差別じゃないか!」ってなっちゃう訳ね。
「弱者男性差別!」って吹き上がってる人は基本的にこれだと思ってる。
女性側からすれば弱者男性は保険料払ってないのに健康保険使おうとする連中みたいに見えるんだろうけどね。
長々と書いてきたが弱者男性が如何に孤立した存在かという事を理解して貰えればありがたい。
もちろん、個々の弱者男性達の言動や行動が原因で孤立しているという面はある。
無闇矢鱈にフェミニズムや女性を攻撃しようとする奴がいるのも孤立を深める要因だろう。
ただ弱者男性が社会から孤立していく構造的な問題は確実に存在している。
強者男性からは「競争社会の敗者だから」、強者女性からは強者男性と同じ理由に加えて「男性だから」、弱者女性からは「少ないパイを取り合う競争相手だから」それぞれの理由で弱者男性は排斥される構造がある。
そしてその構造が存在している故に弱者男性は常に少数派であり続ける。
俺自身弱者男性の側の人間なんだが、正直弱者男性に対する救済は無理だと思ってる。
社会に弱者男性を救済する意義がなさ過ぎるし、弱者男性自身が自己責任論を心の支えにしてまってる人が多くて社会による救済自体を拒んでしまう。
弱者男性の権利拡大を訴えるとしても社会運動を継続するには、弱者男性が今後も社会に供給され続けなければならない。
俺は俺みたいな人達が減っていく社会が良い社会だと思うし、その為にお前達は迷惑かけずに死ねって言われるのも仕方ないと思ってる。
100年前には女性も黒人も同じようなこと言われてたぞ
普通の強者ってのは「普通にやってきたら順当に社会の上の方に位置してた」という感じなので、 「強者は競争の最中で余裕がない」「弱者には敗北者であり続けてほしい」みたいな認...
4つの分類の中でお互いに味方がいないのは、そもそもが対立構造を生み出すための分類なんだから当然な気もするけど ただ家族友達恋人等々強者側には味方が多くて、弱者側には少な...