Twitterで流れてきたけど。正にその通りだった
普通以下の能力の人間なので、せっかく夢だった職種に就けたのに人間関係や仕事の出来なさでメンタルを病み色々あって転職した。幸運なことに給料面でも前より若干上がる安定した仕事に転職出来たが、そこでも人間関係で詰んだ。
今思えば、前の職場でも今の職場でも至らない私を指摘こそすれ人格否定をするなど故意に人を傷つけるような悪い人なんていなかったのに、当時は周りは全員敵のように思えていた。ただ同僚と世間話をするだけでも私には苦痛だった。そんな時出会ったのが推しだった。
推しはアイドル兼俳優だった。汚部屋同然の狭い家に帰り、たまたまつけたTVの音楽番組に彼は出演していた。直感だった。どこに惹かれたかと言えば、率直に言えば顔だ。次に話し方。SNSの使い方の下手くそさもよかった。ファンとの適切な距離感を分かってない隙がある感じもよかった。演技がいいとか、歌がうまいだとかは素人の私には分からないし興味もなかった。すぐさま過去作を調べドラマの代表作やCDをポチっていた。数ヶ月後には東京に飛んでライブやファンイベントにも参加していた。
精神的に弱っている時は金銭感覚は狂いやすい。そこまで売れてなかったのによくここまで使えたなというくらい(もっとすごい人はいくらでもいるだろうけど、体感として)浪費をした。イベントがある月は美容費含め2桁万円平気で飛んだ。それ以外の月の出費は家賃くらい。手紙やプレゼントも渡したし、渡した物を着てくれたり使ってくれるタイプの人だったので何度も送ったしどんどん高額プレになっていった。すぐに辞めたが、払えなくなってきた時はこの道ではよくあるそういうアレもした。初めてオフで会えるような友達が出来た。狭い世界でファン同士いいねをつけあい馴れ合うのも楽しかった。オタクが多かったのでそういう話も合ったりして。
今思うとリアコだし推しにメンタル完全依存していた危険な状態で、実際また何度も体調を壊したりしていたけど、色々あってこの道を離れた。今は完全に茶の間で見ている側である。理由はもう推しがいなくても立てるようになったからだ。
推しのおかげで、仕事への意欲が生まれた。というより、一番詰んでいた人間関係が全く気にならなくなり、不思議と円滑に仕事が進むようになった。推しは三次元で実際に会える。推しのファンとのオフ会もあるから見た目にも気を使うようになり、生まれて初めて自分には合わないからと避けていた髪を染め、マツエクやメイクアップを頼んだり百貨店に入ったりメイクの勉強をしたりした。女性ファンが圧倒的多数を占めているのだから当然といっちゃ当然なのだが、推しの歌う曲の歌詞や、推しの発信する言葉は甘ったるすぎるほどに甘いので自己肯定感が勝手に上がっていった。自分にお金をかけるのがどんどん楽しくなった。自分に自信が持てるようになった。
私に足りなかったのは、この根拠のない自己肯定感だったんだろうと思う。親からもあまり褒められた記憶がない凡人以下の私は、はなからありとあらゆる事を諦めていた。今は前の職種に戻れるように勉強をしているところだ。せめて戻らなくても、趣味で楽しむレベルになれているからそれでいい。
数年の追っかけ期間はお金はまっっっったく溜まっていないが、代わりに年収も上がった今は勝手に積み立て貯金が貯まっていくし、何より生きる意欲が沸いている。過去に自己啓発本を読み漁り病院に通っていた時よりも何倍も効く特効薬である。アイドルって、すごい。