2016-06-04

日本研究世界に勝てない理由

日本科学技術世界トップレベルだというのは今や妄想しかすぎない。特に研究力においては中国韓国にさえ抜かれているという悲しい現実がある。

なぜこうなってしまっているのか。それはやはり金の問題である。このエントリでは主に大学のことについて話をする。

まず、研究者の卵である博士課程の学生の懐事情について。日本では博士課程の学生あくまでも「学生」という扱いなので学費を払わなければならない。

しかし、日本学術振興会特別研究員通称学振と呼ばれる制度があり、これに通ると日本では研究者の卵として将来性があるという称号を得られるだけではなく、月20万円のお金ももらえる。

このように書くと素晴らしい制度のように聞こえるが、学振には副業禁止しているという致命的な欠点がある。つまり博士課程の学生は月20万円しかもらえないのにバイトすらしてはいけないのだ。ど田舎大学ならいざ知らず、東京生活をしようものなら家賃だけで8万円、光熱費食費などを考えると15万円は最低限の生活必要である。これに加えて学費等も払わなければならないことを考えると、20万円という額は非常識なほどに安いということが理解できると思う。この20万円という金額は、多くの日本企業大卒新卒の月給と同じもしくはそれより低い水準である博士課程に行くような学生しか学振を取れるほど優秀な学生(というより研究員)に対して月20万円しか与えないのに専念義務を課すというのがこの国である外資系企業などに行けば新卒でも年1000万円ほどもらえるようなチャンスもある中、わざわざ博士課程に進学するというのは貧乏生活によほどの覚悟があるか、もしくは親が裕福かのどちらかでしかない。博士に行っても活躍できる優秀な学生にとっては修士就職してしまう方が経済合理的なのがこの国である。本気で若手を育てる気はあるのだろうか。

海外大学院ではどうだろう。例えばアメリカなどでは博士課程の学生研究者として研究室に雇われるということが多いので学費研究室から出るし、給料も月20-30万円くらいは出る。これに加えて奨学金なども取れる上、働いたり起業することに制限は無いため日本博士学生に比べると経済的には恵まれ生活を送ることができる。ドイツなどでは給料も高く、学生でも年収500万くらいはもらえるという話を聞いたこともある。いずれにせよ、日本博士学生のような、奴隷のような生活を強いられるということは無いのである

研究環境ではどうだろう。日本では主に政府から科研費などを取り研究室運営している。海外では企業からスポンサーを受けることが多い。企業の方がお金を出してくれることは想像に難くないだろう。この結果、日本では技術員などを雇う余裕は無く、研究者単純作業をこなす必要がある。一方、海外大学であれば研究者研究方向性を考えたり少し手を動かしたりするだけで、例えばCV系だと画像のラベル付けであったり生物系だとマウスの世話であったりといった面倒くさい単純作業などは技術員がやってくれる。この差は大きく、日本競争力を失っている原因にもなっている。また、お金問題というよりは大学がアホということであるが、日本大学教員無駄かつ大量な事務作業を強いるので、これも教員研究時間を減らし研究力を失わせている。

書き出すとキリがないが、基本的日本における研究を取り巻く環境ははっきり言ってゴミである。金よりも研究の楽しさであったり知的好奇心であったりを報酬とするみたいなことが美徳としてまかり通るこのアホな国では研究力が中国韓国に負けてしまうのは当然である。金をもっとかけろ、目を覚ませ日本

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