大学5年生だったころに経験した日雇いアルバイトを夜中に読んで
今では連絡先も知らない色んな人の事を朧げながら思い出したので少し書いてみる
自分は今から10年前くらいから日雇い派遣労働の事が問題になるくらいまで
きっかけは就活もせずに大学卒業して、色々あって精神的にやられてしまい
手っ取り早く社会と関われるものとして、まぁ簡単に言えばリハビリ感覚で登録した。
日雇い派遣労働者はその名前の通り、毎日色々な工場、倉庫やらの配送や検品、オフィスの移転作業などで都内近郊に派遣されて
肉体労働、単純作業をする。
仕事を終えたら事務所に連絡して、また次の日の派遣先を確認して次の日そこで働く。
その繰り返しの毎日。
体動かせたり、余計な事考えずに出来たのでその時期の自分にはちょうど良かった。
ある日、家から1時間半程かかる都内の工場、倉庫しかない島に派遣された
オフィス移転などの現場では大人数で同じ事務所の派遣労働者と仕事をするので、その現場で
「あそこは体力キツいよ 人も長年入っている派遣と変な社員しかいないから新しいのが派遣されても
続かない」と噂に聞いていた。
肉体的にキツいのは大なり小なり様々な現場があったが、人は派遣労働者にも派遣先にも変な人が択山いたので気にも止めなかった
当日倉庫の最寄りの駅で長年そこに派遣されている大きなピアスをいくつかしているAさん26才と待ち合わせ
特に嫌な感じのする人ではないが日雇いの暗黙のルールで身の上話等しないし、今までどこに派遣されたのかを話すくらいで
自分も精神的にやられた直後だったのでうまく会話も続けられず倉庫へ
倉庫内にいる人は
倉庫のお偉いさんのBさん 昔チワワが出ていた消費者金融のcmの男性俳優が白髪になった感じの神経質そうな人。
日雇い派遣のCさん 20代後半で倉庫内にギターを持ち込んだりして、たまに気ままに弾いているパーマの掛かったイケメンで
捕らえ所のなく飄々としていて力持ちな人。
社員のDさん いつもニコニコしている30代後半くらいで 倉庫内を高速でフォークリフトを乗り回し
社員のEさん 40代前半いわゆる身体障害者の人で障がい者枠で働かれていて
体は180近くある自分より体格も身長もデカくて 顔は厳つい人。
初めにピアスのAさんに作業内容を軽く聞いたら
整理したり積み込んだりしてEさんと一緒に行動を共にする
かなり重い物だったので初めはうまく運べずEさんに良く怒鳴られた
それをEさんは軽々持ち上げて運んでしまう。
障害が原因なのかとても滑舌が悪くて言葉は聞き取り辛く、食事の食べ方は汚かった。
注意も良く聞き取れない時があった。
Eさんはずっとそっけなく やたら冷たかったが自分はそういう人だと思って仕事をした。
派遣先の社員の人は派遣を見下してると感じさせる人が多かったので特に気にしなかった。
初日最後に「もう来ないでしょ?」っとEさんにそっけなく言われるが
自分は分からないです。という風に軽く首を捻る事をするだけしてその日は帰った。
だが、その後事務所から頼まれたら断らずそこに行くようになった。
今まで他の派遣されてきた学生やニート、リストラされたおっちゃん達にEさんが陰で色々言われているのは想像がついた。
案の定、その帰り道にEさんの悪口を聞かされる事になる。
作業はキツかったが、そこの倉庫の人達はジメジメした空気感もなく、かといって変にベタベタしたり
お互いに干渉する訳でもないのでその時期の自分にはとても居心地がよかった。
後々、Eさんは若い頃のヤンキー時代のすごい剃り込み入った写真を見せてくれたり
フォークリフトを走らせながらエロ動画を再生した携帯を不意に見せて笑わせたりしてくれたり
お互い下ネタを話したりしながら作業して、いつのまにか仲良くなっていた。
自分は殆ど笑う事のない時期だったのがおかげでいつの間にか少し笑える様になっていた。
大学5年生だったころに経験した日雇いアルバイトのブログのような
最後は自分の就職先が決まり特に誰に最後ですとも言わずにフェードアウトした。
遅刻する時などの為に倉庫内の人たちとアドレス交換していたがその事について
特にお互い連絡することもなかった。
良くも悪くも個人的には派遣で妙にスレてしまった部分と感情を少し取り戻せた部分両方がある。
そんな時期やあの人達はどうしてるのかと少し思い出した。
日雇い派遣ではちゃんと働きだしてから出合う事がなくなった人を見たり、
いろんな事があったので、自分の原点再確認じゃないけど
また気が向いたら書いてみようかとも思う。