2012-10-05

書き殴り

近未来。通信技術と描画技術の向上によって、オンライン空間に、アバターを使った完全な過去が再現された社会

体感覚をなくしているために、年齢制限が掛けられているものの、ほぼすべてのアバターが十代の容姿をしているため、本人確認において問題が生じている。

また痛覚がないために、過激な娯楽に興じるものも現れていて、アバター同士が武器防具を装備して戦うコロシアムや、重火器を扱った本格的なサバイバルゲームも催されている。

どれだけ刺激的な死に方を表現できるか競う殺害ストリーミングと呼ばれる映像ライブもあり、この娯楽においては自殺の部や拷問の部なども人気がある。

性に関する娯楽は、初期においては参加型が流行ったものの、身体感覚の制限があるために次第に下火になり、現在ではプロによる演劇のような提供型の娯楽が一般的になっている。

そんな中、身体感覚が再現されてしまバグがあるという都市伝説流行る。通信会社にもその情報は入ってきていて、事実現実社会に帰還した利用者からも苦情が届き始めている。

バグの調査にあたることになった主人公は、アバター空間での聴きこみの最中に痛覚を感じていると証言する女と出会う。女は調査に非協力的で、ものすごく冷ややかな応答しか示さない。

不審に思った主人公は、女の素性を確かめるために強引に女の登録情報アクセスを試みる。途端に、何重にも掛けておいたセキュリティ破壊されて、主人公も痛覚のバグ感染してしまう。

会社へ連絡しようとするも、女に阻止される。曰く、アクセスした途端に、本幹にまでバグが広がりかねないのだという。

救援要請の手段を失った主人公は悲嘆に暮れる。様子を鼻で笑われながらも、仕方がなく女と行動を共にすることになる。危険が迫っているのだそうだ。

証拠に、女は常に周囲の目を気にしながら、ひっそりと行動し続けた。誰とも会話せず、目も合わせず、限りなく接触を断つようにしているのである

様子に、主人公は過度な対応じゃないかと疑問を抱く。事実、どこにも危険な様子はないではないかと。隠れ家に辿り着き、何とか一息入れた時に、女から説明を受ける。

アバター空間に慣れるための適応期間のことを覚えているかと問われて、主人公は頷く。身体感覚を徐々に鈍らせていき、精神との繋がりを隔てることによって、開放的な娯楽を楽しめるようになるだ。

百をいきなり〇にしても、拒絶反応が起こる。実際、初期実験では過度の精神ストレスによってショック死する事例も報告されていた。その解決策が、適応期間の導入というわけである

主人公は通信会社社員だ。一通りの経緯は知っていた。しかし、それとこれと何の繋がりがあるというのだろうか。

疑問が顔に現れていたらしい。女は渋面を作り、あんたは人を信じすぎていると吐き捨てた。人間ってのは、際限の効かない好奇心っていう化物を宿しているのだと。

女が言うには、彼ら彼女らは、もうすでに既存の娯楽に飽き始めているのだそうだ。実際に、先鋭化した一部のアバターは、クローズドサーバを用いて、新しいショーを楽しみ始めているのだという。

主人公はいまいちピンとこない。すると女は憐れむように微笑んで、実社会におけるバグの報告件数を訊ねてきた。返答すると、あまりにも少な過ぎないかと畳み込まれてしまう。

嫌な考えが脳裏を巡る。まさかと戯ける主人公に、女は実社会最近不審死が相次いでいないか問い詰める。確かに、長時間接続機に横たわっていた利用者が死ぬ事例は増えているのが現状だった。

けれども、利用者は自主的にログアウトできるはずだと主人公は反論する。長時間利用しての死亡事故は、あくまでも過労死だと。

からこその、クローズドサーバなのだと女は告げる。サーバ主によって閉鎖された空間においては、主の許可無くログアウトすることができないのだと。

そんな馬鹿な。怒鳴る主人公に女は肩を竦める。わたしだって事実を全て把握しているわけじゃない。あくまで推測なのだと。

ただし、わたし達を狙っている奴らはいる。確実に。念を押す女に、主人公は息を呑んでしまう。嘘だと思うだろうけど、多分ライブされてるストリーミングの幾つかには身体感覚を有した人間がいる。

わたしが感染させた友達が映っていたのだから間違いない。発言に言葉も出なくなってしまう。演技だよ。そうかもしれない。全部作りものさ。否定はできない。問答が力なく続く。

どうすればいい。主人公は問う。俺はどうしたらいい。あんたは俺にどうしてほしいんだ。

仕事をするしかないんじゃないの。事が大きくなってからじゃ、会社もクソもあったもんじゃいから。


ってな感じで、バグの原因を突き止めようとする主人公だったが、実は登場している女は仮想現実に現れたゴーストのようなもので、現実社会には存在していない。

なんて言うか、コンピュータからの反逆というか、人間性への疑問提起みたいなのが表現できるのかもしれないと妄想する。

社会における身体感覚を有しているとの苦情も、コンピュータが主体となって行ったもので、実際に感染暴行ないし陵辱を受けた人々の意見フィードバックされていない、等々。

……しっかし、ありふれたネタだなあ。後半部分、話ばっかで面白みに欠けるし。

まあ起承転結の承までって感じ。序破急の序? クローズドサーバの主に迫っていく部分が破で、女がゴーストだったてのが急になるのかしらん。


ああ、あと、アバター間における世代格差みたいなのとかもいけるのかも。

実年齢相応のアバターは同年代若いアバターから容赦なくオヤジ狩りにあってたり、背伸びしている実年齢が若いアバターが被害にあってたり。

老いも若いもなくて、ただひたすらに娯楽だけが満ち溢れている、綺麗な綺麗な完成された過去舞台

無論、いろんな年代がごっちゃになってるだろうから映像的にはカオス空間になるんだろうけど。

ロビーけがそんな感じで、他は年代サーバーになってるとかでも面白いかもしれない。

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