(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180402-00000012-reallive-ent)
噛み砕いて言ってしまえば、声優の武内駿輔の発言が不適切であると判断され、多くのファンから顰蹙をかったことだ。
ここで断っておきたい。私はこの記事を書くにあたって、武内駿輔の行動に対して是非を問うつもりはない。
私が異を唱えたいのは、武内駿輔の発言を端に発する、『魔物』と呼ばれる言葉を用いたファンたちを蔑ろにする行為に対してだ。
■はじめに
渦中の人物、武内駿輔氏について書いておこう。とは言っても、長々と筆者の独断に満ちた紹介を書くよりは、Wikipediaなどのサイトの方が客観性のある文章が見れるだろう。
そのため、要点のみを箇条書きとしたい。
・容姿、歌唱力もあり、『アイドル』を主題としたアニメなどでアイドル役をいくつか務めている。
最後の文言が大分手を抜いているが、今回の記事で重要となるのはこの点であろう。
■経緯
4/1、武内駿輔氏が管理をするTwitterアカウントにとあるリプライが投稿された。
失礼な質問になってしまうかもしれませんが、左手薬指の指輪について教えて頂きたいです
まぁそもそもなんでアイドルじゃないのに気にしなくちゃいけないんだろうね、っていう反骨心と心に決めた女の子がいますよっていう魔除けとしての意味合いもありますが、前者の方が意味合いとしては強いです。嘘ついて人気を得ても個人的には詐欺と同じじゃんと思ってしまうので。正直に生きたい。
主に、『魔除け』と呼ばれる言葉に反応してだ。
武内駿輔氏は、除けるのが必要な程周囲のファンを鬱陶しいと思っているのか……と、ショックを受けたの人が少なからずいたのだ。
その中で主流となった意見は、彼に対してガチ恋と呼ばれる、恋愛感情に近い感情を持つ人間が、裏切られたと暴れはじめた問うことだ。
■閑話休題
ここで、一旦話を中断しよう。
この段階では、恐らく以下の疑問が浮かぶ人が居るはずだ。
・この発言の何が問題なのか? 多少表現は険しいが、正直な若者らしいのではないか?
・そもそも、武内駿輔氏は実際に声優であり、アイドルではないのではないか?
・この発言に異常な反応をすること自体がおかしいのではないか?
一つ一つ書いていこう。
筆者の主観的な意見も入ってしまうが、言い方さえ気をつければ受け入れられる意図であると思う。
それについては、次で纏めて述べよう。
・彼がアイドルではない、と言うことについてだ。
先に述べたが、武内駿輔氏は声優である。確かに厳密にいえばアイドルではない。声優を声をあてる裏方であると判断する読者の方も多いだろう。
だが、昨今の声優の活動は非常に多岐にわたる。実際に人前に出て、それこそアイドルのようにステージパフォーマンスをすることも珍しくない。
実際にステージに上がってアイドルのように歌うこともあり、少なからず糧を得ているだろう。
アイドルでないにしても、それに類する人気商売をしていることに間違いはない。芸だけでなく夢を売っている人間である。
実際に、彼が立つための声優業界を引っ張ってきた先輩には、ドル売りと呼ばれるアイドルじみた活動をし、交際についても節度を持って行動していた。
先に、この発言に問題は無いかと言ったが、やはり以下の点は人によって反発を覚えるだろう。
・今までアイドルじみた活動をしてきたのに、今更嘘をつきたくはない、と言うのは虫がいいのではないか。
・先輩たちがやってきた行動を若者の勝手な正義感で糾弾していいのだろうか。
※ これに関しては、完全に余計な一言だろう。
自分は許せる、と言う人はそれでいいと思う。それは寛容さであり、美徳である。
だが、許せない人も居たのだと言うことも覚えておいてほしい。
さて、人によってはここで、『男性声優が恋愛を公開すること自体が問題ではないか?』と思う方もいるだろう。
だが、それは今回は割愛する。
筆者自身が、別に声優に本命の交際相手がいようが、人間だから当たり前だと思っていることもある。
だが、それ以上に……実は、ファンもある程度気付いていたのだ。
そもそも、武内駿輔氏が左手の薬指に指輪をつけていることに、ファンは一年近く前から気が付いていた。
実際に、交際相手がいると言ったこと自体を問題視する声は殆ど無かった。
人気商売で客前に出る時に問題になりそうなことをするのはどうかとは思うが、武内駿輔氏のファンは、彼が若いから、いつかは矯正してくれるだろう期待していたのだ。
今回の声で彼に対して失望した人の多くは、そう言った節度を守ってくれるだろうと言う期待を裏切られたものだった。
・『魔除け』と言う発言に対して反応することが異常ではないか、である。
と言うのも、この『魔除け』に反応した人間が、ことごとく『魔物』とレッテルを貼られたからだ。
以下に、Twitterに投稿されたツイートの内容を引用しよう。
女オタ「ファンを魔物扱いするな!!!!ファンやめる!!!!」
武内君の「心に決めた人がいるので魔除けの意味も含めて指輪してます(要約)」発言に「ファンを魔物呼ばわりとは何だ!みんなファンやめないと魔物呼ばわりされるぞ!」って怒り狂ってるアカウント見て、「おおこれはまさしく魔物だ」という気分になった
何れも、一万件以上リツイートされている。
『魔物』と言う言葉を定義したのは、嘆き悲しむファンではなくて、その周囲の理解者を気取る人間によるものなのだ。
今回の件で、声優に本気で恋をしている人間が、魔除けは自分たち『魔物』に当てはめられた言葉だと勝手に解釈して暴れていると言う意見が出た。
実のところ『ガチ恋』の人間が憤っていると言うことは無いと思っている。
そもそも、なんで怒っている人間が皆声優に恋をしていると言う発想になるのか?
最初に言った人間自身が所謂ガチ恋で、その価値観に勝手に当てはめたのではないか。
『魔除け』と言う言葉も強すぎる。ファンにしても周囲のスタッフに向けたものにしても、言い方が良くない。
それに、その後に先輩や今までの自分(とそれに付随する今までの自分を追いかけて来たファン)を否定する発言がある。
ファンはファンだ。並び立つことは出来ないけれど、その人に対してお金を払うかどうか判断する権利はある。
だから、こんな適当な発言をする人を信用できない、と出ても問題はない。
彼らは、許せなかったのだ。
そして、『許した』人間は『許せなかった』人間を糾弾しだした。
だって、誰だって怒りの沸点は違う。それなのに、自分は許したから許せなかった貴様らは悪だと断ずするのは間違っている。
もちろん、彼の態度も問題がある。
発端のツイートで、彼本人が『前者の意味合いが強い』と言っていたので、主として言いたかったのは周囲に対する反骨心だろう。
若造が何を言っているのだと筆者は思うが、若いうちはそれでいいとも思う。そもそもそこは重要ではない。
4/4、彼のアカウントのヘッダーが更新された。そこには指輪が大きくうつし出されていた。
騒動の原因をわざわざ強調するのは余りにも迂闊だ。
指輪に反応するような人間はいらないと言うメッセージだろうか?
彼は以前にも『本当のファン』なる発言を言ったこともある。ファンに本物も偽物もない。
そして、イベントなどでも態度の悪さが度々報告されている。
そう言った問題点が重なって、今回、許せない人が多く出たのだ。
■何が言いたいかと言うと。
糾弾した人間は、武内駿輔氏がどうしても許せなくてファンを降りたり物を申した人たちだ。
周囲の理解者を気取る人間が正義を振りかざして悪にしていい人たちじゃない。
少なくないお金と時間を使って追いかけたのに、それを裏切られる様な真似をしたのは確かなのだ。
寛容さは間違いなく善だ。武内駿輔氏を許したように、君たちが貶めた人間の事も認めて欲しい。
そして、その人たちが間違いではないと気が付いてほしい。