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海賊版サイトのブロッキング、総務省が政府決定前に通信3社に実施要請 | 日経 xTECH(クロステック)
この件は関係者の間ではわりと広く共有されていて、むしろ今ごろ記事が出て話題になってるのを驚いたぐらい。4/13の政府決定に先がけて4/11-12に各所から反対声明が相次いで出たのは、それまでの報道もあるんだけど、何より内閣府・総務省の動きを察知していたからこそである。
反対声明により審議官訪問時の「要請」から政府決定では「自主的取り組み」にトーンダウンさせることに成功したものの、こういう事前の背景があったために実質的には「要請」であることには変わりはなく、しかしながら文言の上では「自主的」であり逆に政府が責任を負わなくていい構図になってしまって、かえって面倒になったと認識している関係者も多い。
ところで、この件はこの記事が初出ではなく、前に読んだ記憶があるんだよなぁ、と調べてみたら、ちゃんとあった。お前らの大嫌いな山本一郎だった。何でこのおっさんが知ってるんだと雑談してたわそういえば。
違法サイト「漫画村」に関する集英社への公開質問状(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
しかしながら、本件ブロッキングに関する検討が知的財産戦略本部の方針として概ね定まったとされたあと、総務省の方針が急変し、NTTグループ、KDDI、ソフトバンクのMNO3社だけでなく、その他通信事業者に対しても18年4月11日付で本件ブロッキングの要請に関する事前照会が行われました。また、MNO3社トップに対して総務省総務審議官自ら説明し、それ以外の少なくとも4社に対しては消費者行政課が対応して、政府方針に対する理解を求めています。
日経の記事には審議官が3社を訪問して要請したとしか書いてないが、この質問状はそれ以外にも要請があったとしている。これも事実で、4社とは、biglobe、nifty、so-net、k-opticomのこと。総務省はこれらの会社の担当者を呼びつけて「要請」している。
この総務審議官を巡り、ブロッキングを行うための緊急避難を総務省が各事業者に対応を実施する何らかの座組みを、集英社および関係先で提示されたのでしょうか。
要するに、総務省退官後の天下りのポストを出版業界で用意したんじゃねーの、総務省がこれまでの方針を転換してブロッキング要請に動いたのは天下りの見返りなんじゃねーの、と質問してる。
こちらとしてはそこまでの情報は掴んでいないが、事実であれば由々しきことである。この質問状に回答されることはないであろうが、だからといって放置してよいものではない。マスコミによる追求が待たれる。
知的財産戦略本部;インターネット上の著作権侵害コンテンツ対策に関するワーキンググループ第7回(2010/05/18)実況ツイート
資料より抜粋>http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents_kyouka/dai7/siryou1.pdf
現状:侵害コンテンツへのリンクを集めたリーチサイトが著作権侵害を助長・拡大
世界中に分散する著作権侵害コンテンツへのリンクを集めたリーチサイトによって、アクセスが容易となり、著作権侵害を助長・拡大している。
○ これらの一定の行為については、著作権侵害に該当する場合があると考えられるが、直接の侵害者ではないこともあり、その範囲が明確でない。
世界中の様々なサーバーに掲載されている著作権侵害コンテンツへのアクセスを容易にするため、
それらへのリンクをまとめて掲載するリーチサイトが数多く存在し、著作権侵害コンテンツの閲覧を助長している。
リンクの態様は、深度によって大別できる。
例1:他の動画共有サイトに投稿されている動画ファイルにリンクを張り、当該サイトにおいて視聴できるようになっているケース。
例えば利用者が多く多様性の高いインターネットの掲示板が、その使われ方によっては、この『リーチサイト』として当局に認定される可能性もある。また、一種のコピペブログなども同様だろう。さらに言えば、検索条件を狭めて検索が可能な情報検索サイトも、ひょっとしたらリーチサイトとして、当局がその気になれば摘発可能かも知れない。なんだか曖昧だなあ。
最近のこの手の議論って、もう「手段がダメ」と言うより「意図がダメ」という主張で裁けるようにしてしまおうって話が多い気がするな。こわいこわい。
前に印税率が低いのか検証した人だけれども、こう思うのは俺だけなんだろうな。
浪費癖のある女王を何とかしなければ革命の発生を抑えることは難しい
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2007/11/post_504e.html今度は音楽か・・・。著作権者の側をレコード会社のような「既得権益」と「クリエイター」にわけて、「既得権益がクリエイターから搾取している!著作権改正よりもそちらをどうにかすべきだ!!!」という意見をよくみかける。この小倉弁護士のエントリーは「既得権益がクリエイターから搾取している!著作権改正よりもそちらをどうにかすべきだ!!!」とまではいっていないが、この亜種だろう。こういうものを聞くときちんと根拠を示してほしいと思うのは俺だけなんだろう。
レコード会社も放送事業者も、「流通」でしかないのです。王様を虐げて王様から富を搾り取り続けている「悪女」的な女王を改心させあるいは王家から排除していくことは、王制を前提とした改革としては基本的なものの一つです。
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2007/11/post_504e.htmlとかいってるけど、理論的根拠も統計的な根拠も提示されてない。こういうのなら例えば「日本のレコード会社は世界のレコード会社よりも利益率が高い」とか「日本のレコード会社の給与は世界のレコード会社の給与よりも高い」とかきちんと根拠を示してほしい。エイベックスあたりは上場してるんだし。ただ会計上の利益の場合従業員の給与は費用となるので、搾取という文脈では給与分を引かないで考えたほうがいいかもしれないし、利益率が高いといってもレコード会社が努力かもしれないから、統計的な根拠を提示するのは難しいかもしれない。それでも理論的根拠は提示できるだろう。経済学的にいえば、弁護士業のように独占がない限り搾取というか独占的利益は生じ得ない。生じても時間とともに解決されるというのが一般的だ。だから搾取が生じるのであれば、なんらかの原因があるはずだが、その理論的根拠にもまったく触れられていない。「クリエイターが搾取されている」といわれるが、その理論的根拠は今まで見たことがない。自分でもアニメータ以外が搾取される理由など思いつかない(放送はテレビ局が独占をしているので、アニメータは搾取されるかもしれない)。実際搾取されているのであれば人気の歌手や漫画家が豪華な生活をできるわけがないわけだし、前に検証したように書籍でいえば印税率だってアメリカと同じだ。クリエイターが搾取され、「既得権益」側が不当な利益を得ているというのなら、統計的な根拠か理論的な根拠を示してほしい。
こうした「既得権益がクリエイターから搾取している!著作権改正よりもそちらをどうにかすべきだ!!!」みたいな意見は、著作権を侵害を正当化したいがクリエイターは尊重したいという二律背反に陥った人が主張する意見なんだろうね。根拠はないけど。そういう二律背反に陥ってどうしようもなくなった結果主張されるので、まったく根拠が提示されない意見となると考えられる。根拠はないけど。しかも「悪である既得権益を批判するなんてなんてかっこいいんだ」と根拠ない自分の意見に自己陶酔に浸ってるんだろうな。まったく持ってキモすぎる。根拠なんてないけど。これで少しは根拠のない意見に対するいらだちがわかるだろう。
追記:
中間搾取者の排除
日本のコンテンツ産業に関していえば、クリエイターとエンドユーザーの間に様々な人々が入り込み、その結果、エンドユーザーがコンテンツの対価として支払った金額のごく一部しかクリエイターに届かないのが現状です。知的財産戦略本部におかれましては、どのような中間者が介在しているのかを分析した上で、それらの中間者の介在をなるべく少なくし、エンドユーザーが支払った対価がクリエイターに届くまでの間で失われてしまう割合をなるべく小さくするような方策を考えて頂ければ幸いです。
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2006/03/index.htmlしかし中間業者も市場に存在している以上存在意義がある。不要であるのなら小倉弁護士の主観では「暴利をむさぼる」エイベックスあたりが「暴利をむさぼる」ために切り捨てている。中間業者もなんらかの価値を生み出しているから、市場で生き残れるのですよ。弁護士はまだ競争がゆるいから実感がわかないかもしれないけどね。