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2016-08-09

シン・ゴジラ見てきたか面白くなさそうに語る」という記事が素晴らしい

http://web.archive.org/web/20160808224033/http://www.tm2501.com/entry/Shin-gozira

記事を読んだ。風刺記事としての完成度が非常に高い。虚構新聞はこの記事を見習うべきである

この記事は「エヴァだけ見て庵野を知ってるつもりになってるやつが、シンゴジラを見て庵野を初めて知ったやつに知ったかぶりを決めようとしたらこんな感じになる」というのを迫真リアリティをもって描いている。

この記事に書いている内容の的外れぶりは本当に「ダメオタクあるある」だ。ダメオタクだったらこういうこと書きそうとういのが余すところなく書かれている。

よくぞここまで特徴をとらえて創作をしているなと感じさせる素晴らしい出来である。  

ま る で 作 者 が 本 気 で そ う 思 っ て 書 い て い る ように見えるくらいだ。



この創作記事話し手庵野っぽいと言っている描写はだいたい庵野より前に元ネタがあるので、庵野本質関係ない。

庵野本質がなにかなんか知らんが、特徴があるとしたら特撮好きってのがまず先にあって、あとはそれを演出するためにいろんなオマージュで彩られてるところだろうと。

だったら、庵野について多少なりとも興味あるなら、庵野オマージュがどこから来てるのかを考えるはずである

そういうところ理解したうえで庵野本質とは、みたいなこと考えるならこちらも聞く耳持つ気になる。

ところが、この話者はその表面的な部分だけを見て、これが庵野本質だってのを語る。 

こ れ は 恥 ず か し い。 

フォント芸はエヴァからだ、なんてことを本気で書いちゃう。さすがに恥ずかしすぎる。

会議シーンに触れるのに「日本の一番長い日」についての言及がないなんてことはありえないしほんと映画についてなんも知らんって白状してるようなもんだ。痛い痛い痛い。

実際多くの人が他の作品について触れる際に岡本喜八郎作品に触れている。当たり前だよなぁ?

シンゴジラは私だって映画なんてろくに見てないけどわかるくらい「パロディ」に満ち溢れている。

それはエヴァとか庵野じゃなくて「日本映画」のパロディの集まりなのである

だが、この虚構話し手はそういうことを一切考えない。すべてエヴァから来てることにしてしまう。 

エヴァしか知らないのに俺は庵野のことをよく知っていると勘違いしているため、「シンゴジラエヴァの焼き直しである(キリッ)」などということを口にしてしまう。

アメリカエヴァネルフ元ネタ(キリッ)……うわあああああああ(ゴロゴロゴロゴロ) やめろ、いっそ殺せ!

映画はいろんなつながりがあり、そうした積み重ねで映画ができているなんてことは少し考えればわかることなのだが、この話者の脳内にはエヴァ以前には映画がなく、エヴァ以外には庵野作品がないかのようだ。

自分で見て知っていることがすべてであると考えるような頭の悪さがなければこういう思考にはならない。

こういう表現が随所に盛り込まれており、短い記事の中でも

話者が「すごい頭の悪いくせにオタクとして通ぶることで他人に褒めてもらうことくらいしか承認欲求を満たすことができないようなみじめな人間であることを想像させる。



さらにこの記事特筆すべき点はまだある。

似非オタクの悪い癖もふんだんに取り入れられていることだ。

上でも書いたようにシンゴジラはいろんなものパロディオマージュに満ち溢れているわけだが、

この虚構の話者は、ただパロディオマージュであるというだけで作品評価を減点しているのである

これは映画を楽しむ才能がない人間典型的な「オリジナリティ幻想」というやつである

こういうことを言い出す人間は、映画を楽しむことより、映画について詳しい自分というものを誇ることが第一目的なのだ

から、あのネタは前にも見た。すでに知っているか評価できない、などとのたまうのである

こういう人間は、一緒に映画を見に行くと絶対不快になるので、付き合ってくれる人がいなくなる。端的に言ってモテいであろう。

「通ぶりたいあまり他人不快にさせる上、その知識が雑魚すぎて役にも立たない、ただの迷惑オタク」のイメージをこの上なく具体的に描いている。




ここまで人間として魅力なさそうな話者のイメージ想像でもなかなか作り出せない。

この記事を書いた人は実に「存在価値が全くないどころかマイナスのつまらないだけのオタク」というものをよく理解しているといえよう。

いやほんと、もし自分大学生のころにこんなことを真顔で書いてたら、数年後に恥ずかしさで死にたくなるような記事だった。素晴らしい。

この記事によって、シン・ゴジラというのはこういう「つまらないオタク」でも一応見に行くほどのブームになっているのだなと初めて実感できた。 

まらないオタクがわざわざ見に行って文句をいう作品は名作であるというのは不変の法則であることを考えると、この記事は実はシン・ゴジラステマではないだろうか。

 
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