参加費の男女差が約10倍というエグさに申し訳無さを覚えつつ1000円でお釣りが来てしまう金額を支払う。
前日夜に更新された募集状況で察してはいたが、最終的に男6女4の小規模な会になった。
好きなアニメなどを記入する欄があるプロフィールシートを見せ合いながらぐるぐる席替えしつつ全員としゃべるシステムだった。
人当たりも良いしそこそこイケメンなのになぜこんなところに…という人から初手タメ口の部屋着か?みたいな服装のナメ腐ってるやつまで様々いたが、私は友人らにいつも愉快と評される自負もあるので全員とわりと楽しくしゃべった自信はあった。
最後にマッチング、気に入った相手の番号を書いて提出しもし両思いなら◯印がついて返ってくるというものがある。
この番号欄が第三希望まであるのだが、ここで思い出してほしい。
女の参加人数はたった4人である。3枠埋める男性陣も逆に大変だろう。
これでマッチングしたところで意味はあるのか…?と思いつつ、人当たりと顔の良いこんなところに8000円も払って来るべきじゃないイケメンくんを第一希望、あとはよく笑っていた人と今思い出そうとしても何も印象にない無難な人を書いた。
無難さんは残りがアレだったので消去法だ。6人から選ぶのでも消去法が発生するのに4人から選ぶ男性陣はもっと大変だろう。
そして返却された紙を見て我慢できずにちょっと笑ってしまった。
まじで1個も◯無かった。
3/4書かれるのに!?!?この全員に消去された1人が私ってワケ!?!?!?エッ!?!?ヤバいウケる
私が書いた3人がそうなのだから残り3人にも消去されている可能性が高い。
おそらく私と◯付け係の人しか知ることもないので世界でふたりだけが知っている街コン最下位確定の女が爆誕してしまった。
何があかんかったんじゃろ!?愉快が全面に出過ぎたか!?アロハか!?夏のイチオシカワイイ私服だからしゃーないじゃろがい!!!!でっけぇ花のアロハ、かわいいのよ…
公式二次会も参加希望者不足により中止となり、ヤベウケる〜のまま解散を迎えることとなった。ちなみにあとから知ることになるがおそらく全員誰とも連絡先交換をしていない。なんの実りもない会である。
それでは準備ができた方からお帰りください〜のアナウンスとともに隣のテーブルは秒で帰っていった。あっけなさすぎウケる。
さて帰るか、と立ち上がったところで動いたのはイケメンくんだった。
「公式の中止になったけどせっかくだし二次会やりませんか?」と残った面々に声をかけたのである。ますますなんでこんなところに8000円も払って来たのだろうか。もっと良い場があるよきっと。
そしてさすがいまいち盛り上がりに欠けた会、みんなどうする…?と互いの出方を伺っている空気でグダグダの予感がすごい。
お前らこの…ッ!なんの実りもない会をちょっでもどうにかしようとしたイケメンに敬意を払え…ッ!!
この場で私が(少なくともこのイケメンくんには)一番求められていない最下位ということだけは確定しているのだが、このグダグダが続くよりは絶対マシだと思ったので元気よく「行きま〜す!」した。誰か行くって言ったら流れでみんな行くでしょう。テーブルが違う女性陣とは一言も話せていないしそことも交流してみたい。さぁ乗ってこい!
「この後用事があるので…」
「帰ります〜…」
いっそ面白くなってきた。意地でも二次会を開催してやろう。ほかの女性陣が全員帰宅してもイケメンくんはまだ残りの男性陣に声をかけていたのでとりあえず最下位のアロハ女しかいなくても嫌ではないようである。ノリと勢いと愉快で生きてきたのでここから巻き返して楽しむ自信もある。
そして最終的に生き残ったのがタメ口部屋着マンと人間とのおしゃべり1年生のような最年少くんである。
おもしれーじゃん。楽しんでやるよ。
二次会カラオケ、地獄のオタサーのアロハ女になってやるからな。
あわよくばイケメンくんと仲良くなっておこう。30分しゃべっただけの人よりはそのあと3時間カラオケを楽しんだ人のほうがまぁなんか、いい感じに思い出になるでしょう。
どういうことだ。
タメ口マンと私が同い年、間にイケメンくんを挟み最年少くんは6個下、となると知ってる曲が結構ズレるのでなんだかんだあれ知ってる、これ聴いてた、と盛り上がったのは私とタメ口マンである。好きなバンドも被ってたりしたので案外仲良くなれるのかもしれないがタメ口マンは店員にもタメ口だったのでやはり人生をナメ腐っていた。
が。
カラオケを出て駅までの帰り道、イケメンくんとタメ口マンがすっかり意気投合してしまっていた。ふたりでやたら楽しそうにしゃべっている。三次会の話までしている。飲み屋街に繰り出す話をしている。
最年少くんとうしろを歩きながらふたりで「なんでそこがマッチングしてんの!?」「付き合ってる距離感じゃないですか?」(タメ口マンにアルコールが入っているため物理的にやたら距離が近い)と野次を飛ばすもそれすら気づかず二人の世界である。
そして我々の目指す駅の少し手前で最年少くんは別の路線のため離脱することになった。私をこのふたりのもとに置いて行かないでくれ。
でもコミュニケーション1年生の最年少くん、ここまで一番口数も少なかったのに、最後の最後で「連絡先交換しませんか?」とここまで(街コン本編から)誰一人言い出さなかったことを言った。実は一番しっかりとこの会を実りあるものにしたのは彼だったのだ。
まぁ二次会は普通に楽しかったし誰も渋ることなく交換をし、でもきっとこのあとも連絡を取るようになるのはイケメンくんとタメ口マン間だけなんだろうな…と思いながら、一応3人分の連絡先という戦果は得て帰路についた街コン最下位エンジョイアロハ女なのだった。
ご清聴ありがとうございました。
楽しそうで良かった。まあどうせ年齢なんだろうな。
面白かった 良い話だし文章もうまい
イケメンは多分人数不足で開催側から出されたサクラちゃうかなあ だから増田だけでなく他の人にも丸は一個もつけてない 女の子は皆イケメンにしか丸つけなかったとして 連絡先交換...
こういう女を捨ててる奴は当然ながらモテない。 ハナから勝負を捨ててたら勝負に負けて当然。