中国原作のソシャゲをやっていて、そこそこお金も突っ込んでいる。
そんなソシャゲで、担当声優が靖国参拝したことを理由に大陸版でボイス全削除と言う騒動が起きた。そしてまた別の声優が2020年に靖国に遊びに行っていた写真をSNSにアップしていたことが発掘されて騒動の種がまた巻かれた形となった。
個人的には保守的な志向である。靖国を参拝するのも、そこに祀られている先祖に手を合わすのも日本人に当然認められるべき権利だと考えている。
一方で靖国参拝で燃え上がる中国の気持ちも分からないでもない。例えば、原爆投下や大都市への大空襲を「早期終戦の為の正義の行為だった」と言われればカチンと来る。
「太平洋戦争はアジア解放のための正義の戦争だった」と言われれば、「原爆投下が正義だった」と言われれば自分がカチンと来るように、中国人にとってはカチンと来るのは容易に想像できる。その観点からは、炎上するのも、声優降板騒ぎとなるのも仕方ないとは思う。
しかし中国人の視点に立ってセンシティブな問題に安易に触れられたくないと言うのも理解できる。
勿論、靖国参拝については、譲歩に譲歩を重ねてきた歴代政治家と、それを良いことに歴史問題カード化して来た中国側と言う構図がある以上、もっと複雑で、それは自分のような低学歴に扱える問題ではないことは分かっている。
例えば、国産のソシャゲで、主題歌を原爆投下を揶揄したTシャツを着たことで日本の保守層から突き上げを食らった韓国のグループが担当したらどうだろうか。
当然ある程度以上の層の離反を受けて売上にも影響が出るだろう。
該当のゲームは中国での売上が、日本国内での売上の倍以上にも達する。売上規模を見ても企業としてどちらを重視すべきかは言うまでもない。歴史問題と言う敏感な問題に拡大しなくても、ボイス削除と言う判断が極めて現実的な利益追求にも繋がることも理解できる。
中国人の心情も、企業の当たり前のリスク管理としても、事情は理解はできる。
しかし感情としては、靖国参拝は日本人の信仰の問題で、歴史問題として外圧として利用される筋合いはないと思う。
一応、両方の顔を立てる手段がない訳ではない。ある中国原作のゲームでは、原爆に関連したキャラクターが、日本版ではぼかされ、関連するゲーム内グッズも削除されている。開発は違えど、日本版の運営は同じ会社だ。同じような対応は可能だろう。
日本人が過度な自虐史観から抜けてきたこと、現在の中国の脅威に対する反応として、保守的で強い日本の幻想にすがる人間は増えてくると思う。今後も同じような問題は次々と起こると思う。
あるいは時間をかけていけば、馴染んでいく問題かも知れないが、何十年もかけて両国の政治家がこじらせてきた問題だけに、解決もまた何十年も掛かることだろう。少なくとももう中年を超えた自分が生きている間には、きれいな解決は望めない。
考えれば考える程憂鬱になる。しかし思考を停止してどちらか一方だけの主張だけを聞けばいい問題ではない。だから考え続けている。
あるいは、もっと聡明な人間であれば、双方の感情と事情を鑑みて、きれいな落とし所を提案できるのだろうか。自分にはできないがあるいは誰かなら。