2020-07-09

LINEノベル終了告知に寄せて

 7月8日推している作家生存確認オンラインゲームの告知を見る程度にしか使っていなかったツイッタータイムラインに一件のリツイートが流れてきた。

 「LINEノベル」終了の告知である

 その告知を見たとき、私は「やはりな」という感想ちょっとした残念さを同時に感じていた。

 なぜ「やはりな」なのか、それはサービス開始前から半分くらいの確率コケ確信があり、サービス開始後にそれが8割に達したからだ。

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 まず、サービス開始前から感じていたことだが、LINE使用者層とLINEノベルがメインターゲットとする層のちぐはぐさ、これが一番大きなものであったように思える。

 LINEを主に使う――のはあまりにも広い層だ、抜粋は諦めよう。その中で特に頻繁に使うのは?おそらくは中学生大学生であろう。

 一方LINEノベルターゲットは正直言ってとっちらかっている。

 後述する残り3割の理由もあり、私はLINEノベルを開けないのでソース公式ツイッター、並びに実際にLINEノベル上で連載を持っていた作家発言程度しかないのだが、それでも商業を全面に押し出している割に内容が闇鍋すぎた。

 比較最近ベストセラー女性向け小説、そして大量のライトノベル

 公式ツイッターはこれらを無分別に告知し、公式サイトにはどんな小説を閲覧できるかすら載っていない。

 なにが入っているのか不明瞭かつ、事前情報という明かりすらない。

 まさに闇鍋だ。

 最低でもオリジナル連載の試し読みは公式サイトに置くべきであるし、告知ツイッター女性向け、一般向け、ライトノベルくらいには分けるべきである

 ここまでが(最近情報も混じってはいるが)サービス以前から分かっていたこである

 では、残りの3割にして止めを刺した要因について話そう。

 先程は触れなかったがLINEノベル小説投稿サイトでもある。

 まずは落ち着いて「小説家になろう https://syosetu.com/」のトップページを開いてほしい。

 告知を載せつつ連載作品ランキング掲載されているだろう。

 次に「カクヨム https://kakuyomu.jp/」のトップページを開いてもらいたい。

 小説家になろうと似た雰囲気トップページが出るだろう。

 最後に「google:LINEノベル」のトップページを――はてどこだろうか?

 検索してもそれらしいもの存在せず、公式サイトぐらいしか目につかない。

 先程も触れたが公式サイトにはどんな小説が閲覧できるか載っていない、消費者に向けて言っているのは「読みたかったらアプリ入れてね!」くらいである。

 そう、情報不透明な状況下でのアプリインストール要求(実は今年の4月に共有機能が追加されWEBブラウザでも読めるようになったらしいが共有元が必要な様子なので論外)。これがWeb小説を読むまでにほとんど存在していなかったハードルを非常に高くしてしまった。

 Web小説というのは、個人サイト時代から連綿と続く匿名に近い個人が書く、不特定多数制限なく読む小説である

 商業サイト掲載の場を移してからもその形式が変わることはなく、サイト会員が小説を載せ、それを不特定多数デフォルトWebブラウザで会員登録などせずとも際限なく読んでいる。

 今も昔もWebブラウザ一つで閲覧し、小説を書く。最低でもWebブラウザのみで完結するというのが小説投稿サイトの強みである

 では、LINEノベルはどうか?

 作者側に会員登録を求めるのは「書いたのはわたし」の証明必須であろう。

 ならば、読者側にアプリインストールを求めるのは?「めんどくさい」や「容量制限」などなどの様々な問題が顔を出すだろう。

 更に言ってしまえば小説家になろうやカクヨムスマートフォンブラウザ上でお手軽に読める物という概念が染み付いている事も敗因の一つだ。

 商業小説掲載している以上アプリインストールを条件にするのは致し方ないことだろう。

 投稿作品公式連載作品Webブラウザでも自由に見られるようにすることは技術的に可能なはずだ。

 だが、それはなかった。

 そこにあったのは、先人のいいところを投げ捨てた投稿サイトであった。

 そして、美味しいものが入っていると言われても味がわからず、中身が見えない、誰が何を突っ込んだのかわからない暗闇の鍋に箸を入れる者は減っていった。

 これがLINEノベルが失敗に終わった理由であると私は考えている。

 

・おまけ:比較されそうなカクヨムについて

 カクヨム小説家になろうの流れを汲み、KADOKAWAが興した小説投稿サイトである

 自社の小説や人気作品の番外編、公式連載などもあり、結構商業的な面がある。(儲かると思ってやっているのだから当然である

 利用料金は(執筆時点で)完全無料アプリ版もあるが機能的にはちょっと便利レベルであり、スマートフォンでもブラウザ上で閲覧と執筆が完結できる。

 要するに上位互換

 

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