これはある。もう消されてしまったが事件直後まで生存していた以下の記事(アウトランダーPHEVのタイアップ記事)でも、「コメンテーターとして気をつけていること」を聞かれ、「一般人の代表者としてなるべく中立的な立場からためになるコメントすること」を心がけており、そのために「具体的な数字を出すこと」は大事だと言っている。
時間を我が物にする/東洋経済オンライン(削除済み)
コメンテーターを担当するにあたって彼はそれなりにその分野の知識を調べようとしてきたのだろう。入門書やネット記事を探して読むくらいのことはやってたはずだ。
といっても「概説」以上の域を出ていたとは言いがたい。
具体的な数字(だいたいはパーセンテージ)や専門的な単語(だいたいは横文字)だけを拾い、一般論的な文章の単語と矢継ぎ早に置き換えていくことで、「それっぽい」雰囲気を出していたにすぎない。
一部のラジオリスナーからは「話が明晰」「わかりやすい」などといった擁護意見が出ていたが、元となる文章が平易なのだからあたりまえだ。
それをあの低音ボイスで述べるものだから、なんとなく説得的でプロっぽく聞こえていただけだ。
気位の高いラジオリスナー、特に政治経済チャンネルを聞いている奴らほどチョロい人種はいない。俺もセッション22で紹介された本はだいたい買ってる。
反面、彼の「聞く技術」はラジオパーソナリティとしては基本に忠実かつ理想的だ。
彼は担当している番組上、学者などの専門家的な人々とトークする機会が多い。
MCとゲストの専門家なら、MCは「生徒役」として聞き手に回る。あたりまえの話なように思えるかもしれないがショーンKはこれが徹底できている。徹底せざるを得ない、と言ってもいいかもしれない。
ラジオパーソナリティというのはその人物がインテリであればあるほど、大なり小なり「自分を」喋りたがる。
ゲストが筋道だててきっちり話しているのに、余計な単語を拾ってそこから脇道へそれてしまうテレビのバラエティショー的な愚を犯すMCも多い。
そうでなくても、たとえば荻上チキりんなどは普段はそういう欲求をおさえて話に耳を傾けるタイプなのだが、ゲストはポリティカル・コレクトネスやファクトに反した発言したさいは絶対に看過しない。
彼はゲストだけでなく、オーディエンスに対してより誠実であろうとしているのだろう。
MCは難しい。相槌ひとつうつのでも、頭が良すぎたら「ああ、言いたいことを我慢してるんだな」と、ちゃらんぽらんすぎたら「ああ、話に興味ない/理解してないんだな」ということをゲストにも視聴者にも悟られてしまう。
ショーンKは見事にその間を取る。
相槌を打つべきときはそれに徹し、何かリアクションを求められたり話が途切れたりしたときは即席で憶えた単語をパッチワークし、「それっぽい」コメントでつなげることはできる。
ゲストというのは自分の言いたいことを言うことにしか興味ない素人だ。なので、「それっぽい」コメントの内容が多少薄かったりおかしかったりしても、あまりに気にしない。かといって、相手にあんまりにポケーッとされるのも不快に感じる。適度に理解しつつ、俺の話の邪魔はしないでほしい。わがままな人種なのだ。大学教授なんかに多いタイプだ。
ショーンKはその手の人らの話を聞く技術に長けている。男向けホストの技術と呼んでもいいかもしれない。
相槌をうつタイミングと聞く態度と低音ヴォイスと理解度三十パーセントくらいのリアクション。
ベテランのラジオパーソナリティにしか身につかない呼吸を、ベテランのラジオパーソナリティゆえに修得している。
しかし、「気持よく他人に話をしてあげさせる」プロとしては超一流だ。
これは日本社会において、なかなかに有用な専門技術であるように思われる。
願わくば、彼に復帰の機会があたえられんことを。
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ショーン・マクアードル川上 ラストコメント書き起こし 具体的数字を積極的に出すことで説得力を増そうとしているように思える。 これはある。もう消されてしまったが事件...
技術者の多いはてなーが嫌いそうなコミュ能力だけで渡ってきたタイプみたいだから復帰の賛同を得ることは難しいだろう。
中身がないくせにうまく立ち回っていい思いをしている、というイメージが一度つくと、 日本人というのはその時点でプラス面無視して絶対的にそいつ嫌う傾向があるからね。 主語でか...
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