たぶん「代わりがいない」でFAなんだよな。
ここ数年思ってたことをSMAP騒動にかこつけて吐き出すと、お茶の間や学生の人が思ってるよりも、日本は遥かに狭くてプレイヤーが少ない国だよ。
もちろん日本の全人口はすごい多いけれど、ある特定の業種や機材に焦点を当てて考えると、みんなが思ってるよりずっと狭い。競争原理なんて働かないほど狭い事は往々にしてあるよ。
「ちょっとイケメンでTVに出たい程度の青少年なんてそこらにいくらでもいるだろ」って書き込みがあった。事実そういう人はたくさんいるかもしれない。でも「ちょっと顔が良くて踊れる程度の何者でもない青少年を百人単位で雇用するベンチャー企業(=芸能事務所)を立ち上げたい経営者」って日本に何人いるかな? その野望だけじゃなくて、資金調達能力や調整能力まで含めたら、1人もいなくても不思議じゃないよ。
ジャニーズは外部から見る限りであっても結構大規模なエコシステムで、研修生を売れ筋アイドルのバックダンサーで踊らせることによって場数と知名度と小銭を稼がせながら、将来の収穫対象に育成するとかまでやってるわけだよね。つまり、規模がメリットになっている。そういう先行事業者がいる畑で、いまから後追いで後釜を狙うには、すさまじい初期投資と営業能力が必要だよ。そしておそらく運も。
地方自治体の箱物関係の予算開示にまつわるものもそう。「なんでこの建設業者に毎回発注してるの?」「高くない?」「競争原理はたらいてないの?」。そんなの働いてない。日本全国に建設会社なんてそれこそくさるほどあるけれど、建設会社にはそれぞれ得意なジャンルがあって、どの建設会社でも何でも作れるわけじゃない。過去の実績とかある。そのうえ、地方自治体だと、地元の起業に発注したい(経済活性化を考えて)。そういう幾つかのフィルターをかけると、もう、選択肢が事実上ひとつふたつしかないって状況は、ままあるんだよ。全国区のマスコミで放映されると、そこが抜け落ちてしまう。こういう状況に「地元企業との癒着だ」って叩くのはOKなんだけど、だとするならば「他の地域の企業への利益供与だ」は叩くべきじゃない。そのふたつはダブスタだよね。
工作機械なんかの場合もっと極端で、ある特定の目的のニッチな機材を扱う会社は、日本どころか、世界でも数社しかないなんてざらにある。
いわゆるお茶の間的なみんなが思ってるよりも、(ある視点、要求を元に眺めた場合の)世界はすごく狭い。参加者も少ない。
はてなではよく「起業するなんて一般人には無謀」みたいなコメントが有って、それ自体は正論なんだけど、でもそういう自縛型の文化なんだから、社会の新陳代謝は遅くて当然なんだよ。失敗した人を責める社会なのだから、過去の成功者(まさにジャニーズだ)が、邪悪な院制で弾圧しても、それは甘受しなきゃ。新しい挑戦者を用意できないんだから、過去の王者が独裁をするよね。