2015-01-15

まだ間に合う!大画面の映画館ベイマックスを観よう!

ベイマックス」の原題Big Hero 6で、日本の感動主導のPRには問題がある!という意見を見る。

しかし、マーベルコミックスに馴染みのないナイーブ日本人には限界PR方法なのだ

ディズニーの施したローカライズは実に巧妙で、とても良く考えられている。

マーベルコミックの典型例を知らない日本人

大量の批判があるのを承知のうえであえて単純に言えば、マーベルヒーローは近親者の死がヒーローを生む構造が多い。

その為、Big Hero 6というヒーローモノを観に行って近親者が死んでも、米国ではそういうものとして受け止められる。

が、日本人場合どうだろうか。

スーパー戦隊シリーズ好きやプリキュア好きの親子で観に行こう!とヒーローを全面に押し出して、

映画館に親子でやってきて、仲の良い兄弟アニキがハッキリと死ぬシーンを描かれて、後半ついていけるだろうか。

未だに、鳥人戦隊ジェットマンの衝撃が語られるように、基本的日本では人の死はとてもナイーブに受け止められる。

……まあ、世界に冠たるディズニーが、となりのトトロを観に来た母娘が火垂るの墓を観て茫然自失となったエピソードを知らないはずも無かろう。

スーパー戦隊シリーズ好き&プリキュア好きにオススメ

CMで繰り返し流れるのは、兄タダシの葬儀のシーンだ。

映画全体として、兄タダシの死を乗り越え成長する弟ヒロの姿が描かれているので、

CMを観て感動モノかなと思って観に行った人は十分満足して帰宅できるレベルにある。

が、それだけでは無い。

主人公である14歳天才少年ヒロは、兄タダシの友人達と共に、兄の死に関係がある犯人を捕まえようとヒーローバージョンアップする。

勢いのあるカーチェイス、迫力のある戦闘シーン、そして過激な女性可憐女性も、それぞれの長所を活かして活躍する。

から戦隊好きは勿論、プリキュアが好きな女の子にもオススメできる映画なので映画館に行こう!

親御さんにもオススメ

軽くネタバレすると、ヒロとタダシという兄弟の両親は、ヒロが3歳の時に亡くなっている。

今は、キャスおばさん(叔母か伯母かは不明)に引き取られて生活している。

当然、兄のタダシが死んでしまって、弟のヒロは、ショックを受ける。

劇中、キャスおばさんは、ヒロの前では一度も悲しい顔を見せない。

他の人物もそうだ。

ヒロという少年心配し、支え、励まし、共に行動する。

ベイマックスというロボットだけではない。

人のつながりがそこには間違いなくある。

から、親御さんも映画館に行こう!

ロボット工学者にもオススメ

アナと雪の女王で有名になったが、ディズニーは単純な和訳を行って吹き替え版を作成したりしない。

そこで行われているのは、積極的ローカライズだ。

劇中に出てくるパーソナル・ヘルスケアコンパニオンであるベイマックスというロボットは、

米国版では、「I cannot deactivate until you say, You are satisfied with your care.」と言う。

日本版では、「『もう大丈夫だよ』と言ってくれないと離れられません」と言う。

他にも細かいセリフニュアンスが違っているが日本版は「タダシの死を乗り越える」部分に焦点が当てられている。

「I'm satisfied with my care.」というセリフ

「もう大丈夫だよ」というセリフとの違いが、

ロボット工学者が見るべきポイントになる。

その為、ロボット工学者についてのみ、字幕版での鑑賞をオススメする。

ベイマックスは、「I cannot be sick. I am a robot.」という様に、徹頭徹尾ロボットとして描かれる。

ロボット自分のことを人間だと考えたり、自らの存在意義に悩んだりはしない。

ベイマックスは、最初から最期まで、ヒロのパーソナル・ヘルスケアコンパニオンとしての使命を全うしようとする。

ロボットロボットとして描き、人間とは異なる存在として描きながらも尚、人間との触れ合いを描く。

心の痛みへの対処法すら学んでみせたロボットの「Your health is my only concern.」というセリフ

「Are you satisfied with your care?」と言うセリフには、限りないロボットへの愛情が込められている。

治療法の詰まったディスケットにTadashi Hamadaと書かれている事の意味を、重く受け止められるだろう。

自分研究室をWelcome to the nerd lab.と言えるロボット工学者は、映画館に行こう!

まとめ

全方位隙無く万人にオススメできる映画ベイマックスは、是非映画館で観よう!

字幕版を観た人は吹き替え版を、吹き替え版を観た人は字幕版も観に行こう!

一応お伝えしておくと、現在ペットロスで療養中の人にはオススメできない。

人間食べ物をを犬に食べさせるのが良くないというのは置いといて)

同時上映される短編映画がまたペットへの愛にあふれてるんだコレが。

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