「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」を含む日記 RSS

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2020-12-19

「月54万必要」を解説する

はじめに

昨日発表された、東京の子育て世代普通生活を送るのにいくら必要になるのか?について、

メディアのやや雑な取り上げ方や分かりにくい記載によって様々な誤解が生まれていたため、元のPDFで書かれている内容を所感も交えながら解説する

元のPDFhttp://www.chihyo.jp/oshirase/data/shiryo-kisya.pdf

 

資料における調査手法

生活必要な費目を積み上げることによって最低生計費を算出している(マーケットバスケット方式

費目の洗い出しと費目あたりの価格は以下の調査による

なお、生活実態調査と持物に関する調査についてはアンケートベースの部分もある

 

世帯モデル

居住地域は練馬区八王子市職場大学新宿

 

普通生活」の定義

明確な記載はないが、アンケート会議によって「健康で文化的な最低限度の生活」を決めている

住居費は「最低最低居住積水準」、食費は必要栄養を満たす最低限にするなど、かなり慎ましい生活を想定されているように見受けられる

 

最低生計費の費目

 

月々の支出計算されているので、よく言われる「手取りで月54万」は間違い

また、税金保険料の算出前提となる夫の賃金は以下で想定されているため、不足分は妻や子の収入、あるいは手当や奨学金で賄う想定と見受けられる

  • 30代夫:月収35万、一時金105万、年収525万
  • 40代夫:月収44万、一時金139万、年収667万
  • 50代夫:月収49万、一時金161万、年収749万

 

以降は各費目について記載する

食費

世帯モデル対応する年齢層と性別ごとの必要栄養から食品群別の必要量を試算し

家計調査2018に基づく食品の消費単価を掛けることで食料費を算出している

外食も別途考慮されている。夫は月に10コンビニ弁当子供給食学食を利用、月に1〜2回の飲み会ママ友ランチなど

余談だが、飲み会枝豆刺身盛り合わせ、鶏から揚げ、おでんビール3杯だったり、ママ友ランチは毎回ハンバーグステーキセットだったり、なかなかの侘しさである

上述の会議でも盛り上がったんじゃなかろうか

 

住居費

国土交通省の「住生活基本計画(全国計画)」による「最低居住積水準」に基づいて面積を決定している

  • 2人以上の世帯10㎡ + 10㎡ × 世帯人数
    • 世帯人数は3歳未満は0.25人、3歳以上6歳未満は0.5人、6歳以上10歳未満は0.75人とされる

以上から、30代世帯は42.5㎡、40代世帯は47.5㎡、50代世帯は50㎡とされている

家賃インターネットサイトで築34年以下の物件調査し、下から3割を目安としている

築34年としたのは耐震基準1981年に導入されたことを考慮しているとのこと

 

光熱・水道

総務省平成26(2014)年全国消費実態調査」と「東京消費者物価指数」を元に算定

 

家具家事用品費、被服・履物費など

品目別に、月価格 = 価格 × 消費量 ÷ 使用年数 ÷ 12計算する

品目は、持物調査に基づいて、原則7割以上の保有のものを「最低限必要な必需品」と定義して、費目ごとに積み上げて算定

価格は、持物調査における主な購入先である大手スーパー量販店」で実施。売られてなければネット通販等も調査

礼服背広などは「人前に出て恥をかかないように」最多・標準価格採用し、その他は最低価格を用いて試算されている

消費量は、原則として少ない方から数えて合計3割の人が保有する数を基準としている

使用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」や「クリーニング事故賠償基準」の平均使用年数ベースとする

 

保険医療

生活実態調査アンケート)に基づく平均額としている。また、体重計や救急箱などの「保険医療用品」はこちらに加算している

 

交通通信

持物調査では自家用車の所有率は10割超であったが、アンケートでは生活の必需品との回答が5割未満のため、公共交通機関によって通勤・通学としている

幼稚園から高校までは徒歩もしくは自転車

通勤・通学先は新宿として、定期代を算出している

レジャーにおける交通費は後述の教養娯楽サービスに含まれている

通信費は総務省平成26(2014)年全国消費実態調査」と「東京消費者物価指数」を考慮して算定

 

教育

文部科学省平成30(2018)年度子供学習調査」に基づいて、原則として支出率が7割以上の費目を算定

一応さらに費目は細分化されているが、細かい内訳が不明のため概算とのこと

大学については日本学生支援機構平成30年度学生生活調査」、文部科学省平成30年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金について」に基づき算定

 

教養娯楽費

教育娯楽耐久財、教養娯楽用品、供養用娯楽サービスNHK受信料インターネット接続料を計上

日帰り行楽は教養娯楽サービスに含まれるが、生活実態調査会議でざっくり出している

 

その他支出

美容、傘などの身の回り品、冠婚葬祭などの交際費、こづかいを計上

結婚式葬式法事は年に1回、お中元お歳暮は送らない。誕生日クリスマス費用会議で決定。盛り上がりそう

忘・新年会歓送迎会は食費と別で年4回として計上されている

小遣いは夫婦月6000円、大学生月6000円、高校生月5000円、中学生月2500円、小学生1000円、幼稚園児月500円

この辺の費目はやや適当さを感じるので、「こんなのもあるよね」的な話をうまいことまとめたのだろう

 

非消費支出

夫の賃金は上述のとおりの想定で、夫以外の家族構成員扶養家族として計算されている

社会保険料年金保険料 + 健康保険料 + 雇用保険

税額:所得税 + 住民税

 

予備費

謎に「個々人の多様性考慮したもの」として消費支出の1割を計上されている

エネルギー消費量身長体重によって違うし、心身の健康状態障害の有無による違いもあるためとのこと

まぁ色々意見が出たんだろう

 

まとめ

以上、ざっとではあるが資料の内容を解説した

所感として、食費や住居費は最低限のもの、物品も保有率7割以上のもので算出しているなど、かなり慎ましい生活を想定しているように見受けられた

予備費で若干割増されているような気がしたり、本当に倹約するなら家電などの所持品は耐用年数を超えて使用したりする気はしないでもないが、

内容としてはそれなりに妥当なのではないだろうか

詳細はぜひ原文をあたっていただきたい

 
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