2020-06-03

anond:20200603121730

元増田さんの投稿に対して、いくつか感じるところがありましたので、少しお話します。

一つ目は外集団同質性バイアスです。外集団同質性バイアスとは読んで字の通り、自分の属していない集団について一枚岩であると考えやすバイアスのことです(一方、自分の属する集団多様性は高いと考えやすい)。

ルッキズムエイジズムに反対だといいながら「推しの~(略)~ばかりに断罪するのに。

男が巨乳女性に「おっぱい!」っていうのは許せないのであれば、自分らも男の筋肉を見て「雄っぱい!」って盛り上がるべきではない。

集団同質性バイアスが働く場合、オタフェミAが『ルッキズムエイジズムに反対だと』言い、オタフェミBが『「推しの顔がいい」と言』ったのを聞いて、オタクフェミは『ルッキズムエイジズムに反対だといいながら、「推しの顔がいい」とか言う』と認識してしまうことがあります

また、仮に同一人物が言っていたとして、"オタクフェミ"にカテゴライズされる個人発言を、"オタクフェミ"共通意見である認識することもまた外集団同質性バイアスと言えます

真に"オタクフェミ"集団共通見解および言動ジャッジしたいならば、そのような発言がこの集団でどれだけ一般的なのかということを示さなければなりません。

二つ目ポイントは、ダブスタ判定が微妙に甘いことです。

重要なのはルッキズム等に関する認識が、元増田さんとオタクフェミ側で異なっている可能性があることです。そうなると、元増田さんがダブスタ判断したことが、オタクフェミ側には何ら問題に見えない(またはその逆)という事態になります

例えば、『ルッキズムエイジズムに反対』することと『「推しの顔がいい」とか言う』ことが矛盾するのは自明ではありません。

フィクション登場人物容姿批評することと、現実人間にそうすることの間には隔たりがありますフィクションフィクション現実現実、と分けるのはオタク的に珍しくない行動であろうと思われます

もちろん、アンチポルノフェミニストのように『フィクションキャラクターに対する態度であっても、それはいずれ現実人間に牙をむくのだ』とする考えもありますので、私の見解絶対というわけではありません。

他の例も同様です。

国連平和維持軍が現地民に対して(強制)売春従事させる」ことや「性産業従事者が低賃金かつ劣悪な環境で働かされている」ことを性的搾取として認識している人が、『2.5次元舞台のお風呂シーンで札束乱舞させて盛り上が』っても特におかしいことはありません。

まあ性的搾取という言葉は近年(と言ってもここ30年ほど)カジュアルに使われ続けた結果、意味拡散してしまい、正確な用法はもはやわからないので、どうにか頑張ってください。

あと、能力というか知識問題もあります女性(男性)が女性(男性)の描かれ方に文句をつける方が、楽です。洋画での日本人描写が変だと指摘できる日本人は多いでしょうがネイティブアメリカンの描かれ方も同程度の精度で指摘できるかといえば、難しいと言わざるを得ません。

三つ目、"オタクフェミ"というのが何を指すのかが曖昧に過ぎます

最初オタクかつフェミニストな人を指すのかと思いましたが、特に注釈もなく女性限定しているようですし、どうやら違うみたいです。男のフェミニストもいます。私は男でオタクフェミニストです。

※ ただし男はフェミニストになれないという信念を持つフェミニストも存在します。そういう人に配慮してプロ(親)フェミニストと名乗る男性もいます

後半では女オタクオタクフェミともとれるような記述もあり混乱します。もちろん女がみんなフェミニストということはありません。アンチフェミニストの女性も多くいます

"オタクフェミ"は元増田さんの投稿主題なのですから、その定義なり、少なくともどのような集団であるのか最初に述べておいた方がよろしいのではないでしょうか。

なお、"オタクフェミ"の定義を『ルッキズムエイジズムに反対だといいながら「推しの~(略)~ばかりに断罪する』人達であり、『男が巨乳女性に「おっぱい!」っていうのは許せ』ず、かつ『男の筋肉を見て「雄っぱい!」って盛り上がる』人達のこととするならば、何も問題はありません。ただしその場合元増田さんの言説がほぼトートロジーに終わってしまうのですが。


最後に、"ある有名なオタクフェミ"とはアルテイシア氏のことであろうと思われますが、元増田さんの解釈が全く理解できませんでした。

スウェーデン容姿差別がない、すばらしい」みたいなことを述べた後に、美童とフェルゼンがうんたらかんたら書いてて強烈に違和感あった。男オタクが生身の女性フィクション登場人物混同して述べることには厳しいのに、女オタクは平気でそういうことをする。リアルスウェーデン人はそういう社会でどう生きてるのかというとこに目をそらして、日本人女性空想産物としてのスウェーデン男性キャラ押し付けてるって自覚ないんだろうか。

アルテイシア氏の記事の当該箇所は

母親を殺した犯人はお前だ!』に書いたが、スウェーデンでは保育園から子ども達に「性別民族宗教セクシャリティ障害に関わらず、人間には全員同じ価値がある」と教えるそうだ。

ルッキズム容姿差別)についても教えるため「人を見た目でジャッジしない」が子どもでも知ってるモラルの基本で「人の容姿について何か思ったとしても、口に出すのはマナー違反」が常識だという。

そうやって保育園から徹底的に人権教育するのは、真っ白な状態の時に教えておかないと、世間メディアに間違った価値観を刷り込まれしまうから

という話を聞いて「スウェーデンに生まれてフェルゼンと美童が出てくる夢小説を書きたい人生だった」と俺は思った。

(ナイナイ岡村やおじさん芸人JJが伝えたいこと https://www.gentosha.jp/article/15589/ より抜粋)

前半部を『「スウェーデン容姿差別がない、すばらしい」』と読み取るのは少し難しいと思いますが、まあ置いておきましょう。

後半(最終行)に対する元増田さんのコメントが本当に謎です。

素直に解釈すると、"フェルゼンと美童(フィクション登場人物)を生身の男性混同している"、"フェルゼンと美童のキャラ性をリアルスウェーデン人に押し付けている"、と読み取れます

どっちやねんでございます

詳しく解説が欲しいでございます

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