2024-09-03

チェンソーマン炎上

昔、「チェンソーマン」というアニメ炎上したことがあった。炎上と言ってもごくごく一部の人しか知らないのではないかと思うが、有り体に言えば原作ファンアニメ演出に不満を持った、という話だ。

アニメ作画は非常によかったし、ストーリー改変と呼べる部分もほとんどなかったので、自分としては何故批判されているのかがよく分からず、戸惑ったのを覚えている。

どうやら、アニメ演出アクションらしさに欠けあまりにも淡々としていたのがよくなかったようだ。

なんでも、その監督インタビューで、「アニメっぽくない、映画のようにしたい」と言ったらしく、その点が反感を買っていた。

監督アニメ私物化しており、よりにもよって原作付きの作品台無しにしてしまったというのだ。

しかし、私はこの点もよく分からなかった。

当時配信で見ていた私は、アニメのもの配信サイト評価も良く、再生数も多いのを知っていたし、切り抜きなどもよく回ってきた。

周囲で原作を読んでいる友達にも聞いたが評価は大体良かったと思う。

Blu-ray、いわゆる円盤の売れ行きが良くなかったそうなのだが、それも配信勢が多いならあまり関係ないだろう。

とにかく不思議であった。

いつしか監督諸悪の根源に仕立て上げられ、あだ名をつけられ、まとめ動画を作られたりして徹底的なバッシングを受けるようになった。

その中には制作会社であるMAPPA労働環境に対する非難や、内部告発じみたものまであった。

とにかく、何かとぐろを巻いていたものが一斉に暴れ出したような、何か祟りに触れたような、そんな感じで、炎上は瞬く間に広まっていったのだ。

私はその時どうしていたかというと、そんな状況に腹を立てていた。

そもそも監督なぞ制作会社下働きであり、いか原作が素晴らしかろうと重責をになっていようと、「駄作」を作ったごときバッシングされるべきとは思わなかったからだ。

それは大体のバッシングに同様のことが言えると思う。

バッシングそもそも個人攻撃目的とするものだが、個人攻撃して何かがよくなったことなどあったのだろうか?

責任者をというなら、監督を任命したMAPPA非難すればいいだろうと思う。

しかし、彼らはあくま監督個人攻撃すれば気が済むと考えているようだった。

私はこういったことは不正義だと思うが、炎上に参加した人間はそうは言わないだろう。

私たちの大切なものを汚された気持ちがわかるのか?」「不公正な扱いを受けて怒りを感じないのか?」と。

私は、そう思うならそもそも関係が壊れているのだ、と思う。

私たちの本当に大切なもの商業作品の中に見出すべきではない。商業作品私たちを楽しませてくれるが、決して対等に扱ってくれているわけではない。

かに、私にも大切な記憶として残っている商業作品がいくつもある。エヴァンゲリオン物語シリーズまどマギガルパン…数えればキリがないほどだ。

ただ、それらはすべて私に寄り添うために作られたのではなく、商業化するために世に出されたものだ。

アニメに限らない。ゲームも、アイドルも、VTuberもすべてそうだ。

商業作品から商業性を抜いたら、産業として成り立たなくなってしまう。

かにアニメは素晴らしいと思う。アニメから人生に大切な教訓を得たことも多い。

だが、それらは私たちに「供給」されている以上、私たちはそれを「消費」しなければいけない立場である

アニメチェンソーマンではそれに対する不満が爆発してしまった。

だが、駄作かどうかに関わらず、アニメとは最初からそういうものなのである

原作改変の例としてセクシー田中さん問題を持ち出す人もいるかもしれない。

一言言っておくが、原作を改変されて怒る権利があるのは原作である

いか原作者が権利関係で雁字搦めにされ、発言権がないからといって、第三者勝手に火をつけて回る権利はない。

その上で、義憤かられるというのなら、それはやはり原作者と自分を同一視しすぎである

万一、原作から直接、「あの改変はね…」と言われた方がいるのであれば謝っておく。

最後に。まとめ動画から情報を得るのはやめたほうが良い。あれに煽られると言うのは本当に自分品性を恥じるべきだ。

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