2024-01-01

被害者いじめ経験を美化するのを今すぐにやめろ

思い出す光景がふたつある

ひとつ小学1年生の時。

お昼休みマジックショーをやろうと思い立ち、図書館で借りたマジックの本を見ながら技を覚え、友達にも教え、立ち位置や発表順までを監督し、自作ポスター宣伝をしてクラスのみんなに見てもらっていた頃のこと。漫画を書いて友達に見せたり、画期的迷路を作って周りの席の子に回したり、独特の通貨を作ってそれがクラスでちょこっと流行ったりしていた頃のこと。手を挙げて合唱指揮者をしたり、習ってもないのに嘘をついてピアノ伴奏の役をもらい、泣きそうになりながら練習をしてなんとかなったりした頃のこと。

もうひとつは、中学2年生の時。

当時強く気にしていた自分容姿の一部についてを揶揄する言葉デカデカと黒板に書かれたり、何も事情を知らない教育実習中の若い男の先生を巻き込んで授業中に見た目についての悪口を全員に晒されてクスクス笑われたり、LINEグループameblo写真を回されたり、無視や仲間外れは普通にあり、とまあいわゆるイジメちゃんと受けていた頃のこと。じんわりと時間をかけながら、「目立つことややりたいことを主張するのは避けたほうがいいな」「人の目や評価を気にして上手に生きた方がいいな」と思うようになっていった頃のこと。「しゃしゃんなブス」とよく言われていた。「しゃしゃってはダメだな〜」とよく思うようになっていた。小学からの明るい自分が尾を引いて、親とか周囲に泣きつくキャラじゃなかったので(自分はそういうキャラじゃないと押し付けていたのは自分なのだけど)、自分気持ちに合う曲を歌詞で探してはそれを何度も聴きながら自分の部屋でよく泣いていた。そのような悦に浸っていたとも言えるのでちゃん中学2年生でもあったよ(ケツメイシとかサンボマスターとかSuperflyかにお世話になっていた、その節はありがとうございました)

本題に入ると、ここ数年の私は後半から人生が、つまりいじめ期後の人生が、今の自分を作っているように思っていた。人に気を遣ったり、組織や団体など周囲への奉仕行動をとることが多いのはなぜか?というようなことを就活自己分析で考えた時に思ったんだよ、

"過去いじめの辛い経験が、人の目を気にする、つまり人への想像力や立ち振る舞いを作り上げて、結果として良い経験になったんだ"とガチで思っていた。

結構マジで思っていてそれを誇らしいとすら思っていたのだけど、それが最近タンと音を立てて完全に違う考えに姿形を変えた!

いじめ経験は、本当に要らなかったと思う。だって言いたいこと、というかそんな考え方を持っているやつが言いそうなことって全部こうだ。

いじめは捉え方によっては良い経験にもなり得るので、今いじめられている人もいつかそれが経験に変わる日まで頑張ってください」だ。

馬鹿げている。イマジナリーマイベビー想像して、その子が同じ経験をした時に私は同じことを言うのだろうか?「考え方を変えてごらん」とか言うのか?そう我が子に説く時の私はどんな顔をしているんだろうか?

あの経験がなかったパラレルワールド人生自分想像してみる、想いを馳せてみる。

今の自分も一応好きなところはあるのだけど、そっちの自分はもうちょっと豪快で自信があり、面白いやつだったんじゃないかと期待なんかしてしまう。何か大胆なことをしたいと思う瞬間に必ず聞こえる「しゃしゃるとまた嫌われるよ」という声が、聞こえない人生だったんじゃないかって思うんだよ。

それはそれで困ったこともあっただろうな。うまくいかないことだって今以上にたくさんあるかもしれない。こんなふうにありもしない世界自分得体の知れない期待をしているが、それがアホらしいのもよく分かりながら書いている。

でもひとつ言えるのは、どっちの世界がどうだったなんてマジでからない以上、そんなたらればの話だけであんなクソクソクソ気持ち悪いイジメ経験意味のある経験だったんだなんて、あっても良かったなんて絶対絶対に思わなくていいってことだ。

もっと傷ついて良かった、不登校だってなってやっても良かった。大騒ぎにしてやってもよかったんだ。

別にこれで今から性格が変わるわけでもない。そして変えたいわけでもなく、いま自分自分なのはそれはそれでいいんだけど。

ただ、なんか訳もわからず立派な綺麗な箱にしまっちゃった思い出の蓋を開けて、「あれは本っ当にクソだったよなぁ?」と過去自分にひとことだけ言ってやれるようになった。いつか我が子や周囲に悪意ない言葉トドメを刺すかも知れなかった自分想像して少し胸を撫で下ろす。それだけ!

それぞれの乗り越え方を絶対否定しない。

けどいじめそれ自体マジでクソだ、クソだ、クソだって言い続けていかなきゃいけないと思うんだよ。

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